2007年1月20日(土)掲載

◎愛らしいおひな様ずらり
 一足早く春満開―。はこだて工芸舎・元町ハウス(函館市元町32)で19日、「愛らしいお雛(ひな)さま展」が始まった。店内には創作和紙や陶、組み木など、目にも鮮やかな約150点がずらり。同市西部地区を散策中の観光客らが足を止め、お気に入りを買い求めている。2月6日まで。

 節句を祝い、日本の伝統を大切にしようと、常設作家らが参加する恒例の企画展。遠くは兵庫県や岡山県など全国から11作家が、春を迎える空間を提案している。

 会場には彩り豊かな創作和紙で制作した座りびなや立ちびな、飾るだけでひな祭り気分を演出するタペストリー、木を組み合わせスイセンやサクラにふんしたひな人形などが並ぶ。石原將安さんの内裏びなは、表面に土の質感が残る織部で制作。渋みのある色合いと土の立体感が土のわび、さびを感じさせる。

 同店は「大人も楽しめる人形ばかり。インテリアにいかがですか」と来店を呼びかけている。(笠原郁実)


◎移住アドバイザー検討…定住促進で函館市
 3月から退職が始まる「団塊の世代」の定住促進に努める函館市は、移住者の経験などを移住希望者に伝えるアドバイザー制度の導入を検討している。体験者と希望者が懇談することで、移住者の目線に立った情報を提供する狙い。また、市定住化サポートセンターのホームページ(HP)の情報をさらに充実させ、気候や生活環境、交通機関など、欲しい情報がすぐ入手できる環境を整える。

 実際に移住した市民が移住希望者のさまざまな質問に答え、実体験を基に函館の良い点、悪い点などを伝え、すべてを理解してもらった上で失敗のない移住につなげてもらう。市企画部は「実際に移住してきた人の生の声なので説得力があり、生まれ住んだ市民には見えない函館の魅力もあるのでは」と説明する。

 市は民間企業と連携し、1週間から月単位の体験移住事業に取り組んでいる。体験メニューにイカ釣りなどを用意しているが、移住アドバイザーとの懇談なども加えることで、希望者が本当に知りたい生活情報を提供することにつながる。

 また、市へ移住アドバイザーから函館の魅力や改善すべき点を挙げてもらい、提言をまちづくりや定住施策に反映させることも考えている。

 HPの充実も移住希望者へのきめ細かな情報提供の一環。市のHP内にある定住化サポートセンターのサイトでは、函館の概略やライフプランの提案、移住者の声、体験移住の紹介、メールマガジンの発行など一通りの情報がそろい、物件に関しても不動産会社のページにアクセスすることができる。

 ただ「例えば函館の気温は市のHPのデータ集にあるが、たどり着くまで利用者に不便をかける。何月の気温は何度ぐらいで、どの程度の服装で間に合うかなど、役立つ情報がすぐ手に届くような環境を考えている」と同部。気候や病院、交通機関、生活費など移住希望者のニーズに合った内容にし、移住に欠かせない“情報戦略”も優位に進めたい考えだ。(高柳 謙)


◎函館市の広告主決定…新年度から企業・団体5社に
 函館市が、新年度から有料広告を掲載する納税通知書用封筒や、ごみ収集日カレンダーの広告主が19日までに決まった。カレンダーには募集枠以上の申し込みがあったが、封筒は低調で、募集期間を延長したが一部の枠は埋まらなかった。広告主となったのは、いずれも市内の企業・団体だった。

 カレンダーは募集1枠に対し、7社から応募があり、函館再生資源事業協同組合(日乃出町18)に決定。掲載料は、市が提示した最低価格12万9000円の約2倍の26万6000円。市環境部は「年間通じて目に付くところで保管され、宣伝効果が高いとみてもらえたのでは」と分析する。

 封筒は3種類で2枠ずつの計6枠を募集したが、申し込みは4社。残る2枠は広告主が決まらなかった。掲載料は市が提示した最低価格だった。

 広告主と掲載料は、「固定資産税・都市計画税」がサッシ・ガラス工事業の日新産業(吉川町8)とソフトウエア開発のエスイーシー(末広町22)で各22万円。「軽自動車税」は事務用品販売の近藤商会(西桔梗町589)で12万円、「市民税・道民税」は出張理美容業のKS―カンパニー(梁川町21)で17万4000円。

 広告募集は、市の資産を媒体にした新たな財源確保策で、初めての試み。カレンダーは15万3400枚発行し、配布は3月中旬。封筒は6万から11万枚で、4月上旬から6月上旬に発送する。

 広告主は昨年12月12日から同26日まで募集し、封筒は1月12日まで延長した。市財務部は「もう少し反響があると思ったが、封筒の裏は目に触れづらいとの声もあった。来年度は掲載方法や売り込み方を工夫したい」と話している。(宮木佳奈美)


◎「ピア・トレーナー」育成目指す…渡島管内で教諭ら36人が研修
 いじめによる児童・生徒の自殺が相次ぐ中、友人関係に悩む子どもたちに対し、トレーニングを受けた同年代の子どもが手を差し伸べる「ピア・サポート」が注目を集めている。ピア・サポート活動の中心的な役割を担う「ピア・トレーナー」育成を目指し、渡島管内の幼稚園から大学までの教諭・教官ら36人が、研修に取り組んでいる。

 同トレーナーは日本ピア・サポート学会が2006年10月から資格認定を始めた。校内でのピア・サポート活用や指導法を明確にしようと昨年12月から、道内初となる養成ワークショップが、函館市内で開かれている。全3回の講習とリポートで資格認定される。

 13日に行われた2回目の講習では、ピア・サポート・コーディネーター(ピア・サポート・トレーナーの養成指導者)の齋藤敏子さん(長万部共立小学校教頭)が講師を務め、コミュニケーションスキルを高める実践の紹介や、同市内・近郊の学校での活動報告などが行われた。

 齋藤さんは、起きてから会場に来るまでの感情の変化を追うプログラム「今日の気分は?」を実施。2人1組となり、話し手が聞き手に気分の変遷を説明する。その後、相手の特徴を別の人に伝え、伝え方を観察。事実ではなく、話し手の気持ちに焦点を当てて聞き出すことを学んだ。

 このほか、傾聴の仕方やイエス、ノー以外で答える質問方法なども紹介され、参加者は児童・生徒になったつもりで耳を傾けていた。

 参加した長万部高校養護教諭の滝川智子さん(37)は「コミュニケーションが苦手な方だったが、人との接し方など多くを学び、ためになった。今後、学校でも取り入れられたら」と話していた。

 資格取得はできないが、27日午前10時からの第3回講習だけの参加も可能。費用は1万円。問い合わせは長万部共立小学校(齋藤さん)TEL01377・2・4823。(笠原郁実)


◎きょうからセンター試験始まる
 2007年度の大学入試センターが20日から、全国735会場で一斉に始まる。道南では函館市内の北大水産学部、道教育大学函館校、公立はこだて未来大学の3会場で行われ、計1256が受験を予定している。

 全国の志願者は昨年度より0・4%増の55万3352人。道内は昨年度より1・2%多い1万9328人となっている。

 市内3会場のうち、最も多い543人が受験する道教育大函館校では、19日午前9時に正面玄関前に試験場配置図を掲示。受験生が同級生や保護者らとともに訪れ、試験教室などを確認していた。

 試験は20、21日の2日間。20日午前9時半に始まる公民を皮切りに6教科、28科目から選択して受ける。各校は試験期間中、学内敷地内の交通規制を行ったり、昨年度導入された英語リスニングテスト時間中は車の乗り入れを禁止したりして万全の対策を進めている。

 未来大は「20日は午後5時から同7時までゲートを施錠するので、帰りの迎えはそれ以後に」、北大、教育大は「時間に余裕を持って試験会場に向かってほしい」などと呼びかけている。(笠原郁実)