平成26年1月


1月31日(金)

●就職活動を「就活」とした2字造語は朝活、友活、離活、婚活などと続く。今度は女性芸能人が子供が欲しくて「妊活」に入るが、以下は婚活もままならぬインドの悲話▼インド北部の村で、恋人同士の女子学生(20)と男子学生(22)が婚活中に、伝統的な村内での恋愛結婚を認めない女子学生の父親ら家族に殺害された。男性学生の首は「見せしめ」のため自宅前に放置▼東部の村では、20歳の女性が「別の村の男と付き合っていた罪」として、村長ら12人から2日間にわたって集団レイプされた。村人代表の裁判で罰金10万円を「払えない」と告げると小屋に閉じ込められた▼女性は「これまで兄さん、おじさんと慕っていた隣人たち。怖かった」という。インドの地方では部族や出身地が違う男女の結婚を認めないところが多く、おきて破りの男女が裸で村を歩かされたり、殺害されるケースが続出▼前例の村では村人同士や同じ氏族の出身者同士の結婚は禁止。父親は「家族の名誉のために正しいことをした。後悔していない」と話し、前近代的な処罰に州政府首相や地元政治家も沈黙したまま。遠い異国のこととはいえ、婚活が断ち切られた悲惨な「終活」ではないか。(M)


1月30日(木)

●東京都知事選は現旧政治家の動向を巡る話題も提供している。かつての政敵が手を組んだり、呉越同舟で支持に動いたり、除名した人を担いだり。外野席からはおもしろ、おかしくも映る▼世論調査で明らかだが、実質的に4強の争いと言われている。その中で元総理と元厚労相の対決では、政界、政治家模様が浮き彫りに。元総理の後ろ盾が現職時代に野党だった、これまた元総理というのだから▼公式に表へ出ていないものの、以前に仲間だった元総理も勝手連的に応援をしている。一方の元厚労相だが、現政権政党が野党時代に離党し、新党を立ち上げた際、除名処分を課した党の支援を受けているのも異例▼さらに支援は支持政党とは別の判断をした最大の労働組合組織(東京)からも。こうした構図は、一般論としては疑問符がつくが、そこは政治の世界。よく考えてみると、今に始まった珍しい動きでも何でもない▼政党の離合集散…自社さ連立政権が象徴的だが、対立関係にあった政党や政治家が時を経て手を握った例は多々。それにしても、という思いは拭えないが、政治家や組織などの影響力を計り知る機会であることは確か。その答えは2月9日に出される。(A)


1月29日(水)

●道央自動車道の大沼公園IC—七飯IC(仮称)間10㌔の整備が見えてきた。数年以内の着工を目指し、函館開発建設部が七飯町に説明。開通すれば函館新道とつながり、函館は札幌をはじめとする道内各都市と高速ネットワークで結ばれる▼2016年3月に予定される北海道新幹線の開業効果を高め、住民の生活圏や医療圏が広がる。災害に弱い国道5号の代替路線にもなる。まさに地域の大懸案であり、悲願だ▼一方、再生がかかるJR北海道。利便性が向上するこの高速と競合しなくてはならない。鉄道と高速道路は同じようなルートに建設される。ともに都市間の輸送や移動が目的だからだ。函館線のほか室蘭線、石勝線、宗谷線なども高速道路と重なり、道内はさらに航空路線も加わる▼JR北海道が犯したレールの検査データ改ざんや組織的な不正は言語道断だ。しかし、今回の不祥事で、ホテルや観光施設、旅行会社など観光関係者がいかに心を痛め、JRの再生を願っているかも分かった▼大型輸送の主力は鉄道だ。JR北海道は、利益を生む要素が乏しい北国で14路線を運行している。安全運行とサービスで信頼を積み上げ、競争に負けないでほしい。(P)


1月28日(火)

●「慰安婦そのものは今のモラルでは悪いが、戦争地域にはどこにでもあったと思う。韓国は日本だけが強制連行したように言うからややこしい」—ぎくしゃくした日韓関係にまた火ダネ一つ▼米西部カルフォルニア州グレンデール市で従軍慰安婦を象徴する少女像が設置されて半年。「日本軍による性奴隷の被害者の象徴」「日本人への憎悪をあおっている」と、ホワイトハウスのホームページで賛否両論▼韓国が慰安婦たちの痛みを知らしめようと韓国以外で初めて設置した「平和の少女像」。すっぽり顔に紙袋を掛けたり、マフラーを掛けたり、手に日の丸や旭日旗を持たせたり、嫌がらせもたびたび▼「抗議」や「感謝」の攻防が激化。昨年暮れからの撤去を求める署名は12万5000人を超え、保存を訴える署名も10万人超。10万人を超える署名が集まればホワイトハウスが何らかの対応を示す規定があり、注目される▼そんな折り、冒頭の発言がNHK会長の籾井勝人氏の就任会見で飛び出した。NHKは政治的には中立公正が原則で、政権の代弁者ではない。「誠に不適当な発言」と野党は厳しく批判。まず米国の「慰安婦の少女像」を撤去させることが先決ではないか。(M)


1月27日(月)

●コンビニエンスストアの過当競争が激しさを増す中、各チェーンではインパクトのある新商品の開発に生き残りを掛けている。ファミリーマートが今月末に発売を予定していたフォアグラ入りハンバーグ弁当も、キラーコンテンツのひとつになるはずだった▼世界三大珍味として知られる高級食材を、690円で手軽に味わえるのが売りだったが、24日に突如販売中止の発表が。理由は「フォアグラの生産方法が残酷である」と消費者からのクレームがあったからとのこと▼フォアグラとは、ガチョウやカモに強制的に大量の餌を食わせて、肝臓を脂肪過多の状態にしたもの。フランス料理を代表する食材として知られるが、飼育法には以前から「動物虐待」の声が上がっていた▼しかし、その論理を通すなら、高カロリーの飼料によって霜降り状態にする和牛や、狭い小部屋に閉じ込めて飼育するブロイラーも「虐待」になってしまう▼人間が食料にするために飼育する動物は、多かれ少なかれ自然と異なる状態に置かれていて、その不自然さに優劣をつけるのは難しい。我々ができるのは、すべての食材を感謝の心を持っておいしく食べてあげることではないのだろうか。(U)


1月26日(日)

●分かっていたことだが、改めて突きつけられると慄然とする。道内の高校〜大学卒業までの教育費が世帯当たり1007万円となり、初めて1千万円の大台に乗った。前年比58万円増。日本政策金融公庫が国の教育ローン利用世帯を調べた▼世帯収入に占める割合は実に4割。全国調査では総額1055万円だが、負担割合はほぼ同じ。しかも、これは子供1人当たりの数字。複数同時だと暗澹(たん)となる親も多いのでは…▼言うまでもなく日本は中学まで義務教育だが、大半は高校に進む。しかし、その先の大学進学率をみると、東京の71・3%から岩手の33・9%まで地域差が大きい。本道は39・4%と下位(いずれも2013年)▼大学の都市偏在、収入の地域格差など要因は数多いが、教育費の高止まりが地方の子どもの進学を阻んでいるケースは少なくないだろう。大学がすべてではないが、選択肢が親の経済状態で決まるのは、親子どちらにとっても切ない▼高等教育中の世帯の財布はどこも汲々。当然消費行動にはマイナス要因となり、結果として景気の足を引っ張る。しかも、この状態が続けば将来の人材が育たない。悪循環にはまっているように思えてならない。(T)


1月25日(土)

●山梨、静岡両県は、今夏の夏山開きから富士山の入山料(保全協力金・1000円)徴収を決めた。本格徴収には議論があったが、世界遺産として環境を維持していくために当然といえば当然▼富士山人気は今に始まったことではない。登山経験があまりない人も訪れ、その数は増えるばかり。観光地化してきたという指摘もあながち大げさでなく、実際に7、8月の2カ月間に訪れる人は実に30万人強▼1日平均5000人を超える数であり、休日はさながら登山銀座の様相という。人が入れば入るほど、登山道は傷み、し尿も増える。加えて富士山には救護体制も求められる。その経費もばかにならない▼入山者を抑制できるなら、それに越したことはない。だが、状況は逆であり、だとすれば…。人数を規制しなければならないような事態を避けるためにも、環境保全や安全対策の充実は放っておけない現実の課題▼入山料の考え方は受益者負担。新鮮な空気、広がる景観など、富士山は言葉に言い尽くせない感動を多々与えてくれる。その場に身を置いたればこそ味わえるものであり、その対価と考えると、1000円は高くない。登れるだけ幸せ…そんな声も聞こえてくる。(A)


1月24日(金)

●「この不景気に拾ってくれる里親はありがたいと思え」「前の飼い主を忘れられないペットは好かれると思うな」—。児童養護施設の職員がこんな言葉で子供を怒鳴るだろうか▼日本テレビ系で放映のドラマ「明日、ママがいない」。舞台はグループホーム「コガモの家」で、主役は赤ちゃんポストに捨てられた設定の9歳の女の子。施設長の口ぐせは「早く新しい飼い主に慣れろ」▼母親の匂いがするシャンプーボトルを持って里親候補宅の“お泊り”に行き、ボトルを取り上げられ気を失った「弟」を助けようと、“ポスト”はベランダの窓をレンガでたたき割って入った…▼案の定、赤ちゃんポスト開設の慈恵病院と全国児童養護施設協議会、全国里親会は「フィクションでも子供やスタッフを悪者にしたて、ひどく傷つけている」と、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議を申し入れ▼日本テレビは「子供たちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に描く」と放送は続けるという。でも、施設の子供が小学校で「お前が主人公か」などと言われたという報告も。児童虐待から救うはずの養護施設が虐待を発信しているかのような誤解を招くドラマはいかがなものか。(M)


1月23日(木)

●終戦後もフィリピンのルバング島に29年間潜伏し、ゲリラ戦を続けた小野田寛郎さんは、元上官の「武装解除」の命令を受けて投降した。戦場では上官の命令がすべて。「解除の命令がない限り、戦闘はやめない」とかたくなだった▼「海軍一の臆病者」と呼ばれたゼロ戦パイロットの本当の姿を追った「永遠の0」でも、上官の命令ひとつで若者が出撃した。真珠湾、ラバウル、ガダルカナル…。戦況悪化とともに転戦を重ねたが、未帰還機だけが増える▼軍の判断ひとつで部隊が全滅するのは当たり前。兵士たちは祖国に残した子や家族のことを思いながら、無念の死を遂げたことだろう。「命は惜しむな」と1億人にたたき込んだ狂気の時代だ▼1974年に帰国した小野田さんは、軍人の英雄として賞賛されたり、逆に「軍国主義の亡霊」などと疎まれることもあった。非情な色分けだ。本人は英雄でも亡霊でもない、ただ帰還が遅れただけ、との気持ちだったようだ▼帰国後はブラジルへ渡り、牧場経営に成功。子どもたちに「自然塾」も開き、戦争体験を語った。帰国時に射るように鋭かった兵士のまなざしは、晩年には柔和な瞳になり、91歳の生涯を閉じた。合掌。(P)


1月22日(水)

●今年に入って火星をめぐるニュースが相次いでいる。オランダの民間非営利団体「マーズワン財団」は火星移住の候補者を20万人の応募者の中から1058人に絞ったと発表した。日本人も10人含まれている▼航空宇宙技術者で、後に火星協会を設立したロバート・ズブリンは1990年に「マーズ・ダイレクト(火星直行)」計画を発表した。当時のロケット技術でも人が火星に行き、生活できるとの構想を科学的な裏付けを基に説明した。賛否両論あるが、それから20年以上▼「マーズワン」の移住計画は衝撃的だ。火星旅行を「片道切符」としているからだ。2025年に最初の4人を送り込み、2年ごとに4人ずつ増やす内容。帰路のことは考えていない。移住者は生涯を火星で過ごす▼「ダイレクト」では、火星の水と大気中の二酸化炭素を使ってメタンを生成し、それで帰還用のロケット燃料を作れると説明されたが、実際には簡単ではないらしい▼今月9日には日本も含めた世界35カ国が参加した宇宙フォーラムがワシントンで開かれ、有人火星飛行を長期的な目標とすることが確認された。莫大な費用が求められるが、最も必要なのはフロンティア・スピリットだ。(T)


1月21日(火)

●ソバ、卵、鶏肉、牛乳、エビ、カニ、イカ…まだまだあるけど、これだけ挙げると、その答えが見える。そう、食物アレルギーの原因物質で、その悩みを抱える子供が増えている▼書物をひも解くと、我が国に食物アレルギーという言葉が登場したのは、今から45年ほど前の1970年前後。戦後の復興期は感染症や栄養不良が言われたが、それらが次第に減って、代わって出てきたのが喘息であり食物アレルギー▼そのほとんどが子ども。函館市(2012年度)でも、小学生で635人、中学生で375人…児童生徒の5・6%、20人弱に1人という。原因物質が個々に異なるから、悩みは学校給食の現場にも▼現実に代替食の提供に手が回っていない。保護者の申告に基づき各学校が個別に対応するが、全国的には死亡例もあるだけに、放ってはおけない課題。函館市教委は統一した対策マニュアルを策定したという▼保護者は医師の判断による原因物質などを学校に届ける、市教委は加工食品などに含まれる物質の詳細情報を提供する、対応薬などを学校でも保管する…一歩前進だが、これも食生活の激変がもたらした時代のつけ。対策マニュアルも緊急避難でしかない。(A)


1月20日(月)

●現在使用中の携帯電話は、いわゆる「ガラケー」というタイプで、社内では「スマホ」派に押され少数派。すでに購入から5年を過ぎ交換時期に来ているが、世間の波に乗ってスマホに移行しようか思案中である▼実は3年前にこの携帯が故障した際にもスマホを購入しようか悩んだのだが、数千円で同機種の新品と交換できたため、使い慣れたガラケーにとどまることを選択。その後も何の不自由を感じることなく生活を続けてきた▼面倒くさいのは、知人から「ライン登録しませんか」と誘われるたびに、「ガラケーなのでごめんなさい」と、断りを入れなければならないことくらい▼実はスマホにしなかった理由には、アメリカ某社の人気スマホを扱っていなかったD社の携帯を長年愛用していたこともある。そのスマホを購入するために別の会社に変更するのが面倒だったのだが、昨年秋にはその心配も無くなった。▼しかし、いざとなると「ガラケーで十分に事足りるではないか」という考えが頭を占める。特に我々のような中年世代では、スマホを使いこなすことができず、宝の持ち腐れ状態という話しも耳にする。もうしばらくハムレット状態が続きそうだ。(U)


1月19日(日)

●ノロウイルスが全国的に猛威を振るっている。浜松市内の小学17校のほか、中学1校、2幼稚園の児童、生徒、職員1178人が集団感染した原因が、給食パンだったことにショック…▼ノロウイルスは最初に発症した地名から命名。46年前に米国オハイオ州ノーウォーク市の小学校で集団発生した。嘔吐(おうと)や下痢などの症状が出る急性胃腸炎で、9年後に札幌で発症の小型球形の病原体は「サッポロウイルス」と呼んだ▼年末から3月にかけて発生し、1月がピーク。感染力が強く、激しい下痢や嘔吐、腹痛、発熱などを引き起こす。大半は数日で軽くなるが、免疫力が低下した高齢者や幼児は長引く▼嘔吐物が気道に入って肺炎を起こしたり、窒息死した事例もある。北海道の今季のノロウイルスは年末から発生、函館、札幌、苫小牧などに広がっている。飲食物からの感染、人から人への感染が考えられる▼テーブルやドアノブ、水道の蛇口などよく消毒し、手洗いするなど衛生管理が大事。浜松の集団感染を引き起こした給食パンは加熱後に工場内のウイルスが付着したらしい。全国の野呂姓の親たちは、子供がいじめの対象にならないよう名称の変更を訴えている。(M)


1月18日(土)

●社会が抱える問題は多々ある。隣人関係、ごみ問題など然り…交通事故も抱え続ける問題だが、昨年1年間の実態もそれを物語っている。全国の発生は62万8200件余に上り、亡くなった人は4373人▼交通事故は戦後の復興が一段落した1960年代後半から急増。車の増加もあるが、道路環境も悪かったなどの事情を背景に、1970(昭和45)年の事故死者は1万6765人を数えた▼さまざまな取り組みの成果もあって、その6年後には1万人台を割り、2009(平成21)年からは4千人台に。最多の年に比べ4分の1弱に減っているが、それでも犠牲者は1日12人、ほぼ2時間に1人…▼道内も長年背負ってきたワースト1(都道府県別事故死者が最多)の汚名を返上できるまでになった。100人台を保ち、昨年は184人でワースト4。函館方面本部管内も14人だったが、これでよし、ではない▼ここまで減らしてきたのは社会の努力。それを否定する人はいまいが、一方で事故死者の53%が高齢者という課題が突き付けられている。事故対策に新たな視点を問う現実であり、悩み深い課題。今年も既に帯広で道路横断中の70歳の男性が犠牲になっている。(A)


1月17日(金)

●イタリアの名門サッカークラブ・ACミランに移籍した本田圭佑選手が現地時間の15日、ホームで初先発し、いきなり初ゴールを挙げた。ミランカラーの赤黒のストライプで躍動し、地元ファンを沸かせた。今後の活躍が楽しみだ▼赤黒のユニホームといえばコンサドーレ札幌も同じ。その札幌は16日、現在オーストラリアでプレーしている元日本代表の小野伸二選手と仮契約を交わしたと発表した。34歳はサッカー選手としては“高齢”だが、豊富な経験はチームに勝利をもたらしてくれそう▼今年は4年に1度のワールドカップ(W杯)の年。開催地はサッカーの本場ブラジル。5大会連続5回目の出場となる日本は、コロンビア、ギリシャ、コートジボワールと予選リーグを戦う▼W杯は6月12日に開幕。日本は2日後の14日にコートジボワールと初戦。先の欧州遠征では強豪と互角以上の戦いぶり。ザッケローニ監督の手腕に熱い注目▼日本代表の活躍はもちろんだが、道産子としてはやはりコンサのJ1昇格にも期待したい。小野選手の加入がどのようにチームを変えるのか—サポーターの端くれとして強い興味がある。いずれにせよ、今年はサッカー観戦を存分に楽しめそうだ。(T)


1月16日(木)

●中国で昨年、三国志の英雄として知られる曹操の子孫が確認されたという。1800年の時を経て、上海の大学がDNA検査で確認した。曹操の親族の墓から出土した歯のDNAの特徴が、子孫とみられる人たちのものと一致した▼歴史ロマンをなぜか感じない。文献を吟味しながら史実に迫る歴史学や、フィールドワークで汗を流し、民間伝承から社会や文化をとらえる民俗学、足の下に埋もれた真実を発掘する考古学などからすれば、科学鑑定の結果はどこか味気ない▼DNA鑑定が決め手とされるニュースは続く。産科医院で60年前の取り違えがわかり、「時計の針を戻してほしい」と語った男性。芸能人の男性は「DNA鑑定の結果、長男は自分の子ではない」と語り、騒動が続いている▼血のつながりか、育ての親か。赤子の取り違えの実話をもとにした映画「そして父になる」では、子育てを通じ家族の在り方や幸せのありようまで問われていたような気がする▼過去から未来へ。「人間はどこから来て、どこへ行くのか」。歴史学や文化人類学の大きなテーマだが、人類が月に着陸し、人工衛星が太陽系を脱出しても、その探究は科学の力だけではできない気がする。(P)


1月15日(水)

●寒波に覆われた列島。知人は寒ければ寒いほど、熱いご飯に乗せて食べるイカ刺しはおいしいという。今季の道南のイカは不漁で、平成では2番目に低い数量になると、本紙は報じている▼そんな中、新潟県佐渡市で全長4㍍、重さ150㌔の巨大イカが網にかかった。深海にすむダイオウイカで、刺し身にすると数百人分は軽いが、アンモニア臭くて食べれないとか。生態はよく分からないが、最大で20㍍を超す▼不思議と1月にやってくる。昨年も千葉県九十九里浜に3㍍のダイオウイカの死骸。胴体が激しく損傷しており、30㍍級の超巨大イカに捕食されたようだ。船乗りが恐れた伝説の怪物「クラーケン」を思い起す▼イカを大量に消費する市民に怒り、函館を侵略しようと宇宙から来た人気キャラ「イカール星人」。函館観光の売り出しに大活躍。台湾での国際旅行博へ初の海外出張。大きな目でにらみを効かせ、大暴れしてPR▼今度は受験生を応援しようと『うかーる星人』に変身。頑張る受験生に感動して、合格を祈願する市電の1日乗車券のモデルに。発売初日の14日には「合格祈願」のはちまき姿で宇宙船(市電)に乗車、函館を破壊するパワーを受験生に吹き込み、盛り上げた。(M)


1月14日(火)

●「ついにでた!」という感じの気象ニュース。13日の最低気温が宗谷管内の中頓別と歌登で氷点下29・5度を記録した。渡島でも北斗同18・9度、函館同14・4度。いずれも今季最低。「しばれ」は今が本番▼気温だけではない。道央では降雪もすごい。岩見沢の豪雪は全国ニュース。道南も連日の雪で、少しずつ積雪が増してきた。昼間の気温が低いので、道路の雪がなかなか融けず、徐々に生活しづらくなってきた▼道東への出張から12日に戻った。冬の峠越えはさすがにきついのでJRを使った。帰路は南千歳での乗り換え時間が9分しかなかったが、帯広から乗った「スーパーおおぞら」は4分しか遅れずスムーズ。五稜郭まで乗った「スーパー北斗」の遅れも2分だけ。最近はいろいろあるが、「冬こそJR」と素直に思えた▼国内をみると、四国や九州でも降雪の便り。寒波の強さは日本だけでなく、特に北米は低温と大雪で死者もでている。空港がたびたび閉鎖され、観光名所のナイアガラの滝も一部凍ってしまった▼夏には猛暑や干ばつ、秋には大型の台風やハリケーン。そして冬には寒波と豪雪。気象の振幅がどんどん大きくなっている。地球のことが心配だ。(T)


1月13日(月)

●ロシアのソチで行われる冬季五輪開幕まで、いよいよ1カ月を切った。各種目に出場する日本代表もほぼ出そろい、選手たちの活躍への期待は高まっている▼特に注目が高いのは、浅田真央や羽生結弦など、金メダルを狙える選手がそろったフィギュアスケート。特に浅田は前回のバンクーバーでキム・ヨナに敗れているだけに、4年越しの悲願の金メダル獲得への意欲に燃えている▼しかし、金メダル獲得の可能性の高さでいえば、女子ジャンプの高梨沙羅がとび抜けている。弱冠17歳ながら、昨シーズンのワールドカップで初の総合優勝を果たすと、今シーズンもここまで7戦中6勝と圧倒的な強さで独走している▼ただ、4年に1度しか行われない五輪には「魔物が住んでいる」と言われるように、絶対的な本命が不運なミスで勝利を逃すことも珍しくない▼〝鳥人〟と呼ばれ、棒高跳びで世界記録を35回も更新したセルゲイ・ブブカが、絶頂期の五輪3大会でいずれも記録なしという悲劇に終わったのは象徴的だ。今の高梨の勢いに魔物が取り付く余地は無いように見えるが、周りが余計なプレッシャーを与えることなく、万全の状態で本番に挑むことを願いたい。(U)


1月12日(日)

●日中の駐英大使が、互いの国を人気小説「ハリー・ポッター」の悪役「ヴォルデモート」に例えて批判合戦を繰り広げた。英紙への寄稿でこの比喩(ひゆ)を使った▼ハリー・ポッターは1997年に発刊された「賢者の石」から「死の秘宝」(2007年)まで全7シリーズ。魔法使いのハリーがホグワーツ魔法学校に入学し、さまざまな出来事を経て成長し、やがてヴォルデモート卿と対決する▼友情、恋、成長、善と悪の葛藤、そして何より魔法のもたらす意外性—物語には子供だけでなく、大人をも魅了する仕掛けがたくさん。作者J・K・ローリングスさんのアイデアには舌を巻いた▼作中のヴォルデモートは、まさに「悪の権化」。目的にためには人殺しもためらわず、恐怖を武器に魔法使いを次々と従属させる。両大使の例えは、関係悪化ぶりを象徴している▼中国大使は靖国神社を「分霊箱」だとした。物語の中では、悪の存在(魂)を支える重要な道具だ。是非はともかく、全7シリーズを読破したファンとしては、この見方は看過できないように思える。きちんと説明し、理解を得る努力が日本側にも必要だ。物語では、分霊箱を巡って壮絶な戦いになる。(T)


1月11日(土)

●経済は消費、生産、雇用・所得がうまくかみ合って、はじめて成果を上げる。もちろん対外的な要因も加わるが、そのかみ合わせが容易でないから高成長も、低成長も起こりうる▼答えが出しにくいのは消費が先か所得が先かだが、現実を考えても軍配は難しい。ご存知の通り、4月から消費税が3%上がる。所得を上げないことには消費に影響し、結果的に生産活動も上向かない▼安倍首相が昨年から「賃上げ」を口にしている理由もそこにある。まさに試金石。「4月に多くの企業がしっかり賃上げを行ってもらえるかが鍵」。7日にもこう語っているが、企業がどう答えるか、それは保証の限りでない▼続く極端な円安が輸送費など経営を圧迫する中、消費増税が待ち受けている。確かに経済は回復基調という観測が流れているが、だからと言って企業間のし烈な競争が収まるわけでなければ、消費者の心理も単純に計れない▼無印良品は、4月以降もほとんどの品目で税込み価格を据え置くと発表した。消費増税後の動向が読めない、賃上げムードも重くのしかかる。としたら、これも一つの方策。生き残りをかけてどう考える…企業は今まさに難しい判断を迫られている。(A)


1月10日(金)

●函新杯アイスホッケーが開幕した。7チームが今月末まで市民スケート場で熱戦を繰り広げる。ソチ五輪で日本女子の活躍に期待が集まる中、道南でもアイスホッケーが息づいている▼競技が盛んな道内でさえ、リーグを開催できるのは苫小牧、釧路、帯広、札幌など数少ない。函館の参加選手は7チームで100人を超す。少年団(函館ライトニング)も頑張っている。これらが活動できるのは、関係者の熱意はもちろんだが、リンクの存在が大きい▼帯広市では今冬、氷上学生選手権(インカレ)が開かれた。スピード、アイスホッケー、フィギュアで合わせて85校1100人が訪れ、特需をもたらした。帯広では屋内スピードスケート場と3つのアイスアリーナが1カ所に集中。施設だけでなく、運営のスタッフやノウハウも十分▼インカレのほか、高校総体や国体などが数年サイクルで巡ってくる。スポーツは観光にとっても欠かせない存在▼道南でも函館アリーナや北海道新幹線が整備されると、スポーツ大会やコンベンション誘致にかつてない追い風が吹く。この“波”に乗れるかどうか—。行政や観光関係者、そして競技団体が知恵を絞る時期にきている。(T)


1月9日(木)

●今年の本紙・年間キャンペーンは「再考・函館観光」。元旦号で告知されたが、函館にとって“観光”は古くて新しい地域課題。記憶にあろうか、18年前、創刊初年のキャンペーンが“観光”だったことを▼北洋漁業は衰退し、姿を消した青函連絡船の後遺症が色濃く残っていた。でも函館には歴史に裏打ちされた観光資源がある…同じ北洋漁業の影響を受けた釧路と比較して考えてみると分かりやすい▼函館にはもう一つ生きる道があった。最初のキャンペーンテーマに“観光”を選んだのは、自然の流れ。新函館市観光基本計画(1994年策定)は、2003年度入り込み目標として750万人を掲げていた▼タイトルはそこからとって「750万人への道」。記者をアメリカ、カナダに派遣して、ウオーターフロントの現状リポートから展開した。歴史の街、自然の景観…時を経て、この地域課題は抱え続けたまま▼北海道新幹線の開業は、秒読みに近い段階を迎えている。元旦号では2016年度に青函圏博覧会(仮称)開催の計画を伝える記事を1面トップに据えたが、こうした動きを起爆剤に、将来へどうつなげるか。一緒に考えたい、函館・道南の将来のために。(A)


1月8日(水)

●手をかけて作った料理が並ぶNHKの朝ドラ「ごちそうさん」が人気らしい。かつては子どもが喜ぶホットケーキやコロッケ、ピザは母親の手づくりだった。今は冷蔵庫から取り出すだけ…▼マルハニチロの冷凍食品から農薬が検出された。ミックスピザやチキンナゲット、コーンクリームコロッケなど。ピザを購入した消費者から「異臭がする」と指摘されて、農薬混入が発覚▼農薬は有機リン系の殺虫剤「マラチオン」で、稲、果物、野菜、花、観葉植物などに使われている。黄色っぽい液体。今回検出されたマラチオンは最大で基準値の150万倍といわれ、公表まで1カ月半もかかっている▼コロッケ一口で腹痛を起すという。マラチオンなどの有機リン農薬は毒ガスのサリンと親戚のようなもの。赤ちゃんや幼児の神経の発達に影響する。母親の胎内にいるとき空中散布された農薬の殺虫剤で重症になった児童も。毒性ははかりしれない▼子会社が全商品を自主回収しているが、苦情や問い合わせ続出。道内でも札幌、渡島、釧路など6保健所管内で10人が嘔吐や下痢などを訴えている。子会社の製造工程で意図的に混入されたのか、警察が捜査に乗り出した。(M)


1月7日(火)

●歳を重ね、現役をリタイアして、気をつけることの第一は健康と生活のリズム。少しでも長く健康寿命を保っていたい…そのために自分はどうするか、そこに人それぞれの生き方が表われる▼「ボケ防止に毎月8冊を目標に本を読んでいる」「ボランティアというか地域の活動に参加するようにしている」「夏は畑仕事、それとジョギングを続けている」「ゴルフなど現役時代と同じ趣味を楽しんでいる」▼かつて転勤族として函館で過ごした、いわゆる函チョンOBの集まりが年2回、札幌で開かれる。メンバーは60歳代前半から80歳強まで年齢の幅は広く30人弱。前段の話は昨年末の会合での近況報告の一部である▼聞いていて感心したのは、それぞれ目的意識を持って生活していること。翻って自分はどうか、自問自答するまでもなく、その域に達していない。本は読んでいる、庭仕事もしてはいるが…▼「退職後のため趣味などやりたいことを今から考えていた方がいい」。現役時代に何度か聞かされ、聞き流してきた話だが、その年齢域に入ると…。確かに自分流の過ごし方を見つけている人は生き生きしている。さて、どうするか。新たな年が時を刻み始めた。(A)


1月6日(月)

●ドサンコ馬が力強く函館八幡宮の石段を登り、参拝客から大きな拍手を受けた。巳年(みどし)から午年(うまどし)へ。恒例の騎馬参拝は、いつにも増して新春にふさわしい光景だった▼「巳」の字は、冬眠から覚めたヘビが地中からはい出る様子を示している。昨年の日本経済は、まさに巳だった。日経平均株価は1年間で57%上昇し、円高も是正。全国の有効求人倍率は1倍台を回復した▼ただ、景気回復の実感は薄い。賃上げの恩恵が十分でない中、4月には消費税が5%から8%に上がる。円安で輸出企業の業績は好転したが、灯油やガソリン価格の上昇は厳寒期の庶民の懐をさらに寒くする▼そして迎えた今年の「午」は、障害を乗り越え力強く進もうとする形を表している。手綱を強く引き締めたのか、昨年末の安倍首相の靖国参拝で、中国、韓国は激しく反発。同盟国のアメリカからも疑念の声が上がった。内外ともに厳しい2014年の幕開けだ▼暗いトンネルの中からはい出た後は、馬のように力強く前進し、課題を乗り越えてほしい。「景気が少しずつ上がるように願いを込めて、一段ずつ石段を踏みしめて上がった」と、函館八幡宮の騎馬参拝を終えた池田茂さん。願いは同じだ。(P)


1月5日(日)

●今年も観てしまった。東京箱根間往復大学駅伝を。高校から社会人までさまざまな駅伝大会があるが、箱根の醍醐味は一つの区間がハーフマラソン並みの距離であり、箱根の山があること▼それ故(ゆえ)に毎回、ドラマが生まれる。辛い思いを抱かせることが多いが、今年も。2区で2人のケニア人学生が明暗を分けた。1人は10人抜きで、もう1人は足の疲労骨折でまさかの途中棄権。さらには繰り上げスタート…▼規定時間内にタスキをつながなければならないのだが、今年も最終中継所で数十メートル手前まできていながら、無情の号砲。そして最終区での3、4位争いのデッドヒートも感動を呼び起こした▼成績は気持ちを一つに支え合い、助け合い、力を合わせて頑張った結果である。だが、2位では不満の大学もあれば、来年のシード権を確保して喜ぶ姿も。悲喜こもごも人間模様が描かれる▼ただ一つ、毎年思うことがある。主催が関東学生陸上競技連盟であることに起因するが、出場資格を持つ大学が限られていること。難しい事情は理解できる、その上で敢えて。地域選抜でもいい、少しでも風穴を開けられたら…名実ともに全国区となれば、さらに重みが加わる。(A)


1月4日(土)

●富士山の夢を見るのが一番とか。風雅な夢に出会えれば寝覚めもよいのだが…。紅白の歌を聞いて徹夜で神社仏閣に参拝。2日目に見た夢は年末ジャンボの当選番号がボケて見えなかった▼京都の民間研究所が「寝ている人の脳を分析し、見た夢を当てる」ことにたどり着いた。車、文字、人の写真を見せて脳の活動パターンを計測し、睡眠中のそれと照合したところ、7割以上が的中したという▼女性の画像を実際に見たときも、夢に女性が登場したときも、脳の働きに同じ特徴が現れた。「あなたの夢に女性が出てきましたね」と、言い当てられるかも。夢の中身がばれる「夢解読」か▼新年の宝船は何を載せてきたかな。弁財天は「株高円安はいつまで続くの」。「大黒天は「減反廃止で農家が大変」。恵比寿さまは「汚染水を止めないと魚が…」。寿老人は「長生きはうれしいけれど認知症が心配」というが…▼夢の内容を画像で再生するような技術を開発すれば、その人の心理状態を見ることもできる。現実は厳しいが、夢の中では楽しい思いや願いがいっぱい。でも、宝くじが当たったり、浮気している夢がスプークされる“夢のマシーン”はいかがなものか…。(M)


1月3日(金)

●「元F1レーサーのミハエル・シューマッハが、スキー滑走中に転倒し意識不明の重体」というニュースが飛び込んできたのは、12月30日の早朝だった。懸命な治療が行われているが、予断を許さない危険な状態が続いている▼1980年代後半に起こったF1ブームでは、アイルトン・セナやアラン・プロスト、ナイジェル・マンセルなどの個性的スターによる争いに、中嶋悟や鈴木亜久里が挑む姿が、日本中を熱狂させた▼しかし、94年のレース中に起きたセナの事故死をきっかけに、人気は下降線をたどっていく。シューマッハが初の年間王者に輝いたのはまさにこの94年。その後、2004年までの11年間で7度のタイトルを獲得し、セナ無きF1界を牽引する存在だった▼ただ、全盛期の圧倒的な強さと、冷静沈着な態度から「サイボーグ」の異名を取る、クールなイメージから、セナのような人気に至らなかった印象がある▼しかし今回の事故の反響の大きさから、希代のスーパースターであったことを痛感させられた。300キロ以上のマシンを自在に操っていた彼が、このような事故で命を奪われることなど考えられない。一日も早い回復を願うばかりだ。(U)


1月1日(水)

●2014年の午年(うまどし)が幕を開けた。ひとつ前の午年(02年)は1月21日に函館空港で航空機の着陸失敗で3人が負傷する事故があった。2月8日にソルトレイク五輪が開幕。スピードスケートの清水宏保選手(帯広市出身)が500メートルで銀メダル、スキーのモーグルで里谷多英選手が銅メダルを獲得した▼1月下旬には雪印の牛肉偽装が発覚し、他メーカーにも波及した。食の偽装は昨年も大きな問題になった▼5月31日にはサッカーのワールドカップが開幕。日韓共同開催で、日本はトルシエ監督の下、予選リーグを2勝1分けで1位通過。決勝トーナメントではトルコに惜敗したが、国全体が盛り上がった▼9月17日には当時の小泉首相が北朝鮮を訪問。拉致被害者とともに帰国したのは記憶に新しい。昨年末には安倍首相の靖国神社参拝が問題となったが、小泉氏が現役首相として参拝したのも午年。12月には東北新幹線の盛岡—八戸間が開業した▼昼の12時のことを「正午」というが、これは12時を中心とする2時間を午時といったのが語源。成長がピークを過ぎて衰えのきざしがみえるという意味もあるらしいが、今年はさらなる成長の1年にしたい。(T)