2007年11月26日(月)掲載

◎函館子ども歌舞伎 江差で初公演/町内の児童も熱演
 【江差】町文化協会(宮下節会長)の創立30周年を記念する「函館子ども歌舞伎」(市川団四郎さん主宰)の江差初公演が25日、町文化会館で開かれた。全国を舞台に活躍する子ども歌舞伎のメンバーとともに、8月から練習を重ねてきた町内の児童11人も出演。子供たちが熱演する人情味あふれる舞台が満席の会場を沸かせた。

 公演では子ども歌舞伎の“十八番”となっている「白浪五人男」「良弁杉の由来」の2幕を上演。江差の子供たちは、一座を率いる市川さんの指導でひのき舞台に臨んだ。

 「白浪五人男」では、町立南が丘小学校5年の明石菜々さん、大原寧々さん、高田ちなみさん、常田瑛梨佳さん、吉見円香さんが、弁天小僧菊之助ら5人の大泥棒を追う捕り手役として出演して、鮮やかな十手さばきを披露した。

 「良弁杉の由来」では、幼いころに大ワシにさらわれた、東大寺の良弁大僧正に付き従う小坊主役として地元の子供たち8人が熱演。良弁と生き別れた母の再会を引き立てた。

 町内の男性は「人情あふれる子ども歌舞伎に感動しました。地元の子供たちも出演したので親しみが深まりました」と笑顔を見せた。主宰する市川さんは「江差の子供たちはとても頑張りました。皆さんに歌舞伎の面白さを知ってもらうことができたと思います。再び江差で公演できることを願っています」と話していた。(松浦 純)


◎凌雲中に保護者らが校名板設置
 函館凌雲中学校(柏崎恭子校長、生徒223人)の保護者や元校長らが協力して作成した校名板が24日、同校職員玄関に取り付けられた。生徒や学校関係者は立派な校名板の完成を喜び、柏崎校長は「多くの人たちの力で校名板を付けていただき大変ありがたい」と感謝している。

 同校は函館社会保険事務所に向かい合う形で、行き止まりとなる小路の奥に位置する。小路入り口に同校の看板はなく、「学校に来ようとして迷う人も多い」(柏崎校長)。このため校名板の設置が持ち上がり、昨年秋に木材会社を営む前PTA会長の佐々木哲夫さん(55)が、樹齢200年のエゾケヤキの一枚板を寄贈した。

 この一枚板を今春になってから、住宅販売会社社員のPTA副会長の沢田幸栄さん(45)が会社の機材を利用して、若杉充宏PTA会長(47)と協力して研磨した。さらに2000―02年度の同校校長で書家の吉田秀悦さん(64)に揮毫(きごう)を依頼。8月、縦横合わせて2枚に校名を書いてもらった。

 今回取り付けたのは横型。長さ約150センチで、自然な木目や木肌に大きな墨字が映える。縦型のもう一枚は、小路入り口の国有地に立つ社会保険事務所の案内板ポールへの設置を目指し、社会保険庁に申請中だ。若杉会長は「年金で大変な時期のため返事が遅れているようだ。気長に待つつもりだが、なるべく早く看板を取り付けて生徒を喜ばせたい」と話している。(小泉まや)


◎韓国で函館観光PR/市の公式訪問団出発
 昨年6月に就航した函館―ソウル便の利用促進を目指し、函館市の韓国観光客誘致訪問団(団長・西尾正範市長、11人)が25日、函館空港から定期便で韓国・ソウルに出発した。2泊3日の日程で大韓航空や地元マスコミ、旅行代理店などを訪れ、函館観光のPRや利用促進を呼び掛ける。

 ソウル便は週3往復の運航で、今年6、7月に初めて搭乗率が70%を超えたが、8月は再び60%台に落ちた。韓国での函館の知名度が低く、一層の利用を促そうと市、市議会、経済界、観光団体の代表で訪問団を結成した。

 同空港国際線ターミナルビル2階で午後零時50分から出発式を開き、西尾市長は「ソウル便は世界各都市につながる大切な航路。函館の一番の基幹産業である観光をPRし、釜山とのコンテナ航路維持も関係機関に働きかけて実りある訪問にしたい」とあいさつした。

 26日に大韓航空本社や大手新聞社の東亜日報、大手旅行代理店、JNTO(国際観光振興機構)ソウル観光宣伝事務所などを訪問する。

 団員は市議会の阿部善一議長、函館商工会議所の森川基嗣副会頭、函館国際観光コンベンション協会の木村孝男副会長らで組織。出発式には同コンベンション協会の沼崎弥太郎会長も出席し、成果を期待していた。(高柳 謙)


◎北九州市の郵宣協会、函館市に製作広告入り封筒10万枚寄付へ
 民間の広告関連会社、郵宣協会(北九州市)は来年2月から、函館市へ広告入り封筒10万枚を寄付する。期間は1年間で、本庁舎1階の戸籍住民課と各支所に置き、住民票などの各種証明書を入れて持ち帰ることができる。市は証明書の持ち帰り用封筒の作製経費約35万円を節減できる。同協会は全国の自治体で同様の取り組みをしており、道内では札幌や小樽などに続き6カ所目となる。

 郵宣協会は日本郵政公社や外郭団体と関係のない株式会社。広告料を基に企画、製作した封筒を全国330以上の自治体へ寄付している。財政難の函館市は広報誌やホームページなどへの広告掲載で歳入確保を図っているが、今回の封筒は経費節減の形となる。

 同協会札幌営業所によると、封筒はA4判とその半分の大きさのA5判で、表裏の下段に広告を掲載する。広告料金はA4、A5ともダブル枠で17万円、シングル枠で9万円。広告が違う4種類計10万枚を作製し、1社が1枠に協賛すると2万5000枚に掲載される。1年間で10万枚を超える利用があれば無償で増刷し、納入する。

 道内では昨年5月から札幌と小樽、今年4月から石狩、12月から帯広、釧路に同様の封筒を提供。来年は江別や北広島にも寄付するという。広告は2色刷りで、全国では保険会社や金融機関、美容室、病院、観光土産物店、公共機関などが協賛している。

 函館でも市内に本社や営業所を構える民間企業や公共機関などへ協力を求める。公序良俗に反する内容や政治や宗教の主張などは対象外で、市の広告掲載要綱・基準に基づいた内容となる。

 同営業所の牛島裕さんは「信用のある自治体の封筒に広告が載ることで、企業のPRやイメージアップ、地域への貢献などの効果がある」と説明。市戸籍住民課は「封筒を置く専用のスタンドも寄贈してもらう予定で、PR効果を期待したい」と話している。

 広告の掲載などの問い合わせは郵宣協会札幌営業所TEL011・218・6262。(高柳 謙)


◎函館山ロープウェイの市民感謝デー
 函館山ロープウェイ(函館市元町19、石井直樹社長)は25日、「市民感謝デー」として、ロープウエーを無料で開放した。午前10時の運転開始から市民らが長い列を作り、山頂から雪化粧した町並みの眺望を楽しんだ。

 同社は1988年の創業30周年を機に、ゴンドラの大型化と展望台の新装に着手。以来、地元住民らにより親しみを感じてもらおうと、毎年11月の1日をロープウエーの無料搭乗日としている。

 ことし10月末からは、法定1年定期整備検査の時期に合わせて、約19年ぶりに山頂施設の改装を行い、今月15日にリニューアルオープン。屋上展望台に手すりを増設したほか、レストラン内の待ち合いスペースを設けたり、売店のレジを1カ所に集約するなど利便性を高めた。

 このうち、レストラン「ジェノバ」では、カレーライスを100円で提供。毎年人気を集めている企画だけあって、1000食分の整理券を用意したものの、午前11時40分ごろには配布を終了した。

 柳原颯人君(函館鍛神小1年)は、楽しみにしていたカレーライスにありつくことはできなかったものの、「海がキラキラして、とてもきれいに見えた」と目を輝かせていた。(浜田孝輔)