平成18年2月

 


2月28日(火)

●勝者を祝う戴冠式。オリンピア競技のウイナーには月桂樹の葉を連ねたものが贈られる。女王の頭上に輝くのは太陽の光線を思わせる黄金の冠「ティアラ」(髪飾り)か。「ディアデマ」と名付けられたティアラがトリノ五輪最終日、氷上の女王の荒川静香選手に贈られた▼ディアデマは古代ギリシア語で「リボン」を意味する。トリノ市などが女性フィギュアの女王にだけプレゼントするために制作。5本の金の細い帯に氷をイメージしたダイヤがちりばめられていた。女子学生がデザインし、バレンツァの金細工職人が仕上げたという▼「素晴らしいものをいただいて最高に幸せ」。荒川選手にとって、金メダル以上にうれしかったのではないか。結果的に日本選手団のメダルは金1つだけ。「あと一歩」もあったが、入賞は21で、ソルトレークシティー大会(27)、長野大会(33)を下回り、前評判とはほど遠かった▼さまざまな指摘がある。例えば、ワールドカップで好成績を残していたスノーボードの若手が惨敗。賞金を稼げる大会を主戦場とする米国の一流選手はワールドカップには出場しないという。他国の力量分析や選手選考の見通しが甘かったことなどはその一つ。一方、選手の方も「五輪を楽しみました」では…▼ふがいない成績なら「悔しい」と氷雪をたたくべきではないか。そんな中、伝わってくるものがあったのは、メダルを逃した村主章枝選手の姿勢。大きな目に涙をためて、次の五輪を目指す言葉を口にした。トリノ五輪は4年後に向けて課題を提起した五輪となった。(M)  


2月27日(月)

●わが国にはどれぐらいの数の城郭があるのだろうか。天守閣を有する城から城址(じょうし)まで含めると、数え切れないほど、ということになろう。その規模や名声などに差はあれど、共通しているのは、それぞれの城が地域での歴史的証言者であること▼だから学術的にも貴重で、城に関する研究者もいれば機関もある。日本城郭協会もその一つだが、財団法人化40周年を記念して昨年、公募して選んだ「日本100名城」が先日、発表された。その中に道内から3カ所、うち道南から五稜郭と松前城が選ばれている▼世界遺産の姫路城(兵庫)、国宝の彦根城(滋賀)、松本城(長野)や首里城(沖縄)、安土城(滋賀)のほか環濠集落吉野ヶ里(佐賀)など、道外の名だたる城郭とともに。ちなみに道内のもう1カ所は、アイヌ民族が砦(とりで)として造成したとされる根室半島チャシ跡群▼それにしても、今年が話題の年でもある五稜郭と松前城がそろって選定されるとは…。箱館戦争の舞台となったことなど五稜郭の歴史は知られるが、7年の歳月をかけて竣工したわが国最初の西洋式城郭。長年の懸案だった箱館奉行所庁舎の復元工事が始まる年である▼一方、道内唯一の城であり、わが国最後の日本式城郭と言われる松前城は、今年が築城400年。その年に届いた、まさにうれしい知らせ。地元から選ばれたことの喜びは大きいが、それはともかく、この100名城企画には、城郭を身近に感じさせるという点で意味が。名城巡りも悪くはない。(H)  


2月26日(日)

●攻守所を変える、ということは多々あるが、民主党が提起した“堀江メール問題”は、あまりにも極端な事例。決め手だったはずのメールの信ぴょう性が否定されて、もはやはた目には迷走状態。ここまできては、一度けじめをつけて出直すしか道はない▼“答え”が透けてきたのは、永田寿康議員が17日の予算委員会で小泉首相に「知恵を貸してください」と語った時点。以来、今日まで立証できていないばかりか、当の本人は病院へと逃避行。完全に説得力を失ったも同然であり、この時が一つのタイミングだった▼ところが、前原代表の強気の姿勢が象徴するように、党が選択した道は違った。どんな組織であろうと、大きな問題を抱えた時の対応は難しい。一歩誤ると大変なリスクを背負うことになるからだが、例えの是非はともかく、大企業の不祥事などで言われてきたこと▼後手に回って傷口を広げた事例は少なくない。ライブドア問題の徹底追及は国会として当然だが、だからと言ってメールはどうでもいいということにはならない。いやしくも国会の場でその存在を切り札に提起したのだから。どうひいき目にみても立証責任は免れない▼「今なお調査中」は非難を受けて当然。立証できる状態で質問に立つのは議員としての基本であり、少なくともそれができていなかったのは事実。そこに落ち度があるのだから、なおさらのこと“答え”を引き延ばすべきでない。永田発言から10日、このままでは…。政治への信頼を損ねた10日余りと言われても仕方ない。(N)


2月25日(土)

●「記録開示に関する公取委の内部基準に法律上の根拠はない」。東京地裁は23日、画期的な判断を下した。当社が公取委を相手どり審判記録の全面開示を求めた訴訟の判決だが、内部基準のあり方に一石を投じた、今後に生きる判例とも言える▼当社がなぜ、この訴訟を起こしたかには、長い説明が必要だが、端的に言うと、北海道新聞社に対する損害賠償請求訴訟で、避けて通れない現実に直面したから。利害関係人として独禁法違反事件(同社による当社の新規参入妨害)に関する審判記録の閲覧謄写を求めたのだが…▼独禁法は利害関係人なら閲覧謄写ができるとしているが、公取委は「事業者の秘密」を理由に全面的に開示することを拒んだ。また、裁判所の打診に北海道新聞社も難色を示し、暗礁に乗り上げたことから、訴訟を提起せざるを得なかったという次第▼その結果として全面的な閲覧謄写が認められたが、それ以上に評価されているのが社会的に持つ意味。利害関係人への開示を明確に命じた初めての判決であり、情報開示の内部基準そのものに疑義を唱えた判断だから。全国紙などが24日付紙面で報じた理由もそこにある▼当社代理人の村上重俊弁護士は「被害者の救済に道を開く判断」と話すが、当社からすると「ここまでやってきて、ようやっと」というのが率直な思い。この上は、否定された重みを真摯(しんし)に受け止め、控訴せず、判決を踏まえた対応をするように…。公取委に対し切に求めたい。(A)


2月24日(金)

●昔の中国では雁の使(雁書)、昭和初期だったら無線か伝書鳩、今はインターネットなどの電子メールか。伝達手段は日進月歩、商売もメールで取引される時代である。国会はそのメールの信ぴょう性をめぐって、みっともない事態に▼職業柄、垂れ込みでスクープした時は、どう料理するかで悩むが、裏付けを取って記事にするのが鉄則。民主党の永田寿康議員が1通のメールを明らかにしたのは16日の衆院予算委。示したのはライブドアの前社長が3000万円振り込むよう指示したという送信メールだった▼矢面に立った自民党の武部幹事長は「事実はまったくない」と否定。党首討論では、具体的な金融機関名などの証拠を出さない前原代表に、小泉首相は「国政調査権を行使するまでもない」と。前原代表は「資金提供がなされたのではないかと確証を得ている」と食い下がったが、説得力はなかった▼国民が納得する資料が不可欠だったのに、論戦はメールの真贋(しんがん)の領域を脱しなかった。同じメールが他の議員にも渡っていては、偽メールをつかまされて、十分な裏付けを取らなかったと言われても仕方ない▼23日には当の永田議員が辞職の意向を固めたという情報が流れ、鳩山幹事長も「立証する資料が乏しい」と認めた。これでは国会を混乱させた責任を問われても仕方がない。国民が期待していたのは、米牛肉輸入や耐震偽装など国民に直結する問題の論戦だったはず。潔く、ひとまず区切りをつけて、懸案の議論を進めるよう求めたい。(M)


2月23日(木)

●3月18日のJRダイヤ改正で、函館―大阪を走ってきた寝台特急「日本海」が、青森―大阪の運行となる。1988(昭和63)年の青函トンネル開通を機に北海道への乗り入れが始まって、毎日1往復、結んできたが、乗客の減少はいかんともし難く…▼その名の通り日本海沿いを走る「日本海」の歴史は古い。関西と特に富山以北の東北圏を直通で結ぶ役割を担って登場したのが、戦後間もない1947(昭和22)年。急行列車として踏み出し、37年ほど前に寝台特急(函館―大阪、青森―大阪)に衣替えして今日に▼函館・道南地域でも「日本海」を乗ったことのある人や愛着を持つ人は多かろうが、臥牛子もその一人。学生当時、帰省の帰りに、出身地の石川県や友だちがいた関西に行くため、連絡船、「日本海」という乗り継ぎで、世話になったから▼今回のダイヤ改正では、函館―青森の間を廃止するということだが、乗客の減が理由とあれば、反論のしようがない。言われてみると、函館駅で「日本海」を見かけるたびに、乗客はまばらだった。唯一の大阪直通列車だっただけに、寂しさは募るが、これも現実▼その代わりと言っては何だが、札幌―大阪の「トワイライトエクスプレス」の五稜郭駅停車(乗降)を期待したいところ。というのも、進行方向を変えるため現在も同駅に停車(非乗降)しているから。さらに「日本海」に対する遠慮もなくなる。だとすれば…。観光都市として実現を要望するに何の障害もない。(N)


2月22日(水)

●「ふろしき」(風呂敷)が見直されている。かつて非常に重宝されたが、生活の近代化の流れの中でバッグや紙袋などに押され、徐々に存在が薄れがちに。しかし、ここへきて環境問題や簡便さなどの視点から、再び“表舞台”に登場しつつある▼諸説あるが、「ふろしき」の語源は室町時代にp≠奄ウかのぼ)る。「将軍の大湯殿に入った大名たちが着物を間違えないために家紋をつけた袱紗(ふくさ)に脱いだ着物を包み、湯上りに袱紗の上に座って身づくろいしたのが始まり」というのは一説。だから漢字では「風呂敷」と▼言われてみると、納得するが、その機能というか特性は柔軟。物の大小や軽重に対応できる、持ち運びが簡単で必要な時に即応できる、紙と違って破れにくい、などはその一部だが、最大の売りは繰り返し利用できること。柄も豊富で、歴史や文化性も感じさせる▼この「ふろしき」に目を向けたのが環境庁。わが国のレジ袋消費は年間60万d言われるが、篭(かご)とともに、その代替として。「風呂敷はすてきなエコバッグ」というコピーで推奨している。さらにノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん(ケニア)も…▼先日、来日した際に、ふろしきに着目し、今後、ふろしき文化を世界にPRする考えを示したと伝えられている。その前にわが国で…。たまたま札幌で開かれていた「デザインふろしき展」を観る機会があったが、斬新な素晴らしい作品ばかり。当たり始めた光は、復活を予感させるに十分だ。(H)


2月21日(火)

●函館は食材のイメージは合格点だが、サービスは…。釧路公立大の地域経済研究センターが行ったイメージ調査で明らかにされた姿だが、「やはりそうか」というのが率直な思い。ただ、観光都市としての将来を考えると、そうか、では済まされない▼「ホスピタリティー」。いわば訪問者を丁重にもてなすことだが、まさに今の北海道観光が問われている言葉。2013年の観光客入り込み目標650万人(観光基本計画)を掲げる函館市にとっても然り。満足度をどれだけ高めるか、その持つ意味は大きい▼こうした調査結果は、親切な提言であり、それに耳を傾けることこそ、次につながる行動の出発点。それによると、函館の食材イメージは道内平均や道内他地域より高く、80%が海産物を中心に「おいしい」と答えているが、料理のイメージ、施設のイメージは必ずしも…▼サービスとなると、さらに評価は厳しい。「飲食施設でのサービスがいい」とのお墨付きは9・5%でしかない。京都の20%、伊豆の18%、信州の16%、沖縄の14%に比べて劣っているばかりか、道内平均の13%よりも低い。ちなみに登別は12%、阿寒は11%だった▼「満足度」という言葉は、常に観光のキーワード。訪れた人が満足し、また来ようかと思って帰ってもらうと、リピーターとなり、口コミで広がりもするが、逆であれば…。その差がいかに大きいかは誰もが分かること。「何とか京都レベルに」。北海道新幹線の開業まで、そう時間はない。(H)


2月20日(月)

●「女性の社会進出は確実に進んでいる」。その認識は確かに違っていないが、あまりにお粗末だった時代と比較するからで、伸びのテンポはなお鈍く、議員や団体・企業の管理職率を例にとっても歴然としている。ましてや欧米に比べると…▼内閣府は1月末に2005年度時点でのデータをもとに「行政や企業で政策、方針決定にかかわる女性の実態」を明らかにした。それによると、最もウエートを高めているのは法曹界で、公務員や民間での女性管理職は意外にも伸びていない、という姿が浮き彫りに▼ちなみに法曹界をみると、裁判官は13・7%、弁護士は12・5%、検察官は9・5%と1割を超えるレベルまできている。その一方、国家公務員に目を移すと、女性管理職はわずか1・5%。団体や民間でも部長職は1・8%、課長職でも3・0%でしかない。そして国会議員だが…▼衆議院で9・2%の44人、参議院で14%の34人。ざっと1割ということだが、衆議院に関しては昨年の解散総選挙で自民の‘刺客’当選者がほとんど女性だったという事情で増えた側面が。だから、次の選挙になると流動的という見方もあながち外れていない▼男女共同参画社会基本法が施行されて6年半が過ぎた。それを受け、政府は2020年というから15年後の目標として「指導的地位に女性が占める割合を少なくとも3割にする」ことを掲げているが、達成できるかどうか、それは性差のない客観的人物評価への意識改革が進むかどうか、という問いかけでもある。(N)


2月19日(日)

●石川啄木が函館に来て間もないころ、同人が「乞食(こじき)と語る」をテーマに競筆することになった。そのころは寺の門前に乞食がたむろしていた。啄木は東川町の新善光寺に出かけ、あかに汚れた男に「君、君に、ソノ、少し…」と声をかけ、20銭銀貨を差し出した▼「ソノ、話をして貰いたいんだ。君の半生涯の歴史だね。否、詰まり今迄の身の上話だ…」「旦那、俺だッて生れ落ちると普通の赤ん坊で、産湯の三日前から人糞汲になった訳ぢゃ無いえだが…。汲みますがね」。乞食ではなかった。啄木は慌てて一目散に逃げ帰った(金野正孝著「函館の啄木」)▼「乞食と間違えられた彼男こそ迷惑。考えてみれば世の中の人間は皆一種だ。金の乞食や虚夕の乞食は官僚や会社員とかで、学者は知識の乞食、宗教家は心の糧の乞食、いや乞食心もない偽乞食さえある世の中…」と続く。啄木は男の子が生まれた時、生命の神秘に興奮し悦んだ(17日後に死亡)▼「新しく息吸ひそめし赤坊のあり」。啄木に言わせれば、自分の車に乗せて登園途中に5歳の園児2人を殺害した滋賀県の母親は「心の糧のない偽乞食」で、また政治の世界はさしずめ「金の乞食」か▼恥を恥とも思わない格差拡大社会の今が恐ろしい。“文壇の借金王”と言われた啄木は金銭感覚にマヒしていたようだが、歌を詠む薄命詩人の心は純粋だった。「大という字を百あまり砂に書き 死ぬことやめてかえり来たれり」。あす20日は啄木の120回目の誕生日だ。(M)


2月18日(土)

●いつの時代にも、その時代を象徴する言葉というのがあるが、現代で言うなら「子どもの安全」もその一つ。それほどまでに子どもが犠牲になる残忍な事件の発生が多く、まさに「子どもが脅かされている」と表現しておかしくない状況だから▼この1年余りの間だけでも、記憶に新しい事件が幾つも。登下校時も安心できないというのだから言葉がない。不安の大きさは各種の調査結果にも表われている。文部科学省が行った「地域の教育力に関する実態調査」でも、まず挙げられるのが安全確保▼そう遠くない時代ですら、こうした調査で強く求められたのは、学力というか教育力の強化だった。ところが、ここ数年、親の意識は急激に変化し、安全には過敏なまでに。それだけ不安が増しているという証しだが、現実に起きていることを踏まえると、それも頷ける▼この調査結果でも親が最も求めているのは「子どもの安全を守る活動」。複数回答ながら率にして67%というから、3人に2人が求めている。それに続いては…。異なる年齢層との交流(36%)、地域の歴史や文化を学ぶ機会(34%)、文化やスポーツ活動(32%)など▼逆に、学力を伸ばすための活動はわずか8%。そこから透けて見えるのは「学力より、運動よりも、安全が一番」という思いであり、発信しているのは「そんな社会になっている」という現実。17日には滋賀県長浜市で幼稚園児2人が刺殺される事件が起きてしまった。「安全」を求める現実がさらに重くのしかかってくる。(H)


2月17日(金)

●「函館に住んでみませんか」。函館市がそのためのお手伝いをする定住化サポートセンターを開設して1年。その実績を先日、本紙が伝えたが、全国から照会や相談が180件あり、新たな生活の拠点を函館に決めて7家族16人が“移住”したという▼「定年退職後の第二の人生は気に入った地で」。そんな思いを行動に移す中高年が増えている。特に東京など大都市に住む人たちだが、国内ばかりか海外に求める姿も少なくない。環境がよく、物価も安く、退職金と年金で不安なく暮らせる所でのんびりと…▼今の時代、よほどの所でなければ交通手段に心配はない。住宅も賃貸、購入いずれにしても大都市より格段に安い。どうしても離れられない事情を抱えていなければ、新たな地を求める心理はむしろ自然。そして現実に動きがある。自治体にとってはまたとない人口増対策…▼全国的に定住者誘致に乗り出す自治体が増えている。北海道も然り。昨年9月に14自治体で発足した道移住促進協議会への加盟も50自治体ほどに。その中で函館市は交通アクセス、生活の利便性、レジャー環境、食などの生活要素など移住条件的に恵まれた地域の一つ▼センター初年で7家族を引き付けた要因もそこにあるが、これから大事なのは受け入れ態勢の整備。数カ月の間、試験滞在できる専用住宅を市で用意しておくことなどだが、本腰を入れて取り組むなら、そのぐらいのことを考えなければ。「いい所だよ」という待ちの姿勢だけでは、いくら函館といえども限界がある。(A)


2月16日(木)

●“2007年問題”という言葉も今や一般語。年齢別に人口の多い、いわゆる団塊の世代が退職年齢を迎えること。年金の受給年齢繰り下げに伴う雇用の問題、その逆に企業がベテランの人材を失うということだが、事態は既に現実の域に▼わが国で定年が55歳から60歳に移行して20年ほど。定年―年金受給という社会システムが築かれていたが、破たん状態の年金財政がそれを壊した格好で、責任を取ることなく国が講じた対策が受給年齢の65歳移行であり、企業にげたを預けた形の高年齢者雇用安定法の改正▼年金受給までの間の雇用を求めるのが骨子で、その改正法が4月から施行される。企業に求めるのは、定年を廃止するか、65歳まで定年を延長するか、継続雇用をするか、のいずれかの制度化。ただ、雇用問題である故、主導権はあくまで企業側が握っている▼それは既に具体化の段階に入っている大企業などの動きからも明らか。再雇用を考える企業が多いようだが、再雇用に当たっての選別、賃金の削減が前提、という考え方が一つの流れ。大企業でもそうなのだから、ましてや中小、零細企業となると…▼しかも、定年後も働きたいと思っている人なら誰もが再雇用されるかどうかは定かでなく、そこに法の明確な担保はない。だから悩み多いのだが、既に制度化した企業は24%、予定している企業までを含めると98%。厚生労働省が1月末に発表した調査結果だが、従業員300人以上の企業でも模索が続いている。(N)


2月15日(水)

●受任通知書 この度貴殿にご通知致しましたのは、貴殿が以前、通信販売で購入されました「美容関連商品」の件で、商品販売業者様からの催促にも関わらず返答が無かった為、×月に裁判所への提訴が終了し…当事務所が業者より民法643条に基づき…▼昨年暮れ、女房あてに届いた一通のはがき。最後に「後日、正式に裁判所から出廷命令通達書の後、裁判所への出廷となります。裁判取り消しを希望される方は当事務所にご連絡下さい 関東法律企業協会 中央区法律事務所」と念を押しており、担当者名まで書いてあった▼この種の架空請求封書には絶対に受け答えするなと言われているが、腹が立つので「女房は入院中で、こんな美容関連商品を買った覚えはないと言っている。今、多発している振り込め詐欺ではないか。事務所はどこだ」と、長々と電話を入れてやった。相手は「東京銀座だ」と受話器をガチャン▼電話番号を登録しているのか、5分ぐらいしたら相手から「もう一度話そう」とコール。「悪質な詐欺はやめよ」と怒鳴ってやった。本紙によると、市消費者センターに寄せられた架空請求の苦情相談(11月ー1月)は333件で、全体の半分ほど。手口も巧妙になっている▼とかく庶民・高齢者は「法律事務所」や「民事訴訟」などの言葉には弱い。同センターは「封書に脅迫めいた内容があったら相談を」と呼びかけ、身に覚えの無いことは無視するのが肝心という。当たり前だが、女房あてに裁判所から「特別送達」は来ていない。(M)


2月14日(火)

●「高等教育機関が連携して“総合大学”としての機能を」。将来のあり方として嘱望されていた、いわゆる大学センター構想が、函館でいよいよ現実の段階に入ろうとしている。今月6日に連携推進協議会が発足し、具体的にその一歩を踏み出した▼函館市内には公立はこだて未来大、北大水産学部、道教育大函館校、函館大、函館大谷短大、函館短大、函館高専、ロシア極東国立総合大函館校の8つの高等教育機関がある。従来、それぞれの壁は厚かったが、新たな発想を必要とする時代を迎えて連携が現実の話に▼可能な連携が議論されてきた結果、具体的な話となりつつあるのが施設の相互利用であり、教員の相互派遣、学生の単位互換など。各大学・高専の個性を生かしながら、足りない部分を補い合うことが可能になるばかりか、学生にとっても学べる範囲が広がるメリットが▼昨年9月に合同公開講座を実現させて高まった機運を逃さず、一気に踏み込んだ形。それを継続させる一方、学生のためには合同広報紙の発行や合同企業セミナーの開催を考え、さらには共同講義、パソコンを使った遠隔講義などの可能性が探られる見通し▼どう考えを巡らせようが、連携することによるデメリットはどこにも見当たらない。だからと言って、急ぐことはない。一つひとつの取り組みを積み重ねていくことが大事であり、その中で“函館流”を築き上げていけばいい。「函館はキャンパス都市」と呼ばれる日がやってくるのは、時間の問題だと思うから。(H)


2月12日(日)

●学校の先生はどのぐらい忙しいのか。仕事の性格柄、単純に時間で考えるのはいかがなものか、という議論もあるが、客観的な実態把握がされていないのも事実。そこで文部科学省は全国規模での調査を行う方針を固めたと1月末、読売新聞が報じていた▼仕事は授業だけと思われがちだが、そればかりではない、と先生たち。日教組の調査などでも時間外勤務が結構多い実態が報告されているが、一般の理解は、というと、必ずしも高くない。高給で、夏冬休みもあって、といった受け止めが無きにしもあらず▼そうなるのも「現実はこうだ」と示す資料を持ち合わせていないから。理由はどうあれ、勤務実態の調査を長期間してこなかったつけでもあるが、このままでは議論がかみ合わずに、誤解が膨らみかねない。人件費改革と絡めて具体化したというのが、確かなところ▼調査項目などは現在、詰めているところだが、考えられている調査規模は養護学校を含め十数万人。超勤時間もさることながら、むしろ重要視されるのは教材研究、放課後の指導や会議などに費やす時間と、その理由など▼かつて、この種の調査は管理強化の材料にされるといった声があったが、今や現場にも「正しく認識してもらう機会」という思いがあるそう。それは分かってほしいという意思表示。客観的な裏づけのない議論はいくら時間をかけても空回りするだけ、と言われるが、実に40年ぶりという調査が持つ意味もそこにある。(N)


2月11日(土)

●気軽に楽しめて健康にもいいスポーツ、と聞くと、返って来る答えは人それぞれだが、ランクされる中には幾つか北海道生まれの軽スポーツがある。と言えば、すぐ頭に浮かんでこようが、古い順にゲートボール、ミニバレー、そしてパークゴルフ▼ゲートボールが誕生したのは、戦後間もない1947(昭和22)年。芽室町在住者が考案したとされる。しばらく埋もれていたが、熊本県が火付け役となって78(昭和53)年ごろから爆発的な全国的ブームとなったのは記憶に新しく、一時は楽しむ姿が街のあちこちで▼それに代わるかのように近年、大人気なのがパークゴルフ。幕別町職員が考案したもので、河川敷など公園と住民を結びつける方策を考える中で生まれたと言われる。83(昭和58)年というから20年余り前だが、函館・道南も含め今や全国の愛好者は70万人とも▼そして大樹町職員によってミニバレーが生まれたのは72(昭和47)年。「ママさんバレーを手軽に」が発想の原点の、いわゆるバレーボールのお手軽版。レクリエーションとして最適と言われ、北海道協会には森、八雲、南茅部など道内の60余りが加盟している▼ともすれば栄養過多になりがちな食生活の一方で、指摘されるのが運動不足。かと言って、本格的なスポーツとなると大儀にもなるが、これら3競技が支持されるのは構えずに入り込める気軽さ。夏はともかく、運動不足が言われるのは冬期間。そう考えると、函館・道南でミニバレーがもっと注目されていい。 (H)


2月10日(金)

●国会議員から都道府県議会議員、市町村議会議員に至るまで胸襟につけている「議員バッジ」。同じように見えるデザインで、いかにも「私は議員」と強調するがごとく、きらびやかに。その意味がどうあれ、時として権威の象徴と映ることは確か▼それを物語る光景が数年前に国会で見られた。なお記憶に新しいが、ある女性議員が秘書給与の流用を問われて辞職する際に。テレビカメラの前で「私はここでバッジを外します」と言って、大げさに机の上に置いた、あの光景だが、バッジの存在を強く印象づけた一コマだった▼確かに必要論もある。次元は低いが、例えば日常的に出入りする国会通用門などでの本人確認のため。国会議員には希望すれば議員証明書が交付されるそうだが、確認はバッジの方が簡単というわけ。「バッジは国会議員の身分証明書であり、通行証」と話す議員もいる▼ただ、諸外国を見渡すと、議員バッジがあるのは数カ国。バッジは後進性の象徴と言われるのもそれ故だが、今の時代の価値観にそぐわないことを理由に、廃止論を提起する国会議員が現れた。まだ本格論議のレベルにはなっていないが、それも時間の問題▼数はともかく自民党内に賛同する議員がいるほか、与党の公明党も国会改革の検討課題とする考えというから。それこそ今の時代である、バッジに代わる証明手段は多々ある。バッジをつけているから議員と分かってもらえる、というのは、あまりにも情けない話。このあとのバッジ論議が注目される。


2月9日(木)

●濃淡こそあれ人間誰しも思い込みは否定できない。「時代や環境が大きく変化しているのに、かつての尺度を持ち続ける」。よくあることで、気づかない場合が多いのだが、それが次の行動を遅らせかねないとしたら、そうか、では済まされない▼この5日付の本紙「函館けいざい学」は、その点を突いていて興味深かった。執筆者は山澤光太郎日銀函館支店長で、隔週の人気コーナー。その32回目で取り上げられたのが「函館経済4つのウソ・ホント 函館経済に関する俗説と真説」▼「全国に比べて物価は安いよ」に始まり、「函館はイカと夜景が支える街だよ」「水産業は衰退気味だね」などは一般的に言われていることだが、これらを疑問に思わないでいることが必ずしもそうでない、のだと。データに基づいた話だから説得力ある一つの問題提起▼例えば…。「物価は魚貝などこそ安いが、品目によりばらつきがあって必ずしも安いとはいえない」「イカと夜景がうりの街であることは間違いないが、医療・福祉産業のウエートの高いという側面も」「輸出の動きなどからみて水産業の将来はむしろ期待される」など▼知っているよ、という人もいれば、そうなのか、と受け止めた人もいよう。そこからうかがえるのは、「昔そうだった」ことが「今もそうなんだ」ではない、ということかと思うが、もっと簡単に言うと、思い込み過ぎないように、という警鐘。「まずは等身大の函館経済を正確に理解する必要があります」。山澤支店長はこうも述べている。(H)


2月8日(水)

●どれだけ批判されれば懲りるのか、あまりの厚顔ぶりに呆(あき)れるばかりだが、官製談合は一向に姿を消す気配がない。今、表に出ている防衛施設庁の発注工事をめぐる事件はまさに象徴的で、組織ぐるみの典型例。あらためて根の深さを思い知らされる▼官製談合という言葉が登場したのは、いつからだろうか。国語辞書的に説明すると「公共工事などの発注者である官公庁職員らが入札前に受注業者を指名したり、予定価格をもらすなど業者らの談合に関与する行為」となるが、かなり昔から耳にしているような気がする▼企業側は高値で安定的に官工事を受注できる、官庁側は見返りに天下り先を確保できる。そこにあるのは「自分たちのために」という思いだけ。確かに1977(昭和52)年に独禁法を改正して課徴金制度が導入されたのをはじめ、法規制は強化されてきた▼2003年には官製談合防止法も施行している。ただ、関与した職員に対する罰則がないなど、官側に甘いまま。だが、それにしても…。国土交通省と旧日本道路公団の鋼鉄製橋梁工事に絡む事件からまだ1年もたっていない▼その後、表面化した成田空港電機設備工事をめぐる事件も記憶に新しい。その都度、とられるのは上辺だけの反省。その繰り返しときては、もはや官側にも厳罰を課す道を考えるしかない。自民党は罰則規定を盛り込む方針を固め、今国会に法改正案を提出するという。遅きに失した感があるが、もはや官側に異議を唱える資格はない。(N)


2月7日(火)

●1945年9月16日、国後島泊村長に旧ソ連軍から1通の命令書が手渡された。「千島の島々はソ連の領土となった。警察、役場などは解散せよ」。島を追われた親せきの老僧は「島には木がなく、仏壇まで壊せと命令され、まきにした」と嘆いていたのを覚えている▼ロシア側は「歯舞・色丹の二島返還」での決着を主張。先ほど、ロシアのプーチン大統領は「『自身と周囲の調和』という柔道の精神は大切だ。日本の国益を尊重しながら、自国の国益に従って解決策を探る」と、両国の善意に基づいて解決するよう日本側に妥協を促した▼しかし、日ソ中立条約を破って終戦直後に四島を不法奪取したのは事実。誰がみても一方的に約束を破った旧ソ連側の非は否めない。日本側が「四島返還なしに日露の戦後は終わらない」と主張し続ける理由はそこにある。「拉致事件の解決なしに国交正常化なし」と同じように▼戦前の四島には缶詰工場などがあった。戦後はロシア人は筋子だけをとって、身は捨てていたという。今では大型の水産加工場が次々と建てられ、日本などにサケやカニを輸出して、生活は潤っているようだ。そんな島の生活ぶりを描いた色丹島の子供たちの絵24枚が檜山支庁ロビーで展示されている▼豊かな島々をなんとしても取り返したい。さっぽろ雪まつりの大雪像ステージで北方領土フェスが開かれ、全道各地で署名コーナーが設置される。また、東京の「北方トーク」では択捉島の郵便局で働いていた長谷川栄子さん(78)らが返還を呼びかけるという。きょう7日は26回目の「北方領土の日」。(M)


2月6日(月)

●「環境対策は一人ひとりのレベルから」。そう問いかけられるようになって久しい。ごみ問題一つとっても意識は高まっており、その実効も形となって表われ始めている。函館・道南でも…。取り組みの規模はともかく、多くの実践例が報告されている▼だが、現実の問題として「これでいいか」と聞かれると、返ってくるのは「まだまだ」という答え。それほど抱えている課題は大きいということだが、さらなる努力を地域で、という思いに立った新たな団体が1月末、函館に発足した。「チームはこだてエコライフ」▼「個別のエコロジー活動を周知、継続するとともに、チームとして連携した活動にしよう」というのが趣旨。発足時の参加は、これまでに何らかの行動を起こしていた函館消費者協会、FMいるかなど8団体。活動を通して広がりを図っていきたいとしている▼そして最初の啓もう活動として企画したのが「エコ川柳」の募集。組織を、活動を知ってもらい、かつ地域や身の回りの環境問題を考える機会にしたい、という位置づけだが、現在、作品を募集中。2月17日(詳細はFMいるか内の事務局へ)まで受け付けている▼環境破壊のつけは世界的にさまざまな現象を生み出し、我々に認識を求めている。「市民一人ひとりの思いが美しい地球を守る。活動からエコに対する一人ひとりの意識を深められれば…」。参加団体の一人は本紙の取材にこう話しているが、大事なのは一人ひとりの意識。環境活動は「点から面に」の段階を迎えている。(N)


2月5日(日)

●「バリアフリー」という言葉が日常的に使われるようになって久しい。国語辞典的には「障壁のない」という意味であり、よく使われるのは、建物や屋外などで「段差のない」「仕切りのない」という解釈で。今やすっかり一般用語となっている▼家庭や一般施設などで取り組みが進んでいる。その点、簡単でなく、時間がかかっているのが公共交通機関。交通バリアフリー法(高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)が施行されて5年だが、もう少しテンポアップしてほしいところ▼実際に指摘する声もあるが、国土交通省が昨年12月に発表した事業者からの聞き取りによる昨年3月時点での結果を見ると確かに。それでも旅客施設の視覚障害者誘導用ブロックの敷設は、2年前に比べ6ポイントアップして80%レベルまできているが、ほかは…▼段差の解消は49%(5ポイント増)、身体障害者用トイレの整備は33%(12ポイント増)。一方、車両等に目を移すと、航空機が最も進んでいて41%(9ポイント増)で、鉄軌道車両が28%(4ポイント増)、旅客船が7%(3ポイント増)。ノンステップバスの導入率は3ポイント上がって12%という状況▼あくまで全国的なデータで、当然ながら地域によって差はあるが、テンポを上げるために欠かせないのは国の後押し。せめて今後3年ぐらいの間に旅客施設では90%、車両等では70%レベルになるように…。それをどう達成するか、国の誘導政策が一つの鍵を握っている。(N)


2月4日(土)

●「津軽海峡やその周辺地域の和船製作技術」が、国の重要無形民俗文化財に指定される。昨年、文化財保護法が改正され民俗技術が新たな対象になって初といううれしい指定。1月20日、国の文化審議会が文科相に答申したことで、あとは手続きを待つだけ▼長きにわたって主役の座にあった木造船が、姿を消してどのぐらいたつだろうか。青森、道南の津軽海峡沿岸で磯漁に使われてきたムダマハギやマイハギといった小型木造船についても然り。そんな時代の流れの中で建造技術を持つ人は減少し、道具や技術も…▼函館漁港にはかつて9カ所の造船所があったと言われる。何事にも通じるが、需要がなくなれば道具や技術も廃れる、という現実の中で、徐々に姿を消していった格好。しかし、歴史的価値が認められ、10年ほど前、ムダマハギ67隻が重要有形文化財に指定された▼これを機に、だった。青森では船大工の人やボランティアによって和船製作技術保存会が組織され、3、4年前には、青森で日本財団からの助成を受けてムダマハギ漁船を建造、その技術を記録として残す事業が展開された。一方の函館でも貴重な取り組みが…▼産業遺産研究会が行った大正から昭和初期にかけての船大工道具の収集がそれ。約1300点も収集、保存ができ、記録としても残された。重要無形民俗文化財の指定は、こうした取り組みの成果であり、この技術がわが国の造船史に残すに値する、という証し。同時に、青函の歴史的財産であることも教えている。 (H)


2月3日(金)

●「津軽海峡やその周辺地域の和船製作技術」が、国の重要無形民俗文化財に指定される。昨年、文化財保護法が改正され民俗技術が新たな対象になって初といううれしい指定。1月20日、国の文化審議会が文科相に答申したことで、あとは手続きを待つだけ▼長きにわたって主役の座にあった木造船が、姿を消してどのぐらいたつだろうか。青森、道南の津軽海峡沿岸で磯漁に使われてきたムダマハギやマイハギといった小型木造船についても然り。そんな時代の流れの中で建造技術を持つ人は減少し、道具や技術も…▼函館漁港にはかつて9カ所の造船所があったと言われる。何事にも通じるが、需要がなくなれば道具や技術も廃れる、という現実の中で、徐々に姿を消していった格好。しかし、歴史的価値が認められ、10年ほど前、ムダマハギ67隻が重要有形文化財に指定された▼これを機に、だった。青森では船大工の人やボランティアによって和船製作技術保存会が組織され、3、4年前には、青森で日本財団からの助成を受けてムダマハギ漁船を建造、その技術を記録として残す事業が展開された。一方の函館でも貴重な取り組みが…▼産業遺産研究会が行った大正から昭和初期にかけての船大工道具の収集がそれ。約1300点も収集、保存ができ、記録としても残された。重要無形民俗文化財の指定は、こうした取り組みの成果であり、この技術がわが国の造船史に残すに値する、という証し。同時に、青函の歴史的財産であることも教えている。(H)


2月2日(木)

●「協働」。まちづくりに欠かせない言葉であり、これからの時代にキーワードとなる言葉。参考までに国語辞典をひもとくと「同じ目的のために協力して働くこと」。字の解釈通りだが、大事なのはその実践であり、今まさに問われているところ▼確かに言葉先行とも言われる。そうかもしれない。道が生み出した「産消協働」という造語もそうだが、時として便宜的に使われる。函館市では観光基本計画にも「市民との協働による観光地づくり…」などといった表現もあるが、そのいずれもが「協働の時代」の呼びかけ▼そのために必要なのは住民と行政の連携。互いに理解し合い、信頼を保つことが大前提になるが、求められているのはかつての時代の行政におんぶにだっこ、から脱皮し、できることは住民で、という考え方…。課題は今後、どう築き上げ、広げていくかである▼全国的には数多くの実践例が報告されている。もちろん函館・道南地域でも…。自主防災活動の大川町会や元町町会「ワップ」、子育て支援の民間学童保育所、青少年の夢と未来を育む会、まちづくりのはこだて街なかプロジェクト、歴史保存のよみがえる箱館丸の会…▼例として挙げたのは本紙が新年企画(16日まで12回)で連載した実践団体の一部だが、これ以外にも協働の精神に立脚した取り組み例は多い。「協働」が住民、行政に問いかけているのは発想の転換。そこから生まれた活動が広がりを持った時「公共」の意味も今と大きく大きく変わってくるに違いない。(N)


2月1日(水)

●木造では北海道で一番大きい大谷派江差別院の本堂。48年前、特殊な屋根瓦に葺(ふ)き替えるため、北陸から葺替師と鬼瓦を作る鬼師たちを招いた。その時、「屋根の鬼瓦は東西南北で顔が違っており、北向きのものが一番怖い顔をしている」と話してくれたのを覚えている▼「いい子にしていないと鬼がくる」とよく言われた。「ええ麦ええ麦、ええ豆ええ豆」と呪文(じゅもん)を唱える風習もある。今は、震度5弱の地震で崩壊するマンションを建てた「耐震データ偽装鬼」、マネーロンダリング(資金洗浄)という呪文で不正を働いた「ホリエモン鬼」、もてる夢を見ながら呪文を唱える「一夫多妻鬼」など、出没する鬼もいろいろ▼1年に一度、鬼と豆が「邪気払い」を演じるのが節分。年男が「福は内、鬼は外」と口上。煎り豆をまくのは豆に霊力があると信じられているから。投げた豆を拾って食べて、鬼をやっつけた力をもらうと、1年病気にならないという▼豆は昔から体によいと言われるが、最近は「下に落ちた豆は汚い」と、ピーナッツやチョコなどを使うところが増えてきた。また、先ごろ米心臓協会(AHA)が「大豆は心臓病予防に効果はない」という声明を発表した▼でも「大豆食品が健康的だという点では異存はない」と言い切っているから、鬼を退治する力は十分…。東京の鬼子母神では「鬼魔外」と叫ぶが、豆を投げつけて悪魔の「鬼ごころ」を追っ払おう。鬼も改心すれば神になると言われる。3日の節分、4日の立春と春を呼ぶ節目が続く。(M)


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