2007年1月17日(水)掲載

◎学習机、多種多様 需要は減少、価格は上昇
 春から1年生、いっぱい勉強します―。函館市内の家具店などでは、新入学児童向けの学習机が並び始めた。人気漫画のキャラクターがデザインされ、高さが固定されている従来のタイプや、子どもの成長に合わせて高さが調整できるなどの高機能を備えたタイプなど、多種多様の品が子どもの夢を膨らませている。少子化の影響で需要は減少傾向の一方、価格は上昇気味という。商戦ピークは今週末から2月上旬という。

 函館市石川町2の家具の菱乃実(及川邦夫店長)では、メーカー8社、約40点を並べる。人気は机とベッドを組み合わせた「ハイベッドデスク」。12―15万円前後と高価だが、社会人になっても使える点が特長。「形から連想する遊びの”基地”感覚と、部屋の広さを有効利用できることなどが人気の理由」と同店。

 親子が横並びで勉強できる机や、机といすの高さをともに調整し、床に足をつけて集中力を高めることができる商品も登場。支払いを済ませておき、入学間近の配達を希望する客が増えているという。

 同市美原2のニトリ函館店(倉岡祐之店長)では、特別コーナーを設置。昨年11月下旬から段階的に数を増やし、現在はメーカー12社、約60点に上る。棚の取り外しや、袖机が移動できるなど、圧迫感の少ない商品が人気。

 高級感とぬくもりを感じる木目調の材質が好まれている。売れ筋は4―5万円。同店は「子どもはキャラクターに目を向けますが、親は機能性重視ですね」と分析する。(田中陽介)


◎新年度から放課後子どもプラン 学童保育と子ども教室を連携
 共働きなど留守家庭の児童を預かる「学童保育」と、地域のボランティアが見守り、放課後の学校に児童の活動場所をつくる「地域子ども教室」。函館市は新年度から、両事業を連携させた全児童対象の総合的な放課後対策「放課後子どもプラン」を始める。全国で子どもを巻き込む犯罪や事故が増加する中、親の就労状況を問わず、すべての子どもに放課後の安全な居場所を確保するのが狙いだ。

 同プランは、厚生労働省と文部科学省の共同事業。厚労省の「放課後児童健全育成事業」(学童保育)と文科省の「放課後子ども教室推進事業」を、実施主体となる市町村の判断で、一体的もしくは連携して進めていく。

 市町村に行政や学校、学童保育所、社会教育の関係者らでつくる運営委員会を設置し、両事業の運営方法を共同で検討。地域と学童保育所、子ども教室との連絡調整など、両事業の円滑な運営を図るためのコーディネーターも配置する。

 函館市は「学童保育は児童福祉事業、子ども教室は社会教育事業で性格が異なる」(市教委生涯学習部)とし、両事業を一体化せずに連携させる方針。

 学童保育は放課後、親が帰宅するまで子どもたちが過ごす“生活の場”。市内全29カ所中25カ所は市が委託する民営で、月給制の指導員が常駐。民営は土曜や長期休暇中の預かりにも対応し、共働き世帯の増加に伴い、利用が伸びている。

 一方、市内3小学校で開設している地域子ども教室は、地域住民らボランティアによる運営で、平日に週1―5回ほど学校内で開催。スポーツや遊びを通じて地域や異世代間の交流を図ってきたが、04年度から3カ年の文科省委託事業で本年度で終了する。

 同プランが導入されると、地域子ども教室は、新年度から市が実施主体となる「放課後子ども教室」に移行。現在の3校をモデルに他地域にも増設していく考え。

 学童保育所は1小学校区に1カ所設置するという従来の目標通り、順次増やしていく計画。両事業を併行して拡充し、子どもの安心、安全の空白区解消を目指す。同部は「両事業を連携させることで利用者がニーズに合わせて選択できるようになる」と話している。(宮木佳奈美)


◎4月1日から正式名称「専修学校ロシア極東大函館校」に
 ロシア極東国立総合大学函館校(イリイン・セルゲイ校長)は4月1日から、同校の正式名称を「専修学校ファーイースタンステイトユニバーシティ函館校」から「専修学校ロシア極東大函館校」に変更する。

 同校はロシア・ウラジオストク市にある極東国立総合大学(ウラジミル・クリーロフ学長)の分校として、1994年に開校。96年に本学の英語名で専修学校の認可を受けた。

 昨年6月、文部科学省の「外国大学の日本校(指定日本校)」に指定され、専修学校でありながら国内の他大学への編入学や単位互換が可能になるなど、大学に準ずる教育機関として認められた。

 これを契機に、日本では専修学校の位置づけのため、学校名に「大学」とは表記できないが、「ロシア極東大」に変更し、分校の立場を明確にする狙い。昨年11月30日に名称変更を届け出、同12月4日付で渡島支庁に受理された。

 同校事務局は「日本でただ1つのロシアの国立大分校として、独自のカリキュラムで教育している。名称変更により本学との関係が分かりやすくなったので、多くの人に学んでもらえるようになれば」と期待している。

 同校には2年制のロシア語科と4年制のロシア地域学科があり、本学から派遣されたロシア人教員が在籍。4年制の卒業生には「高度専門士」が付与され、大学院への入学資格が得られる。本年度の学生在籍数は29人で、開校以来の卒業生は158人。(宮木佳奈美)


◎市報酬審議会「据え置きが適当」
 函館市報酬審議会(会長・高野洋蔵函館商工会議所会頭)は16日、函館市役所を訪れ、井上博司市長から諮問された特別職の報酬などについて答申書を提出した。高野会長は「慎重に審議した結果、今回はそれぞれの現行の額に据え置くことが適当」と述べ、井上市長に手渡した。

 同審議会は、経済界や町会連合会の代表者、公募委員ら10人で構成。これまでに3回の会合を開き、議員報酬、市長、助役、収入役の特別職給料、退職手当の算定方法などを審議してきた。

 特別職の給料、議員報酬は、1997年以来10年連続で据え置かれている。現行額は、市長113万円、助役89万円、市議51万円など。

 答申書によると、市長ら特別職給料は、中核市の平均額を下回り、最低に近いところに位置しているので据え置きが妥当とした。退職金の算定方法については、在職期間1年未満の端数は、在職月数による月割り計算にすることが適当とした。

 議員報酬については、「道内35市の平均に比べて高い」「市議も自ら減額すべきだ」との声がある一方、「純然たる議員活動をするとすれば、現在の額では酷」などと意見が分かれ、最終的には据え置きとした。

 高野会長から答申書を受け取った井上市長は「答申を尊重して市政運営に当たっていきたい」と述べた。(今井正一)


◎がんばれ受験生 絵馬にお菓子に合格願う
 大学入試センター試験が3日後に迫るなど、受験生は大詰めの時期を迎えようとしている。「合格のためなら何でもしたい」という思いは今も昔も変わらない。函館市内の神社では、少子化にもかかわらず、合格の願いを込めた絵馬が例年通りずらりと並ぶ。また、スーパーなどでは、商品名の語呂合わせが縁起良い菓子が並ぶコーナーも特設され、受験生ばかりでなく親からも人気だ。

 函館八幡宮(谷地頭町2、中島敏幸宮司)では、願い事を書く祈願絵馬約600個が、正月三が日で完売した。初詣での際、親が見守る中、奉掲所に絵馬を下げる受験生が多く見られた。同八幡宮では「最近でも合格祈願に訪れる人はいる。干支(えと)の絵馬に願いを込めておられます」と話す。

 亀田八幡宮(八幡町3、藤山豊昭宮司)でも合格祈願絵馬がほぼ例年通り売れたという。少子化は進んでいるが、願い事をする人の数は減っていないようだ。

 商品名の語呂合わせが縁起良い菓子は、いまや「縁起菓子」と呼ばれる。ダイエー上磯店(北斗市七重浜4)では、おなじみの「キットカット」=きっと勝つ、「キシリトール(ガム)」=きっちり通る―などと書かれた商品が特設コーナーに集められている。同店では「高校受験もあるが、大学入試センター試験後は縮小していきます」と今週が商戦のピークという。

 息抜きに食べるお菓子にユニークな“しゃれ”が書かれていることが人気の秘けつ。キットカットは、福岡県の方言「きっと勝つと」と似た音だったことから、同県の受験生らが好んで買ったことが、全国に広まったと言われる。

 家族に大学受験生がいる函館市富岡町の主婦中井絵里さん(58)は「何よりリラックスが大切。このようなユニークな菓子は家族中の心を和ませてくれる」。また、「ことしは暖冬で夜も勉強しやすいと思っていたが、最近寒くなり、体調管理が難しいようだ。うがい薬や温かい食べ物は欠かせない。何とか期待に応えてほしい」と話していた。(山崎純一)


◎亀田農協 逮捕の課長に借金5000万円 
 顧客から現金をだまし取ったとして、函館市亀田農協本店金融部の男性運用課長(57)が詐欺容疑で逮捕された事件で、この課長に約5000万円の借金があることが16日、函館中央署の調べで分かった。課長は借金で借金を返す「自転車操業」状態だったとみられ、同署は犯行動機との関連も調べている。

 課長は、消費者金融など十数社から住宅ローンを含め約5000万円の借金をしていた。返済期日が迫ると、別の金融会社から金を借りて補てんしていたという。また、パチンコにのめり込み、入院先からもパチンコ店を訪れていたことが判明している。

 調べによると、課長は昨年10月下旬、函館市内の女性顧客(78)に、架空の投資話を持ち掛け、現金150万円をだまし取った疑い。150万円は昨年末に全額返済していて「(顧客の現金は)預かっただけで、だましたつもりはない」などと一部否認を続けているという。

 課長は15日午前、入院先の医療機関から任意同行を求められた際、ハンドバッグの中に現金200万円以上を所持していたことも分かった。

 同署は昨年12月に同本店で発生した約1億円の多額盗難事件に関しても、課長が何らかの事情を知っているとみて慎重に調べている。