平成17年4月


4月30日(土)

●桜前線は北上を続け、ソメイヨシノの北海道開花は間もなく。五稜郭公園、函館公園…さらには松前公園など、ゴールデンウイーク中、函館・道南の桜の名所は大にぎわいしそうだが、今日の姿を生み出した裏に隠されているのは多くの人の努力▼その一人が浅利政俊さん(道教大函館校非常勤講師)。26日付本紙が伝えたように日本さくらの会が全国1350個人・団体の中から選んだ6人の桜守(さくらもり)に輝いたのも、その功績からして当然。松前公園とのかかわりで知られるが、今やその域を超えて…▼浅利さんが八重桜のルーツ解明や苗木の育成に取り組み始めたのは50年ほど前。熱意を買われ松前松城小勤務時代、教育植物園構想で桜の園づくりを依頼されたという。沖縄の緋寒桜をはじめ様々な桜について、その特性や生態の解明を行いながら、品種の改良を次々と▼こうして生み出した新しい品種は、実に105種類を数え、国内はもとより国外でも花を咲かせている。その浅利さんが終始一貫して持ち続けているのは「教育や研究のため」という思いであり、先日、市内の幼稚園で園児と植樹したのも、そうした姿勢の現れ▼桜は日本人を魅了してやまない。全国にはいわれのある桜が数多く、開花時期には一目見たさに訪れる人がどっと…。その光景を見るにつけ、桜は日本人の心を動かす文化という思いを実感する。守り、育て、支える人がいたからこそ味わえる喜びだが、今年もその楽しみの季節を迎えようとしている。(A)


4月29日(金)

●東京に行く時は飛行機? それともJR? と聞かれたら、ほとんどの人が飛行機と答えるに違いない。その最大の理由は時間。確かに飛行機なら乗っているのは1時間ほど、自宅を出て東京の目的地まではおおむね3時間を計算しておけばいい▼対するJRは、というと函館からの特急を八戸で新幹線に乗り換えて6時間。駅までの時間を足すと6時間半ほどになる。2倍の時間か、と思うが、ものは考えよう。かつて連絡船と合わせて15時間ほどかかったのが、今や6時間。多少でも時間に余裕があるなら許容範囲▼そう思って、つい最近、2回続けてJRを利用した。「スーパー白鳥」と東北新幹線「はやて」。列車の旅を苦にしないこともあるが、けっこう快適。八戸駅の乗り換えも5分ほどで可能だし、乗り心地もいい。さらに気に入ったのは、都心で乗降できる便利さである▼飛行機と違って大宮、上野、東京駅で乗り降りできる。特にいいのは函館に帰る際。同じ時間の出発時刻として、飛行機に比べ少なくとも1時間は長く都心にいれるのだから。運賃が安いこともあるが、乗降状況をみていると青森県内からの乗客がけっこう多かった▼青森市からでも4時間、それは飛行機との競争範囲内。新函館開業まで早ければ7年と言われる北海道新幹線。近く着工する。函館―東京間の計画所要時間は3時間50分。もちろん乗り換えもない。函館・道南で、空路と陸路の激しい競争時代を迎えるのは、そんな先の話ではない。(H)


4月28日(木)

●見慣れた電車がマンションに突っ込むなんて…。悲惨な映像に目を覆うばかり。尼崎市のJR福知山線で起きた快速電車の脱線事故。死者は100人を超えそう。前の駅でオーバーランした若い運転手が1分30秒の遅れを取り戻そうとしたがために…▼近畿圏の路線は私鉄との競合が激しく、競争に勝ち抜くためにJR西日本は定時運行やスピードアップに徹している。新幹線などが乗り入れる尼崎駅では、朝夕のラッシュ時に発着する電車の運転士は「遅れ」を1秒単位で自主報告しているという。安全運転より定時運行厳守が大事なのか▼若い運転士は1つ手前の駅を通過した時は遅れを30秒ばん回、そのまま100キロ超のスピードで70キロ制限のカーブを疾走した。伊丹駅を約40メートルもオーバーランしていたのに、車掌と口裏を合わせ「8メートルオーバー」と偽りの報告をしていた。重い処罰を恐れたのだろうか▼この若い運転士は3年前にオーバーランを防げなかったと訓告、2年前には乗客から居眠り運転が指摘され厳重注意、昨年は100メートルのオーバーランで訓告処分を受けている。26日には千歳線恵庭駅で快速列車が約60メートル通り過ぎた。運転士が停車駅であることを確認していなかったため▼同じ日、山陽線の駅で約2メートルオーバーしたことに、JR西日本社長の「人間のすることなので、時にはそういうこともあるかもしれない」は軽率な発言ではないか。人が何かを起こす時は7割以上が精神的な不安によるという。適性検査を強化し、最新の安全装置(ATSなど)の設置が急がれる。(M)


4月27日(水)

●4月30日は何の日? ゴールデンウイークの期間中ということもあってか、あまり知られていないが、実は図書館記念日。図書館法が公布されたのが1950(昭和25)年のこの日ということで、日本図書館協会が1971(昭和46)年に制定した▼雑学研究会編の「今日は何の日」によると、わが国における図書館の発祥は8世紀後半。奈良の石上宅嗣という人が自分の家に設けた「芸亭」と称する書斎を公開したのが始まり、と言われる。あまりに昔のことで「えっ、そんな時代に…」と感嘆するのみ▼そして今、全国にどのぐらいの数の図書館があるか、と言うと、2000年の段階で都道府県立66、市区立1570、町村立973など合わせて2639カ所。規模や利用度などはさまざまだが、現在の函館市図書館は、函館公園にあって、いかにも図書館といった佇(たたず)まい▼静かな雰囲気など素晴らしい環境にあるが、何分にも古く、狭い。交通の利便性という問題も抱え、お役御免も時代の要請というしかない。そして今、新しい中央図書館の建設中。場所は五稜郭公園に隣接した旧渡島支庁跡地。既に建物の外観が姿を現し始めている▼明るい雰囲気の中に、児童や青少年、障害者のコーナーも設けられ、くつろぎながら本と親しめる図書館がセールスポイント。完成は7月末で、その後、本格的準備に。20万冊を備え11月末の開館が予定されている。開館日は紛れもない函館市の新図書館記念日。その日があと半年ほどでやってくる。(A)


4月26日(火)

●この29日、滋賀県で新しい新聞が創刊される。「みんなの滋賀新聞」という題字が表すように、いわゆる県紙であり、発行形態は本紙同様、朝刊の単独紙。一昨年の9月に地元の経済人が会社を立ち上げ、1年半余り準備を重ねて待望の創刊に▼わが国の新聞は大きく全国紙、ブロック紙・地方紙、地域紙に分けられる。全国紙は北海道から沖縄まで全国に発行エリアを持つ新聞であり、地域紙は本紙など限られた地域で発行している新聞。県紙は青森で言うなら「東奥日報」などで、ほとんどの都道府県にある▼例外は滋賀県や和歌山県…。大阪、京都などに近過ぎる立地条件がそうさせている、とも言われるが、実際、滋賀県では全国紙3紙に中日、京都新聞を加えた5紙が“市場”としている。「県紙がないのは寂しい」「県紙がほしい」。そんな声が次第に表に出てきて…▼創刊待望論が具体化した例だが、他社と「みんなの滋賀新聞」の違うところは、輪転機を持たず、印刷を委託して発行すること。そのため締め切りを早くしなければならないなど紙面制作に制約はあるが、多額の初期投資を抑制できるという意味で、一つの創刊モデルケース▼創刊まであと数日。9年前の本紙創刊時が脳裏によみがえってくるが、恐らく社内は戦場のような雰囲気に違いない。地域に軸足を置いて地元のことを考える新聞が必要、よく聞く話だが、インターネット時代と言われる中、滋賀県でまた一つ新聞の挑戦が始まる。(H)


4月25日(月)

●目じりからウジが出入りした。「しっかりしろ」と手を握ると、かすかに握り返してくれた気がした。衛生兵がつぶやいた。「だめだよ。時間の問題だ」。男は翌日冷たくなった。名前は分からない。栄養が不足しヘビやカエルを食べた(毎日新聞)▼食糧難の小学生の頃、裏山でヘビを捕まえて焼いて食べたことを思い出す。戦後、シベリアに抑留された関東軍の兵士は約60万人。旧ソ連による大規模な拉致事件だ。うち北朝鮮に送られたのは4万7000人。先ほど、2万7000人の名簿をロシア軍事古文書館が提供した▼凍土の強制労働に耐えられなくなった病弱者が対象。ナホトカから船で。みんな「帰る日がくる春も来る〜」を口ずさんだ。近づく松林に、日本に帰れたと思ったら北朝鮮の清津港だった。工作船で拉致された横田めぐみさんらが着いた港だ。北部の各地の収容所を転々と移動させられた▼伝染病のコレラやジフテリアがまん延。薬などなく、衛生兵が下痢をした人に粉炭を飲ませていたという。極寒の地で数千人が命を落とした。「異国の丘」作曲した吉田正さんのように、シベリア抑留の体験記はけっこう知られているが、シベリアと北朝鮮へ「2度も捨てられた」体験は闇の中▼病弱者だっただけに、どんなに「生きたい。助けて」と叫んだことか。横田めぐみさんも拉致時間帯に「助けて」と悲鳴を上げている。北朝鮮に働きかけて、早く遺骨収集や墓参ができるようにしなければ。「薪もせど凍土は溶けず背は寒く 骨身けずりて墓穴を掘る」(新川龍)(M)


4月24日(日)

●台風、地震、火山の噴火…わが国ではここ十数年、大災害が続発している。阪神淡路大震災、北海道南西沖地震、有珠山、三宅島の噴火、中越地震をはじめ昨年の台風も含めると、容易に記憶が蘇ってくる災害だけでも軽く十指を数えるほど▼三宅島ではようやく帰島が始まったばかり。新潟県や福岡県では地震被災者が仮設住宅暮らしを強いられている。いつ何時地域や自分の身に降りかかってこないとも限らない。そうした危険と背中合わせで生活している、という話が真実味を増すほど毎年、幾つか起きている▼としたら、日常的に備えをしておこうという呼び掛けも当然。家庭(個人)はもちろん地域でも。ところが、これがなかなか難しいようで、函館でも10年ほど前から町会などに促してきた自主防災組織づくりからも、それがうかがえる。なかなか増えてこない▼3年前の段階で10組織程度ほどだったのが、徐々に広がる動きをみせてはいる。一昨年度は10組織、昨年度は8組織が誕生しているが、先日の本紙報道によると、なお34組織。世帯数当たりの組織率にして34・2%という。ちなみに全道は40%弱、全国では65%程度というから、まだまだ遅れている▼確かに、組織化すれば安心ということではない。問題はどう機能させるかだ、と話す人もいるし、災害時に頼りになる若者の地域活動離れといった現実もある。だが、例えそうだとしても、いざという時、情報の伝達や連絡などで、組織のあるなしは大きな差となるはず。「地域の防災対策は組織化から」。その説には一理ある。(A)


4月23日(土)

●少子化の影響はさまざまな形で表れているが、中学校の部活も然り。それは今月中旬、本紙のスポーツ面で3回にわたって連載された「岐路に立つ中学部活」からも読み取れる。その悩みの姿が函館・道南にも押し寄せている、ということを含めて▼確かにスポーツに視点を当てると、現実が分かりいい。学校ごとに指導者を抱える難しさは別問題として、チームを結成するだけの部員が集まらない事態が既に起きているというのだから。今でさえそうだとしたら将来的にはなお大変。深刻度は増すばかりである▼実際に減少している姿は中体連の参加数からも。函館市の昨年の参加生徒は4126人で、前年より210人、今から15年前の1989年に比べ2401人も減っている。この減り方は渡島中体連にしても同じ。これでは部活から消える種目が出てくる動きもうなずける▼一つの対策として隣接校で連携をとる道はある。連載では乙部と熊石第二の事例が報告されていたが、むしろ例外的。学校の統合ならまだしも、学校間となると、そう簡単な話でない。としたら模索すべき道は、“学校部活”から“地域部活”へ、とも思えてくる▼その試みは函館の陸上競技で始まっている。昨年生まれた千代台陸上スクール。中学校に陸上部が減少したのを受けての誕生だが、それによって将来性ある選手の発掘、成長の芽を伸ばす場は確保された。まさしく“地域部活”のモデルだが、それが主流になる日は遠からずやってくる、この連載が語りかけた真意はそこにある。(A)


4月22日(金)

●「成果主義」という言葉を聞いたことがあろう。ここ10年余り日本企業に導入され、脚光を浴びた人事管理制度。その字が表す通り「仕事で成果を挙げた人をより処遇する」という考え方で、確かに合理的だが、運用となると難しいようで…▼わが国の人事制度として培われてきたのが、学歴優遇の年功序列。大学卒が重用され、管理職になる出世、給料などの昇給もおおむね勤務年数に応じて、という考え方。今なお根強いが、それは競争意識を削ぎ、無気力な体質を生む、とされ、代わって登場したのが成果主義▼あらかじめ半年、1年の目標を申告させ、その到達度を判定する、という手法が多いが、実は落とし穴が。目標がすべて短期になり、その間に成果を挙げられる申告になりがちなほか、成果や評価の判定に対する客観性。不満やストレスを生み出している、との指摘も少なくない▼導入企業の8割強が、社員の間で受け入れられていないと答えたという調査結果もあったが、最近も「必ずしも成果を生み出していない、評価の判定が難しい」といった問題が報告されている。そこに浮かび上がるのは、導入に値する企業土壌がなければ、という現実▼素晴らしい目標を掲げ、その達成に全員が能力を発揮することで業績は上がる。机上では言えるが、現場での応用となると…。評価は常に不満との背中合わせであり、時として感情も交錯する。成果が数字で表われにくい業種ではなおさらのこと。真の社内合意がなければ…。「成果主義」はそうそう簡単でない。(N)


4月21日(木)

●夜景は観光の命綱…。歴史的建造物群をはじめ、港町のたたずまいが旅情を誘う、とも言われる函館だが、鍵を握っているのは夜景。本欄でも再三、触れてきたが、例え一泊でも夜景があればこそ滞在型が維持されている、それは紛れもない現実▼「昔はもっと明るかった」。その夜景を支える“街の光”が衰えてきたと指摘されるようになって久しい。10年ほど前から、街路灯を工夫するとか対策を考えるべき、などと提言する声はあったが、函館市が診断調査を行うなど具体的な動きになったのはここ1、2年▼「五稜郭地区は明るくなって、西部地区が暗く見える」「景観照明設備の劣化もうかがえる」。診断結果から浮かび上がった姿だが、真下に位置する西部地区の照度が落ちていることは確か。それをどうカバーしていくか、この報告を受けて函館市が具体的な対策に乗り出すことに▼第一弾として今年度は伝統的建造物のライトアップを含め西部地区の調査を。その候補に挙げられているのが、弥生小や旧西警察署庁舎をはじめ、民家を含めた11カ所。ライトアップする場合の問題点の検証や考えられる取り組みに専門家の判断を仰ぐという▼本紙の取材に函館市観光振興室は「世界一の夜景をさらに美しく磨きをかけて…」と答えている。そのために必要なのは“街の光”が大事という共通認識を広げることであり、その思い、取り組みを継続していくこと。今からでも遅くはない。それに値するだけの財産価値が夜景にはあるのだから。(A)


4月20日(水)

●定職に就きたいか否か、拘束されることが嫌いという風潮があるにせよ、あらためて聞かれると、肯定的な答えが多いはず。それは若い人たちの間でも。非正社員の約7割が正社員として働きたいと回答した調査結果などが、それを裏づけている▼官民を問わず、わが国では長年「終身雇用」「年功序列」が幅を利かせてきた。就職は定年まで勤めることを意味し、可もなく不可もなく働けば、それなりの処遇が受けられ、賃金も上がる、と。日本型雇用慣行という表現もあるが、徐々に疑問の目が向けられるようになって▼年齢に関係なく実績は評価されるべき、転職も個人の意思。その思いは能力主義という言葉に凝縮されているが、それを具現化するシステムとして成果主義が急速に広まった。その問題点については、昨日の本欄で取り上げたところだが、なかなか難しい▼その表れか、一時期、落ち込んだ「終身雇用」「年功序列」の支持が再び盛り返す動き。独立行政法人の労働政策研究・研修機構が昨年秋に行ったアンケート調査結果にも、それがうかがえる。20歳代男子でも「終身雇用」の支持は3人に2人の64%。「年功序列」も52%…▼2年前の調査に比べ、いずれも増加している。その背景にうかがえるのは雇用不安だが、自己防衛の意識の表れ、という見方とともに「安定志向の若年化現象」と指摘する識者も。人間の心理は時代や環境によって揺れ動くものであり、この結果も“今”の思い。固定的に考える必要はない、そう受け止めると分かりいい。(N)


4月19日(火)

●「住民参加」。この地方自治の原点が揺らいでいる、と言われて久しい。行政主導、行政依存が根強い、ということだが、大なり小なりどこの自治体も抱える悩み。住民の意識問題と言って答えが出ることでない。としたら、行政から問いかけを…▼そんな事例は全国的に結構ある。行政・企業・住民のパートナーシップで環境対策を進めるグランドワーク、公園などの造成プランを検討するといったワークショップに多いが、住民参加はそればかりでない。その一つとして、例えば江差町の試みも注目に値する▼ちょっとした知恵だが、「江差いにしえ街道」のオープンフェアのPRに当たって。いわば絵はがき作戦だが、4枚の絵はがきを4700世帯に配布、それを町外の知人らに発送してもらうという試みだ。それ自体も新鮮だが、注目すべきは発送して終わりでない点▼絵はがきを受け取った人には、ぜひとも足を運んでもらいたいし、実際にどれだけの人が来てくれたかも知りたい。この二つを満たす術として江差町が考えたのが、受け取った絵はがきを持参して訪れた人に、それと新しい4枚セットを引き換えるというアイデア▼この“作戦”は、言い方を換えると、住民も一翼を担うべき、という提起。自分たちの町である。多くの人に知ってもらい、足を運んでもらえれば。その努力をみんなでしようよ、ということである。絵はがきだから書くのも大した労力でない、時間がかかることでもない。1枚でも多く…。その試みは既に始まっている。(A)


4月18日(月)

●中国各地で毎週のように繰り広げられる反日デモ。「罪に服して反省する者は重罪でも釈放するが、言い逃れようとする者は微罪でも処罰する。善行はどんなに小さくとも必ず賞し、悪はどんなに小さくとも必ず罰する」。三国志の名軍師・諸葛孔明は公平無私だった▼中国のインターネット人口は1億人。限られた情報しか流さない中国のメディアの中で、反日サイトはデモを呼びかける唯一の言論特区。手引には「トマトと卵、小泉(純一郎)肖像、ライター、日本国旗などを持ってくる。運動靴着用。日本製品ボイコット」とある▼北京、上海などの大規模デモに参加したのは愛国と反日教育が表裏一体となった歴史教育を受けた世代。反日デモに紛れ込んだ日本人記者は「日本の対中ODAを含む国際社会への寄与や、国連分担金比率の高さも知らず、日本が核武装していると思っている者さえいた」という▼「お巡りが見ている時は物を投げず、見ていなければ投げよう。発見されたら笑ってごまかそう」と日本大使館や領事館スーパーに大量の石やペットボトルを投げる光景は石投げゲームでも楽しむかのよう。「責任は日本にある」という中国政府は暴動化を黙認しているようだ▼首相の靖国参拝、歴史教科書、ガス田、領土などに加え、格差拡大など中国政府への不満も充満している。しかし、デモで国を愛していれば多少のことは許されるという「愛国無罪」を叫び破壊活動することが正しい歴史教育だろうか。「小さな悪でも必ず罰せられる」という諸葛孔明の教えをかみしめよう。(M)


4月17日(日)

●凶悪事件が続発しているのだから当然といえば当然。そう思われる国民意識が、内閣府の社会意識に関する世論調査で明らかに。今のわが国で悪い方に向かっていると思われる分野として、最も多く挙げられたのが「治安」。しかも、この1年で大幅に増えて▼治安の良さはわが国が世界に誇れることの一つだった。まだ過去形にするのは早いのかもしれないが、少年犯罪の増加なども含め、その“安全神話”が崩れかかっている。「いままでと違う」。そんな意識変化は昨年の特別世論調査(内閣府)からもうかがえたが…▼わが国を安全・安心な国だと思うと答えた人が39%だったのに対し、そうでないと否定的に答えた人が56%。今回の調査結果と符合するが、実際に昨年まで、わが国が悪い方向に向かっている、の答えで多かったのは「景気」「雇用・労働条件」、そして「治安」の順だった▼この設問は、心配されること、と言い換えることができるが、今回は「治安」が48%で最多。深刻に受け止めるべきは、この率ばかりでない。わずか1年の昨年との比較で8・4ポイントも増えているのだ。当然ながら「国の誇り」でも、治安は10年ほど前の50%から18%に▼「景気」「雇用・労働条件」が昨年より減少したから、数字上「治安」が増えた、ということではない。そこに浮かび上がるのは「社会不安が増大しているとの思いが広がっている」という姿。それに国はどう答えようとしているのか。この調査結果はそのメッセージにほかならない。(N)


4月16日(土)

●市政「はこだて」を手にとって「えっ」と思うことは、あまりないが、4月号は別だった。市民アンケート調査の、特に市民意識についての部分で。本当にそう思っているのか、と聞き返したいほど多くの人が「公共マナーが悪いと感じている」というのだから▼この種の調査を行うと、そうだ、と受け止める人もいれば、そんなことはない、と反論する人もいよう。ただし結果は結果。しっかりと受け止める必要がある。公共マナーに関し、これだけ厳しい声があったのだから▼何せ「良い」「大変良い」と答えた人はわずか1・7%、50人に1人でしかない。逆に「悪い」は53・7%と半数を超え、さらに「大変悪い」の14・2%を足すと67・9%も。確かに、どうですか、聞かれたら、悪い点が頭に浮かんで、ということもあろうが、それにしても…▼一言で表現してもらった「市民性」の答えにも厳しさがのぞく。「消極的」「やさしい」「楽観的」「いいかげん」などを抑えて、最も多かったのが「自己中心的」。さすがに動揺してくるが、「公共マナーなどを見つめ直すきっかけ」と考えたら、もたらす意義は大きい▼ちなみに「悪い」と思われている公共マナーは、上位から順に「ごみなどの投げ捨てが多い」「違法駐車など交通ルールを守らない」「車の運転が乱暴」「ペットの放し飼いやフンの後始末」「公共の場所での喫煙や携帯電話の使用」。どうだろうか、思い当たる節は…。気をつけたいものである。(H)


4月15日(金)

●「教会に遊びに行こう。お菓子が食べられる」。信者の少女たちを使って、同世代の女児や女生徒を教会に誘わせていた。少女に乱暴したとして逮捕された京都府八幡市の聖神中央教会の牧師・金保容疑者。被害者は30人以上ともいわれる▼キリスト教や仏教などの聖職者は性的に清廉であることは当然。この牧師が信者に性的暴行を始めたのは14年前から。当初は成人女性が対象だったが、徐々に低年齢化、逆らうことがない少女が狙われるように。聖歌隊のメンバーには美少女ばかりを集めたという▼3年前、少年に性的いたずらを繰り返していた米国ボストンのカトリック神父に禁固10年の有罪判決が言い渡された(刑務所内で服役者によって絞殺される)。この時の被害者は130人以上に上った。その後、他の聖職者による性的虐待も相次いで発覚し、米国の宗教史上最大の不祥事になった▼金容疑者は自らをパウロと名乗り、アトピー性皮膚炎の信者には「信仰が足りないから治らない」と説教、治ってもいないのに「治った」と言わなければ地獄におちる、と脅しいた。教会の中に6台の監視カメラを設置、少女を物色していた。少女たちに疑われずに近づこうと牧師の道を選んだのなら、とんだ聖職者だ▼サンピエトロ大聖堂の地下に眠るヨハネ・パウロ2世は「神を冒とくするものだ」と怒っている。改正された宗教法人法では、福祉を害するような悪質な宗教団体には解散命令を申し立てることもできる。同教会の実態解明を急ぎ、子どもたちを悪魔の手から守ってやらなければ。(M)


4月14日(木)

●6900人もの削減が可能という。どこの話かと言うと、今、厳しい目が向けられている社会保険庁。正規、非常勤合わせて2万8800人というのも驚きだが、24%減らせるというのはさらなる驚き。自らはじき出し、認めた人数である▼行財政改革が叫ばれて久しい。省庁の統廃合など上辺の看板は塗り替えられたが、中身となると。多少のことはしている、といった程度で、残念ながら抜本的と映るような改革の姿は伝わってこない。依然として組織の温存意識は根強く、職員数の削減もまだまだ▼年金を所管する社会保険庁にしても然り。運用の失敗など、ずさんな管理、非効率な組織運営ぶりは再三、指摘されてきたところ。長年のつけ、そこには政治の責任もあるが、年々、未納が拡大して、今、まさに組織運営の効率化と未納対策を問われている▼職員も大変だが、現実を踏まえ大事なのは、今後どう改善していくかということであり、この職員数問題もその一つ。毎日新聞などの報道によると、政管健保業務に3700人を移行、さらに相談業務の民間委託、システムの刷新などによって年金業務は6900人少なくても運営できる、と▼人数分の経費がそのまま軽減されるわけではないし、職員の処遇問題もある。削減は必要だが、現実を踏まえた組織の見直しが伴わなければ、机上の論理の域を出ない。未納対策に多くを配置することもそうだが、まずは変わったと伝わる姿を示すこと。国民の新たな理解を得る近道はほかにない。(N)


4月13日(水)

●目しょぼしょぼ、鼻はぐずぐず、見るも気の毒な花粉症。強風で薄く黄色い花粉が舞い上がる。本紙1面に載った函館山を包むスギ花粉飛散の写真を見て、びっくりした。群馬県では上る赤茶色の煙を山火事と誤認し、消防車が出動する騒ぎもあった▼人間の免疫が花粉を危険なものと判断し、防御しようと抗体を作って過剰に反応することから起きるのが花粉症。昔はなかったが、日本では32年前に日光のスギから初めて確認された。最近は都市に多く、花粉だけではなく、粘膜を過敏にする排ガス、ストレスなども絡んでいるようだ▼戦後の復興期に植えられ、適齢期に成長したスギは、すっかり悪玉扱い。花粉症による医療費は年間2000億円を超え、症状に悩まされることによる労働損失は600億円とも。1〜3月の個人消費は前年に比べ7550億円減って、国民総生産を0・6ポイント押し下げるという▼スギ花粉は北海道では道南だけ。全国的には昨夏の猛暑の余波で今年は平年の2、3倍、過去最高が予想されている。スギのない十勝管内上士幌町が先月下旬に企画した「花粉症ツアー」には全国から定員の30倍近くが応募。森林浴や温泉入浴、癒やしなどを満喫した▼食べると花粉症の症状緩和に効果がある「スギ花粉症緩和米」が開発された。サプリメント、お茶飲料に使われる乳酸菌が花粉症に効くことも確認され、食品・飲料メーカーが相次いで新商品を出している。函館・道南の花粉飛散は今、ピークを迎えている。(M)


4月12日(火)

●この20年余り増え続けている単身赴任。官民の大異動期を終えて、新たに単身のスタートを切った人も多いに違いない。サラリーマンにとって何年かに一度の異動は宿命。それも勤務地が変わる転勤となると、家庭の問題も複雑に絡んでくる▼特に30歳代後半ともなると、子どもの学校や持ち家の問題などを抱える。結局は「数年間なら単身で」ということに落ち着いて…。その単身赴任が今や珍しいことではなくなって、もちろん函館でも。厳密なデータはないが、全国で軽く50万人を超していると言われる▼家族と離れた生活は大変。中でも言われるのは食事。「ヤボ用と 早めに帰る 特売日」「コンビニで 初めて知った 妻の味」。単身赴任川柳の入賞作品でも多いのは、家族と離れた寂しさの次が食事。自炊の決意も仕事で遅くなれば揺らぎ、面倒にもなって次第に薄らいで…▼確かに出来合いの食品が氾濫(はんらん)している。買ってきて温めれば、食べるだけなら不自由はない時代だが、よく指摘されるように栄養のバランスは黄信号。広島市にある中電病院の医師らが先日、発表した調査の結果は、憂慮される現実を浮かび上がらせている▼30歳、40歳代の高血圧を調査したものだが、それによると、30歳代では家族との同居者に比べて単身赴任や独身男性の高血圧の割合は何と3・6倍、健康に注意し始める40歳代でも1・5倍だったという。これも自己責任か。気をつけよう、健康診断も忘れずに。この話を警告と受け止めて。(H)


4月11日(月)

●植物が冬眠からさめる早春前線が北海道を抜けると、待ちに待ったサクラ前線だ。同時にスギ花粉の飛散が始まり、本紙にも掲載されたが、函館でも8日には大規模に観測された。そんな中、函館公園のサクラの芽が例年に増して野鳥に食い荒らされたという▼サクラがパッと一斉に開花するのは、花粉を運ぶ虫を引きつけるのに効果があるからだという。特にソメイヨシノは気温が7度ほどの日が一定期間続くと、スプラウト(新芽)が休眠から覚める。函館山の野鳥にとって、つぼみが生長する前の新芽は冬の格好のエサ▼函館公園のサクラは公園が出来た12年後の114年前に近くに住む住民が寄贈したのが始まり。今ではソメイヨシノ500本、ヤエザクラ70本、シダレザクラ1本などがある。1世紀もたった古木が多いうえ、毎年、懸念されるのが台風による塩害▼公園に近い函館山では、昨年秋の台風で倒木があり、今冬の大雪で野鳥のエサが少なくなって…。公園のサクラに目をつけたのが、1、2月にかけ津軽海峡から函館山に渡って来るウソ。毎年来ているが、今年はとりわけ多く函館公園まで降りて来ていたといい、食べられた新芽は3分の2にも。かと言って、函館山は特別鳥獣保護区で駆除もできない▼400年前、豊臣秀吉が花見に使った「しだれ桜」がクローン技術で再生、京都の寺院で開花した。函館公園の古木も何とか治療して開花を続けさせたいが、「さまざまな要因でサクラの管理が難しくなっている」(道鳥獣保護員の小松俊男さん)のも確か。あと3週間ほどで開花時期を迎える。「夕桜 みて温泉へ いそぎけり」(はこだて観光俳句入選作)(M)


4月10日(日)

●食事の大切さは今さら言うまでもない。とりわけ成長期の子どもについては…。理由など説明するまでもない常識だが、現実は必ずしも常識通りとはなっていないようで。栄養バランスや食事の取り方など“食”は乱れ、今や食育が必要な時代…▼食事が家族団らんの象徴的な光景というのは過去の話か、独身女性の“おひとりさま”とも違うが、いまや一人で食べる個食が不思議でない時代。それが徐々に子どもにも広がって…。「誰かと一緒よりは一人の方が」という子どもがいるなど、食が抱える問題の根は深い▼そんな姿を裏付ける調査結果も数多い。多角的に考察し、啓もうしている組織に朝ごはん実行委員会(東京)があるが、3月にも興味深いデータを発表している。例えばごはん派、パン派を比較した小学生の好きな授業科目調査。体育や音楽、図工が好きなのはパン派に多く…▼理科、家庭、社会はごはん派なんだと。これはまぁ面白い結果と笑い飛ばせるが、そうでないのが朝食抜きの時の理由。子どもはともかく、驚くのは母親の答え。「子どもが時間はないと言うから」「朝食を用意していないから」「子どもが食べるより寝ていたいと言うから」▼早寝をさせ、朝は食事を取らせて学校へ、と習慣づけるのは親の責任のはずなのに、そこから浮かび上がるのは子ども任せの姿であり、親の主体性の欠如。信じたくはないし、例えあってもごくまれな例と思いたいが、かなり高い率で示されると…。食育は母親から、という指摘にもうなずくしかない。(N)


4月9日(土)

●「函館にもすごい野球チームがあるんだ」。本紙の新年号第5部を読んで、改めて思い出し、または新たな認識を持った人が多かったに違いない。そのチームは函館太洋(オーシャン)倶楽部。胸を張っていい、今も息づくわが国社会人野球の第一号である▼その函館太洋倶楽部が誕生したのは1907(明治40)年。歴史を積み重ねること間もなく100年。その秘話は「函館市史」の通説編第四巻に記されているが、弥生小学校に赴任した下河原清という先生が同窓生に働きかけて結成したのが始まり、と言われる▼当初は試合の相手が少なく、アメリカ艦隊が入港した際に交歓大会をこなしたことなどが伝えられているが、各地にチームが増えるにつれ「函館に強豪あり」と語らせるチームに。都市対抗野球が始まった翌年の1928(昭和3)年からは15回連続して全国大会に▼そして1942(昭和17)年の明治神宮国民鍛錬大会秋季大会では全国優勝。このころはプロとも互角に試合ができる実力を持ち、実際、プロにも選手を送り出し、久慈次郎という歴史に名を残す選手も輩出した。しかし、プロ、実業団(企業)が勢力を強めてきて…▼クラブチームを取り巻く環境は難しくなるばかりに。運営資金や選手の確保などに厳しさが増し、チームの維持は今も楽でないと聞くが、支えているのは100年の重みであり、その灯を消すな、という思い。「函館にこんなに素晴らしい野球チームがある」。市民として誇りに思いたいし、さらなる健闘を祈りたい。間もなく球春を迎える。(A)


4月8日(金)

●日本語が乱れている。よく言われることで、識者の間からも使い方の間違いや読解力の低下などが指摘される。いわば国語力の問題だが、敬語の使い分けなどをはじめとする日常会話もさることながら、その危機感は戸惑いを伴って教育の現場にも▼国語の理解は学ぶ上での基本。その国語力とは、文法や文学史の知識ではなく読みとる、表現する力。「日本語を理解し考える力」とも言える。ところが、現実には漢字の読み書きばかりか文章を理解する能力が落ちてきている、と。理由も幾つか挙げられている▼例えば子どもの読書量が減少したこと、カタカナ用語が急速に増えてきたこと、など。「このままでは…」。国も対応に乗り出し、昨年2月、諮問を受けた文化審議会は「これからの時代に求められる国語力について」を答申。国語教育、読書活動のあり方を提言している▼ただ、専門家の立場から全国規模で行った実態調査となると、久しくない。一説には幅広い世代を対象にした大規模な調査となれば、1955(昭和30)年が最後と言われ、改めて実態の掌握が必要と提起されるのもそれ故。国立国語研究所(独立行政法人)が手を挙げた▼言わずと知れた外来語の言い換え提案など国語研究の代表的な機関。年始めの本紙は「日本人の国語力」をうたった全国調査を行う方針を固めた、と伝えている。今秋までに方法や内容などを詰めて、調査は早ければ来年にも。単純に比較はできないが、力は低下している、との答えだけは容易に予想できる。(H)


4月7日(木)

●函館と韓国・釜山の間に定期コンテナ船の就航が決まった。8日に調印するということだが、函館にとっては悲願実現の明るく、うれしい話。港の活性化はもちろん産業振興の面で、将来への起爆剤にできるかどうかを占うに値する就航とも言える▼函館港には天然の良港という別名がある。津軽海峡の荒海から船を守るように形成され、函館の発展は船、港を切り離して語れない。しかし、青函連絡船の終航後は、大型船が接岸可能な水深の岸壁整備が遅れたこともあって、いま一つ活況を失ってきた▼港町ふ頭が完成したが、この間に時代の主流である大型コンテナ船は苫小牧や石狩湾などへ。函館でも他港を使ってきた企業があるはずだが、実は当社も。創刊時、公になった事情から、この8年余、海外に求めている新聞用紙は苫小牧で陸揚げした後、函館まで陸送している▼この韓国との定期コンテナ船の就航によって、直接、函館での陸揚げが現実味を帯びてきた。本紙が報じたところによると、就航するのはコンテナ(20フィート)700本を積載する7000トン級の船。釜山、苫小牧、八戸、函館をコースとし、週1回寄港するという▼函館市が長年続けているポートセールスの成果だが、将来を見据えた港の新たな活性化への取り組み、となれば、これから。諸施設の整備はあくまでもお膳立てであり、鍵を握るのはむしろその後の利活用。「いかにして荷の取り扱いを増やしていくか」。このテーマにすべて凝縮されている。(N)


4月6日(水)

●地域と大学の距離がかなり近づいてきた。もちろん函館での話である。「市と道教大が相互協力協定を締結 文化、学術、地域振興分野で」「大学、短大、高専8機関と市連携 合同公開講座開講も」。最近の本紙記事の見出しからも伝わってくる▼「産学官」の連携という言葉は、よく耳にする。函館でも取り組みが進んでいるが、それは産業振興面に重きが置かれた意味合い。視点をさらに地域振興全体に広げて、というのが新たな流れで、道内でも先進例がある生涯学習面での連携などが考えられるところ▼例えば十勝の音更町。町の生涯学習推進本部と帯広大谷短大の生涯学習センターが2002(平成14)年に立ち上げたオープンカレッジがそれ。大学は地域の理解を得られる、町は町民の学ぶ機会を確保できる、というメリットが。1期8講座前後で、軌道に乗っている▼函館大学、函館大谷短大などもそうだが、近年、市民向けの公開講座に積極的。地域(行政)との連携はさらに厚みが加わり、それが幾つかの大学、機関が連携することで、いっそう強固なものになる。地域は大歓迎、大学側にも意義があるとしたら構えていることはない▼函館市と道教大函館校は7日に相互協力協定を結ぶ。また、函館市と8機関との相互連携は今年度からスタートする。とは言っても、まだ入り口の段階であり、いきなり成果を求めることはない。大事なのは、時間をかけて、着実に連携、協力の輪を広げていくこと。「地学官」の連携の行方に期待が膨らむ。(A)


4月5日(火)

●街中から雪が消えるのを待っていたかのように、自転車が目立ち始めた。これも春の到来を感じさせる風情。乗っている人の姿も何となく颯爽(さっそう)と、気持ち良さそうに映るが、同時に頭を過ぎるのが「くれぐれも注意を」という思い▼自転車は子どもからお年寄りまで、最も身近で便利な環境にやさしい交通手段。通勤・通学の足として欠かせない存在だが、常に危険と背中合わせという一面も。かなりの速度を出せる一方、身を守る点は弱いから。くれぐれも注意を、と叫ばれる理由もそこにある▼車を運転していて、自転車に乗っていて、直接でないまでも「危ない」と感じた場面に出くわした経験を持つ人は少なくないはず。全国的にだが、死亡する人は減っていないし、けがをした人となると、かなりの人数に。時として被害者でなく加害者にもなってしまう▼自転車と言えども乗っている時は道路交通法の適用を受ける、誰もが知っているべき知識だが、現実にはあまり認識されていない。その結果として事故が増えているとしたら、放ってはおけない。警察が指導に腰を上げて当然、警察庁は昨年、その強化を打ち出した▼6日から春の全国交通安全運動が始まる。その重点項目に北海道が掲げた一つが、自転車の安全利用の推進。「やりません とび出し 手ばなし 二人乗り」。これは今年の交通安全ポスターのコピーだが、せめてこの3点だけでも忘れないように。事故を起こし、けがをしてから後悔しても遅いのだから。(H)


4月4日(月)

●「神の名をもって殺すなかれ」。128カ国を訪れ平和を訴え続けたローマ法王ヨハネ・パウロ2世が「天への扉が開かれた。アーメン」の言葉を残して死去した。パーキンソン病とインフルエンザと闘ったが、10億を超すカトリック教徒のロザリオの祈りは届かなった▼「私は平和の巡礼者として日本に来ました。戦争は人間の仕業です。戦争は人間の命を奪います」「被爆の生き証人であるあなたがたの存在こそ、すべての人に対する最も強い平和推進のアピールです」。24年前、広島、長崎を訪れた時、原爆慰霊碑の前にひざまずき祈った▼テロや大量破壊兵器の保有などをめぐりアメリカがイラクへの報復を計画していた時、法王は「報復は報復を呼ぶ。本当の平和は戦争では来ない」とイラク侵攻を止めようとした。5年前にはエルサレムを訪れ、イスラエルとパレスチナに紛争を続ける愚かさを訴え、対立する宗教の対話をうながした▼ヨハネ・パウロ2世回勅は「静かに死を迎えさせてほしいと望む時には無意味な延命措置をする必要はなく、死期を早めることになっても通常の看護だけに限ってもよい」とうたっている。心肺機能の補助装置だけ付けた法王が先月末の復活祭で発したのは「ゼーゼー」という呼吸音だけだった▼サンピエトロ広場に大勢の若者が集まったことを知らされ「私はあなたたちを求めてきた。今、あなたたちは私のもとへ来た。ありがとう」と繰り返したという。世界を駆け回った「空飛ぶ聖座」は、その痛々しい姿から「戦争のない平和な世界を築くことが老若男女問わず人間の使命であること」を示された。(M)


4月3日(日)

●国民の国家公務員に対する信頼が揺らいでいる。職員の不祥事や年金問題での責任逃れ、実感が伝わってこない組織改革などに起因した評価と推察されるが、それにしても人事院の調査で「全面的に信頼感を持っている」と答えた人がわずか12%とは▼ちょっと固い表現だが、公務員とは国民全体に奉仕するため国や地方公共団体の公務に従事する人。中央省庁の受験者が答えた公務員像も「安い給与で、休暇等もとれず…。だが、責任のある仕事で、身分の安定と社会的ステータスが伴っている」となっている▼安い給与、休暇もとれず、には抵抗を感じる向きもあろうが、少なくても職員になる前には「公のために働く社会的評価の高い仕事」という認識があるということ。そういう人たちばかりのはずなのに、この人事院の調査結果が投げかけたのは「そうかな」という疑問符▼世の中にはわずかなほころびが大きな破れになることが多々ある。公務員の不祥事などはその類。組織規模や人数から推して極めて一部でも、ほころびとして扱ってはもらえない。裏を返すと、受験者の答えの通り、それだけ社会的使命を担っているということである▼よく言われる。信頼は、崩すのは簡単だが、回復するのは大変、だと。今まさに、その大変な局面とも言えるが、救いは53%が「不信は必ずしも全面的でない」と答えていること。それを「全面的に…」と持っていくには、変わった、変わってきているという姿を見える形で示すこと以外にない。(N)


4月2日(土)

●函館の建造物にまた一つ勲章が加わった。その建造物は「笹流ダム」。財団法人ダム水源地環境整備センターが企画した“ダム湖百選”に選ばれた。豊平峡ダム(札幌)、金山ダム(南富良野)など道内で5つ、全国で65のダム湖が認定された第1号として▼住民の生活を守り、上水道の水源、電力の供給などダム湖が与えてくれる恩恵は大。行楽地として地域に貢献している所も多い。「さらに理解を広げてもらうきっかけに」という趣旨で生まれたのが、この“ダム湖百選”。全国の市町村から165件の応募が寄せられた▼認定された中には黒部ダム(富山)、佐久間ダム(静岡)など知名度の高いダムも含まれているが、「笹流ダム」は選定基準の景観、歴史的価値、学習利用など、ほとんどの項目に該当してのお墨付き。土木学会選奨の土木遺産(2001年)に続く全国評価となった▼果たしている最大の役割は市民の水がめだが、前庭は樹木と芝生に包まれ、春は桜、秋は紅葉で人気。街の中心部に近く、赤川の水源地とも呼ばれ、親しまれている。訪れたことのある人は多いはずだが、その歴史は大正年代にさかのぼり、竣工は1923(大正12)年…▼しかも、工法も珍しく、わが国初のバットレスダム(水をせき止めるためのコンクリート壁とそれを支える擁壁から成るダム)。専門家の間で特筆されるゆえんもそこにあるが、竣工から60年ほど経った1984(昭和59)年に補修改築されて今日に。価値ある都市財産。今年も間もなく歓声がこだまする時期を迎える。(H)


4月1日(金)

●毎年ながら4月は新鮮な気持ちを抱かせる。雪、寒さ、日の短さなど、いわゆる冬のとばりから解放されるから。北海道では“春めいて”という言葉にふさわしい季節であり、加えて世の中の動きも…。入園、入学、進級、進学、入社など学校、企業も華やいで映る▼それもそのはず4月は新たな会計年度がスタートする、いわば区切りの月。したがって制度の改定なども多く、中には生活に関係し「知っておかなければ」ということも。今年で例を挙げるならペイオフ(預金保険制度)の本格実施であり、個人情報保護法の施行▼かなり前から啓蒙されてきたが、いよいよ…。資産の問題だけに認知度が高いと言われるが、ペイオフは金融機関が破たんした時などの預金保護規定。「定期預金や利息のつく普通預金などの場合、預金者1人当たり元本1000万円とその利息しか保護されない」▼もう一つの個人情報保護法は、いわば個人の権利利益を守るための法律。行政機関や企業は大量の個人情報をネットワーク管理しているが、ひとたび流出すると、大変な被害が生じかねない。現実に流出事件は増えており、いわば管理責任を問う今の時代が求めた法…▼改定と言えば年金や税制も。この二つは歓迎されない改定が多く、負担増という言葉がつきまとうが、例えば国民年金の定額保険料(毎年月額280円増)、個人所得税などの定率減税(年度中の来年1月から半分の10%に)にしてもしかり。せめて…。「景気の回復が実感できる年度に」と願いたい。(H)


戻る