2007年10月22日(月)掲載

◎見晴公園/紅葉、イガ栗…晩秋
 「ササー、ドスン」。木々が風に揺られた後、頭上から落ちてくるクリ。函館市見晴町の見晴公園(香雪園)では、紅葉し始めたモミジやカエデを観賞したり、足元に落ちているクリを拾う市民などでにぎわっている。

 紅葉の色づきはまだわずかだが、緑に囲まれる中で美しいコントラストをみせている。早い木は風を受けると美しい葉が落ち始めている。

 来園者は頭上の輝きばかりではなく、足元に転がるクリのイガからも秋の趣を感じている。同市上湯川町から訪れた佐伯保美さん(54)は「そろそろクリが落ちているかと思ったが、たくさんのイガがあり驚いた。秋は一気に深まりますね」と話していた。


◎カットフラワーイベント/七飯の花々“大変身”
 【七飯】道内在住のカットフラワーアドバイザー(日本切花装飾普及協会認定)の有資格者40人で構成するグループ「Club Do(クラブ・ドゥ)」(薄木健友キャプテン)の秋イベントが20、21の両日、七飯町をメーン研修場所に開かれた。道南が会場となるのは初めて。参加者約20人は、子どもたちにフラワーデザインの楽しさなどを伝える「花育」の研修や、地元花き農家の見学、函館市で生花店を営む星井英人さん(43)のデモンストレーションを通じ、技術向上に努めた。

 このグループは昨年7月、切り花を長持ちさせるため、正しい取り扱いができる技術を持つ「カットフラワーアドバイザー」の資格を持つ有志が、交流を通じ技術を高めようと自主的に立ち上げた。イベントは花き産地を見学したり、デモンストレーションを通じて高い技術を間近で見ることで、技術向上を図るのが狙い。

 初日の20日は町文化センターで、「2006第4回フロールエバープリザーブドフラワーコンテスト」で「田崎真珠賞」を受賞した函館市の「花禅」(宮前町8)代表、星井さんによるデモンストレーションを実施。星井さんはプリザーブドフラワー(特殊加工を施し枯れない生花)や地元の生花、造花とユニークな花器を組み合わせた作品10点余を次々と披露した。

 星井さんは空間を生かしたデザインやクリスマスツリーをイメージした作品、花育へのアイデアなどのほか、JA新はこだて花き青年部メンバーが手掛けたカーネーション、ダリアを使用した花束も紹介。参加メンバーからは「色がいい」「何という花? 初めて見た」など大好評だった。

 会場を訪れた同青年部の藤田幸成さん(35)は「自分が作った花が格好よくなって驚き。生産者として、花育に協力もしたいし、プリザーブドフラワーにも興味を持った」と笑顔を見せていた。

 一行は21日、町内の花き農家を訪れ、じっくりと産地見学にも取り組んだ。 (笠原郁実)


◎「オーシャンウイーク」海王丸など一般公開
 海に親しむ市民参加型のイベント「オーシャンウイーク」(実行委主催)は21日、函館市内各地で催しが行われた。西ふ頭では航海訓練所の大型帆船「海王丸」(雨宮伊作船長)と気象庁の海洋気象観測船「高風丸」(加村正已船長)の一般公開に大勢の家族連れが詰めかけ、にぎわった。

 海王丸(2556トン)では、全国5校の商船高等専門学校の実習生や船員が歓迎し、船内の講義室や会議室などを案内するとともに、質問に答えた。甲板は木製で、市民らは最長で高さ55メートルのマスト4本を見上げ、感嘆の声を上げていた。

 親子3人で訪れた市内神山3の打田恵理子さん(32)は「帆船を見るのは初めてで、子供たちにも良い勉強になった」と語り、長男の悠太君(9)も「高いマストがかっこよく、面白かった」と笑顔だった。礼儀正しい実習生の姿に感動する声も多く聞かれた。

 高風丸(487トン)は函館が母港で、市内での一般公開は3回目。海洋観測や海上気象観測に使用するさまざまな機器類が並び、市民らは説明にうなずいていた。

市臨海研究所では小学生を対象にした「ガゴメとろろづくり体験」などが行われた。市内豊川町の梶原昆布店、梶原健司社長(54)がコンブの生産から商品完成までの工程を説明し、自らコンブ削りを実演、指導した。

 親子で訪れた市内北浜町の蝦名可奈さん(45)は「とても良い体験。ガゴメを使った商品はよく購入しており、安全・安心な地域の食材をさらに消費していくことが大切ですね」と話していた。

会場ではガゴメやイカを使った商品販売が行われたほか、市地域交流まちづくりセンターでは「おさかな凧(たこ)作り」なども行われた。 (高柳 謙)


◎本年度の市営競輪売り上げ見通し、当初予想3億円上回る
 本年度の市営函館競輪は、23日から3日間の「函館ナイター10周年記念競輪」(F2)で閉幕する。市競輪事業部の見通しでは、本年度の売り上げは191億円程度で、当初予算と比較し3億円上回る。人気が高い8月の「ふるさとダービー」(GU)では予定を12億円下回る108億円の売り上げにとどまったが、その「不足分」を飲み込んで、さらに伸ばす結果となりそうだ。

 同部によると、開催日数67日のうち、61日終了時(10月8日)の売り上げは178億9200万円。これに残り6日間の見込額を加えると191億8000万円が見込まれるという。当初予算は188億8000万円のため、順調に行けば予定より3億円上回る。

 8月の「ふるさとダービー」4日間は、主力の電話投票が予定より11億5000万円下回ったことが響いた。また、今季は当初、70日間の開催を予定していたが、全国47の競輪場がそれぞれ3日間、日程を減らすことで選手会などと合意した。レースの競合による収益悪化を防ぐ狙いで、函館開催も11月上旬に予定していた3日間を削減する。

 このため、ふるさとダービーの減少分12億円に加え、3日間開催した場合に見込まれた数億円の売り上げも減少する。これを他の普通競輪の売り上げを伸ばすことで補った。

 同部は「61日間の実績で、主力の電話投票と臨時場外で約15億7000万円、予定よりも伸びている。ナイター競輪が多場と競合しない日程を組んだことが大きい」と説明する。

 ただ、単年度黒字にはならない見込み。従来通り、日本自転車振興会への交付金(負担金)の還付制度や包括委託などで経営改善を図り、来年度からの単年度黒字化を目指す。 (高柳 謙)


◎民主道8区次期衆院選候補に逢坂氏擁立で合意
 民主党道8区総支部と函館支部は21日の常任幹事会で、引退する金田誠一衆院議員(60)=当選5回=の後継候補に逢坂誠二衆院議員(48)=比例道ブロック、同1回=を擁立する方針に同意した。関係者によると、党と道連も逢坂氏擁立で固まっており、次期衆院選の公認候補となることが事実上、決まった。

 次期衆院選第8区候補者擁立会議(党道8区総支部、連合渡島・檜山地域協議会など4団体)が20日に決めた方針を常任幹事会に報告した。

 8区総支部の板倉一幸幹事長によると、常任幹事会には13人が出席し、地元の議論でも最終的に「現職で知名度があり、地方自治にも詳しい逢坂氏が適任」との結論に達したことを報告した。幹事会も「擁立会議で意見の一致をみたので、党としてもその方針でいきたい」と了承した。

 22日に擁立会議のメンバーが札幌市で逢坂氏に会い、出馬を要請する。党の小沢一郎代表も23日に札幌で記者会見し、正式発表する予定。

 板倉幹事長は「党としても地域の有権者に、逢坂氏で決定した経過や考えを知らせる必要がある」と話している。今後、道連に逢坂氏の公認を申請し、道連も本部へ上申する。 (高柳 謙)