2007年10月14日(日)掲載

◎エネルギー環境セミナー、親子で実験
 親子を対象にした科学実験教室「エネルギー環境セミナー」が13日、函館市亀田福祉センター(美原1)で開かれた。参加者は実験を通じて、発電の仕組みや電気の特性について知識を深めた。

 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会道支部(札幌)が、「楽しく学ぼう!電気とこれからのエネルギー」をテーマに、環境問題に対する関心を高めてもらおうと開いた。函館では3回目の開催。同市内と近郊の児童、保護者ら約40人が参加した。

 講師は電力中央研究所(東京)知的財産センター上席の吉光司さんが務め、世界の化石燃料埋蔵量や国内の発電所の現状などを解説。光ファイバーの原理を利用したオブジェ作りでは、台紙に発光ダイオードや釣り糸などを取り付け、乾電池をつなげると、花火を思い起こさせるような赤、青、緑の幻想的な光を放ち、参加者を驚かせた。

 渡辺梨夏子さん(北斗浜分小5年)は「とてもきれいに出来上がったので、自由研究でも作ってみたい」と自らの作品に見入っていた。吉光さんは最後に、「自分で何ができるか、何をしなければならないか、考えたことをぜひ実行に移してほしい」と、省エネや地球温暖化防止に向けた意識付けを呼び掛けた。(浜田孝輔)


◎認定こども園「どんぐり」屋外活動主体のコース新設へ
 【七飯】大自然が先生に―。七飯町大川7の認定こども園「どんぐり」(戸巻聖園長)は2008年度から、森の中の活動を主体とする「森の幼稚園コース」を新設する。1日中、町内外の林や海、川に出向き、ツリーハウスの建築や木のブランコ、飯ごうでご飯を炊き上げるなど、屋外活動を通じて園児自らがさまざまな発見をし、いろいろなことを気付いていくというユニークなプログラムで、来年度は4歳児のみ現在募集中。道内の施設では初めての導入で、戸巻園長は「自然の素材を通じ、自らが判断したり、実践できる子どもたちを育てたい」と話している。(笠原郁実)

 この活動は1970年代にデンマークで始まり、現在、ドイツなどヨーロッパで盛んに行われている。(1)年下の面倒見がよい(2)けんかが少ない(3)子どもたちだけでも問題解決できる―などの効果が報告され、戸巻園長は開園当初から同プログラムを検討してきた。現行の0―3歳児対象の「就園準備コース」に加え、認定こども園となったことを受け、4、5歳児(5歳児は09年度から)の受け入れとともに、幼稚園教育の要素を取り入れた「森の幼稚園コース」を設けることにした。

 同コースでは月―金曜の午前9時から午後3時まで(水曜は午前中)、園外のフィールドに出向き、四季折々の自然の中に身を置き、“対話”する。町内の民有地(約3000平方?)をメーンフィールドに、公園や海、川、畑など町内外10カ所をサブフィールドとし、自然を体感する活動に取り組む。

 同園で続ける木育や交通安全教室、国際交流など園内教育とも組み合わせ、「親子、教員も楽しめる指導を」とのコンセプトにも沿う形で進める。

 戸巻園長は「前例がなく、手探りの状態だが、先生も子どもたちも親子で楽しめるプログラムにしたい」とし、「多少のけがはあると思うが、失敗や危険を実感することで、いじめや危険を自らが回避できる“たくましさ”が育つと思う」と期待を寄せている。

 同コースの定員は15人(応募多数の場合は抽選)。1カ月の定額制で利用料は1万9800円(給食費別途)。午前7時から午後零時までの預かり保育も可能(料金別途)。問い合わせ、申し込みは同園TEL0138・64・4150。


◎横津岳の気象レーダーをドップラーレーダーに、突風予測などより詳細に 
 函館海洋気象台は七飯町の横津岳(1167メートル)頂上付近に設置してる気象レーダーを、ドップラーレーダーにする作業を進めている。ドップラーレーダーは集中豪雨、突風の監視・予測能力が向上。極地的な低気圧を観測することで竜巻災害などの防止・軽減が期待されている。レーダーの運用開始は11月15日の予定で、2010年をめどに突風などに対する情報が提供される予定。

 函館の気象レーダーは1962年、本道初として函館山に設置。92年、横津岳山頂付近の1111メートル地点に移設された。

 気象庁では2006年11月に網走管内佐呂間町で発生した竜巻災害などを踏まえ、全国のドップラーレーダー整備を急いだ。函館は同年度の国の補正予算で整備が決まり、ことし9月から工事を開始した。

 作業は冷たい強風の中、地上部でアンテナを組み、クレーンで高さ約30メートルの局舎に設置、ドームで覆う。工事費は約2億円。本道では函館が初めてで、今年度末までに釧路など全国6カ所で整備され、計11カ所となる。

 ドップラーレーダーはドップラー効果を利用。アンテナから半径約250キロの範囲にある粒子に向け電波を発射し、反射して帰ってくる電波の周波数の変化を処理。雨や風の3次元分布データが取得できる。竜巻を直接観測することはできないが、竜巻が発生しやすいと言われる発達した積乱雲の中に存在する局地的な低気圧の渦については観測可能といわれる。

 これまでの突風の予報は「渡島地方では落雷、突風に注意」だが、ドップラーレーダーでは「渡島東部では現在通過中の前線付近で、突風の恐れが高くなっているので警戒が必要」と細かい情報となる。

 渡島や桧山では、昨年10月11日に函館市内で発達した積乱雲からの強い下降流に伴う突風(ダウンバースト)が発生。奥尻島では11月9日に竜巻が発生しているが、ドップラーレーダーからの本格的な予測情報の提供で、迅速な防災対策が可能になりそうだ。

 ドップラー効果 移動する物体が発する電波や音の周波数は、物体の速度に応じて変化する現象。近づいて来る緊急車両のサイレン音は高く聞こえ、遠ざかる時は低く聞こえるのもこの現象だ。(山崎純一)


◎15日に「祝祭・国際モーツァルト」函館公演
 作曲家モーツァルトの人と音楽の魅力に、さまざまな角度から光を当てる音楽祭「祝祭・国際モーツァルトin北海道2007」(北海道モーツァルト協会主催)の函館公演が、15日午後6時半から函館市芸術ホールで開催される。若手実力派によるピアノ演奏と声楽に加え、特別ゲストとしてイタリア出身の名テノール歌手、セルジオ・ベルトッキさんの素晴らしい歌声も披露される。

 同音楽祭は七飯町出身の声楽家で、道モーツァルト協会会長の道教育大教授、塚田康弘さんのプロデュースにより、これまで七飯町と函館市を中心に開催してきた。11回目を迎える今回は、北海道全域に音楽祭の活動を広げる第1歩として、初めて6月に帯広市で「レクチャーコンサートT」を実施し好評を得た。

 函館公演で行う「レクチャーコンサートII」には、ともに「2001国際モーツァルトコンクール」日本代表者選考会優勝経験のあるピアノの赤井裕美さん、バリトンの町英和さんが出演。ピアノソナタ、リート、オペラアリアなどを聞かせる。

 ゲストにはベルトッキさんと、新国立劇場オペラ研修所所長でモーツァルト研究の世界的権威の海老沢敏さんを迎え、曲目についての解説をしてもらうとともに、ベルトッキさんには模範として自慢ののども披露してもらう。

 チケットは3500円(前売り3000円)。同ホールや市内各プレイガイドなどで販売。問い合わせは同事務局TEL0138・47・5588。(小川俊之)


◎「鉄道の日」イベント、乗車体験楽しむ
 函館市港町1のJR北海道五稜郭車両所で13日、「鉄道の日」(14日)にちなんだイベントが行われた。会場には多くの親子連れらが訪れ、作業場や展示車両を見学したり、乗車を体験するなどし、秋のひとときを満喫していた。

 「鉄道の日」は、明治5(1872)年10月14日に新橋―横浜間で国内初の鉄道が開通したのを記念し、1994年に制定。同社函館支社(小笠原憲生支社長)では、市民に鉄道を一層身近に感じてもらおうと、毎年イベントを開催している。

 体験乗車コーナーでは、線路などの点検時に使用する「レールスター」や「軌道自転車」をはじめ、ミニSL「弁慶号」の乗り心地を確かめようと、順番待ちをする長い列ができた。作業場には車輪や車軸などの部品が並び、来場者はもの珍しそうに見入っていた。

 また、春夏の期間限定で「SL函館大沼号」として運行したSL(C11)も同イベントに初登場。山崎翼君(七飯大中山小2年)は「大きくて、とても格好良かった」と目を輝かせていた。(浜田孝輔)