2007年12月16日(日)掲載

◎函館市民オペラ開幕
 函館市民オペラの会(金山正智会長)の第17回公演「ヘンゼルとグレーテル」(フンパーディンク作曲、全3幕、日本語上演)が15日、函館市民会館で開幕した。グリム童話に基づいた世界がステージ上で繰り広げられ、会場全体を幻想的なメルヘンの世界に誘い込んだ。同オペラは2日間の日程で、16日に同会場で最終公演が行われる。(小川俊之)

 同会は1991年からキャスト、合唱、オーケストラ、演出、舞台装置などすべて市民の手づくりによる公演を毎年行っている。

 「ヘンゼルとグレーテル」は、ワーグナーの弟子であるフンパーディンクが1893年に完成させた代表作で、ヨーロッパではクリスマスシーズンに家族で楽しむオペラとして上演されるのが恒例となっている。そのため、同会でも公演時期をこれまでで一番遅くし、クリスマスを思わせる華やかで色彩的な舞台に仕上げた。

 今回は主役級が公演日によって入れ替わるダブルキャスト制で、初日はヘンゼルを石丸典子さん、グレーテルを島聖子さんが担当。貧しいながら明るく元気な兄妹の姿を、息のぴったり合った歌声とコミカルな演技で表現し、会場を沸かせた。大坂吉明さんが指揮する函館市民オペラ管弦楽団は、親しみやすいメロディーとリズミカルな部分、ワーグナーの影響の強い重厚で複雑な音楽とを描き分け、物語の流れをしっかりと形づくっていた。

 また賛助出演として三国バレエ研究所と、函館大谷短大の光る影絵サークルのメンバーらも登場し、幻想的な森の場面を鮮やかにステージ上に再現、観客をおとぎ話の“別世界”に運んでいた。

 16日の公演は午後2時開演。当日券は指定席が2500円、自由席2000円、親子自由席2500円(大人1人と小学生以下1人)、子ども自由席1000円(小学生以下)。問い合わせは函館市文化・スポーツ振興財団TEL0138・57・3111。


◎原油高で湯たんぽが人気
 原油高による灯油価格の高騰を背景に、昔ながらの暖房器具「湯たんぽ」が脚光を浴びている。ホームセンターだけでなく、今年から函館市内の百貨店なども取り扱うようになり、売れ行きは好調という。カラフルな色づかいや、おしゃれなデザインのカバーが付いて、若い世代にも人気が広がっている。(宮木佳奈美)

 丸井今井函館店(本町32)は顧客の環境問題や省エネ意識の高まりを受け、湯たんぽに着目。11月中旬から家庭用品売り場で販売を始め、12月に入ってから需要が伸びているという。従来の湯たんぽのイメージを変えるような、かわいらしいデザインを取りそろえ、差別化を図っている。

 本体はドイツ製で素材はポリ塩化ビニール(PVC)。カバーはトルコ、中国製でウールやフリース(ポリエステル)素材などが使われている。タートルネックのセーターのようなデザインや、動物をかたどった縫いぐるみ型、ハート型など6種類あり、赤や青など明るい色づかいが目を引く。価格はカバー付きで2835円から3465円。

 サイズは小さいもので最大容量0・5リットル、最も大きいのは1・8リットル。同店は「小さめの湯たんぽは子ども用や携帯用として重宝されています」と話す。購入層は20代から50代と幅広く、「これから本格的に寒くなり、クリスマスプレゼントとしても需要が増えるのでは」と期待する。

 生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画(東京)も今年から湯たんぽを扱い始め、10月中旬から販売。函館市内の棒二森屋店(若松町17)も含め、全国的に入荷待ち状態が続くほどの人気ぶりだ。同社は「昔から使われている良いものにスポット当てる趣旨で販売したが、エコ志向や原油高が追い風となって予想以上の売れ行き」という。

 一方、従来型のステンレスやポリエステル製の湯たんぽを扱うホームセンター、ジャンボイエロー亀田店(亀田町21)も「例年よりも早い11月から売れ始め、異常な売り上げ。暖房費節約に活用されているのでは」とみている。


◎スノーパーク今季営業開始
 【七飯】スキーシーズン到来―。道南のスキー場のトップを切って函館七飯スノーパーク(七飯町東大沼666、市村好次支配人)の今季の営業が15日、スタートした。開業を待ちわびたスキーヤーやスノーボードファンらが大勢訪れ、久々の雪の感触を楽しんだ。

 同スキー場は11月からスキー場運営会社グランドレジャー(東京、鈴木一正社長)が運営。小学6年生以下を毎日無料とするほか、金、土曜、休前日(22日から)は午後9時までのナイター営業を行い、ジャンプ台やスノーボード用レールも備えたコーナー(22日以降)を設置するなど新サービスを展開する。

 同スキー場は今月上旬から標高が低い箇所に人工降雪機を設置するなど準備を進め、この日は全長1キロの小沼コースを開放。早速、親子連れなどの来場者でリフトには列ができた。友人3人と訪れた土岐卓己君(道教大附属函館小6年)は「(雪質は)昨年よりもよい感じ。小学生以下は無料と聞きうれしい。毎週来たい」と話していた。

 同スキー場は来年3月23日まで毎日午前9時から午後5時まで、年末年始(28―1月5日)は午後9時までのナイター営業を行う。ニヤマスキー場(七飯町仁山670)やグリーンピア大沼スキー場(森町赤井川229)、ピリカスキー場(今金町美利河205)はそれぞれ22日のオープンを予定している。(笠原郁実)


◎年賀はがき受け付け始まる
 2008年度年賀はがきの受け付けが15日、全国一斉に始まった。函館中央郵便局(函館市新川町1)では、午前9時の開局と同時に函館高砂保育園(同若松町36)の年長園児26人による投函セレモニーなどが行われ、同局内には元気な子どもたちの声が響いた。

 園児は、親戚や友達あてに自分でメッセージを書き込んだ「ディズニーキャラクター年賀はがき」を同局内に設けられた年賀状差出箱に投函。続いて「お正月」のうたを元気に合唱し、見守る局員らから拍手を受けていた。園児の堀岡紗良ちゃん(6)は「お母さんあてに年賀状を一生懸命書いたので、無事に届けばいいな」と話していた。

 同局ではこの日、年賀はがきを差し出した先着50人に来年の干支(えと)のネズミの土鈴プレゼントも行った。さらに午後からは同局と函館北局、函館東局が合同で、五稜郭電停周辺でポケットティッシュを配布し、年賀はがきの早期差出しのPRも行った。

 同局では「年賀はがきは25日までに投函してもらえれば、ほぼ確実に元日に配達することができるので、協力をお願いしたい」と呼び掛けている。(小川俊之)


◎道南圏域少子化フォーラム
 【江差】桧山保健福祉事務所と桧山教育局が主催する「道南圏域少子化フォーラム」が15日、江差町の桧山支庁で開かれた。PTA関係者や行政の子育て支援担当者、地域の高校生が「子どもをはぐくむ社会へのメッセージ」をテーマに、シンポジウムで意見を交わした。

 子育て支援に関心がある管内の住民や行政、教育関係者ら約150人が参加した。

 瀬棚商業高校3年の天沼望さんは「酪農を経営する両親、祖父母、叔父は3世代で仕事と子育てを分担してきた。今の社会では仕事と子育ての両立は難しいと感じる」と訴えた。

 子育て支援の一環として、営業時間の短縮などの取り組みを進める乙部町の製材・建材販売業「ナルミ」の鳴海周平専務は「家庭という礎があって仕事ができる。子育て環境を整えることは企業の責務だ」と語った。また、今金小学校の林晃一PTA会長は「大勢の父親にも学校の施設整備や校内イベントで力を貸してもらうことで、教育への参加や親子の会話を深める環境づくりを進めている」と、同校での取り組みを説明した。

 江差町町民福祉課の中田二美子福祉係長は「働き盛りの若い両親は、子育ての悩みを相談することが苦手。育児と仕事の両立にも不安を感じている。気軽に地域の皆さんや町役場に相談して欲しい。町の保育園にも子育てをしながら、仕事を続けてきた職員がたくさんいる」と述べ、地域全体で子育て家庭を支援することの大切さを強調した。(松浦 純)