2007年1月16日(火)掲載

◎日を浴びてのんびりと…海岸にウミウ
 15日の函館市内は冬型の気圧配置が続き、断続的に雪が舞う一日となった。中旬に入り一日の平均気温は氷点下2度を下回り、平年並みの気温となっているが、最低気温は平年より1度高い日が続き、寒い中にも暖冬を感じさせる状況が続いている。

 同市石崎町から汐首町の海岸にある消波ブロックの上では、数羽から数十羽のウミウが集まる。例年この時期、同じ方向を向き、長い首をすくめて厳しい寒さに耐える姿が見られる。しかしこの日は、時折差す日を浴びて毛づくろいしたり、口を開けたりするなど、ほのぼのとした雰囲気が漂っていた。

 函館海洋気象台によると、向こう一週間は、冬型の気圧配置が続くが、最高、最低気温はともに、平年並みか平年より高いとしている。ウミウにとっても穏やかな日がしばらく続きそうだ。(山崎純一)


◎詐欺の疑い 亀田農協課長逮捕…1億円盗難との関連捜査
 顧客から運用資金名目で現金をだまし取ったとして、函館中央署は15日、函館市西桔梗町589、函館市亀田農協本店金融部運用課長の男(57)を詐欺の疑いで逮捕した。同本店(昭和4、川井章店長)では昨年12月、金庫室から現金約1億円が盗まれていて、同署はこの盗難事件についても男が何らかの事情を知っている可能性があるとみて慎重に調べを進めている。

 調べによると、男は同10月下旬、同本店では個人向け国債を扱っていないのに、同市内の無職女性(78)の自宅などで、女性に「国債に投資しないですか」などと架空の投資話を持ち掛け、国債購入代金として現金150万円をだまし取った疑い。

 女性は同農協の顧客で、預金口座を開設するなど、男と面識があったという。男は勤務時間中に、女性方から女性を同農協の営業車両に乗せ、同市内の金融機関のATM(現金自動預払機)に行き、女性が引き出した現金を車内で受け取ったという。

 調べに対し、男は「国債購入の説明をして150万円受け取ったが、訴えられることには納得いかない」などと供述し、容疑を否認している。

 現金盗難事件の捜査過程で同容疑が判明し、同署は昨年12月、女性からの被害届を受け、内偵捜査を続けていた。男は盗難事件後、体調不良を理由に同市内の医療機関に入院、欠勤していた。15日午前、入院先から任意同行を求められた。

 男は、取り調べに淡々と応じているという。

 同署は17日午前にも、男を詐欺容疑で函館地検に送致する予定。

 同署は、現場の状況などから内部犯の可能性が高いとみれ、同本店職員らから盗難事件発生時の行動などを詳しく聴いていた。


◎167人で採用10人…函館市職員数
 団塊の世代の退職が始まる今年3月末、函館市を定年退職する職員は約120人に上る。希望退職や業務の民営化などを合わせると、新年度は167人の職員削減でスタートすることが決まっている。一方、4月採用予定の職員は10人(任期付き1人を含む)で、一層の事務事業の効率化などが求められる。併せて市は本年度、将来の職員数などを定める定員管理計画を策定する。

 167人の削減で、来年4月1日の市職員数は約3800人となる。行財政改革の一環で、業務の効率化や民間委託、民営化で退職者の不補充に対応する。4月からは美原保育園を民営化し、保育士と調理師9人を削減(配置転換)する。各部局の職員定数も改め、残った人数で職務に対応していくことになる。

 一方、4月の定期採用は9人で、一般事務の行政が7人、国際1人、水産海洋1人が内定している。内訳は大卒7人、高卒2人。これに貿易振興担当の3年間の任期付き課長職1人が加わり10人となる。

 市人事課は「職員600人を削減する行財政改革後期5カ年計画が終わる2009年度までは、10人程度の採用が続く見通し」と説明する。同計画の終了で職員数は3568人となる予定だ。ただ、市は行革を引き続き継続する方針。「削減ありき」ではなく、「行革の結果」として、将来的には職員3000人も視野に入れている。

 一方で新規採用を極端に抑え続けると、将来の職員の年齢構成比がいびつになることも指摘されている。このため市は職員の多様な形態を検討するとともに、本年度、定員管理計画を策定し、将来の望ましい職員数などを決める。

 策定に当たり、人口規模が近い旭川市や青森市などを参考にする見通しで、市行政改革課は「人口規模や財政状況、地域の事情や実情を踏まえ、望ましい定員や組織機構の在り方を計画としてまとめる」と話している。(高柳 謙)


◎前年比54件増の447件…桧山管内06年パスポート申請状況
 【江差】桧山支庁は15日までに、2006年の管内一般旅券(パスポート)申請状況をまとめた。申請数は前年比13・7%増(54件増)の447件だった。

 管内ではイラク戦争や世界各国でテロ事件が続発した03年に申請数が336件に減少、過去最低を記録した。海外への修学旅行や団体旅行が再開した04年には538件と3年ぶりに増加したが、05年にはテロの増加やSARS(新型肺炎)の流行などにより、再び減少して393件に。増加に転じたのは04年以来2年ぶりとなる。

 申請数を月別で見ると、福祉施設による団体申請があった1月(73件)が最も多く、次いで高校2校の修学旅行に伴う団体申請があった9月(54件)、8月(53件)が続いた。これらの月を除く各月の申請者数は平均30件だった。

 町別の申請者数は、江差町114件、上ノ国町36件、厚沢部町58件、乙部町82件、奥尻町13件、せたな町45件、今金町47件、管外52件だった。

 5年旅券は202件、10年旅券は245件で、8年ぶりに10年旅券の申請数が上回った。(松浦 純)


◎管内の冬季道路気象情報などHPで提供…函館開建
 函館開発建設部は、本年度から冬季の道路状況と気象情報について専用のホームページ(HP)を開設して情報提供している。各地点のリアルタイム映像や、気象予報士によるドライバーへの運転アドバイスなどさまざまな情報が盛り込まれていて、函館開建では「冬道の安全ドライブにぜひ役立ててほしい」と利用を呼びかけている。

 提供情報画面は「今の道路気象情報」と「これからの道路気象情報」の2つ。「今の道路気象情報」では、函館新道藤城、静狩峠、福島トンネルなど7カ所に設置されたカメラの画像を15分ごとに更新するとともに、過去6時間の気温と路温の変化をグラフで示す。「これからの気象情報」では、6時間先までの気象予測を1時間ごとにアニメーション表示。渡島・桧山管内主要都市の翌日までの天気予報も細かくチェックできる。

 また、気象予報士によるドライブアドバイスでは「路面凍結の恐れがあるので、急ブレーキ、急ハンドルなどは禁物。交差点や日陰部分などは特に気をつけましょう」など、状況に応じた具体的な注意ポイントが毎日2回掲載されるなど、ドライバーの立場に立った内容になっている。

 「道路気象情報」のHPは3月30日まで掲載。アドレスはhttp://www.a-road.jp/hr/pc/

 また、函館開建では道路利用者が道路の異常などを発見した際、直接道路管理者に緊急通報を行う「道路緊急ダイヤル」への協力を呼びかけている。ダイヤル番号は「#9910」。これまで固定電話、携帯電話(NTTドコモ、au、ソフトバンク)からの通話のみ無料だったが、16日午前零時からPHS(ウィルコム、NTTドコモ)からも無料となった。(小川俊之)