2007年12月20日(木)掲載

◎「鍛神」子ども教室始まる
 放課後の子どもの居場所となる「『鍛神』子ども教室」が函館鍛神小学校(長谷恵校長、児童481人)に開設された。函館市内では6校目で、本年度の設置は3校目。19日は83人の児童が利用し、地域住民らのボランティアとさまざまな遊びを楽しんだ。

 文部科学省の放課後子どもプランに基づいた函館市の事業。現在、あさひ、旭岡、南本通、磨光、万年橋で行われている。

 鍛神小での開設日は毎週水曜日の午後2時半から4時。初回は12日で、19日は2回目。会場となった多目的教室では、縄跳びや将棋、オセロ、手芸などの遊びごとにグループを作り、それぞれに校区内の大人がついた。2年生の山内凪沙さん(8)は「いつもは家でゲームをすることが多いけれど、折り紙の方が楽しい」と言って舟などを作っていた。(小泉まや)


◎函館市議会、「理事」可決、会期を延長/福祉灯油を追加提案
 第4回函館市議会定例会は19日、本会議を再開。来年度から4年間の時限付きで行財政改革などを指揮する特別職「理事」を設置する条例案を賛成多数で可決した。西尾正範市長は、低所得者への灯油購入費を支援する「福祉灯油」の導入に向けた本年度一般会計補正予算案を追加提出し、定例会の会期を25日まで延長することを決めた。

 採決前、理事設置に関する条例案について、2会派と無所属議員2人が反対討論した。公明党の小谷野千代子氏は「行財政改革は市長自らが陣頭に立たなければならないが、市長からはその決意が伝わらない。理事に4年間で6000万円の支出は市民感覚とかけ離れている」と指摘。共産党の市戸ゆたか氏、無所属の竹花郁子氏も、市長をはじめ現在の特別職で行革を進めるべきだとした。三遊亭洋楽氏は、給料が高額であることを反対理由にした。

 採決では公明5人、共産4人、竹花氏、三遊亭氏と新生クラブの黒島宇吉郎氏、出村勝彦氏の計13人が反対。市職労を母体とする民主・市民ネットの斉藤佐知子氏と道畑克雄氏は退席した。賛成は民主・市民ネット6人、市民クラブ6人、新生クラブ7人、無所属議員1人の計20人。

 定例会初日に提出された本年度一般会計補正予算案や市駐車場条例の一部改正案など29件を原案通り可決し、市議会民生常任委員会が「犯罪のない安全で安心なまちづくり条例案」を追加議案として提出。佐古一夫委員長が提案理由を説明し、可決した。

 「福祉灯油」の実施に向けて市が追加提出した補正予算案は、予備費から8000万円を措置した。対象は本年度の市民税非課税世帯の中で、75歳以上の高齢者がいる世帯、ひとり親世帯、障害児・者世帯などで約1万6000世帯。1世帯当たり5000円の灯油購入費を支給する。生活保護受給世帯は冬期加算に燃料費が盛り込まれているため対象外となる。25日の本会議で採決する。(高柳 謙)


◎世界文化遺産登録目指し大船遺跡など暫定リスト登載提案
 道内や北東北にある縄文遺跡群の世界文化遺産登録を目指している道と青森、秋田、岩手の4道県は19日、国の暫定リスト登載に向けての提案書を文化庁に提出した。世界遺産に登録されるには、国の暫定リストに登載されることが必要で、登録に向けスタートラインに立った。

 提案書では、名称を「北海道・北東北の縄文遺跡群」とし、4道県合わせて15の遺跡を盛り込んだ。道南からは函館市の大船遺跡や森町の鷲ノ木遺跡が選ばれている。

 縄文遺跡群の世界文化遺産登録に向けては、青森県が今年4月に道や2県に呼びかけ、4月に縄文遺跡群世界文化遺産登録推進会議」を設置し、関係自治体と連携しながら準備を進めてきた。

 函館市教委の須田正晴生涯学習部長は「リストに登載されることを期待している。まずは、縄文文化交流センターを含めた一体的な整備を着実に進め地域振興につなげたい」とし、森町教委の長崎一英教育長も「道や関係自治体とも連携をさらに深めていきたい。今後の遺跡周辺の調査で、遺跡の価値がさらに高まれば」と話している。

 文化庁で暫定リストに登載するかどうかを検討し、来年夏以降に登載の可否が判明する見通し。その後、文化庁がリストの中から国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会へ推薦する。(鈴木 潤)


◎韓国観光公社仙台支社、韓国観光をPR
 函館から韓国を訪れる観光客を増やそうと、韓国観光公社仙台支社は19日、市内若松町の函館ハーバービューホテルで、旅行代理店関係者や高校の修学旅行担当者らを招いた説明会を開いた。同支社の金成恩(キム・ソンウン)支社長代行は「韓国の新しい魅力や体験プログラムに注目してもらいたい。韓国の情熱を感じて、函館との交流も盛んになってほしい」とあいさつ。ソウル市や済州(チェジュ)島をはじめとする同国内の観光地をPRした。

 同支社は、道内と東北地方が担当エリアで、韓国観光の窓口となる。今回、定期航空路線のある函館で、企業の社員旅行や修学旅行での送客実績を増やそうと、説明会を企画した。

 同支社の佐藤慎一マーケティングマネジャーは「韓国国内は目まぐるしく変化している。以前1度行ったことがあるという人にも必ず満足してもらえる」と話し、近年、新たな観光地として注目を集めている光州(クァンジュ)や、ソウルプサン、などの各地の魅力を紹介した。

 大韓航空函館支店の岸田茂支店長は「函館の国際交流促進や函館空港の活性化のためにも、韓国の魅力を薦めてもらいたい」と話していた。(今井正一)


◎乙部町議会、行政サービス制限条例案を可決
 【乙部】乙部町議会は19日の第4回定例会で、悪質な町税滞納者に対して、町が提供する26種類の行政サービスを制限する「町税等の滞納者に対する行政サービスの制限措置に関する条例案」を賛成多数で可決した。桧山管内では上ノ国町が本年度、同様の条例を施行しており、同管内で2番目の制定となる。

 条例は新年度施行する。対象は個人・法人の町民税、固定資産税、軽自動車税、入湯税、特別土地保有税、国民健康保険税の6税目。町の督促状や電話や戸別訪問による説得に応じず、納税誓約に違反する町民が対象。サービスに応じて家族なども制限対象とする。

 制限するサービスは(1)奨学資金(2)町の物品納入や入札(3)高齢者交通費助成(4)道路や町有施設使用(5)公営住宅入居(6)町の貸付金・補助金―など26項目。町は「滞納があっても納税誓約書を提出して、確実な納税が認められる場合は制限は受けない」と説明している。

 一般質問では寺島光一郎町長が、総務省が町国保病院など、自治体病院の抜本的な経営見直しを求めていることについて「道立江差病院の機能強化など、地域医療の体制が維持されることが条件」と述べ、指定管理者制度導入を検討している道立病院の経営改革や、国による自治体病院への財政支援の動向を見極めた上で対応する考えを示した。

 定例会は、一般会計を1819万円減額する補正予算案、人事院勧告に伴う特別職、町議、町職員の報酬・給与改定など14議案を可決、閉会した。本年度の一般会計総額は32億263万円。(松浦 純)