2007年1月29日(月)掲載

◎公明党青函フォーラム、新幹線時代見据え連携
 魅力ある青函地域の経済・文化圏の振興を目指す「公明党青函フォーラム」が28日、函館国際ホテル(函館市大手町5)で開かれた。「青函連携による縄文と観光」をテーマに一般市民や関係者ら約800人が出席し、北海道新幹線開業に向けた地域づくりや青函連携について意識を高めた。

 青函両地域の新幹線時代を見据え、昨年11月に発足した公明党青函議員連盟(渡辺孝男会長)の主催。同月には青森市で1回目のフォーラムが開催されており、今回で2回目。

 来賓を代表して高橋はるみ道知事が「昨年は安倍新政権になるなど未来へ向け新しいスタートを切った年だった。青函圏は自然や食、遺跡などに優れ、魅力的な地域。これまで以上に交流を深め、新幹線の開業に向けて連携を図って準備を進めていきたい」とあいさつした。

 井上博司函館市長や佐々木誠造青森市長ら5人がパネリストを務め、パネルディスカッションを実施。三内丸山遺跡や大船遺跡の特徴を取りあげ、縄文遺跡群を次世代に伝えていく重要性を訴えた。

 佐々木青森市長は「発掘された出土品を解明し、波及効果につなげられれば」と述べ、井上函館市長は「青函ともにソウル便が就航しており、新幹線などで観光客が両地域を行き交うような連携をさらに進めたい」と今後の展望を語った。

 基調講演では、北海道開拓記念館学芸部学芸第一課長の右代啓視氏が講話。縄文文化遺産の価値を見直し、地域間交流や情報発信などを行う「北の縄文文化回廊づくり事業」の活動や土器の特徴を解説した。

 発掘された土偶や装飾品をスライドで紹介し、彫り刻む文様や土偶の表情などから独自の考えを紹介。「地域の理解と協力のほか、魅力ある企画事業と周辺施設とのネットワークなどが大切」とまとめた。(工藤康行)


◎函館そばや友の会が1日から限定メニュー「ぼたんそば」提供
 函館市内のそば店でつくる、函館そばや友の会(佐々木武充会長)は、オリジナルの統一メニュー「ぼたんそば」を作り、2月1日から、会員11店舗で限定提供する。いのしし年にちなみ、温かいそばの上に焼いたイノシシ肉などをあしらった。「イノシシ肉はなじみがないが、くせがなく食べやすい。ぜひ味わって」とPRしている。

 同会は季節ごとに限定メニューを創作し提供。ことし最初のメニューである「ぼたんそば」は、通算15品目になった。昨年12月ごろから、えとにちなみイノシシ肉を使ったメニューをと、メンバーが集まり、試作を続けてきた。

 「ぼたんなべ」といえばみそだれが主流。「しょうゆ味に合うのかどうか不安だった」。また、イノシシ肉は豚肉と比べて3倍ほど高いため、コスト面でも苦慮したが、カナダ産のイノシシのバラ肉を共同で仕入れることで克服した。

 薄くスライスしたバラ肉を焼いて載せた。その他の具は長ネギや山菜など各店独自で、バーナーで焼き色を付けるなどそれぞれの店で工夫している。価格は780円。2月1日から28日までの1カ月限定で提供する。

 今回の企画をまとめた池田常男さん(常長寿庵店主)は「牛でも、豚でも鶏でもないイノシシ肉の風味を楽しんでほしい」と話している。実施店は次の通り。

 東京庵本店(末広町)まるこし(弁天町)東京庵支店(本通)丸京(豊川町)かしわや(若松町)長寿庵本店(中島町)やたら家本店(湯川町)いがらし(柏木町)ふでむら神山店(神山)もり膳(亀田町)常長寿庵(亀田港町) (原山知寿子)


◎海洋総合センター予定地、秋にも岸壁改修着手
 函館開発建設部は今秋にも、函館港弁天地区(函館市弁天町20)の岸壁整備に本格着手する。函館市土地開発公社が所有している旧函館ドック跡地の岸壁で、1993年の北海道南西沖地震で被災し、長く使用不能となっている。2009年度の完成を目指しており、市は同跡地に「国際水産・海洋総合研究センター」の建設を予定。岸壁が完成すれば調査・実習船が2隻同時に接岸可能となる。

 同跡地の面積は約23ヘクタールで、市などが進める国際水産・海洋都市構想の研究拠点基地を形成する。国際水産・海洋総合研究センターや函館港へ寄航する調査・実習船の利活用を目的に、函館開建が事業主体となり、公共岸壁を整備することとなった。

 建設される岸壁は水深6・5メートル×250メートルと水深5・0メートル×210メートルの合わせて2バース。現在の海岸部分から海側へ10メートル前後せり出した場所へ新しい岸壁を設置し、すき間部分は埋め立て工事を行う。事業費は当初、22億円程度を見込んでいたが、地盤が軟弱なため補強工事などの必要性も考えられ、現時点で費用総額については未定。

 函館開建ではすでに岸壁整備に向けての地質調査を行っており、本年度中に構造設計まで行う予定。埋め立て申請が市議会の同意を得られれば、9月か10月にも本格的な工事に着手し、09年度の完成を目指す。

 函館開建築港課は「最新の技術を使い、費用はできるだけ抑えながら、函館の新しい顔として機能性の高い岸壁を造りたい」と話している。

 市が計画している同センターには、水産庁の水産総合研究センター、北大北方生物圏フィールド科学センターの水圏部門、北大大学院水産科学研究院研究棟、道立函館水産試験場などの研究機関の集積を予定。最短で10年度までに一部着手を目指している。完成すれば国内外からの調査・実習船の利用が見込まれる。 (小川俊之)


◎さっぽろ乙部会で物産展
 【乙部、札幌】故郷を離れた人たちが集う「ふるさと会」をターゲットにした物産展を通じて、乙部町の地場産品の販路開拓を目指すユニークな取り組みが27日、札幌市で開かれた。「さっぽろ乙部会」(渡辺鶴雄会長)の定期総会に合わせて初めて開催し、懐かしい味覚が会員たちの心をとらえ、盛況だった。

 物産展は同会と乙部町商工会(三上岩雄会長)の共催。乙部ゆかりの人が集まる総会をビジネスチャンスととらえ、町も企画段階から協力。ビジネスや贈答品に地場産品を活用してもらい、新たな販路開拓や町のPRを進めるのが狙い。

 町内のひやま漁協、泰安丸漁業部、三浦水産、はまなすフーズの4社が出展。商工会も水産会社や菓子店の委託商品、千岱野地区の女性農業者が作った漬物や菓子を販売した。

 出店者は27日朝、商品を満載したバスで札幌市のホテルノースシティを目指した。ホテルの協力で総会会場にブースを設置。テーブルには町内産の多彩な商品が所狭しと並んだ。

 物産展は、総会開会2時間前の午後3時にスタート。事前の案内で物産展を知った会員が続々と訪れ、寺島光一郎町長も自らセールス。同漁協は名物の「釣りタラコ」などの水産加工品、泰安丸漁業部は「タラコしょうゆ漬け」、三浦水産は「のしスルメ」、はまなすフーズは町内産農水産物の加工品を出展。会場は、故郷の味覚を買い求める会員やホテル従業員で大にぎわいで、札幌では手に入らない商品が飛ぶように売れた。商工会ブースでも昔懐かしい「かたこもち」が30分で完売する人気だった。

 出展者は「不安もあったが商品は完売。よい商品PRの場にもなり参加して良かった」(三浦水産)、「予想外の売れ行きだった」(ひやま漁協)とホクホク顔だ。

 同会の渡辺会長は「故郷が元気であってこそのふるさと会。会員を通じて乙部の地場産品が広がってくれれば幸い。会員の感想を通じて商品開発や品質向上のアドバイスもしていきたい」と話している。(松浦 純)


◎リサイタル・シリーズ 三浦友理枝ピアノ・リサイタル
 函館市芸術ホールを舞台に、全国で活躍するクラシック演奏者を招くリサイタル・シリーズ(函館市文化・スポーツ振興財団など主催)が28日、開かれた。昨年10月から始まった同シリーズの最後を飾ったのは、ロンドンを拠点に活動するピアニスト三浦友理枝さん。華麗で繊細なテクニックで、満席の聴衆を魅了した。

 オープニングは最も得意とする作曲家ショパンの「即興曲」で幕開け。ショパンの美しい旋律や至難なパッセージ(メロディーの間に急速な音の上げ下げをする音符群)をこん身の演奏で弾きこなした。

 「12の練習曲」「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」のほか、ドビュッシーの「アラベスク1、2」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」、バーバーの「ピアノ・ソナタ」の4作曲家の作品を披露。聴衆はオペラグラスを片手に華麗な指さばきを見入り、繊細な音色にうっとり。1曲ごとに万雷の拍手が送られた。(佐々木 司)