2007年11月24日(土)掲載

◎函館八幡宮で新嘗祭
 勤労感謝の日の23日、函館市谷地頭町2の函館八幡宮(中島敏幸宮司)では、神の恵みを受た五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する「新嘗(にいなめ)祭」が開かれた。ことし収穫された米や野菜などを神殿にお供えし、祝詞をささげて実りの秋に感謝したほか、神楽の奉納が行われた。

 函館八幡宮奉賛会や同敬神婦人会の氏子など約50人が参加。始めに中島宮司が御神体を奉っている本殿奥の扉を開け、新穀などをささげ、続いて出席した氏子らが幣帛(へいはく)などを供えた。

 中島宮司の祝詞奏上に続き、石崎地主海神社雅楽会による神楽「浦安の舞(うらやすのまい)」が奉納された。最後に参加者全員が玉ぐしをささげ、一年の豊作に感謝を表していた。(山崎純一)


◎道が再編案、14支庁を9総合振興局に
 【江差】道は23日までに、現在の14支庁を9地域の総合振興局に再編する支庁制度改革の具体案をまとめた。道南では渡島支庁を政策立案機能や権限を集約した「道南総合振興局」に改編。桧山支庁は同局の出先機関となり、窓口業務中心の「桧山振興局」に縮小される。道は27日の道議会道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会に具体案を報告。2009年度の新体制発足に向けて、早ければ来年2月開会予定の第1回定例道議会に関連条例案を提案する方針。(松浦 純)

 総合振興局は、函館、室蘭、岩見沢、旭川、稚内、帯広、釧路、網走の8市と後志管内倶知安に配置。隣接する支庁廃止地域を取り込み、広域的な政策立案機能や権限を強化する。

 石狩支庁(札幌)と留萌、根室、江差、日高管内浦河の支庁を廃止。税務、福祉、旅券などの限定的な業務を行う振興局を置き、削減する職員は本庁や総合振興局に転換する。

 高橋はるみ知事は22日の定例会見で、「道として広域的な自治体運営が必要。窓口業務は現状より不便にならないことが大前提」と述べ、改革への意欲を強調した。

 これに対して、当初案では廃止が見込まれた支庁所在地の7市町長らは27日、道議会に対してあらためて支庁存続を要請する。濱谷一治江差町長は「支庁廃止は地方を疲弊させるだけ。過疎に苦しむ地方の将来への視点が無い。振興局の具体像を示さないうちに、一方的にスタートラインに着こうとしている」と、道の姿勢を批判した。

 町内の関係者も「支庁の看板を掛け替えて目先をそらしただけ。道議が少なく政治力の低い地域が狙い撃ちされた」と憤る。一方で、「団結して存続運動を進めてきた市町で明暗が分かれた。連携が続けられるのか不安だ」との声も聞かれた。

 また、桧山管内のある町長は「支庁を減らして道庁をスリム化するのが本来の目的。政治家の綱引きで9つもの支庁存続を認めたことで大義名分が損なわれた。一方で道議の選挙区には手を加えないダブルスタンダードを認めた。これでは道民の理解を得られない」と冷ややか。別の町長は「振興局とは名ばかり。地方の再生には基幹産業の農漁業を支援するような機関こそ必要」と話した。


◎函館子ども歌舞伎、あす江差で初公演 町内児童も出演
 【江差】江差町文化協会(宮下節会長)の創立30周年を記念する「函館子ども歌舞伎」(市川団四郎さん主宰)の初の江差公演が25日午後零時半から、町文化会館大ホール(茂尻町71)で開かれる。「白浪五人男」「良弁杉の由来」の2幕を演じる舞台には、町内の女子児童11人も出演することになった。子どもたちは市川さんの指導を受けながら、独特のアクセントがあるせりふや見えの切り方など、歌舞伎の所作を熱心に学んでいる。(松浦 純)

 「ダン!ダダダン!」。ホールに響く勇ましい拍子木に合わせて、“白浪五人男”を追う捕手役を演じる子供たちが、歌舞伎特有の足運びで登場。会館職員らの協力を受けながら、真剣な表情で大捕物を演じる。「まっすぐ前を見て!」と、市川さんの指導にも熱が入る。

 同歌舞伎のメンバーとともに舞台に立つ江差町の児童は、女の子ばかりの11人。8月から月2回のペースで練習を重ねている。南が丘小学校5年の大原寧々さん(11)と常田瑛梨佳さん(同)は「最初は難しかったけど大丈夫」と、本番を前に自信をみなぎらせる。江差に通って指導を続けてきた市川さんも「驚くほどの上達ぶり。当日を楽しみにしてください」と目を細める。

 江差の子供たちとの競演は、ことし3月に「函館子ども歌舞伎」が福岡県小郡市で地元の児童劇団と歌舞伎の公演を行い、大成功を納めたことがきっかけ。市川さんは「見るだけでなく、地域の子供たちが一緒に演じることで、歌舞伎をより身近に感じてもらえるはず」と語る。

 当日は市川さんの門下生による舞踊ショーも行われる。入場料は大人2000円、小中学生・高校生500円。前売り券は同会館と万年屋書店(中歌町)で販売している。当日券もある。問い合わせは同会館TEL0139・52・5115。


◎09年の函館開港150周年に向け「記念事業実行委」30日に設立
 函館市は30日、2009年の函館開港150周年に向けて、官民一体となった「記念事業実行委員会」を設立する。函館は1859(安政6)年に国際貿易港として海外に門戸を開いて以来、港と共に発展してきた。大きな歴史の節目を市民とともに祝うため、事業推進の中核となる組織で、式典や各種イベントの方向性、内容を検討していく。

 函館は横浜、新潟、神戸、長崎とともに1858(安政5)年にアメリカ、ロシア、イギリスなど5カ国と結んだ修好通商条約に基づき、開港が定められた。開港5都市のうち、1859年に開港し、2009年を150周年と位置付けているは函館と横浜のみ。

 実行委設立には市の関連部局、国と道の各機関をはじめ、函館商工会議所などの経済界、各種業界団体、函館新聞社や市内に支社、支局を置く報道機関など計75団体・企業が賛同している。実行委にはワーキンググループを設置する方針だ。

 市は本年度中に事業の基本概要を固める計画で、現在、記念事業についてはオープニングイベントとなる式典、各種イベントの2本柱で想定。市民参加型のメーン事業、趣旨に合致するイベントには「函館開港150周年事業」の冠を付け、連携事業とすることや、開港5都市との合同イベントの検討などを進めている。

 また、函館港利用促進協議会は「開港150周年記念事業キックオフイベント」として12月21、22の両日、はこだてクリスマスファンタジー会場で「はこだてスイートキャンドルプロジェクト」を開催。参加者が一斉にろうそくの明かりをともす内容で、横浜市内でも同イベントを同時開催し市民に浸透を図る。

 市港湾空港部管理課では「行政は脇役で、広く市民にも参加を求めていきたい。実行委を設立することで機運を高め、記念事業の推進に取り組みたい」と話している。(今井正一)


◎道新幹線トンネル見学会
 【北斗】2015年度までに開業予定の道新幹線の渡島当別トンネル、新茂辺地トンネル見学会が23日、北斗市内で行われた。市民ら30人が参加し、掘削が進む工事現場を見て、開業への期待を膨らませていた。

 工事の進ちょく状況を見てもらい、市民らの関心を高め、理解を深めてもらう目的で、道新幹線建設促進道南地方期成会(会長・高野洋蔵函館商工会議所会頭)が主催した。

 渡島当別トンネル(延長約8・1キロ)は、同市内の「新函館駅(仮称)」までの本道側区間で最も長く、昨年初めに東西両側から掘削を始め、両側合わせて4・1キロ掘り進められている。新茂辺地トンネル(同約3・2キロ)は11月から掘り始めた。

 参加者は現場事務所で工事担当者から道新幹線の計画概要や経緯などの説明を受けた後、バスで両トンネル内の工事現場に移動。コンクリートが吹き付けられた内部壁面や、大型掘削機が土を掘り進める様子を熱心に見ていた。

 函館市の鈴木茂さん(73)は「農産物輸送など本道発展のきっかけとして新幹線には期待している。工事が順調に進んでいる印象を受け安心した」と話していた。(新目七恵)


◎香雪園園亭で及川恒平さんコンサート
 1960年代後半からのフォークソング全盛期に人気を博したグループ「六文銭」の元メンバーでフォーク歌手、及川恒平さんのコンサートが23日、函館市内の香雪園園亭で開かれ、澄んだ歌声と日本庭園に囲まれた園亭の静寂さの“共演”が聴衆を魅了した。

 「及川恒平を聴く会」の主催で、市内に住む及川さんのファンの小林ひろみさん(49)と宮村智子さんが企画した。

 及川さんは園亭の雰囲気に合わせて選曲し、六文銭のヒット曲「雨が空から降れば」や最新のオリジナル曲「ほしのはだ」など15曲を披露。最後にアンコールに応えて「面影橋から」を熱唱した。

 訪れた30人はじっと目をつぶって耳を傾けたり、メロディーに乗せて体を揺らしたりして満喫していた。市内日吉町1の小川タテオさん(57)、あや子さん(45)夫妻は「歌詞の情景が目に浮かぶような心に響く音楽で、会場ともマッチし、聴いていてリラックスできた」と感激していた。(宮木佳奈美)