2007年12月1日(土)掲載

◎びっくり!体長122センチイカ2匹漂着
 【福島】福島町月崎地区の海岸に30日午前7時ごろ、体長1メートル22センチ、幅60センチ、重さ16キロの巨大なつがいのイカ2匹が流れ着いているのを、散歩していた同町月崎363の建設業對馬司さん(46)が見つけ、生きたまま捕獲した。

 このイカは「ソデイカ」で食用では最大級とされる。沖縄南方で生まれ、黒潮で北陸沿岸まで北上を続ける。つがいでいる場合が多く、普段は深海に生息するが、mノを取りに浅瀬までくることがあるという。

 福島漁協の太田浩総務部長(37)は「例年数件、町内の漁港などに迷い込むケースがある。ソデイカは本格的な冬の訪れを告げる」と話す。「何かと思って近づいたら大きなイカで驚いた」と對馬さん。駆け付けた住民は赤、白と鮮やかに色を変えるその姿を見て、「正月が来る前に(紅白で)縁起がいいね」と笑顔を見せていた。(田中陽介)


◎年間100件超で推移…エイズ相談 HIV検査
 国内、道内でHIV(エイズウイルス)感染者とエイズ患者が増え続ける中、市立函館保健所(函館市五稜郭町)に寄せられるエイズの相談件数と同保健所で実施するHIV抗体検査数は近年、いずれも年間100件を超えていることが分かった。1日の「世界エイズデー」に合わせ、関係機関では予防啓発活動に力を入れ、「早期発見のため検査を受けて」と呼び掛けている。

 厚生労働省によると、国内のHIV感染者とエイズ患者は年々増加し、2006年度は合計で過去最高の1358人の報告があった。道内でも増加傾向にあり、道によると、06年までの道内のHIV感染者の累計は87人、エイズ患者は69人となっている。

 同保健所によると、05年、市内の病院から同保健所にエイズの男性患者1人について届け出があった以降、道南で新たな報告はないという。

 相談電話は同保健所、渡島、八雲、江差の各保健所でそれぞれ設け、保健師や医師らが対応に当たっている。最も件数の多い市立函館保健所では06年度に152件の相談を受けた。内容は「性的接触をして心配」「気になる症状がある」など感染の有無のほか、「歯ブラシを共用して大丈夫か」といった感染経路に関するものもある。渡島、八雲、江差の3保健所の相談件数の合計は04年度が92件、05年度が59件、06年度が117件。

 HIV抗体の有無を調べる即日検査は、道や函館市などが04年度から導入。30分から1時間で陽性か陰性か分かる簡易検査で、市立函館保健所では06年度に132件実施している。同保健所感染症対策担当の加藤美子主査は「学生など若い検査希望者が増えてきた」と説明、「夜間検査など仕事後にも検査できる体制づくりも検討したい」と話している。

 世界エイズデーに合わせ、同保健所では2日まで1階でポスターやリーフレットを展示しているほか、3―7日には渡島合同庁舎1階でパネル展を予定。江差保健所では18日までHIVの抗体検査の夜間検査を実施する(要予約)。加藤主査は「エイズは決して珍しい病気ではない。今は治療薬が進歩し、感染しても発症を遅らせることが可能だが、まずは感染しない、しても本人で留めることが大事」と話している。

 検査などの問い合わせは市立函館保健所保健予防課TEL0138・32・1539。(新目七恵)


◎「記憶に残る事業に」…函館 開港150周年 実行委設立総会
 2009年の函館開港150周年に向けた「函館開港150周年記念事業実行委員会」の設立総会が30日、ホテル函館ロイヤル(市内大森町)で開かれ、西尾正範函館市長を会長とすることを決めた。設立趣旨に賛同した75団体・企業などから約100人が出席。西尾市長は「本市は港や海と共に街の歴史を刻んできた。先人が築いてきた歴史と文化、その精神を受け継ぎ、市民の記憶に残るような函館ならではの事業を実施したい」とあいさつした。

 畑秀叔渡島支庁長は、「道民全体で記念の年をお祝いしたい。函館、本道を国内外に発信するチャンス。この機会に愛着と誇りを持てる地域づくりが進むよう期待する」との高橋はるみ知事のメッセージを紹介した。

 総会では委員会規約を制定。役員として副会長に函館港湾振興会の兵頭法史会長ら5人、監事2人を選出し、名誉会長には高橋知事、顧問に道開発局函館開発建設部の大寺伸幸部長ら10人を委嘱した。実行委にはワーキンググループを設け、市民からスタッフを公募し、市民協働で事業を進めることを確認した。

 事務局は今後のスケジュールや取り組み方針を提示。09年7月1日(開港記念日)に記念式典を行うことや、横浜市との連携で豪華客船「飛鳥U」を利用した市民クルーズ構想、メーン会場予定地の緑の島に、500―1000人が収容可能なドーム型テントの設置などの案を提起した。本年度内にワーキンググループの会議を随時行い基本計画を策定。08年夏までに実施計画を示し、08年度中にプレイベントを予定している。(今井正一)


◎函館の歴史伝え半世紀…市立博物館五稜郭分館閉館
 函館市が進めている箱館奉行所の復元整備に伴い、市立博物館五稜郭分館(佐藤克己分館長)が30日閉館した。午後4時半から閉館式を開き、市教育委の新里光代教育委員長らがこれまでの来館者に感謝の言葉を述べるなどし、入り口の門が施錠された。約50人の出席者のねぎらいの拍手の中、同分館は半世紀の歴史に幕を閉じた。

 1954年に開かれた北洋博(北海道大博覧会)で物産館として建てられ、北洋博終了後の55年、同分館として開館した。開館当時は子どもを対象にした科学教室などが行われ、70年ごろから五稜郭と箱館戦争の展示を中心に、函館の歴史を伝える場として市民や観光客から親しまれた。

 10月2日からは最後の特別展「さよなら これが五稜郭分館だ!」を開催。箱館戦争などの資料829点が公開された。11月23日から30日は無料開放され、最終日には700人が来館して別れを惜しんだほか、無料期間中約5000人が訪れた。

 閉館式は館内で行い、新里教育委員長は「五稜郭分館は本日、役割を終え閉館します。収蔵資料は今後、復元された奉行所庁舎、博物館本館などで展示を行うので今後ともよろしく」と述べた。続いて市立博物館の長谷部一弘館長が「世界つつうらうらからの来館者に感謝します。五稜郭分館お疲れ様でした。これをもって五稜郭分館を閉館します」と宣言した。

 その後、全員が外へ出て入り口の門が閉じられ、出席者が見守る中、新里教育委員長、長谷部館長が施錠を行った。最後の2日間来館したという同市本通の秋山ヨシさん(59)は「北洋博が昨日ように思える。子どものころジュニアクラブで来館した思い出が詰まっているので閉館は寂しい」と話していた。

 収蔵資料は12月から梱包作業を進め、来年3月までに本館へ移動される。(山崎純一)


◎在学中トラブル「情報なし」…女性刺殺事件で道教大函館校が会見
 函館市内の会社員無量林(むりょうばやし)智子さん(23)が26日朝、出勤時の自宅前で刺殺された事件で、無量林さんと、殺人容疑で逮捕された中原哲也容疑者(22)が在籍していた道教育大函館校の杉浦清志副学長らは30日、同校で記者会見し、在学中の2人の間でのトラブルについて「今のところ符合するような情報は(大学には)入っていない」とした。

 冒頭、杉浦副学長が「事件の当事者双方が卒業生だったことは『教育の府』を担う者として慚愧(ざんき)に堪えない。函館校の教育環境をあらためて点検し、再発防止に努めたい」と述べた。

 会見では、同校の雁沢好博教授が、事件の原因究明に向けて27日に設置した臨時委員会の調査結果などを報告。中原容疑者が在学中に計約100科目履修していたことに触れ、「授業の内外で無量林さんのことを知り得る状況にあった」とした。

 また、中原容疑者が担当教授や報道機関などに送ったとみられる手紙について、「(同容疑者に対するいじめの加害者として実名が挙げられた卒業生の)7人と中原容疑者は、学部は同じだったが関係性に濃淡があり、共通点は見いだせていない」と話すにとどめた。現在7人には事件に関する書面での聞き取り調査をしているという。

 同校では近く、弁護士や精神科医など第三者を加えた特別委員会を立ち上げる方針で、中原容疑者へのいじめの有無や、無量林さんのストーカー被害などについてさらに調査を進める。


◎湯の川温泉街の足湯・供用開始
 湯の川温泉街の一角にある「温泉橋小公園」(函館市湯川町1)の足湯が30日完成し、供用を開始した。冷えた体を足元から温めようと、早速市民や観光客が裸足になって湯につかっていた。

 同温泉街のシンボル形成などを目的に、函館湯の川温泉旅館組合(金道太朗理事長)や地元の町会、商店街などが昨年8月、足湯整備促進期成会(会長・佐藤博イチマス社長)を発足。市の補助金や同会で集めた寄付金を基に、総事業費約2400万円を投じて、10月初旬から工事を進めてきた。

 鉄骨造りの平屋で、広さは約13平方?。泉質は塩化ナトリウムなどで、循環ろ過や1日1回の湯の入れ替え、さらに季節によって加水や追いだきをすることで温度を約40度に保つ。

 しゅん工を記念した式典には、同会のメンバーや市の関係者など約50人が出席。佐藤会長は「これまでは湯の川の観光スポットを聞かれても返答に困っていた。今後、市民や観光客が気軽に利用してもらい、湯の川温泉の良さを伝えていきたい」とあいさつした。

 また、同日からは毎年恒例の電飾で同公園を彩るイルミネーションも開始。来年2月末までの午後5時から翌午前1時に、LED(発光ダイオード)の電球約7000個を点灯させる。(浜田孝輔)