2007年12月24日(月)掲載

◎クリスマスファンタジー、子どもたちダンス
 函館市の金森レンガ倉庫群で開かれている第10回記念2007はこだてクリスマスファンタジー(実行委主催)も残り2日。23日は道南各地の子どもたちや道教育大函館校モダンダンス部の学生が出演するダンスパフォーマンス「ファンタスティック・イヴNCV’s Day」が開かれ、元気いっぱいのダンスで来場者を楽しませた。

 地元のケーブルテレビ局「NCV」が企画。出演は同部のほか、七飯町のパインエアロビクスクラブ(PAC)、函館市のスタジオJOYの園児・児童。このうちPACは、41人が4つのグループに分かれ、ヒップホップやジャズダンスを踊った。なかにはサンタクロースなどの衣装で登場し、クリスマスの雰囲気を盛り上げるパフォーマンスも。

 あいにくの雨の中、出演者は日ごろの練習の成果を披露。観客からは「子どもらしくかわいいし、とても上手」と大きな拍手が送られていた。

 函館海洋気象台によると、東北地方を低気圧が通過する影響で、道南の24日は明け方まで雪か雨だが、日中は晴れか曇りになる見込み。降雪量は多い所で10―20センチで、ホワイトクリスマスとまではいかないようだ。



◎渡島保健所「地域ケア整備案」、療養病床4割削減
 渡島保健所は、将来の医療・介護サービスの在り方を示す「地域ケア体制整備構想・南渡島圏域」案を策定した。同圏域の療養病床1644床(2007年4月1日現在)を12年度末までに約4割削減し、938床とする推進目標を定めたほか、介護予防事業の整備やかかりつけ医の普及促進などを進め、療養病床転換に伴う必要な医療・介護ニーズを確保するとしている。年内に道に報告し、年明けに正式策定となる。

 国は、医療費抑制を図るため、医療の必要性の低い患者が比較的多い療養病床を全国一律に削減する方針を2006年度の医療制度改革で打ち出している。道は道内21圏域ごとに同構想案の策定を求めており、道南では南渡島、北渡島、桧山、南桧山の各圏域で検討委員会を設置。函館、北斗、八雲など2市7町でつくる南渡島では、10月から構想内容の協議を重ねてきた。

 療養病床の転換推進計画は、同保健所が8月に医療機関対象で行った意向アンケート結果を踏まえて定めた。これによると、12年度までに廃止される介護保険適用の療養病床は776床あり、そのうち164床は医療保健適用への転換を希望。一方、医療保健適用は07年4月現在で868床あるが、そのうちの94床は一般病床への転換意向を示していることから、12年度まで確保すべき療養病床は938床としている。残りは老人保健施設などへの移行を図る。

 療養病床の再編成や高齢化の進展に伴い必要となる地域ケア体制の整備を実現するため、同構想では▽有料老人ホームなどの整備推進や高齢者ニーズに応じた多様な住まいの確保▽介護サービスや見守りに取り組む体制整備▽かかりつけ医の普及促進や在宅医療の知識・技術の普及啓発―などの方策を掲げている。

 同構想案は、21日函館市美原の渡島合同庁舎で開かれた第2回検討委員会(委員長・伊藤丈雄社団法人函館市医師会副会長)に報告され、了承された。出席した委員からは「国の在宅医療支援など不透明な部分があり不安が残る」「予想より緩やかな転換計画で安心した」などの意見が出た。(新目七恵)


◎追分カード・えさし会 現金つかみ取りスタート
 【江差】追分カード・えさし会(打越東亜夫理事長)による、歳末恒例の現金つかみ取りが23日、町内の2会場でスタートした。

 法華寺通り商店街の「寄来所(よっこらしょ)」では、受け付け開始直後から、カードを手にした大勢の買い物客が詰め掛け、現金つかみ取りが当たるくじ引きに挑戦した。

 つかみ取りは1000円札の松賞10本、100円硬貨の竹賞30本、10円硬貨の梅賞3000本のほか、当日の為替レートで換金する1ドル札のつかみ取りも60本用意している。

 つかみ取りの権利を射止めた客は、真剣な表情で箱に入った紙幣や硬貨を豪快にわしづかみ。「ドル賞」で44ドル(5280円)をつかみ取った、同町の若松美沙さん(10)と家族は「お札のつかみ取りは初めて。おいしい物でも食べたいね」と、笑顔で話した。

 会場は寄来所のほか、愛宕町商店街の特設会場でも行っている。年内は30日まで、年明けは1月5日から8日まで。両会場・両期間ともに午後1時半から同5時半まで。

 還元ポイントが満度に達した同カード1枚で5回の抽選ができる。抽選に漏れても全加盟店で利用できる500円分の商品引換券をカードの枚数に合わせてプレゼントする。問い合わせは江差商工会TEL0139・52・0531へ。(松浦 純)


◎植物園でクリスマスコンサート
 函館市営熱帯植物園クリスマスコンサートが23日夜に開かれた。木や花に囲まれた温室内で遺愛女子中学校ハンドベルクワイアや函館市民オーケストラ(村本淳一団長)が演奏し、訪れた市民らがクリスマスムードに酔いしれた。

 同校1年生から3年生の23人が所属するハンドベルクワイアは「ジングルベル」などのクリスマスソングを演奏し、透明感ある音色を響かせた。「きよしこの夜」ではメロディーに合わせて来場者も歌詞を口ずさみ、会場一体となって盛り上がった。

 このほか函館市民オーケストラは「こうもり序曲」「クリスマスフェスティバル」などで団員40人が息の合った演奏を披露した。友人と来場した市内日吉町1の前川良子さん(70)は「クリスマスらしい雰囲気を味わえ、とても優雅なひとときでした」と感激していた。(宮木佳奈美)


◎記者回顧(3)七飯町の公開自主講座
 「職員が元気でなければ町は活性化していかない。これからいろいろ仕掛けていきますよ」。七飯町企画財政課の吉田雅幸課長はやる気に満ちていた。2006年6月、七飯町はまちづくり基本条例制定の方針を固めた。同条例はこの年に就任した中宮安一町長の公約で、今年10月に施行となった。一般的に自治体の憲法と呼ばれ、七飯町の条例は町の重要案件を判断する住民投票制度を規定、まちづくりでの町や議会、町民の役割を定めた。

 吉田課長の宣言通り、パブリックコメントの導入や職員からの政策公募、職員による合併研究会の発足など、新たな取り組みを打ち出し、その都度記者は記事にしてきた。

 条例の制定作業と併せ、まちづくり公開自主講座もスタートした。町民と職員が互いに町の施策を学び、情報共有を図るのが目的だ。今年5月まで計11回のロングラン講座で、係長、主査級の若手職員7人が運営委員会(杉原太委員長)を発足し、企画や準備に当たった。講師は毎回、課長が務めた。

 本来、このような連続する講座の取材であれば、最初の1回のみを取り上げるのだが、敢えて毎回会場に足を運んだ。自身の勉強も兼ねて聴講をしたが、講座の成果が今後まちづくりに生かされるのか、04年の鹿部町との合併協議破談のショックや、町を2分した町長選挙のしこりを乗り越え、町がどう変わろうとするのか。職員のやる気に注目した。

 運営委のメンバーが中心となって、広報による周知のほか、マスコミを通じた告知、町内会、各種団体へ呼びかけた。回を重ねるごとに少しずつ浸透したが、課題も浮き彫りになった。各課の業務ごとの講座になってしまい、内容に差が出たこと、後半はマンネリ化したのか、参加人数が減少した。受講者は11回で約880人で、ほとんどが50―100人の間で推移した結果となった。

 すべての講座が終わった5月のある日、運営委の総括会議が開かれ、一様に「やってよかった」と充実した表情を見せたのが印象的だった。また、「座談会やシンポジウムなどの運営方法も検討したい」。次回の講座開催に向け建設的な意見があがった。

 今、どの市町も厳しい財政状況に直面し、行財政改革を迫られている。その中で「住民と行政との協働」「住民参加」のまちづくりが求められている。住民と職員がコミュニケーションを深め、信頼関係を築いていくことがこれから大切になってくるのではと考えている。(鈴木 潤)