2007年11月5日(月)掲載

◎ソウル便、食と観光でPR…韓国うまいものフェア
 函館―ソウル便PRイベント「韓国の観光とうまいものフェア」(函館空港振興協議会など主催)が4日、函館市大森町のホテル函館ロイヤルで開かれた。キムチやチヂミなどの料理販売や試食、ステージショー、パッケージツアーの紹介など、関係団体が連携して韓国の魅力を紹介し、ソウル便の利用促進をアピールした。

 在日本大韓民国民団函館支部が毎年開催している同フェアに各種イベントを合体させ、初開催。恒例の韓国産キムチ販売は、1キロ1500円で300袋を用意し、2時間余りで完売の人気。民団関係者は「日本産に比べキレとコクがある。韓国のハクサイは小ぶりで水分が少なく、辛いだけでなく味に深みがある」と特長を語った。

 チヂミ、春雨と野菜のいため物チャプチェ、牛すじ、ゆで豚などの販売も人気を集めた。市内湯川町3から親子3人で訪れた月館恵理さん(47)はキムチやチャプチェなどさまざま購入し「韓国料理は好きで、よく作ります。家族でソウルを訪れ、ショッピングや本場の味めぐりなどを楽しめればいいですね」と話していた。

 ステージでは大衆芸能サムルノリの演奏やテコンドーの実演が行われ、盛大な拍手を受けた。サムルノリは500―600年の歴史があり、横浜で教室を開くグループが太鼓とドラ、鉦(かね)の4つの楽器で力強い演奏を披露した。

 市内の旅行代理店各社も出店し、ソウル便パッケージツアーをPR。エイチ・アイ・エス函館五稜郭営業所は「予想を上回る関心の高さで、直行便を利用したツアーの潜在需要はかなりあると思う」と期待。大韓航空函館支店の岸田茂支店長も「イベントで韓国を身近に感じてもらいたい。世界各都市を訪れる際、成田や関西空港を利用するよりソウル経由で飛び立つ方が利便性が高いことを広く伝えていきます」と話していた。(高柳 謙)


◎ありがとう五稜郭分館(3)/箱館戦争2/砲弾や銃…近代戦化過渡期
 函館の変遷を紹介してきた市立函館博物館五稜郭分館。主に展示されてきた箱館戦争に関する史料からは、函館を舞台にしたさまざまな人間ドラマを垣間見ることができる。一方で、戦争が近代戦への過渡期に入っていることも伝えている。

 現在開かれている最後の特別展でも、1階に官軍が使用していた洋式軍服が展示されている。2階に上がると、幕末使用の銃や市内から出土された砲弾が目に飛び込んでくる。

 銃は洋式銃、けん銃、火縄式銃の9点。箱館戦争で実際に使われたものではないが、アメリカの連発式スペンサー銃、オランダ製のゲベール銃、フランス製で、ゲベール銃よりも命中率や射程距離に優れたミニエー銃などが展示されている。

 出土された砲弾は球形の滑腔(かっこう)弾6点と、椎の実のような流線の形をした施条弾8点が並べられ、それぞれの砲弾の火薬、信管、爆発の有無などの説明も付けられている。箱館戦争では、以前から使われていた滑腔弾より、弾道を安定させ戦いに有効である施条弾に切り替わっていたのである。

 兵器の移り変わりからは戦闘部隊、戦いの変化が現れているが、函館がそれらの時勢を見続けてきたことも物語っている。

 2階の箱館戦争の史料はこのほか、箱館で赤十字精神を実行した高松凌雲の医療器具などが展示されている。


◎第二の故郷で 美しく刀輝く…刀匠・宮入小左衛門行平さん 七飯で初の作品点
 【七飯】長野県坂城町在往の刀匠、宮入小左衛門行平(こざえもんゆきひら、本名・恵)さん(50)と、父で人間国宝だった先代の故行平さんの作品を紹介する「父子北海道展」(七飯町、七飯町教委主催)が12日まで七飯町本町568の町歴史館企画展示室で開かれている。町施行50周年を記念して開催。宮入さんは若いころ、自らを見つめるために同町の牧場で働いていた。「自分の原点がある町で開催でき、恩返しができることはうれしい」と話し、来場を呼びかけている。

 父の仕事を見続けていた宮入さんは1976年の高校卒業時、父の仕事を継ぐことを決めていたものの、「自分が刀を作ることの意味は何か」と考えた。自分の思いを高校の恩師に相談したところ、恩師の知人がいる同町東大沼の松田牧場(松田朝冶さん経営)を紹介され、約1年半の間酪農に携わった。

 生まれ育った地よりも広大で厳しい自然環境の中、宮入さんは家族が一つになって働くことに感銘を受けた。家業を継ぐ重圧が解かれ、自分の刀作りに対する思いが固まった。

 77年帰郷、父に師事。82年に文化庁から作刀の承認を受け、数々の刀展覧会で受賞、2003年には坂城町の無形文化財(工芸技術)の指定を受けた。仕事は精神的極限に達する厳しさが続く。「悩んだとき、七飯に来るとリフレッシュできる。ここは私の第二の故郷、礎がある」と話す。

 本道での作品展は初めてで、宮入さんによると道内で現代刀の展示は珍しいという。会場には刀、太刀、短刀、なぎなたなど、行平さんの作品12点と小左衛門行平さんの作品13点の計25点が展示されているほか、制作のしくみを紹介している。

 二尺四寸四分(約73センチ)などの長さの刀にある刃文(はもん)は作者の感性が込められ、美しい輝きを放っている。刀と太刀は利用の仕方が違うため、展示は太刀は刃が下向き、刀は刃が上向きと違う。刀を握る柄(つか)、鞘(さや)などの拵(こしらえ)にも特徴が出ている。

 小左衛門行平さんは「武器としての美しさという表裏一体を大切にしてきた日本人の心、伝承してきた技術を感じてもらえれば」と話している。

 入場無料。開館時間は午前9時から午後5時まで。(山崎純一)


◎2隻目の高速船 船体イラスト募集…東日本フェリー
 東日本フェリー(函館市港町3、古閑信二社長)は、来年5月に導入する2隻目の高速フェリーの船体イラストを募集している。15日の当日消印有効。

 対象は小学生で、「パレード」のテーマに沿って、手描きやコンピューターなど表現法は自由で、紙にカラーでイラストを描く。紙の大きさや画材などは自由で、未発表作品に限り、何点でも応募できる。なお、作品の裏側に応募者の氏名、年齢、および保護者の氏名(自署、押印)、年齢、郵便番号、住所、電話番号を記入する。

 イラストの採用者は、今月下旬に同社のホームページ(HP)で発表する。採用数は25点程度を予定。採用されると、図書券3万円分のほか、新フェリーのエグゼクティブシートで行く、函館と青森で各1泊できる旅行に招待する。旅行は、本人とその家族(両親や兄弟、または保護者)の4人まで。出発日は、来年6月1日―同9月末まで。

 あて先は、〒060―8693 札幌中央郵便局私書箱181号「新高速フェリー第2隻船体イラスト募集」係。

 問い合わせは、同社「船体イラスト募集」事務局(シアーズ・ジャパン内)TEL0138・62・5432(平日午前10時―午後5時。HPはアドレスはhttp://www.higashinihon-ferry.com(浜田孝輔)