2007年11月11日(日)掲載

◎女相撲の魅力 演歌で…金澤さん「北の女力士」作詞
 【福島】福島町三岳154の金澤建設社長、金澤淳悦さん(55)がこのほど、毎年5月の母の日に町内で開催される「北海道女だけの相撲大会」をモチーフにした演歌「北の女力士(おんな)」を作詞した。知人が作曲し、プロ歌手が歌を吹き込み、3分30秒のデモテープが完成。金澤さんは「女相撲の魅力を歌という形で表現したかった。まちの活性化と、大会に花を添える応援歌になってくれればうれしい」と、土俵での披露に期待を膨らませている。

 金澤さんは無類の相撲好き。町内から千代の山、千代の富士(現・九重親方)の両横綱を輩出したこともあり、テレビ観戦などで相撲を身近に感じながら育ってきた。父親の安治さん(81)が、女相撲大会の立ち上げに尽力したこともあり、女相撲にも思い入れが強かった。

 作詞は4月から取り組み、仕事の合間を縫っては言葉を選び、歌詞に仕上げる作業にいそしんだ。

 働きながらけいこに励み、土俵上で激しくぶつかり合う女性のたくましさと、家庭での母親としての温かさなどを思い浮かべ、尊敬の気持ちを込めて作詞した。「青葉も若木も 今 萌(も)えて 女だてらに はじらう意地で 汗をにじませ 四股(しこ)を踏む」といったフレーズが続く。

 作曲は松前町でご当地ソングなどを手掛け、古くから交流のある疋田清美さん(松前観光協会会長)が協力。金澤さんは「最初は自分の歌詞を誰かに見せるのは恥ずかしかったが、メロディーに言葉が乗ったときは驚いた」とし、今後は町内の各種イベントでテープを流していきたいとしている。年内のD化も目指しており、「明るい歌で聞きやすい。多くの町民に歌って欲しい」と話している。 (田中陽介)


◎尾上さん(北中3年)センター賞…中学生作文コン
 函館北中学校(高橋久夫校長、生徒360人)3年の尾上琳彗(りえ)さん(15)がこのほど、生命保険文化センター(東京)の「第45回中学生作文コンクール」で、文部科学大臣奨励賞と全日本中学校長会賞に次ぐ「同センター賞」を受賞した。函館市内から上位3賞に選ばれるのは初めて。尾上さんは「文章の構成を考えることが難しかった。苦労して仕上げた作品なので、賞をもらえてうれしい」と喜んでいる。

 同コンクールは生命保険の理解を深めてもらおうと、1963年から毎年実施。「わたしたちの暮らしと生命保険」をテーマに公募し、全国1032校から1万7808点の作品が寄せられた。

 尾上さんは「天国からの贈り物」と題し、中学校の制服をプレゼントすると約束していた祖父が突然、病気で他界した悲しみと、その際に生命保険で“約束”が果たされたことをつづった。初めは現実を受け止められずにいたが、徐々に生命保険が祖父と尾上さんの心をつないでいる―と思えるようになった心の変遷を表現している。

 高橋校長は「吹奏楽部の部長を務める傍ら、作文を仕上げた。一生懸命取り組む姿勢は素晴らしい」とたたえた。尾上さんは「これからも思ったことを文章にすることに挑戦し続けたい」と話している。表彰式は16日に東京で行われる。(水沼幸三)


◎道南産野菜うまい!…はこだてフードフェスタ
 道南名産の野菜を中心にしたメニューを味わう昼食会「第2回はこだてフードフェスタ」(実行委主催)が10日、五島軒本店(函館市末広町4)で開かれた。市民ら約350人が参加、カボチャやジャガイモなどの素材本来のうまみが引き出された料理に舌鼓を打った。

 道中小企業家同友会函館支部(林洋一支部長)が中心となり、地産地消や特産品の知名度向上などを目指す5カ年計画の2年目に当たる事業の一環。メンバーが協議を重ねながら選定したメニューは7品で、本格的なフルコースとして振る舞われた。

 実行委の金子宏委員長は「生産者とともに2年間にわたって研究してきた成果を発表する場。さらに活動を盛り上げていきたい」とあいさつ。次々と料理がテーブルに運ばれる中、ステージ上では生産者が製品に対するこだわりや栽培・加工の苦労話を披露した。

 参加した市内の女性(60)は「いろいろな食材を楽しめ、生産者の顔を見られるのが魅力。普段食べているよりも味にコクがある」と話していた。(浜田孝輔)


◎就職活動への意識高める…若年者就職シンポ
 若年者就職シンポジウムが10日、サン・リフレ函館(大森町2)で開かれた。市の就職サポート対策事業の一環で、午前中から就職活動中の学生らが会場を訪れ、道内で総合人材サービス事業を展開するキャリアバンク(札幌)の専任スタッフによる個別相談、職業興味検査などで就職活動への意識を高めた。

 この日は、同社雇用創出事業部の田中希久代副部長が講話し、企業の求める人材像として「近年は終身雇用や年功序列の在り方が変化し、自分でキャリアを考える時代。自分で考えて行動できる人材が求められている」とした。特にコミュニケーション能力やチャレンジ精神、協調性が求められると指摘した。

 また、就職活動の心構えとして、準備を周到にし、自分らしさを発揮することを挙げ、「仮にだめでもまた応募する企業を探せばいい。決して自分を否定された訳ではなく、縁がなかっただけで、あきらめないことが大切」などとアドバイスした。

 同事業の一環として29日午前9時半から、応募書類の書き方や、面接演習を行う若年者就職サポートセミナーが同所で開かれる。参加無料で事前申し込みが必要。問い合わせは同社TEL011・251・3353。(今井正一)


◎地方交付税拡充を要望…中核市サミット
 中核市サミット2007がこのほど、神奈川県横須賀市で開かれ、函館市から西尾正範市長が出席した。地方交付税の大幅な削減など、地方自治体を取り巻く財政状況が厳しいことから、西尾市長ら各市長が交付税の拡充を国に求めることを主張。同サミット全体会で、来年度の地方財政運営に関する要望として採択された。

 市財政課によると、西尾市長は分科会の中で「交付税の削減が都市間の格差拡大につながっている。地方は人口減や少子化などさまざまな課題を抱え、交付税という財源が失われると必要な行政や施策ができなくなる」などと主張した。

 地方交付税の総額は2000年度の21兆7000億円をピークに、本年度は15兆2000万円まで抑制された。函館市への配分は本年度、当初予算と比較し14億円減の313億1200万円(臨時財政対策債を含む)となり、不足分は経費節減のほか、基金の取り崩しなどでしのぐ予定だ。

 国が示した来年度の地方財政収支の仮試算では、地方税は前年度比1兆1000億円の増とされたが、地方交付税は6000億円の減、交付税の不足分を起債で補う臨時財政対策債を合わせると約1兆円の減となっている。ただ、地方税収の伸びは国全体のものであり、地方自治体間で税収の偏在や格差がある。

 こうしたことを踏まえ、全体会では「地方税財源の充実と偏在の是正」「地方交付税の財源保障や財政調整機能を強化し、総額の拡充を求める」の大きく2点の趣旨を採択し、関係省庁へ要望した。

 全国の中核市35市で本年度、交付税の不交付団体となったのは宇都宮、川越、船橋、相模原、豊橋、岡崎、豊田の7市。首都圏と愛知県など、景気が順調に回復している地域に偏っていることが分かる。(高柳 謙)