2007年1月14日(日)掲載

◎木古内、寒中みそぎ祭り開幕
 【木古内】冬の木古内を代表する恒例行事「寒中みそぎ祭り」(実行委主催)は13日、町本町の佐女川(さめがわ)神社(野村豊秋宮司)で開幕した。氷点下5度の冷気の中、同町出身の健康で未婚の若者4人が水ごりを開始。ご神体を清めるため、3日間にわたる行修が始まった。

 祭りは同神社に伝わる伝説を基に継続しており、ことしで177回を数える。行修者が神社にこもることを報告する参篭祭(さんろうさい)には、氏子や町民らが訪れ、神前に玉ぐしをささげて豊漁や豊作、祭りの安全などを祈願した。

 ことしは別当が竹田成仁さん(21)、稲荷は斉藤竜二さん(18)、山の神は戸沢拓也さん(17)、弁財天は平野嘉栄さん(19)が受け持つ。

 4人は真っ白なふんどしを付け、軽快な太鼓の音に合わせてゆっくりとした足取りで水ごりの祭壇に登場。「エイッ、エイッ」と威勢の良い掛け声とともに、互いに冷水を掛け合った。

 水ごりは15日まで断続的に続けられる。14、15日は同神社や国道228号沿いの「みそぎ浜」でさまざまな催しを実施。クライマックスの海中沐浴(もくよく)は、15日午前11時50分ごろに同浜で行われる。(小泉まや)


◎第2次市男女共同参画基本計画の骨子案まとまる
 函館市は2007年度中に策定する第2次市男女共同参画基本計画(仮称)の骨子案をまとめた。第1次計画の「はこだてプラン21」(1998―2007年度)を継承し、男女平等の意識づくりを主眼とした。「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分業意識の解消を目指す。審議会の答申や市民の意見(パブリックコメント)などを踏まえ、取りまとめる。

 第2次計画は08―17年度の10カ年計画。骨子案では、はこだてプラン21が掲げる「男女共同参画社会への意識改革」「あらゆる分野への男女共同参画の促進」「女性の人権の擁護」「働きやすい環境づくり」「みんなが安心して暮らせる環境づくり」の5つの基本目標を3つに集約。

 基本目標である「男女平等の意識づくり」「あらゆる分野への男女共同参画の促進」「多様な生き方が選択できる環境づくり」を施策の柱とした。

 このうち「男女平等の意識づくり」では、社会教育や学校教育の場で、男女共同参画の視点に立った学習機会の充実を図り、男女の人権を尊重し、ドメスティックバイオレンス(DV=配偶者や恋人からの暴力)やセクハラ(性的嫌がらせ)の根絶に努める。

 「あらゆる分野への男女共同参画の促進」では、各種審議会への女性登用率の向上、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など雇用にかかわる法制度の周知を通じた就業環境の整備などを盛り込んだ。

 「多様な生き方が選択できる環境づくり」としては、男女が共に家事・育児・介護を担う必要があるとの観点から、少子高齢化社会での男女の自立支援を重視。子育てや介護、ひとり親家庭への支援体制の拡充を掲げ、将来を通じた健康支援で、性と薬物に関する知識の啓発、妊娠・出産などの相談、指導体制の充実を図る。

 骨子案をたたき台とし、審議会で主要施策などを年度末までに検討。4―5月には答申される見通し。 (宮木佳奈美)


◎06年桧山管内漁業生産状況、量、額とも前年比増
 【江差】桧山支庁水産課が13日までにまとめた、2006年の管内漁業生産状況(速報値)によると、昨年1―12月の漁業生産量は約2万4447トン(前年比19%増)、生産額も74億4220万円(同24%増)となる見込みとなった。

 魚種別に見ると、スルメイカは水揚げ量9689トン(同66%増)、金額は26億9397万円(同54%増)で、深刻な不漁だった04―05年を大幅に上回った。水揚げ量、金額ともに過去10年間の平均的な水準に回復し、金額は1998年に次ぐ額だった。

 冬季が中心のスケトウダラは6774トン(同3%減)、15億8949万円(同3%減)で、水揚げ量は記録がある1983年以降では過去最低。2005年(7006トン)をさらに下回り6000トン台に落ち込んだ。過去10年間の平均水揚げ量(1万1288トン)と比較しても約4割の減少。金額も過去10年平均(21億4753万円)と比べて3割弱の減少。

 また、中国向けの輸出急増で価格が高騰しているナマコは125トン(同34%増)、3億3833万円(同109%増)と倍増。過去10年平均でも数量・金額ともに過去最高で、スルメイカ、スケトウダラ、サケに次ぎ、ウニやアワビを超える主要魚種となった。03年に1018円だった1キロ当たりの平均単価は05年は1781円、06年には2707円に高騰した。

 04年をピークに豊漁が続くサケは1967トン(同17%減)だったが、魚価上昇により、金額は6億7967万円(同12%増)と好調。過去10年平均との比較でも水揚げ量は約6割の増加、金額は約4割の増加で最高水準だった。

 管内特産のウニは358トン(同6%減)、3億3601万円(同5%減)、アワビも14トン(同30%減)、1億1261万円(同27%減)といずれも減少。特産種のアオヤギ(エゾバカガイ)は250トン(同98%増)、1億3616万円(同125%増)と好調だった。マス、ヤリイカ、ホッケ、カレイは増加、タコ、エビは減少した。 (松浦 純)


◎千島列島で地震、函館でも震度3―1
 千島列島東方を震源として13日午後に発生した強い地震で、道南でも函館市新浜町で震度3を記録するなど、大きな揺れを観測した。太平洋沿岸西部などで津波注意報が発令され、沿岸地域では一時、緊張が走った。

 函館市は、旧4町村地区で防災無線を使って津波に対する注意を呼びかけたが、潮位に大きな変化は見られなかった。

 気象庁は同1時36分に、北海道太平洋沿岸東部とオホーツク海沿岸に津波警報を、道南地方を含む北海道から和歌山県までの太平洋沿岸に津波注意報を発令した。

 発令直後、市消防本部は市内の海面監視に出動。同市入船町では道警のパトカーが巡回し、釣り人らに避難を呼びかけた。

 各地の震度は次の通り。

 ▽震度3=函館市新浜町

 ▽震度2=同市大森町、同市泊町、同市日ノ浜町、森町砂原、北斗市中央、木古内町、上ノ国町

 ▽震度1=函館市美原、同市尾札部町、同市川汲町、七飯町、鹿部町、森町御幸町、北斗市本町、福島町、知内町、江差町、厚沢部町、せたな町北桧山区


◎納豆人気函館でも/テレビでダイエット効果、生産追いつかず
 日本食を代表する「納豆」の人気が高まっている。7日夜の民放テレビ番組で「納豆はダイエット効果が期待される」と紹介されて以降、函館市内のスーパーや小売店では、爆発的な売れ行きに。突然の“納豆ブーム”に製造、販売側ともにうれしい悲鳴を上げている。

 番組では、これまでのダイエットは食事制限に伴う「つらい」「きつい」などのイメージがあったが、納豆は「おいしく食べてかつ健康にも良い」と取り上げられた。

 大粒、小粒など約30種類の納豆をそろえるホクレンショップ函館昭和店(昭和1)は、放送翌日の8日から通常の約2・5倍となる1日平均1200―1300パックが売れている。「購買層も老若男女と幅広くなった。納豆の種類は多くありますが、どれも人気でまんべんなく売れています」と浜田将宏副店長。。

 中島廉売にある堂守豆富(とうふ)店(中島町14)は、連日約40パックを用意しているが、陳列後約3時間で完売する。堂守哲雄店長は「テレビで紹介されたダイエット効果の話をしながら来る人が多い。常連客に商品を用意できなくて申し訳ない」と複雑な表情。

 大豆食品などを製造・販売するだるま食品本舗(西桔梗町589)は、各店からの注文に応えるため、週末の休みを返上して対応。モヤシやこんにゃく製造など他部門の社員を集め、納豆づくりに全力を注ぐ。

 納豆は発酵、熟成などに時間を要するため、出荷まで2―3日かかる。このため、急なブームに対し、注文の7割に応じるのが精いっぱいという。小島節弥代表は「ある程度の人気は予想していましたが、ここまで注目されるとは」と驚いている。(田中陽介)


◎企画「函館発オンリーワン」ガゴメ研究の今(中)増産対策事業
 「函館発」のガゴメ(トロロコンブの仲間)は、フコイダンなどの成分研究などに注目が集まる一方、天然物の生産量は落ち込んでいる。1990年代初めには2000トンの水揚げがあったが、海水温の変化などが原因で今では年300?前後にまで減少。特に南茅部地域では徐々に水揚げ量、資源量とも回復しつつあるが、98年以降、一時壊滅的な状態に陥った。価格は、商品開発のため需要が高まった背景もあり、2005年度は1キロ当たり4000―5000円前後に高騰。現在は、マコンブと同程度まで落ち着きを取り戻しているが、ガゴメに対する浜の期待は大きい。

 都市エリア事業の研究では、陸上ではガゴメの栽培装置を使用し、フコイダンなどの粘性多糖類を抽出する技術を確立。海から採れた物は食品加工用に回し、残さを出さないシステムを目指している。「函館は日本一裕福な漁師さんのいる街となりうる」と、道立工業技術センターの宮嶋克己研究開発部長は指摘する。ブームを一過性に終わらせないためにも、資源を維持しながら、安定した価格で供給し続けることが欠かせない。

 函館市も安定供給のため、05年度から特産資源増産対策事業を進めている。毎年約7000万円の予算を計上し、都市エリア事業とも連携しながら、増養殖試験礁の設置や養殖技術の確立などに取り組んでいる。

 南茅部尾札部沖では、05年度からシーベルト工法を用いた試験を行っている。種苗糸を付けた2.4メートル四方のネット4基を1セットとして、計12基を海中に沈めた。母草となるガゴメを育て、そこから胞子をばらまき「ガゴメの畑」を海中に作るのが狙いだ。本年度は椴法華沖にも同様の構造物を沈めた。

 このほか、種苗種を取り付けた雑割石を海中に沈めたほか、ホタテ廃材を使用した漁礁や、生分解性の海藻栽培用ネットなどを利用し、各浜の状況や漁協の意向を踏まえながら官民一体となった試験が進められている。

 旧4町村と合併した函館市の目玉事業として始まった増産対策は、3カ年目の07年度で終了する。市水産課は「ガゴメの生育状況から見て、養殖増産事業の成果はあると考えている。いかに生産量を安定させるかが今後の課題」と話している。 (今井正一)