2007年11月3日(土)掲載

◎ありがとう五稜郭分館@/「北洋博」/湯の川のパンフ多色刷り
 函館の中心に位置する五稜郭。1954年7月10日から8月31日まで開かれた北洋博(北海道大博覧会)では第2会場として使われ、土産品を中心に販売する物産館が建てられた。北洋博終了後の55年、物産館は市立函館博物館五稜郭分館として開館した。

 五稜郭分館は今月末に閉館する。現在、最後の特別展が開かれており、入り口には同館誕生のきっかけとなった北洋博に関するポスターや写真、役員証など市中央図書館所蔵の資料64点を展示している。

 北洋博は函館の基幹産業の北洋漁業再開を記念し、道南観光の起爆剤として開いた産業博覧会。宣伝ポスターには、北海道らしいヒグマのほか、函館山をバックに華やかな人魚が描かれるなど複数のデザインがあり、全国に配られた。

 湯の川温泉や西部地区の繁華街では、ホテルの改修工事が進み、期間中さまざまな演芸が行われた。「観光湯の川パンフレット」は多くの出演者の顔写真を紹介している。印刷物は多色のカラー印刷が多く、当時の宣伝活動の熱心さも物語る。

 このほか、遊具で遊ぶ親子連れや、同館建設当時は屋上に展望台があったことも白黒写真で紹介している。北洋博は期間中、全国から約80万人が訪れた。それぞれの展示物からは当時のにぎわいが伝わってきそうだ。

                       ◇

 湯の川温泉や西部地区の繁華街では、ホテルの改修工事が進み、期間中さまざまな演芸が行われた。「観光湯の川パンフレット」は多くの出演者の顔写真を紹介している。印刷物は多色のカラー印刷が多く、当時の宣伝活動の熱心さも物語る。

 1955年の開館以来52年間、市民や観光客に親しまれてきた市立函館博物館五稜郭分館は、現在建設中の箱館奉行所の復元に伴い、30日で閉館する。最後の特別展「さよなら これが五稜郭分館だ!」の収蔵資料のコーナーを5回にわたり紹介し、同館、五稜郭の足跡をたどる。ー印刷が多く、当時の宣伝活動の熱心さも物語る。


◎森町トマト生産振興協議会女性部/道の農村女性表彰 優秀賞
 【森】「温泉市」と銘打ち、森町濁川地区で5年間、直売活動を続けてきた町トマト生産振興協議会女性部(前本博美部長、5人)が、農村の女性や高齢者の優れた活動を表彰する道の本年度の「農村の暮らしと地域を活かす女性・高齢者グループ表彰」優秀賞に選ばれた。地元野菜を通じた消費者との交流、地域活性化への取り組みが評価された。道南からは奨励賞に「めんこい豆クラブ」(せたな町、田中五月代表)も選ばれた。

 同表彰は道が1998年度から実施。今年は道内から5団体が選ばれた。

 同地区は温泉熱を利用したトマト栽培が盛んで、道内で最も早く収穫できる。同女性部はこうした地場産野菜をPRしようと、発足した2003年から直売を開始。メンバー4人が中心となり、4月中旬から毎週日曜日、同地区内に設けた直売所で対面販売を行った。キュウリや山菜、葉物などさまざまな新鮮野菜を並べたところ評判が広まり、函館市を中心に多くの固定客を獲得している。今年は7月末まで営業した。

 また、高齢者に出荷を呼び掛けたり、地元の温泉旅館と協力してスタンプカードを作成するなど、地域ぐるみの活動として展開している。

 前本代表は「苦労もあったが、評価されてうれしい。周囲の協力に感謝したい」と喜び、メンバーで温泉市代表の伊藤則子さんも「消費者の生の声が聞けて楽しい。今後も続けたい」と話している。

 表彰式は22日、七飯町内で予定されている農村女性のフォーラムの中で行われる。(新目七恵)


◎警察犬フィフィ 天国へ/4年間活躍 ご苦労さま
 道警函館方面本部の嘱託警察犬として4年間活躍したフィフィ・オブ・ドーケシソウ号(ドイツシェパード、雌10歳)が10月下旬に急死したのに伴い、道警函本は2日、飼い主で訓練士の黒瀬一也さん(60)=函館市深堀町=に感謝状を贈呈した。昨年は道内の嘱託警察犬の中でトップの出動回数32回を誇ったフィフィ。同本部の米田繁則鑑識課長から賞状と記念品を受け取った黒瀬さんは「フィフィは家族同然だっただけに、突然の死は本当に悲しい。これまでご苦労さまと言いたい」と、元気だったころの写真に目を細めた。

 フィフィは1997年江差町生まれ。生後55日で、黒瀬さんが同町のブリーダーから警察犬の“原石”として買い取った。人懐っこく活発な性格で、生後5カ月目から警察犬としての訓練を始めた。初歩的な「お座り」や「伏せ」など服従訓練を約3カ月間行い、嗅覚(きゅうかく)を生かし、足跡のにおいで捜索する「追及」分野で着々と能力を磨いていった。

 ただ、年1回行われる嘱託警察犬の審査会で合格するまでに5年を費やす「大器晩成型」だった。黒瀬さんは「性格的に少し落ち着きがなかったから。でも合格した後は任務を全うしてくれた」と振り返る。

 2003年8月に初めて委嘱されてから4年間、強盗や窃盗、行方不明者の捜索など計99回出動した。同鑑識課の信頼も厚く、米田課長は「警察の捜査に多大に貢献してくれた。フィフィが残した功績は大きい」とたたえる。印象に残る出動は05年11月ごろ、函館山の行方不明者の捜索。登山道から大きく外れた場所で不明者と遺留品を見つけ出した。黒瀬さんは「よくやったという気持ちだった。忠実に動いてくれた」と話す。

 あと1回の出動で100回の節目となるはずだったが、10月23日昼に突然、自宅で調子を崩し、そのまま静かに息を引き取った。「さみしいけれども、訓練士としてこれからも警察の捜査や捜索に役立つような犬を育てていきたい。フィフィのように」と黒瀬さんは話している。(小林省悟)


◎はこだてわいんが5日/りんごわいん「にごり仕立て」発売
 【七飯】ワイン製造、販売の「はこだてわいん」(七飯町上藤城11、永田英利社長)が5日、七飯町産リンゴを原料にしたワイン「ななえりんごわいん『にごり仕立て』」を数量限定で発売する。ワイン55%とジュース45%を配合し、リンゴ独自の甘みとコクが存分に引き出された仕上がりとなっている。

 同社では、同町特産のリンゴを用いて、1983年に「ななえりんごわいん」、84年に「七飯スイートりんごわいん」を発売。ことしは地産地消や地域振興をより推進するため、新製法での試験醸造に取り組み、5月の大型連休3日間に実施したイベントでは、500本限定の「ななえりんごわいん2007」が完売する好評ぶりだった。

 今回の新商品は、ワイン原料の果物と同じ果汁のジュースを添加する「ジュースリザーブ」というドイツの伝統的製法を採用。ベースとなるワインを造るため、1月下旬に「つがる」や「むつ」など4品種のリンゴ計3トンを仕込んだ。

 一般的なワインは発酵の工程で10日間にわたって温度18度に保つところを、12度前後で1カ月半かけて貯蔵。搾汁率は約50%で、リンゴのストレート果汁を加え、ベースワイン時のアルコール分12%を7%に引き下げ、飲みやすくした。

 1本720ミリリットル入りで1050円。同社直営店の葡萄(ぶどう)館本店(同所)と西部店(函館市豊川町12)、インターネット上で1200本を限定販売する。同社は「アルコールに弱い人でも気軽に口にできるはずなので、ぜひ試してほしい」としている。

 問い合わせは、同社TEL0138・65・8115。ホームページアドレスはhttp://www.hakodatewine.co.jp/(浜田孝輔)


◎益田喜頓賞授賞式/石丸さんらに表彰状
 前年度に舞台芸術の分野で活躍した個人や団体をたたえる「益田喜頓賞」授賞式(市文化・スポーツ振興財団主催)が2日、函館市芸術ホールで行われ、同財団の金山正智理事長から声楽家石丸典子さん(50)=東山2=と、三国バレエ研究所(本町)に表彰状が贈られた。同研究所からは主宰者の三国梨栄子さん(56)と創設者で三国さんの叔母徳栄さん(78)が出席した。

 石丸さんは昨年8月、同ホールで音楽活動20周年記念リサイタルを開催し、石川啄木の短歌を曲にしたものや山田耕作の名曲を披露、芸術性などが評価された。同研究所は同年9月、市民会館で開催した創立55周年記念公演で能楽や歌舞伎で知られる物語「安珍清姫」をバレエに取り入れ、その独創性などが認められた。

 石丸さんは「評価していただき光栄。今後もいろいろなチャンスをいただきながら丁寧に歌っていきたい」と話し、三国さんは「叔母から引き継いで続けてきたことが認められてうれしい。賞に恥じないステージ制作に励みたい」、徳栄さんは「60周年に向けて取り組みたい」と抱負を語った。(宮木佳奈美)