2007年10月8日(月)掲載

◎道南のエゾシカ狩猟期間2→3回に
 道は27日、道南地方(渡島、桧山、後志管内)で本年度のエゾシカ狩猟を解禁する。道東地方に比べ生息数が少ない道南では狩猟期間を分断して捕獲しており、本年度は3回に分けて実施する。狩猟者の減少や高齢化などで、十分な捕獲数が確保されない状況を踏まえ、昨年度より回数を1回増やして中断期間を短縮し、捕獲効率を向上させる狙い。

 道南では狩猟解禁から2週間ほどで急に捕獲効率が低下する。エゾシカの警戒心を解くため05、06年度は狩猟期間を11月1日から同30日と2月1日から同28日の2回に分けた。渡島の捕獲数は05年度が333頭、06年度が256頭と横ばい状態で推移している。

 渡島の狩猟者数は1976(昭和51)年度の1134人から2006年度は半数以下の467人に減少し、年齢層も50、60代が8割を占めるようになった。捕獲効率を上げるため今年は狩猟期間を27日から11月25日、12月15日から1月14日、2月1日から同29日の3回に増やした。全道的には25日から2月29日まで中断せずに解禁する。

 道内では道東を中心に、エゾシカによる農林業の被害が激増し、植物の減少など森林生態系への悪影響も生じている。こうした事態を受け、道は「エゾシカ保護管理計画」を策定し、道東、道央、道北地方を中心とした頭数管理を進めてきた。道南での狩猟は、億単位の農作物被害が出ている道東のように深刻化する前に、頭数管理するのが目的で、05年度に解禁した。

 渡島支庁によると、管内でエゾシカによる主な農作物(水稲、豆類、根菜類、ジャガイモ、てん菜、トウモロコシ、果実類、その他の8種目)の被害は02年度54万7000円、03年度35万7000円、04年度60万5000円、05年度274万7000円、05年度299万円と増加傾向にある。自動車や列車との接触事故も増えているという。

 同支庁は「今後道南でも生息数の増加が予測されるため、早い段階で地域の特性に応じた方法を取っている。ハンターには狩猟期間を守ってもらえるよう周知していく」と理解を求めている。(宮木佳奈美)


◎火災警報器の悪質訪問販売相次ぐ
 住宅用火災警報器の悪質な訪問販売が函館市内で相次いでいる。昨年6月に施行された改正消防法で新築住宅への火災警報器の設置が義務付けられたのを口実に、強引に購入を迫るケースなどが9月末現在、6件報告されている。同市消防本部は「販売方法に不審な点があればすぐに相談を」と注意を呼びかけている。

 改正消防法では、住宅火災の早期発見を目的に昨年6月以降に着工したすべての新築住宅に警報器の設置を義務化。既存の住宅についても、函館市内では11年6月までに設置するよう条例で定めている。

 住宅用火災警報器は、煙や熱を感知するとアラームが鳴り、住人らに火災の発生を知らせる。家電量販店やホームセンターなどで3000―1万円程度で購入でき、天井や壁などに自分でも取り付けられる。

 同本部によると、訪問販売に関する相談は6月から増え始め、7月下旬には、同市内に住む80代の女性が、自宅を訪れた業者に「警報器を取り付けなければならなくなった」と契約させられ、設置義務のない台所や洗面所への取り付けも含め、計6個の代金約17万円を支払う被害に遭った。

 こうした業者の多くは「消防から来た」と行政側から委託されたように装い、警報器の設置が義務付けられたことを強調。中には「既存住宅の設置も義務化された」と偽って、割高な価格で購入を迫るという。特にクーリングオフ制度に疎い一人暮らしの高齢者が狙われやすい。

 一方で、同本部は既存住宅への警報器の早期設置も奨励している。担当者は「設置自体を否定するものではない。消防も普及には力を入れているので…」と困惑の表情。その上で「消防が警報器を販売したり、業者に委託したりすることはない」としている。

 警報器の販売店や設置に関する詳細は同本部のホームページ(http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/syoubou/)でも紹介している。問い合わせは同本部予防課TEL0138・22・2144。(森健太郎)


◎南かやべとことん浜味祭り、サケつかみ取り
 南茅部地域秋恒例の「第7回南かやべとことん浜味祭り」(同実行委員会主催)が7日、尾札部黒鷲漁港で開かれた。会場では、炭火焼き台を家族で囲んでホタテやイカなどを焼いて食べたり、鮮魚即売会では、水揚げされたばかりの新鮮なサケやイナダが飛ぶように売れ、澄み渡る青空の下で海の恵みを堪能した。

 南茅部地域の新鮮な魚介類の良さを体感してもらおうと毎年この時期に開催しているイベント。実行委員長で、南かやべ定置協会の沢中一司さんは「ことしが一番客が来ている。相場よりもかなり安く売っているので喜んでもらえているのでは」と話していた。

 即売会では、今期は不漁といわれているサケを1300匹を用意。雌1匹2500円、雄1匹1000円の格安浜値が付けられ、銀毛や雌を中心に次々と売れていた。このほか、イカやブリなども並び、来場者の人気を集めた。

 また、小学生を対象としたサケのつかみ取りは、イナダに変更して開催。水槽の中を素早く泳ぎ回るイナダに子どもたちは苦戦しながらも、上手につかまえて、観衆の声援を受けていた。参加した中の沢小学校3年の小沢静香さんは「逃げるし滑るし大変だったけれど面白かった」と、大きなイナダを手に笑顔を見せていた。(今井正一)


◎市民健康まつり、ヨガ教室や体力測定
 第19回市民健康まつり(実行委員会主催)が7日、市総合福祉センターで開かれた。赤ちゃんを抱えた家族からお年寄りまで、大勢の市民が会場を訪れた。同センターの全フロアを利用して、20を超えるコーナーが設けられ、各種相談、体験を通じて健康づくりへの関心を高めた。

 同イベントは、医療、福祉、健康にかかわる団体が協力し、1989年に始まった。ことしは「みんなの力を合わせ健康な街函館を」をテーマに企画を用意した。

 このうち、4階では、ヨガ教室や大きなゴムボールを使った体操、トレーニングマシンを使ったコーナー、体力測定など、気軽にできる各種体験が人気を集めた。

 また、ヘルシー食堂コーナーでは、天然素材で色づけした豆腐白玉や、カボチャ、ナス、ショウガ、キノコなど約15種類の野菜を使ったカレーライスが好評で、正午過ぎには完売。廊下には、栄養バランスを考えた献立作りのヒントがパネルで展示され、食育や生活習慣病予防に関心の高い主婦層の注目を集めた。

 13日には「市民健康教室ミニ特集―メタボリック症候群ってなあに?〜かしこく学んでしっかり予防」(函館市医師会、市立函館保健所主催)が同センターで開かれる。

 問い合わせは健康増進課TEL0138・32・1515。(今井正一)


◎北海道犬と秋田犬展覧会
 【函館・北斗】日本犬で天然記念物の北海道犬と秋田犬の展覧会などが7日、函館、北斗市内で開かれた。威厳を感じさせる顔立ちの犬たちは、審査員の前で堂々とした振る舞いを見せていた。

北海道犬展覧会、ヒグマを威嚇

 北海道犬保存会函館支部(吉江和久支部長)の「第58回函館支部展覧会」と「第33回獣猟競技会」は北斗市本郷の民間会社社有地で開かれた。渡島桧山のほか道内や北陸から95頭の北海道犬が集結。目つきや、ヒグマを威嚇(いかく)する様子などが競われた。

 北海道犬は、1937年に国の天然記念物に指定されている。アイヌ民族の人たちがヒグマやエゾシカの狩猟に伴っており、古くから「飼って良し、使って良し」と高い評価を得ているという。

 競技は雄雌別に分けられ、展覧会は赤、白、黒など毛の色つや、顔や足などの容姿、歩く姿で審査された。獣猟競技会は、胆振管内むかわ町から連れて来たヒグマに犬をけしかけ、吠え方や動作が審査された。

 ヒグマに対する態度から本来の猟犬としての潜在能力を試すのは、北海道犬独特の審査。優秀な犬は盛んに吠え、おりの中で居眠りしていたヒグマを起こしていた。(山崎純一)

秋田犬展覧会、毛並みや顔立ち審査

 秋田犬の「第2回北海道道南支部展覧会」は、函館市若松町のクイーンズポートはこだて前広場で開かれた。今年は猛暑の影響で犬の毛代わりが遅れたため、昨年より20頭少ない31頭の秋田犬が函館、青森や札幌から参加。整った毛並みや毛色、顔立ちを披露し審査を受けた。

 同支部(平田敏春支部長)は2005年10月発足。同展覧会は秋田犬の保全活動や魅力をアピールすることを目的に昨年から開催。審査対象となるのは生後6カ月以上で、審査は雄と雌、さらに年代別の4部門で行われた。

 会場には約40人の市民などが訪れ、威風堂々とした犬に関心を寄せていた。さっそうと歩く姿に子どもたちから「がんばれー」と声援が飛び交っていた。

 平田支部長は「大会を通じて、出場者同士の親ぼくや市民に秋田犬に関心を持ってほしい。参加した飼い主は、ほかの犬を見て今後の勉強にもなったはず」と話していた。(小林省悟)