◎小児科診療日誌/かみいそこどもクリニック・渋谷 好孝先生(2006.10.7)
★子どもたちの生活の乱れ
文部科学省は今年の4月から、子どもたちの生活の乱れがあまりにも進んでしまっている現状を打破しようと「早寝早起き朝ごはん」国民運動を展開することにしました。
ある調査によると、朝食を食べないことがある小学生は15%、中学生は22%。午後10時以降に就寝する幼児の割合は29%だといわれています。子どもは、日が昇ると起床し、朝食を食べて登校し、昼は勉強や運動に打ち込み、夜はぐっすりと寝る。このような正しい生活習慣が乱れると、子どもは子どもらしく育つことができません。
朝にしっかり太陽の光を浴びると、25時間の人間の体内時計が「さぁ、これから活動するぞ」と時間を合わせてくれます。朝のしっかりした食事は、脳が必要とするブドウ糖を供給することになります。朝ごはんを食べないで学校に行っても、活動源であるブドウ糖が不足すれば、学校の先生による授業の内容も脳が吸収してくれることはありません。
子どもは8時間から10時間の睡眠が必要とされています。また、体を成長させる成長ホルモンが活発に分泌されるのは、午後9時から同10時までの間と言われています。この時間に起きているということは、神様が与えてくれた体と頭を育てる魔法の時間を奪っていることになります。「早寝、早起き、朝ごはん」のたった3つのことが実行できると、子どもの世界が大きく変わることが多くの実践で証明されています。
落ち着きがないとか、言葉が遅い、他人の気持ちを理解できないなど、発達に何らかの問題を抱えている子どもたちが多くなったと言われています。しかし、それらのお子さんの多くに生活リズムをしっかり身に付けてもらうだけでも、気になる症状がずいぶんと薄れていくということは、多々経験するところです。
24時間、大人の世界ではいろんな活動ができて便利になりましたが、子どもに親の都合を当てはめることは、発達や情緒の面でマイナスの面が多いと言わざるを得ません。子どもを唯一変えることができるのは、いつもそばにいる親です。さぁ、今日から始めましょう。テレビを消して外遊びも忘れずに。