2007年12月23日(日)掲載

◎函館開港150周年記念事業、スウィートキャンドルきらきら
 2009年の函館開港150周年記念事業のキックオフイベント「はこだてスウィートキャンドルプロジェクト」(函館港利用促進協議会主催)が21、22の両日、はこだてクリスマスファンタジー会場内のBAYはこだてイベントスペース(市内豊川町)で行われた。約500個のキャンドルがハート形に並べられ、ほのかな明かりが会場を優しく包んだ。

 「開港150周年」の冠を付けた初めてのイベントで、函館と同じく、09年に記念事業を展開する横浜市で、昨年から実施されている「キャンドルカフェ」に倣って実施した。会場では横浜中華街の肉まんが販売されたほか、21日は横浜会場の様子が生中継で大型画面に映し出されるなど、開港都市の連携を図った。

 ハート形のキャンドルの前では、大勢の市民や観光客が足を止め、温かな明かりに目を奪われていた。また、透明のキャンドルカバーには、メッセージを書き込むことができ、家族や恋人と一緒にろうそくを点灯する姿がみられた。


◎救急車が野生馬と衝突
 21日午後9時55分ごろ、函館市釜谷町370の国道278号で、救急患者を搬送中の同市東消防署戸井出張所の救急隊員の男性(60)が運転する救急車が、野生化したとみられる馬と衝突した。当時、救急車には女性患者(27)やその家族を含め計5人が乗っていたが、けが人はいなかった。

 函館中央署などによると、現場は片側1車線の見通しの良い直線道路。救急車が市内中心部に向かって走行中、道路左側の海岸線沿いから突然、道路内に馬が飛び出してきたという。救急車はフロントガラスにひびが入ったほか、左前部のライト付近が破損。馬は衝突後、現場から走り去った。

 患者は発熱などの症状を訴え、函館市港町の市立函館病院に搬送される途中だった。女性は約10分後、同消防署古川出張所から駆け付けた代替の救急車で運ばれ、大事には至らなかった。

 同署などによると、現場付近では近年、野生化した馬の群れが複数目撃されている。同市消防本部は「救急車が動物とぶつかる事故は初めて。緊急走行時はサイレンを鳴らしているので、馬も警戒すると思うのだが…」と困惑した様子だった。


◎トリミングして新年準備 ペット美容室盛況
 年の瀬も押し迫り、函館市内のペットショップやペット専用美容室は、カットやシャンプーで犬の毛を整える「トリミング」で大忙しだ。きれいな姿で新年を迎えさせたいという飼い主が多く、1年で最も利用が集中する書き入れ時。また、飼い主の旅行や帰省に伴い、ペットホテルの予約も好調で、年末年始に掛けて混雑が見込まれる。(宮木佳奈美)

 市内のドッグサロンハッピー(本通3、大島幸子代表)では12月第2週で年内のトリミングの予約を終了し、キャンセル待ちの状態になっている。トリマー8人体制で1日30匹を受け入れているが、ピークは25日以降で1日40匹に増える。

 併設するペットホテル(15室)は31日から1月3日が込み合い、特に元日は満室という。田野瀬恵津子主任は「灯油価格高騰の影響なのか、寒くなる前にトリミングを済ませて年を越す飼い主もいて、例年より予約は分散気味。ホテルも年末年始はいつも満室だが今年は珍しく1、2室空きがあり、長期滞在が減ったように思う」と話している。

 市内富岡町1、桔梗町で2店舗を展開するペットハウスジャスパー(安田祐子オーナー)も年内はトリミングの予約が1日平均30件に上り、キャンセル待ち状態。併設のペットホテル(富岡店10室・桔梗店14室)は31日から1月第1週に掛けて予約が集中している。安田オーナーは「年内に受けられなかったトリミングの予約は1月初旬にずれ込むので、通常体制に戻るのは1月中旬では」とみている。

 一方、犬用衣装などペットグッズを扱う同店ではこの時期、年賀状の撮影用や初詣でに着せるはかま、着物を買いに来る客も増えているという。


◎町は聖夜ムード一色に
 24日はクリスマスイブ。函館市内では22日、キャンドルを灯す幻想的なイベントが行われたほか、同市元町の函館ハリストス正教会ではクリスマスイブ祈祷(きとう)が開かれた。菓子店などではクリスマスケーキづくりが急ピッチで進められ、街は聖夜を迎える雰囲気に包まれた。

 函館市元町の函館ハリストス正教会(イオフ馬場登神父)では、降誕祭前晩祷(こうたんさいぜんばんとう)が開かれた。国の重要文化財である復活聖堂の中は、聖像がろうそくの炎で照らされ荘厳な雰囲気に包まれ。馬場神父が祈祷(きとう)文を読み、信者が聖歌を歌った。

 正教会ではイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の聖誕を祝うクリスマスを降誕祭と呼ぶ。前晩祷はクリスマスイブ祈祷あたり、ことしは暦の関係でこの日に行った。信者や市民、観光客など約40人が訪れた。

 午後5時、独特のリズムで鐘が鳴り始めた。聖歌や祈¥・カは明治時代、日本に正教を伝道した聖ニコライによって訳された。原語を感じさせる美しい発音で、神を賛美する言葉が約2時間響きわたった。(山崎純一)


◎江差町、旧朝日・日明小跡地利用をプロポーザルで募集
 【江差】江差町は22日までに、ことし3月に閉校した旧朝日、日明両小学校の跡地利用策について、遊休町有地の解消策として初めてプロポーザル(事業企画提案)方式を導入し、活用に意欲がある民間事業者を公募する方針を明らかにした。

 町は跡地を売却せず、定期借地権制度を活用して賃貸を希望する事業者を募集する。同方式は周辺環境にふさわしく、公共性や経済効果など、地域貢献度の度合いが最も高い提案を行った事業者を優先して交渉する。町は跡地への企業誘致に向け、道や道経済産業局などを通じて道内外の企業にもアピールする。

 朝日小跡地は1万3650平方?。産業施設などの提案を求めており、賃貸期間が20年間の事業用借地権を設定。敷地すべてを利用する場合の賃貸料は年額81万8400円。

 日明小跡地は1万3164平方?。産業・福祉施設や宅地造成などを想定。用途に応じて一般定期借地権(50年)か事業用借地権を設定する。全面積の一般定期借地料は154万8000円、事業用借地料は年額255万8400円。

 町は事業者に有利となるように低い賃貸料を設定したほか、地域貢献の度合いにより、賃貸料の減額や無償貸し付けも検討する。校舎を取り壊さずに利用する場合、建物を無償譲渡し、解体する場合でも費用と賃貸料を相殺して、事業者の負担を軽減する。

 来年1月21日から2月29日まで募集要項を配布し、3月下旬に現地説明会を行う。具体的な事業提案を7月上旬に受け付け、8月上旬に事業予定者を決定したい考えだ。


◎記者回顧(2)町会活動を追う
 連日のように肌寒い日が続いた初秋、町会役員が町内の独居老人宅を訪問する活動に同行してみた。「体の具合は?」「日常生活で何か困ったことは?」と問い掛ける役員に、深々と頭を下げて「風邪も徐々によくなっています」と答えるお年寄り。両者が交わすさり気ない会話を耳にした瞬間、日ごろから交流する地域の絆(きずな)の強さを感じ、心が温かくなった。

 「どんな活動をしているのかわからない」「町会加入のメリットは?」―。町会未加入者からはこんな言葉を聞く。町会の加入率は過去10年間、毎年1%ずつ減少しているのが現状だ。自分自身、町会担当記者になるまでは、町会に対して同様の意見を持つ一人にすぎなかった。

 だが、数々の町会行事の取材を通じて、60―70代の高齢者ともいえる役員が地域活性化を目指し、懸命に取り組む姿を見て、そんな思いは吹き飛んだ。特にことしは子どもが犠牲になる事件や事故が多く、その度に町会が連携し、安全な町にしようと、青色回転灯設置車の巡回や街頭啓発などの自主防犯活動に汗を流していた。町会活動が基盤になって「住みよい地域づくり」ができると痛感した。

 6月から、市内で開催される絵画や書道、手作り作品の展覧会、イベントのほか、週3回掲載する「いきいき町会」の担当記者になった。町会担当記者は自分ひとり。先輩記者からは「週3回、2本ずつ町会ものを出稿するのはなかなか大変だぞ」と言われたが、弱音は吐きたくなかった。「絶対に欠かさず載せてみせる」と決意した。

 担当している町会は現在、市内に189(自治会を含む)あり、交流会や清掃、防犯・防災パトロールなどの活動を実施している。主に土、日曜日の午前10時から正午に行事が集中するため、2時間でいくつかの町会を駆け巡ることも少なくない。「間に合わない!」「諦めよう」と弱気になることもあるが、「待ってたよ」と喜んでくれる役員の笑顔が脳裏に浮かび、懸命に車を走らせた。

 報道部記者となり約9カ月が経過した。上司からは「中学生が読んで分かる原稿を書け」とアドバイスを受けるが、まだまだ勉強不足のため悪戦苦闘の毎日だ。記事は簡潔にまとめなければならないが、伝えたいことがたくさんあり、ついつい長文になってしまう。「こんな記事じゃ、思いは伝わらない」と指摘され、自分の未熟さに悔し涙を流したことも多々ある。

そうした中、「地域のために」と頑張る町会役員の姿に、いつも勇気づけられてきた。来年も多くの市民に、町会の意義を伝えたい。「地域ぐるみ」という言葉の“強さ”と、そこにいる人たちの姿とともに―。 (小橋優子)