2007年12月8日(土)掲載

◎新春ムード一色…ガラスの干支並ぶ
 師走に入り、函館市内のガラス工房「ザ グラススタジオ イン 函館」(水口議代表)では、来年の干支(えと)「ネズミ」をかたどったガラス製の置き物が並び、早くも新春ムードが漂っている。

 同工房では25年前から毎年、干支の置き物を製作。ことしは10月から作業に取り掛かり、水口さんらスタッフ2人が毎日20個、年末までに500個を製作する予定だ。

 工房を開設して以来、3回目の子年となる今回は、大きな耳とくるんと丸まった尻尾を付け、かわいらしいネズミに仕上げた。透明でつややかなガラスの中に金ぱくと銀ぱくが散りばめられ、縁起物として好評を得ている。

 大きさは2種類あり、長さ8センチのSサイズが2100円、長さ11センチのLサイズは3675円。同工房は「毎年楽しみにして買いに来る人もいる。1月中に完売するのでは」と話している。

 問い合わせは同工房TEL0138・27・1569。午前10時―午後6時半(水曜は同5時)。(宮木佳奈美)


◎イルミナシオン映画祭開幕。
 「第14回函館港イルミナシオン映画祭2007」(実行委主催)が7日開幕した。初日は函館山展望台クレモナホール(函館山山頂展望台内)で開会式とシナリオ大賞の表彰式が行われるとともに、同ホールと十字街シアター(函館市地域交流まちづくりセンター内)の2カ所で合わせて6作品を上映。道内外から駆け付けた大勢の映画ファンでにぎわった。9日まで。

 開会式では実行委の米田哲平委員長が「約100本の候補から厳選し、心に残る作品29本を用意した。3日間、映画ざんまいの日々を楽しんでほしい」とあいさつ。続くシナリオ大賞受賞式では、今年度のグランプリに輝いた「引きこもる女たち」を書いた藤村享平さんに、作家の荒俣宏審査委員から賞状と賞金300万円が渡された。

 この日は、11月にフランスで行われたキノタヨ映画祭で最優秀観客賞を受賞した長万部町出身の映画監督、坪川拓史さんの新作「アリア」も上映された。上映後に舞台に登場した坪川監督は「自分が初めて映画館に足を運んだ函館の地で、いち早く多くの人たちに作品を楽しんでもらえてうれしい。一般公開が実現するよう応援してほしい」と話していた。

 8日は函館ロケ作品「硝子のジョニー 野獣のように見えて」(木村威夫監督、宍戸錠主演)など長編6作品、短編7作品が上映される。


◎40年間の思い凧に込める…梅谷、近藤さん160歳2人展
 約40年間にわたって凧(たこ)を作り続けている函館市山の手町の梅谷利治さん(78)と、趣味でビデオ撮影を楽しみ、梅谷さんの凧揚げに同行している同市中道の近藤正信さん(82)の作品展示とビデオ上映を合体させた「160歳感謝二人展・凧&ビデオ」が、いしい画廊(同市本町)で開かれている。2人の年齢を合わせるとちょうど160歳。梅谷さんは「ここまで生きられたことに感謝したい。40年間の思いが込められた作品を会場で楽しんでほしい」と話している。11日まで。(小橋優子)

 梅谷さんは日本凧の会会員で、創作凧研究所「創作凧治工房」を主宰している。毎年、作品展を開いているが、今回初めて近藤さんとの二人展に取り組んだ。近藤さんはこの3年間、梅谷さんが行う凧揚げに同行し、市民が楽しむ表情や様子を撮影してきた。

 梅谷さんが「凧を展示する会場で、実際に揚げている様子を紹介するのは面白い」と考え、近藤さんのビデオを活用しようと企画した。会場では12の干支(えと)をモチーフにした凧や、函館の町の象徴であるイカや五稜郭にちなんだ凧など、33種類の約300点を展示している。

 干支をモチーフにした作品は、1974年の「辰(たつ)」以来毎年製作し、ことしは来年の「子」を出品。ネズミの顔をハート型にし、丸々の目が印象的な凧は縦横27センチで、合成紙やポリエチレで仕上げた。

 このほか、人間の歩く早さで上げられる「歩行用ミニ凧」や、大空の水族館と名付けた色鮮やかなイカやクリオネの凧なども並んでいる。天井に掲げられた全長約10メートルの「龍」の凧も迫力満点だ。

 梅谷さんは市内の高校で美術教諭を務めていた際、「生徒に大きな空をキャンバスに、自由な絵を描いてほしい」と考え、好きな絵を描かせて凧を揚げたのを機に、これまで製作を続けてきた。今回の二人展について、近藤さんも「自分の撮影したビデオが会場で上映され、梅谷さんと一緒にやれてうれしい」と話している。時間は午前10時から午後6時まで。


◎漁船から燃料盗まれる被害相次ぐ
 函館市川汲町の川汲漁港で、係留中の漁船からガソリンなどが入った燃料タンクが相次いで盗まれていることが7日、分かった。原油価格の高騰で高値が続く石油製品のガソリンなどに目を付けた犯行とみられ、函館中央署は窃盗事件として捜査している。

 調べによると、同日午前6時ごろ、漁船の所有者らが船内に備え付けられている予備用の燃料がタンクごと盗まれているのに気付き、同署や漁協に届け出た。この日は同様の被害が川汲漁港内で計10件あり、ガソリンや混合油など計約150リットル、2万3000円相当が盗まれたとみられる。

 同署などによると、同市南茅部地区では今年9月から、係留中の漁船から燃料が盗まれる被害が相次いでいて、これまで同署に同様の被害届が25件ほど寄せられているという。中には予備用タンクの鍵が壊されていたケースもあった。

 このほか、近隣の恵山地区でも似た手口の被害が報告されていることから、同署は自己使用のために同一犯が盗んだ可能性もあるとみて調べている。


◎西尾市長 市の行革、目標上回る…市議会
 第4回函館市議会定例会は7日、一般質問が始まり5氏が登壇した。西尾正範市長は行財政対策後期5カ年計画(2005―09年度)が目標を上回るペースで進んでいることを説明。新たな対策の策定、推進に当たり、職員の意識改革や発想の転換が必要なことから、日常的に各部局と意思疎通を図る臨時の特別職の理事を設置する考えを説明した。

 道畑克雄氏(民主・市民ネット)の質問に対する答弁。

 西尾市長は05―07年度までの3年間で目標より16人多い353人の職員を削減し、効果額も予定より5億5500万円多い67億8000万円となることを明らかにした。

 11月に公表した来年度から5年間の一般会計中期財政試算で、毎年40―50億円台の財源不足が生じることから、行財政改革の加速が求められている。このため、現在の行革後期5カ年計画を取り込み、来年度から5年間で596人、水道や交通などの企業会計を含めると650人を削減する計画の策定を掲げた。

 こうした改革を推進するため、今定例会に4年間の時限付きで理事を設置する条例制定案を提出している。市長は「行財政対策の推進は私も副市長も携わっていくが、これまで以上に徹底した事務事業の見直しが必要」と述べ、理事は職場の意見を聞きながら行革を総括的に進める役職であることを説明した。

 道畑氏は、職員削減による市民サービスの低下を懸念。市長は、内部事務の徹底的な見直しで業務の無駄を省き、仕事の効率化を図るため、来年度から係制を廃止し、係長と同等職の主査制にすることで、従来の職務にとらわれない弾力的な対応を図る考えを伝えた。

 このほか黒島宇吉郎氏(新生クラブ)、佐々木信夫氏(市民クラブ)、松宮健治氏(公明党)、市戸ゆたか氏(共産党)が質問した。(高柳 謙)