2007年10月2日(火)掲載

◎「ふっくりんこ」出荷急ピッチ/あすからいよいよ新米発売
 【北斗】今年の新米から道央に販路を拡大する道南地域のブランド米「ふっくりんこ」の出荷作業が、3日の発売を前に北斗市村内の「函館育ちライスターミナル」で本格化している。検査では全量が「一等米」と評価され、9月30日から1日にかけて約200トンを出荷。作業は今週いっぱいがピークで、計量や袋詰めなどが急ピッチで行われる。

 今年は道南で昨年の約3倍となる1000ヘクタールを作付け。これまで道南限定で取り扱ってきたが、昨年から栽培を始めた空知管内でも収量が見込めるようになったため、道央でも販売される。

 ふっくりんこは粘りがあって冷めてもおいしいと好評だが、新米前の夏ごろには品薄となる。作付け面積を増やした本年度産から道南では年間通じて供給できるようになる見込み。道南地域ではパッケージに道南産の証しとして、道南の生産者組織「函館育ちふっくりんこ蔵部」の認証マークを添付し、他地域との差別化を図る。

 新函館農協米穀課によると、今年は7月に低温に見舞われたが、寒さに強い品種の特性を発揮し、他の銘柄に比べて出来がよいという。「1年を通じて皆さんの食卓で楽しんでもらいたい」と話している。(宮木佳奈美)


◎健康上の理由で金田衆院議員引退へ
 民主党道8区の金田誠一衆院議員(60)=当選5回=は1日までに、次期衆院選に出馬しないことで党関係者と合意した。2日に党道8区総支部が記者会見し、正式発表する。脳梗塞(こうそく)を発症し、リハビリ生活を続けながら国会活動をしており、健康上の理由から断念した。引退に伴い、次期衆院選の後継候補の擁立作業が本格化する。

 後継候補として、国会議員では、選挙区を持っていない逢坂誠二衆院議員(比例道ブロック)らの名前が取りざたされているほか、金田氏の実弟や地元選出道議、函館市議の名前も浮上している。

 金田氏は昨年1月、函館市内の病院に入院中、脳梗塞を発症し、東京の病院へ転院。リハビリを重ね、同12月には車いすで国会に復帰した。国会や政治活動を再開したものの、地元に姿を現すことはなく、去就が注目されていた。関係者によると、体調は回復したものの会話が不自由な状態という。

 党道8区は金田氏が代表を務めているが、支部活動の停滞を避けるため、今年7月1日の総支部定期大会で平出陽子道議が代表代行に就いた。8区総支部は「参院選での自民党惨敗やその後の安倍首相の辞任など、不安定な政局で、福田首相のもとでの解散総選挙も想定される」と話し、次期衆院選の後継候補擁立が今後の焦点となる。

 金田氏は1947年、木古内町生まれ。函館東高校を卒業後、函館市職員となり、市職労を母体に79年に市議初当選。3期務め、93年の衆院選旧道3区に無所属(社会党推薦)で出馬し初当選。民主党の比例道ブロックで当選を重ね、2003年11月の総選挙で、小選挙区初当選を果たした。05年9月の前回衆院選で5選。(高柳 謙)


◎知内町制施行40周年、サブちゃんも祝福
 【知内】知内町町制施行40周年記念式典が1日、町中央公民館講堂で開かれ、町民や来賓ら161人が出席し節目を祝った。

 1967年に知内村から知内町に移行。人口は当時の8800人余から現在は5484人(9月30日現在)に減少したが、特産のニラなどが全国ブランドとなって地場産業を支えるなど着実に歩んできた。

 式典では物故者に対し黙とうをささげた後、「40年の足跡」と題したスライドを上映。73年に小谷石地区で起きた死者4人、行方不明者4人の集中豪雨による土砂崩れ災害からの復興の様子などが映し出された。

 脇本哲也町長が「知内の歩みは町民の努力の成果そのもの。今後も町民と一丸となり飛躍の努力を続けたい」と式辞を述べた。

 町顕彰条例に基づく本年度功労者8人の表彰に続き、畑秀叔渡島支庁長と渡島総合開発期成会会長の海老沢順三北斗市長が祝辞を述べた。

 同会場で行われた祝賀会には知内高校(南和孝校長、生徒151人)の吹奏楽部21人などがステージに立ち、祝賀ムードに花を添え、地元出身の演歌歌手北島三郎さんも駆け付けた。(田中陽介)


◎市議会、有料老人ホーム調査特別委設置/委員の指名は見送り
 第3回函館市議会定例会は1日、一連の福祉施設設置の許認可をめぐる問題の調べる「有料老人ホーム問題調査特別委員会」の設置を全会一致で可決した。本会議に先立ち開かれた議会運営委員会(能川邦夫委員長)は、小野沢猛史氏(市民クラブ)の委員選任をめぐり、この日も各会派の意見が割れ、結局、本会議での委員指名は見送る異例の事態になった。今後の議運協議を経て委員は決まる見通しだが、今回の混乱は特別委開催後も尾を引きそうだ。

 特別委の委員は当初、各会派が9月27日までに議会事務局に提出し、1日の本会議で議長が指名する予定だった。しかし、特別委員会や本会議で発言をしないことが慣例となっている監査委員の小野沢氏を市民クラブが推薦したことで、民主・市民ネット、新生クラブ、公明党の3会派が反発。辞退を求める3会派と、問題はないとする市民クラブ、共産党の2会派とで意見が割れていた。

この日の議運で、小野沢氏は「これ以上の議論は時間の無駄だ」として、監査委員を特別委委員から排除するよう規則の変更を求めた。反対していた3会派は、慣例尊重の基本姿勢は変わらないとしながらも、民主・市民ネット、新生クラブは能川委員長に一任。公明党は「監査委員が入るのもひとつの選択肢」として、柔軟な対応を示した。

能川委員長は監査委員の取り扱いについて、再度議運で協議することを決め、本会議での委員指名を見送った。

この日の本会議は、議運が長引いたため、予定より約1時間40分遅れて開会した。(今井正一)


◎民間駐車監視員始まる/緊張の初日
 駐車違反の取り締まりを強化した改正道交法の柱の一つ、民間の「駐車監視員」制度が函館市内で1日始まり、真新しい制服を着た監視員が観光地などの重点地区を巡回した。初日は監視員が慣れない端末機の操作に手間取る場面や、慌てて車を移動させるドライバーの姿も見られた。

 函館中央署では同日午前、函館西署との合同出動式が行われ、高橋道夫署長が「慢性的な駐車違反が社会問題となっている。厳正で公正な業務に当たってほしい」と訓示。監視員を代表して齋藤昌三さん(55)が「毅然(きぜん)とした態度で職務の遂行に努めます」と決意を述べた。

 監視員は薄緑色の制服姿で首から携帯端末機を下げ、2人一組で巡回。メジャーを使った現場の実測や周辺地図の入力など、慣れない作業に時間が掛かり、取り締まり前に運転手が慌てて戻るケースも多かった。

 この日、市内で監視員が標章(ステッカー)を張ったのは2件。最重点地区の朝市周辺を見回った監視員の岡田雄三さん(61)は「警察官の立ち会いもあり、普段より違反車両が少なかった。作業は頭で理解していても実際は講習と違って難しい」と話していた。

 一方、近くの商店の男性店主(60)は「最近はレンタカーを利用する観光客が多い。駐車場は案内しているが、取り締まりがあんまり厳しくなって客足が遠のいては困るんだが…」と複雑な表情を見せていた。(森健太郎)


◎9月の道南暑い/夏日が平年の倍9日
 函館海洋気象台は1日、9月の管内の気象状況をまとめた。太平洋高気圧の勢力が強く、道南でも気温が高くなったが、前線の影響などで日照時間は少なかった。降水量は平年並みだったが、8日未明に道南に上陸した台風9号の影響で、局地的な大雨が観測された地点もあった。

 気温は各地とも上旬と下旬で高く、中旬はかなり高くなった。函館の1カ月の平均気温は19・5度で平年より1・6度高く、9月としては観測史上10番目に高かった。江差は20・3度で平年より1・7度高かった。

 気温は高かったが、天気が数日の周期で変わった影響で、日照時間はかなり少なかった。函館の1カ月合計は123・9時間で平年の157・3時間の79%にとどまった。函館では最高気温が25度以上の夏日が平年の倍となる9日あったが、日照を観測しなかった日も平年の倍の9日あった。管内の日照時間では北斗市の114・1時間、せたな町の109・2時間が過去最少を記録した。

 降水量は函館市美原の1カ月合計が162・5ミリで平年並みだったのに対し、台風9号の影響が大きかった同市川汲では7日の降水量が277?に達し、一日の量としては過去2番目に多く、1カ月では429ミリとなり過去3番目に多かった。(山崎純一)