2007年12月17日(月)掲載

◎白鳥台セバットで羽休め
 【七飯】北海道付近が冬型の気圧配置となった16日、道南地方でも所により雪や吹雪になった。函館市内も薄く雪に覆われたが、函館海洋気象台によると午後5時までで積雪は観測されなかった。

 七飯町の大沼国定公園では、まとまった雪にはならず、午後に入ると大沼と小沼の境にある「白鳥台セバット」では越冬している6羽のオオハクチョウやカモ類が穏やかな日を受けていた。

 自然公園財団大沼支部によると、両湖では約30羽のハクチョウが飛来しており、同セバットに集まるのは湖の凍結が進む今月下旬ごろとしている。(山崎純一)


◎もうすぐクリスマス…とっておきのプレゼントを
 クリスマスが近づき、函館市内のデパートやスーパーにはクリスマスプレゼントの品定めをする買物客が訪れるようになった。園芸店ではポインセチアなどクリスマスを彩る花が並ぶ。最近はクリスマスケーキを模した観葉植物など、これまでにないプレゼントが登場したり、子ども用のゲームも家族一緒に楽しめるものが選ばれるなど、商戦に変化が起きている。

 「クリスマスの花といえば赤というのは昔の話。今は白や黄が多く、赤は半分以下」と話すのは同市柏木町の園芸店かすみ園。バラエティーに富んだ花が並ぶ園芸店で、かわいいクリスマスケーキが話題を呼んでいる。

 デパートやスーパーで、子どもがおもちゃのプレゼントをねだる光景は今も昔も変わりないが、親子で相談し、家族で楽しめる品を決める姿もみられる。

 同市美原のイトーヨーカドー函館店では、「この時期にゲームの新商品が発売され、おもちゃの売り上げは一気に動く。近年は家族で楽しめるゲームが多く売れている」と話す。同市若松町の棒二森屋でも「クリスマスで売れるおもちゃは大型のものが多く、親子、祖父母と孫が楽しめるゲームが売れ筋」。ゲームは体感型テレビゲームが人気という。

 生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画(東京)も今年から湯たんぽを扱い始め、10月中旬から販売。函館市内の棒二森屋店(若松町17)も含め、全国的に入荷待ち状態が続くほどの人気ぶりだ。同社は「昔から使われている良いものにスポット当てる趣旨で販売したが、エコ志向や原油高が追い風となって予想以上の売れ行き」という。

 童心に帰りたい大人が自分のためにプレゼントを買い求めるケースもあるが、クリスマスは家族で過ごすため、一緒に楽しもうとする人が多いようだ。今週末に買い物に出掛けるという同市深堀町の主婦齊藤久子さん(43)は「自分が子どものころは、兄や私も自分が遊ぶものを買ってもらい、それぞれ夢中になっていた。でもクリスマスは本来、家族で過ごすもので、皆が楽しめるプレゼントがふさわしいと思うようになった」と語る。ケーキもゲームも家族一緒。家の中が温かくなるクリスマスまであと1週間だ。(山崎純一、小橋優子)


◎「非常に重く難しい仕事」…函館市、行革担当理事設置へ
 函館市が第4回定例市議会に提案している、行財政改革などを指揮する特別職「理事」の時限付き設置条例は、13日の市議会総務常任委員会で可決され、19日の本会議でも可決される見通しとなった。理事の任務は「非常に重く難しい仕事」(市幹部)で、委員会審議で続出した疑問や反対意見を、西尾正範市長は重く受け止める必要があるだろう。そして理事の仕事に最終的に責任を負うのは、西尾市長だ。

 来年度から5年間での職員650人の削減は、実は今になって出てきた話ではない。具体的な数字や時期が出たのは初めてだが、井上博司前市長の時代に「現在の行財政改革(2005―09年度)での600人削減と合わせ、中長期的には1000人程度を削減したい」との方針を議会に示している。

 厳しい財政状況の中、西尾市長は前市長の方針を踏襲、強化したが、その遂行に特別職を置くことは「予想も想定もしなかったこと」と多くの市議は語る。給料を下げることで一定の理解を求めたが、「給料の額の問題ではない。現体制でなぜできないのか」とすぐ追及された。公明党や共産党は市民感覚とのずれを強調した。

 また、職員削減による人件費カットを断行するために高給の特別職を置くことは「屋上に屋根をかけるようなもの」と指摘する民間人もいる。

 理事の大きな仕事は民間でいうリストラで、責任が付いて回る、いわば「汚れ役」だ。組合や各職場との意思疎通を図りながら削減計画を進めるだけでなく、病院や交通、水道などの企業局の会計の在り方などにもメスを入れなければならない。「そのために一般職では限界があり、特別職でなければならない」と市は説明する。

 一方で、一連の改革を成功させると「西尾市長の評価が上がるのではなく、理事の手腕が評価されるという皮肉な結果になることも予想される」(市OBなど)との声もある。成功しても失敗しても、西尾市長にそのまま跳ね返る。

 前市長との“庁内対決”を制して8カ月。選挙の余韻が冷めると、いや応なしに重い課題が突きつけられる。今回の理事設置がベストでなくともベターな対応かは、今後の結果を見なければ分からない。そして今回の一件に限らず、人口流出や産業振興など、市の懸案はまだまだ山積している。 (高柳 謙)


◎灯油103.09円 過去最高…12月の函館市石油製品価格
 函館市は16日までに、12月の石油製品小売価格調査結果をまとめた。各製品とも依然高値が続き、家庭用灯油(1リットル、ホームタンク用)と軽油、プロパンガスが調査開始以来の最高値を更新した。ガソリン(レギュラー1リットル)の平均価格も2カ月連続で5円以上の値上がりで推移している。

 まとめによるとガソリンの平均価格は先月よりも6円高の155・79円。最高価格は先月対比6円高の158円、最低価格は同じく10円高の150円だった。

 家庭用灯油の平均価格は前月比12・05円高の103・09円と1982年の調査開始以来、最高値を更新。最高価格は同14円高の110円、最低価格は同18円高の98円。

 軽油の平均価格も同じく調査開始以来の最高値で、前月より5・85円高の136・21円。最高価格は同3円高の138円、最低価格は同7円高の132円。

 プロパンガスの平均価格は5立方メートル、10立方メートルともに1993年の調査開始以来の最高値。5立法?の平均価格が前月比117・61円高の5234・80円。最高価格が同174円高5874円、最低価格が同52円高の4515円。一方、10立方メートルは同237・57円高の8467円。最高価格が前月と変わらず1万0154・0円だが、最低価格は525円高の7455・0円。

 重油の平均価格は前月比8・31円高の97・15円。最高価格は同11円高の102・0円、最低価格は同4円高の82・0円だった。

 調査は卸および小売を兼ねる13店、小売販売のみの17店で12日に実施した。(鈴木 潤)


◎灯台 クリーンエネルギーに転換…函館海上保安官内
 【上ノ国】函館海上保安部は、管内に100基ある灯台の電源を太陽電池などへの転換を進めている。上ノ国町の汐吹漁港北防波堤灯台でも19日に太陽電池への切り替えが行われ、これまでにクリーンエネルギー化した灯台は47基に達するという。

 離島をはじめ岬や防波堤などにある灯台では、電源の確保が困難なため、これまでは鉛蓄電池や自家用発電機などを電源として使用してきた。

 しかし、維持管理に多額の費用や労力を必要としており、全国の灯台を管理する海上保安庁は、太陽電池や風力発電などの自然エネルギーの活用を進めている。

 道南の太平洋岸と日本海沿岸を管轄する同部が管理する灯台は100基。同灯台を含めると、これまでにクリーンエネルギー化した灯台は、5割に迫る47基になるという。

 また、同灯台では切り替えに伴い、光が点滅する周期を変更する。これまで3秒周期で緑色の灯火が点灯と消灯を繰り返していたが、今後は3秒ごとに短いせん光を発する方式に変わる。(松浦 純)


◎馬頭琴とオルガン響き合う…平和クリスマスコンサート
 モンゴルの弦楽器「馬頭琴(ばとうきん)」とパイプオルガンの共演による「平和クリスマスコンサート」が16日、遺愛女子中学・高校講堂(函館市杉並町23)で開かれた。郷愁漂う馬頭琴の音色とオルガンの重厚な響きが会場を柔らかに包み込んだ。

 第2次大戦中の沖縄戦の悲劇を描いた絵本「おきなわ 島のこと」(丸木俊・位里夫妻作)の英語版出版プロジェクトに携わる、函館ラ・サール高教諭のピーター・ハウレットさんらが企画。入場料を、同絵本を英語圏の図書館に寄贈する資金などに充てる。

 馬頭琴を演奏するのは、中国内モンゴル出身で米シアトル在住の世界的奏者・李波(リボー)さん。オルガンは函館在住の石崎理(みち)さんが担当した。リポーさんが、馬頭琴独特の大陸をイメージさせる深くて親しみやすい音色を響かせると、石崎さんが寄り添うように深くて厚みのあるハーモニーを重ねていった。

 「もろびとこぞりて」や「きよしこの夜」などクリスマスの定番曲から、「命の祈り」「天の祈り」などリボーさん自身による馬頭琴のオリジナルまで多彩な作品を演奏。またオルガンソロに乗せて「おきなわ 島のこえ」の朗読も披露するなど充実したプログラムとなった。(小川俊之)