2007年10月7日(日)掲載

◎高龍寺で函館子ども歌舞伎公演
 函館市船見町21の高龍寺の金毘羅尊天例大祭が6日始まった。夜には本堂前に設けられた特設舞台で函館子ども歌舞伎(市川団四郎さん主宰)の公演が行われ、団員約25人が熱演。訪れた檀家(だんか)や市民約100人が子どもたちの白熱の芝居に大きな拍手を送っていた。

 同団にとって屋外での公演は初めて。市川さんが同寺の檀家である縁で開かれた。一幕は「白浪五人男」。マツの木の下にある花道に園児から小学生の5人が登場すると「待ってました」と声が掛かり、子どもたちが威勢の良い声で見えを切ると「日本一」と拍手が沸き起こった。

 二幕は「二月堂良弁杉の由来」。天平時代の名僧・良弁にまつわる伝説で、別れた親子の哀惜話に観客は息を飲んで見入った。同寺の僧侶9人が特別出演し、客席から「お坊さん」と声が掛かった。

 市川さんは「念願の舞台で、寺の階段を使ったり本物の僧侶と芝居ができたのは子どもたちにとって幸せなこと。このような舞台は全国に例がなく、来場者にとっても貴重な観賞となったと思う」と話していた。

 例大祭は7日も開かれ、正午から特別祈祷、午後6時半から中国琵琶演奏などが行われる。 (山崎純一)


◎「湯の川オンパク」予約開始
 27日に開幕する「第3回はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだて湯の川オンパク)」(実行委主催)の予約受け付けが、6日から始まった。午前10時の開始から予約専用電話4台がひっきりなしに鳴り、職員は対応に追われていた。

 今回は「湯けむり見聞録―そっと教えるおとなのより道」をテーマに、新たに18プログラムを加え、70プログラムを企画。開催回数は約170回、定員は約3600人に上る。

 同日午後5時の受け付け終了時点で、申込人数は1123人に達し、満員となったのは8プログラム。「カラー診断&メイク講座」「はこだてドライブアンドイート」「女将(おかみ)の日本舞踊&竹葉新葉亭ランチ」「神秘のタロットリーディング」「料理教室・竹葉新葉亭」は、各日・各回とも定員に達した。このほか、「秋の函館山紅葉トレッキング」「ぶらり元町坂めぐり」「海を越えてオーマの休日」の一部が満員。

 実行委(刈田眞司実行委員長)は「参加したいプログラムの日時、人数をはっきりと伝えてほしい。残席数の少ないものもあるので、大人数で申し込む場合は、事前に確認してもらえれば」と話している。

 問い合わせは、実行委事務局(函館湯の川温泉旅館協同組合内)TEL0138・59・3789、予約専用ダイヤルは同36・6111。HPアドレスはhttp://hakodate.onpaku.com (浜田孝輔)


◎函館地検が裁判員制度PRソング作製
 笑顔の明日を守りたい 君たちだからできること―。2009年5月までに始まる「裁判員制度」をPRしようと、函館地検はこのほど、広報ソング「君にできること」を製作、CD化した。全国でも「あまり例がない」(同地検)取り組みで、管内の小中学校などに配布したり、啓発活動の際に街頭で流したりして、同制度への理解と協力を“耳”から訴える狙いだ。

 同地検は2005年8月に「裁判員制度広報プロジェクトチーム」を発足させ、国民に広く関心を持ってもらおうと、職員が音楽製作を発案。各課から募った20数点の歌詞をつなぎ合わせて作詞し、同地検の大鶴基成検事正と親交のあったリコーダー奏者の金子健治さん(東京在住)が作曲した。

 歌詞にはあえて裁判用語を使わず、幅広い世代に親しみやすいように工夫。CDのジャケットにも「『ご当地ソング』としてではなく、道内や全国に向けてこの音楽を広めたい」との願いを込め、函館をイメージするデザインを避けた。ボーカルは歌手の加藤和義さん(神奈川県在住)が務める。

 歌は6分40秒のポップス調のメロディーで、同地検は「未来に希望が持てるような歌に仕上がった。耳にすることで裁判員制度への参加の必要性を少しでも分かってもらえれば」と話している。

 完成したCDは、管内(渡島・檜山と後志管内の一部)の小中高校などに配布するほか、庁舎内や説明会の会場などで流す予定。希望者には無料で配布する。問い合わせは同地検企画調査課TEL0138・41・1234へ。 (森健太郎)


◎みなみ北海道菓子・パンまつり盛況
 「2007みなみ北海道菓子・パンまつり」(実行委員会主催)が6日、2日間の日程で函館卸売センター「流通ホール」(函館市西桔梗町)で始まった。創造性や彩り豊かな和・洋菓子がずらりと並び、会場は甘い香りに包まれた。初日から大勢の家族連れなどでにぎわい、展示や発表のほか、菓子作り教室やケーキバイキングなどを楽しんだ。先着2000人にプレゼントするあんパンが開場1時間で品切れになる人気で、主催者は2日間で2万人の来場を見込んでいる。

 渡島、桧山管内の製パン業者200社で構成する「道南製パン組合」の創立60周年を記念したイベントで、2回目の開催。市民との交流を通じて「食の安全性」を伝え、菓子・パンへの理解と関心を深めてもらうとともに、経済の活性化を目指している。

 ホール内では、和菓子・洋菓子の2部門で「新作スイーツ発表会」を実施。和菓子部門では吉田食品(函館市)が、白あんをたっぷり使ったカステラケーキ「なごみ」を発表した。七飯町産のリンゴを使った白あんを、函館産のガゴメ昆布入りのカステラ生地で包んだケーキで、同社の吉田貴之工場長(35)が「地元の素材を使ったかわいらしい和菓子」を念頭に、試行錯誤を繰り返したことを紹介した。

 洋菓子部門では、函館ハーバービューホテルでパティシエを務める関健作さん(29)が、七飯町産有機栽培のカボチャをふんだんに生地とクリームに含ませた「かぼちゃロール」を発表。「何度も試作を練ってやっと完成した力作」と語った。

 あんパンやクリームパンを作る「パン教室」コーナーでは、悪戦苦闘しながらも一生懸命生地をこねる参加者の姿が見られ、「洋菓子教室」では「フィナンシェ」(スポンジケーキ)を1人10個作り、会場は香ばしいバターの香りに包まれた。パン作りに参加した古田美紀子さん(36)は「なかなか一人では上手にできないので参加した。たくさんのスイーツが並ぶ楽しい会場なので、また企画してほしい」と笑顔で話していた。

 まつりには同組合に加盟する和・洋菓子、パン業者約80社が参加し、各店力作のスイーツを並べるなど早朝から準備をした。ホール前広場には、午前10時の開場を心待ちにする長蛇の列ができ、同9時半から、オープニングセレモニーを開いた。北島孝雄実行委員長が「これからも業者が一丸となって頑張るので、きょうはたくさんの催し物で大いに楽しんでほしい」とあいさつ。来賓ら計8人がテープカットをし、組合の創立60周年を祝福した。

 7日は、午前9時から午後4時半まで。 (小橋優子)


◎「函館学」講座、ロシア極東大函館校の講師が講義
 本年度の合同公開講座「函館学」(函館市高等教育機関連携推進協議会、市主催)の第5回講座が6日、ロシア極東大函館校で開かれた。同校講師のデルカーチ・フョードルさんが「函館・姉妹都市・ウラジオストク」と題して講義し、約100人が聴講した。

 ウラジオストクは1860年の北京条約で清国(中国)から帝政ロシアの領土に編入された都市。シベリア鉄道の終着駅があるほか、極東第一の港湾を保有し軍港として栄えた。函館市とは1992年に姉妹都市提携した。

 講義でフョードルさんは、ウラジオストクの歴史や街の特色、産業構造などを説明。天然の良港やシベリア鉄道、空港を持ち、交通の要所として発展した一方で、「舗装された道路は少ない。農耕に向いている土地のため、雨が降る夏になると道がドロドロになる」と道路事情の悪さを指摘した。また、街の状況については「近年、おいしい料理を提供する店ができて、街はだんだん活発化している。収入は日本の4、5分の1ほどだが、レストランなどは満席」と話し、「極東と北海道は移民が多いという点で似ている」とも述べた。

 街並みの様子をスクリーンで紹介し、郵便局など帝政ロシア時代に建築された、石造りの重厚な建築物や港湾、フョードルさんが「世界一」と称賛する街の夜景などを見せ、「ウラジオストクには面白いものがあります」と話した。

 受講者も質問し、ウラジオストクやロシアについて関心を深めていた。 (鈴木 潤)