2007年10月12日(金)掲載

◎北斗市が学校給食に「ふっくりんこ」導入
 【北斗】新函館農協の協力を得て、北斗市は11日、市内全小中学校の学校給食に道南生まれのコメ「ふっくりんこ」を全国で初めて導入した。導入初日のこの日、海老沢順三市長や畑秀叔渡島支庁長、畠山良一新函館農協副組合長らが萩野小学校(藤澤建二校長、児童48人)を訪れ、2年生10人とともにおいしいご飯の味を確かめた。

 本年度から作付け面積と農家が大幅に拡大、良品質なコメの安定量が見込まれるようになったため、地元で開発し収穫した新米を地元の子どもたちに味わってもらおうと、導入に踏み切った。

 試食に先駆け、海老沢市長は「皆さんを“ふっくりんこ大使”に任命するので、たくさん食べて元気な子どもになって」とあいさつ。子どもたちは「いただきます」の掛け声とともに、エビカレーと一緒にご飯をぱくり。「いつもより甘い」「毎日食べたい」の声が上がり、皿はまたたく間に空になった。クラスの半数がおかわりに並ぶほど大好評で、杉澤亮君は「おいしくて、朝、昼、夜毎日食べれそう。たくさん食べて大きく育ちたい」と感想を述べていた。

 市では全16校で週4回コメ給食を実施しており、1日450キロ、年間約60?の使用を見込んでいる。 (笠原郁実)


◎函館市文化賞に鎌田さんと小栗さん
 函館市文化賞審議会(座長・西尾正範市長)は11日、市の芸術、文化の発展に寄与した個人、団体に贈る「函館市文化賞」の今年度受賞者を発表した。芸術の分野からは市内柳町の画家鎌田雛子さん(84)、科学(人文科学)の分野から市内高丘町の市弓道連盟名誉会長、小栗欣吾さん(89)が選ばれた。ともに初受賞で、一つの分野で長年にわたって築いた功績が認められた。贈呈式は11月3日午前11時から市民会館小ホールで行われる。

 鎌田さんは函館生まれ。1942年9月、東京の女子美術専門学校(現女子美術大)を卒業後、本格的に絵画活動に励み、赤光社や全道美術協会、国画会で数々の賞を受賞。札幌に移り住んだ68年以降も道秀作美術展や道現代美術展に意欲的に出品、94年には紺綬褒章と札幌市民芸術賞を受賞した。97年に函館に戻り、99年から毎年、全道展函館地区女流展を開催し、函館、道南の美術文化の普及に努めている。

 小栗さんも函館生まれで、33年から弓道を続け、86年には全日本弓道連盟の最高位「範士」の称号を授与され、講師、中央審査員として弓道の発展に尽力。渡島、檜山管内の弓道団体を統括する道西部地区弓道連盟の会長や道弓道連盟連合会の副会長など要職を歴任し、役職勇退後も道内や全国で開かれる大会、講習会などに参画し、後進の指導に力を注いでいる。科学分野で体育、スポーツ部門からの受賞は5人目。

 鎌田さんは「函館に帰郷して10年の節目にこのような賞をいただき大変光栄。これからも体が動く限り絵を描き続けたい」とし、小栗さんは「文化賞に選ばれ驚いている。長年の活動が認められてうれしい」と喜んでいる。 (鈴木 潤)


◎駐車民間監視員制度導入10日で66件摘発
 駐車違反の取り締まりを強化した改正道交法の柱の一つの「民間監視員」制度が1日、函館市に導入されて10日が経過した。道警函館方面本部によると、10日間の違法駐車の摘発件数は282件で、前年同期より27件増加し、このうち民間監視員が摘発したのは66件に上った。

 同本部交通課によると、今年の同本部管内の駐車違反摘発件数は7916件で、前年同期に比べて3071件増。市内での最重点地区に指定されているは、歓楽街の本町地区とJR函館駅近くの朝市・金森倉庫周辺の2地区。民間監視員は主にこの地区を中心に2人一組で巡回し、取り締まりに当たっている。

 今のところは大きなトラブルはないが、監視員の委託を受けた市内の警備会社の担当者は「まだ制度を理解していない人が多く、今後トラブルになる可能性は高い」と危ぐする。

 朝市で働く男性従業員(32)は「取り締まるのはいいが、短時間の車から荷降ろしだけで注意されるのは迷惑」とし、さらに別の男性(59)は「取り締まりの強化は歓迎だが、摘発された観光客から店に苦情が寄せられても困る」という。

 同課は「まだ監視員が慣れていない面もあるが、今後、摘発数が増えることで市民の駐車に関する意識が向上してくれれば」としている。


◎道警函本「北海道洞爺湖サミット函館方面水際対策協議会」設立
 来年7月の北海道洞爺湖サミットに向けて、道警函館方面本部(浦谷博美本部長)は11日、テロ組織関係者らの侵入を食い止めるため、同本部分庁舎で関係機関や団体の担当者による会合を開き、「北海道洞爺湖サミット函館方面水際対策協議会」を設立した。

 テロ組織関係者や犯罪者などの不審者の侵入を水際で防ぐろが狙い。この日は函館税関、札幌入国管理局函館港出張所、函館海上保安部などの関係機関、航空会社などから代表者約20人が参加。関係機関、団体の連携を強化し、対応していく方針を確認した。

 同本部警備課の加賀良課長が「テロ組織の侵入を防ぐには、各機関の連携強化が必要不可欠。国際社会の信頼を失墜させないためにも、一体となって対処することが大事となる」とあいさつした。

 協議では、各関係機関の役割や対策を話し合い、函館海保からはサミット期間中の噴火湾での警備強化、入国管理局側からは入国時の顔写真、指紋の提供などの対策案が示された。同協議会は今後も定期的に会合を開き、具体的な策を決めていくという。 (小林省悟)


◎えさん小児童ら練習船「大成丸」見学
 函館えさん小学校(鎌田芳樹校長)と函館亀田小学校(横井明校長)の児童が11日、函館港西ふ頭に停泊中の航海訓練所練習船「大成丸」(竹本孝弘船長、5887トン)を見学した。函館市の「はこだてっ子水産・海洋体験学習事業」の一環で、船内の設備を見て回り、海洋都市・函館について理解を深めた。

 両校が交流するは8月末の磯浜体験学習以来約1カ月半ぶり。この日は、えさん小5年生37人と6年生23人、亀田小6年生77人の計137人が参加した。

 岸壁に集合した両校児童の代表はそれぞれ「仲の良い友達をたくさんつくろう」とあいさつ。子どもたちは元気よく「よろしくお願いします」と乗組員に声を掛け、早速船に乗り込んだ。

 大成丸では、学生約130人が航海実習の最中。同船は9日に入港し、13日まで同ふ頭に停泊している。子どもたちは船内で機関室の設備や無線室の仕組みなどを見学。ブリッジではレーダーの見方や、かじの取り方、国際信号旗の種類など、航海士らからの説明を熱心に聞いていた。

 船内見学の後は、緑の島で昼食を取り、ゲームをするなどして交流を深めた。 (今井正一)