2007年1月23日(火)掲載

◎渡島・桧山の公立高校で願書受け付け始まる
 道内の公立高校で22日、2007年度入試の願書受け付けが始まった。渡島・桧山管内の高校合わせて30校にも、午前中から中学校の担当者が訪れ、出願手続きを行った。

 新年度、函館東と函館北両高校が統合し、新たに誕生する市立函館高校では、函館東高校で午前9時から受け付けを開始。函館市内・近郊の中学校教職員が生徒の入学願書を一括して持参した。検定料とともに郵送された分もあり、函館東、北両校の事務職員は記入漏れがないかなど、確認作業に追われた。

 道教委によると、今年3月の道内中学卒業予定者は5万3356人(前年比422人減)。07年度の公立高校の募集定員は4万4360人(同180人減)。このうち、渡島管内は全日制2800人、定時制240人、桧山管内は全日制だけで、440人。

 願書受け付けは、25日正午まで。試験は推薦入試が2月14日、一般入試が3月6日。上ノ国など中高連携選抜も2月14日に実施する。29日に出願状況が発表され、出願変更の受け付け後、3月1日に最終の出願状況が発表される。(笠原郁実)


◎函館市議会が10カ年の新総合計画審議/「食の安全」「人口対策」 新たな項目を求める
 函館市が新年度内の策定を目指す、本年度から10カ年の新総合計画の素案に対する審議が22日、市議会総合計画特別委員会(石井満委員長)で始まった。委員から「食の安全」と「人口政策」を新たに項目立てて、主要施策を盛り込むべきとの意見があり、市の近江茂樹企画部長は「個別の施策の積み上げやトータルな施策の中で対応していきたい」と述べた。

 素案は5部10章49節で構成され、各節に主要施策を盛り込んでいる。板倉一幸氏(民主・市民ネット)は「生活衛生対策の推進」の節で、食中毒などを出さない「食品衛生の確保」が示されていることについて、「食品衛生と食の安全は別の問題」と強調。農作物の遺伝子組み換えや食品添加物などさまざまな問題がある中で、「食の安全」という視点で新たな節を立てるよう求めた。

 近江部長は「指摘の趣旨は理解できる」とした上で「農林業の振興や水産業の振興の節でもそうした施策を盛り込んでいる。保健所を含め部内で検討し、個別の施策が新計画全体に波及するようにしたい」と答えた。

 本間新氏(はこだて市民クラブ)は「青少年の健全育成」の節で、市の青少年人口(0―29歳)が激減していることを指摘。1985年から2005年までの20年間で4割減少しており、全国平均が2割減、全道平均が3割減であることから「函館は20年で6万人も青少年人口が減った。大変なことで、新項目として対策を盛り込むべきだ」とただした。

 近江部長は青少年人口減少の大きな要因に、少子化と進学・就職期の管外流出を挙げ、生まれ育った地で生活を安定させるため、地域の産業振興や就業しやすい環境づくりなどの施策を別に掲げていることを説明。「新幹線や国際水産・海洋都市構想による雇用創出など、トータルな施策の中で人口減少を防ぎたい」と述べ、理解を求めた。

 同日は、素案の第1部「心豊かな人と文化をはぐくむまち」と、第2部「共に支えあい健やかに暮らせるまち」について審議し、7人がスポーツ・レクリエーションや文化芸術の振興、教育、福祉、低所得者対策などについて幅広く質疑した。次回委員会は2月5日を予定し、3部から5部の項目を審議する。(高柳 謙)


◎2006年函館空港実績/前年比3・5%減の201万人
 2006年の函館空港の利用実績がまとまった。国内、国際線の合計は201万9225人(計1万7287便)、前年より3・5%減少した。国内線は、国内観光が分散化する傾向もあり、前年比2・6%減の189万5390人(同1万6919便)と伸び悩んだ。国際線も、05年に大きな伸びを見せた台湾からのチャーター便利用客が約3万人減少した影響もあり、同15・7%減の12万3835人(同1398便)にとどまった。

 国内便のうち道外路線では、函館と東京(羽田)を結ぶ路線で北海道国際航空(エア・ドゥ)が同26・2%増の31万3134人と躍進した。全日空が同18・4%減の40万380人、日本航空が同1・7%減の58万5578人。3社の合計では、同2・7%減の129万9092人だった。

 大阪(関西)便では全日空、日航2社とも前年を上回り、同15・3%増の23万8955人。このほか、名古屋(中部)など道外路線の合計は、同2・9%減の168万7059人だった。

 道内路線では、札幌(丘珠)が全日空、HAC2社で同1・0%減の14万5208人。道内全体では同0・2%減の20万6577人だった。

 国際定期路線では、6月に就航した韓国・ソウルを結ぶ路線が1万6496人。ロシア・ユジノサハリンスク便は同10・7%減の4763人だった。国際チャーター便は、大半を占める台湾便が同25・8%減の9万4620人と大幅に減り、全体では10万2560人で、前年より27・5%減少した。(今井正一)


◎今春開校の江差北小 体育館が完成
 【江差】4月に朝日、水堀、日明の町立3小学校の統合で開校する「江差北小」の新体育館が完成し、22日に落成セレモニーが行われた。

 セレモニーには、濱谷一治町長、飯田隆一町議会議長、小林優幸教育委員長が出席。水堀小6年の伊藤絢さん、日明小5年の坪田浩佑君、朝日小6年の川口詩織さんの3人とともにテープカットを行い、完成を祝った。

 濱谷町長は「体育館新設という皆さんとの約束を果たした。みんなで仲良くすること、厳しい事件事故が増えており、気を付けて生活することを約束して欲しい」とあいさつ。飯田議長は「木のにおいがする新しい体育館を長く大切にしてください」と呼び掛けた。

 3校の児童を代表して、日明小5年の押見灯里さんは「日明小を離れるのはさみしい。この学校で皆さんと仲良く協力し合いたい」と、お礼の言葉を述べた。

 新体育館は、江差北小の母体となる水堀小の敷地内に新設。昨年3月から11月まで建設工事が行われた。2階建てで延べ床面積は642平方メートル。鉄骨と集成材の併用建築で、床材や壁面には木目の美しい集成材をふんだんに利用した。2階には閉校する3校の校旗などの思い出の品を納める「メモリアルホール」も設けている。

 現在の水堀小では、併設している江差北中と体育館などを共用していたが、3校統合により児童数が増加することから、体育館と特別教室を新・増設した。(松浦 純)


◎渡島支庁経済戦略懇、「熊石海洋深層水」活用テーマに
 地場産業の創出と活性化を目的に、行政、民間、経済界などからの出席者が意見を出し合い、将来展望などを話し合う本年度の「渡島支庁経済戦略懇話会」が22日、函館市内の渡島合同庁舎で開かれた。「熊石海洋深層水の現状と課題について」をテーマに、海洋深層水を活用した事業展開についての可能性を探った。

 旧熊石町(現八雲町)では1998年、日本海の熊石海底谷に豊富なミネラル分を含み、多方面での活用が期待できる海洋深層水の存在が明らかになった。2001年には町を事業主体に町内の漁業者、農業者、建設業者、食品業者など異業種21人による深層水利用促進研究会が発足。以後、深層水を活用した特産品の開発と販売開拓が進められている。

 戦略会議には、海洋深層水の活用を渡島地域全体に波及させようと、同研究会をはじめ、渡島支庁、函館地域産業振興財団、大野農業高校、江差信用金庫などさまざまな機関から21人が参加した。

 同研究会の佐藤弘会長は、現在の深層水の利用状況について、養殖用としてアワビ中間育成施設に1日当たり2000トン。熊石漁港での鮮魚、場内の洗浄用に同500トンが使用されているのが、大部分を占めていると説明。塩の製造や海産物の一夜干し、豆腐、アイスクリームなどの多目的利用は1日1・5―2トン程度に過ぎず、1日1000トンの取水能力の余力を生かすには、行政や企業などのバックアップの下、企業誘致や販路拡大が不可欠であることを訴えた。

 また、深層水に含まれた豊富なミネラル成分が植物の成長を助長するという可能性について、佐藤会長は「専門的な研究機関に依頼して科学的な裏付けとなるデータを実証できれば、農業関係者への注目度も高まるのでは」と提案。成田一憲渡島支庁は「道南農業試験場などを通じて検証できれば」と話していた。

 会議の途中では、海洋深層水から製造された「塩」を使った、函館の菓子店「水野屋」のロールケーキなどの試食も行われた。通常よりもマイルドな塩加減のため、砂糖の分量を抑えても味わいが変わらないなどの特徴があり、消費者にも人気が高く、今後もさらなる商品開発が行われることが期待された。(小川俊之)


◎函館税務署が還付申告相談コーナー拡張
 函館税務署(畠山俊幸署長)は22日、1階に臨時で開設していた、年金受給者や中途退職者を対象にした所得税の還付申告相談コーナーを拡張した。手書きのほか、パソコンによる自書記載ができるスペースが確保され、不明な点がある場合は職員が説明に当たっている。

 1階ロビーには、4日から臨時の受付を開設し、個別相談に応じてきたほか、タッチパネル式の専用端末機を設置。2006年の給与や退職金、公的年金などの源泉徴収票、保険料の控除証明書がそろう時期を見計らい、ロビーのほか、普段は個人課税・資産課税部門を構えている一室にも範囲を広げた。

 パソコン上では、国税局のホームページに接続され、所得税や消費税等の確定申告書、贈与税の申告書を作成できる。還付申告に際しては、源泉徴収票や控除証明書のほか、06年中に支払った国民健康保険や国民年金などの支払金額が分かる書類、還付金を受け取る本人名義の通帳の口座番号が分かるもの、本人の印鑑、医療費控除や住宅借入金控除を受ける場合は、その関係書類が必要となる。

 また、31日―2月2日は市民会館(湯川町1)に、7―9日には市亀田福祉センター(美原1)に還付申告相談会場を設置。時間はいずれも、午前10時―午後零時、同1時―同4時。なお、事業者や営業員、不動産所得者などの確定申告に関する相談や申告書は、受け付けていない。

 問い合わせは、同署個人課税部門TEL0138・31・3741、または税務相談室函館分室TEL同56・7755。(浜田孝輔)