2007年10月29日(月)掲載

◎笹流ダム、イタヤカエデ鮮やか
 函館市赤川町の笹流ダムの前庭広場では、約110本のイタヤカエデが鮮やかな赤やオレンジに染まっている。訪れた人たちは温かみのあふれる色彩のトンネルをくぐり秋の趣を味わっている。

 函館の紅葉の名所の一つして親しまれており、市外からも大勢の人が訪れる。東京から道央に入り、道内のドライブを楽しんできたという見永徳明さん(61)はインターネットでこの広場を知った。「函館は異国情緒にあふれているが、ここは別世界といった雰囲気ですね」と話していた。 (山崎純一)


◎西尾市長就任半年/西尾カラー徐々に
 函館市の西尾正範市長が就任半年を迎えた。2度の定例市議会を乗り切り、選挙時に掲げた公約では「校長先生の知恵の予算」や子ども未来室など3室設置を実現。東京事務所廃止や商工観光部の再編なども着手し、徐々に、西尾カラーを浸透させている。一方で、助役辞任時に端を発し、市政を揺るがした一連の福祉施設許認可をめぐる問題は、特別委員会で真相究明がされることになった。選挙時の発言でこじれた経済界との関係も、先行きは不透明なままだ。

 西尾市長は、4月27日の就任後、工藤寿樹副市長を「必要不可欠な人材」として留任させ、庁内融和を図った。2人目の副市長には、民間出身者で初めてとなる前北ガス函館支店長の谷沢広氏を抜てきし、経済界とのパイプをつなげた。

 細かなところでも変化が見られる。外勤先では随行職員を減らし、市民と直接対話する移動市長室では、議会さながらに全部局から出席していた理事者を、教育長や市民部長ら数人に限定。風通しの良い市政を市民にアピールしている。

 6月定例会では、公約を中心とした施策の考え方、政治姿勢や選挙時の発言について追及もあったが、信念を押し通し、しんの強さを見せた。ただ、こうした「譲らない姿勢」は、議員の中でも賛否が分かれている。

 「過去については、市民の審判が下った」とした福祉施設問題は、依然、火種がくすぶる。特別委設置後、10月5日の記者会見で「一定程度、明らかになることを期待したい」と淡々と述べた。同日夜の移動市長室では、市民から「今ごろになって特別委が設置されるのは、西尾市長があいまいなままにし、市民への説明責任を果たさなかったからだ」と厳しい意見もあった。

 また、やや軽率とも言える発言もある。米艦船入港の事前容認や、町会活動をしない職員を昇格させないなどの発言、ある文化関係者の表敬訪問の場では、前市長を蔑視(べっし)する言葉を公然と発したこともあり、これらは庁内外でも波紋を広げた。発言の真意は違うにしろ、中核市市長としての言葉には、一言一言に重みが求められて当然だ。

 経済界との関係修復は「西尾市長からのアプローチ(接近)が見られ、一部とは良好。だが、高野洋蔵会頭との修復は険しい」(関係者)という。9月の会見で、会頭続投を問われると「別組織のこと」と前置きして、課題ごとの連携を訴えた。

 懸案事項は残るが、西尾市長の手腕は、今後の新年度予算編成や、4月の人事に発揮されることになる。この半年間は、大幅な人事異動をしなかったが、来年3月で定年退職となる総務部長らの後任を含め、どのような人材を充てるかが焦点。また、地方交付税の大幅削減など厳しい財政状況の中で、公約の取捨選択も迫られている。 (今井正一)


◎市営函館競輪、今季売り上げ190億円
本年度の市営函館競輪が終了した。市競輪事業部の速報値では、売り上げは190億3400万円で、当初予算(188億8000万円)と比較し0・8%、1億5400万円上回った。グレードと人気が高い8月の「ふるさとダービー」(GU)の売り上げが低迷したが、普通競輪(F1、F2)の売り上げを伸ばすことで予定を上回った。ただ、前年度実績(201億5700万円)比では5・6%減となった。

 最終的な収支決算は、場外売り上げの精算や車券の払い戻しなどを終える年明け以降となる。全体で当初予算の見込み額を上回ったが、単年度黒字にはならない見通し。

 67日間の売り上げは、ふるさとダービー4日間が107億9300万円、普通競輪は63日間で82億4100万円。当初予算と比較し、ふるさとは10%、12億700万円下回ったが、普通競輪は19・76%、13億6000万円伸ばし、ふるさとの減少分をカバーした。

 普通競輪は前年度実績と比較しても、同じ63日間の開催で8・1%、6億1800万円伸びている。同部は「他場での車券販売の協力や、ナイター競輪が他場と重ならないようにすることで伸ばすことができた」と説明する。

 ただ、3年ぶりの開催となったふるさとダービーは、車券購入単価の減少などで振るわなかった。

 前年度と比較した場所別の売り上げは、本場と松風、札幌場外が15・9%減の14億7300万円、電話投票が同14・8%増の54億4400万円、臨時場外が11・3%減の121億1700万円だった。電話と臨時場外の販売が全体の92%を占めている。 (高柳 謙)


◎3、4日に市文化祭でダンス公演
 2007年度函館市民文化祭の舞台芸術部門市民ダンス公演「STEP BY STEP」(ダンス・プロジェクト・ハコダテ、市文化・スポーツ振興財団など主催)が11月3、4日、函館市民会館大ホールで開かれる。約半年間の練習で仕上がりは上々。ジャズダンスとバレエの融合など、見どころたくさんのプログラムが用意されている。

 同文化祭での市民ダンス公演は「ダンス・ダンス・ダンス2003」以来4年ぶり。今回は構成、演出、振り付けで国内の第一線で活躍する名倉加代子さん(ダンス)、下村由理恵さん(バレエ)を招き、公演を企画。出演者は市内を中心に小学生から大人までの約120人で、5月から市内で練習を積んできた。

 ステージは3部構成。第1部はダンスコンサート。ジャズダンスのメドレーを披露する。第2部はバレエ。佐々木大さん(大阪)をゲストに招きクラシックバレエ「クリスタル」を発表する。

 ダンスとバレエの違いを堪能したところで、第3部は両者が融合したダンス・コラボレーション。名倉さんが書き下ろした「少年と猫」が演じられる。物語はダンスの公演前の練習中、踊りに悩む少年と、少年を見守ってきたネコが織り成す感動ドラマ。展開は、ジャズダンスのスタンダード・ナンバー「シング・シング・シング」で躍動感を与え、ピアノ音楽「ジムノペディ」などで空気を替え、しとやかなバレエが織り交ざる。

 練習期間中、何度も函館を訪れて練習を見守ってきた名倉さんは「一つ一つの踊りが完成し、流れも良くなってきた。(本番は)大丈夫でしょう」と期待を込めている。

 ダンス・プロジェクト・ハコダテの島崎啓子代表幹事は「子どもから大人まで楽しめる踊りと音楽。振り付けは手足まで目を凝らしてみてほしい」と来場を呼びかけている。

 開演時間は、3日は午後6時、4日は同3時。入場料は3000円(全席自由)で、同会館、市芸術ホールのほか、出演者が通うダンス、バレエ教室でも取り扱っている。問い合わせは同会館TEL0138・57・3111。


◎「北海道観光マスター検定」受験者募集
 函館商工会議所(函館市若松町15)は、11月23日にサン・リフレ函館(同市大森町2)で行う「第2回北海道観光マスター検定」の受験者を募集している。同検定を函館で受験できるのは、今回が初めて。

 同検定は、道民に対する観光振興の意識とホスピタリティー(もてなしの心)の向上などを目指して、昨年11月に道内14カ所で実施。2回目となる今回は、試験会場を21カ所に拡大する。

 問題は、同検定の公式テスト第2版「北海道観光ハンドブック」の内容を中心に出される。試験は、サン・リフレ函館で23日午後2時から(制限時間90分)、出題数は50問で、70点以上が合格となる。合格者には、合格証(証書、カード、記章)が交付される。合格発表は12月13日。

 受験資格は、学歴や年齢、性別、国籍不問。申し込み方法は、所定の申込書に必要事項を記入して受験料4800円とともに、同会議所に持参するか、現金書留で受け付ける。2日必着。現金書留の場合のあて先は、〒040―0063 函館市若松町15―7―61 函館商工会議所地域振興課。

 なお、同テキストは、同会議所で1冊2300円で販売している。

 問い合わせ、申し込みは、同会議所地域振興課TEL0138・23・1181、ファクス同27・2111。 (浜田孝輔)


◎香川県三木町から国内最大の獅子舞
 【七飯】国内最大の獅子舞初お目見え―。七飯町の町制50年を記念し28日、同町と姉妹町提携を結ぶ香川県三木町の天野神社大獅子(高さ・横幅約3メートル、胴20メートル)が町内4カ所で迫力ある舞いを披露した。天野神社大獅子保存会(多田義俊会長)会員30人が来町。国内最大の同獅子が海を渡るのは今回が初めてで大沼、峠下、役場前のほか町農畜産フェアー「ななえグリーンフェスタ2007」(実行委主催)会場でも大勢が見守る中、獅子は目を光らせ、耳をそばだてながら演舞を繰り広げた。

 三木町が干ばつで水不足となった2004年、七飯町が同町へ水を送ったことのお返しに、同保存会が七飯町の節目を祝おうと出張演舞を提案した。住民の希望に応え、町内4カ所でそれぞれ、大獅子と小獅子を披露した。

 300人余が見守ったグリーンフェスタ会場では観客は「大きい」「迫力ある」などと話しながら、獅子の立ち回りに目を見張り、演舞終了後には獅子と記念撮影する親子連れで、にぎわっていた。(笠原郁実)