2007年2月1日(木)掲載

◎超低床電車 来月下旬から運行
 函館市交通局は31日、3月下旬に運行開始を予定している新型車両「超低床電車」(LRV=ライト・レール・ビークル)を公開した。函館では初めてとなる2連接式車両。障害者だけでなく、幼児から高齢者までが利用しやすいユニバーサルデザインで、電停と乗降口の段差を極力解消し、車内の床も全面的に平らにした。車体カラーは港町や夜景を想起させる青と、白を基調とした。今後、動力やブレーキなどの試験、運転士の訓練を経て、営業運転を開始する。

 購入価格は約2億370万円で、昨年12月中旬に納車された。2002年度から車体を改良した乗降口部分が低い部分低床車を導入しているが、11年ぶりの新車となる。車体のほか、台車部分、駆動機器などすべてを国産メーカーが製造。低床仕様のため、1両式ではカーブが曲がりきれず、2連接式を採用した。

 車両の全長は約13・3メートル、幅約2・3メートル、高さ約3・7メートル。定員は、座席、立ち席合わせて62人で、既存車両より若干大きい。地上から床までの高さは38センチで、従来車より約40センチほど低く、市内13カ所のバリアフリー対応の電停(約20センチ)での段差も小さい。

 車内の床は平らで、車いすの客には、乗務員が補助スロープを設置して対応。最大で2台の乗車が可能で、固定ベルトを備え付けた。このほか、運転席から車内外を確認するためのカメラや冷暖房が装備され、運賃表示器には液晶ディスプレーを採用した。走行音も小さく、快適性を重視した仕様となった。

 導入後は、2路線で5往復程度の運行を予定。若狭正男局長は「市民の評価や、経営収支を考えて、2台目以降の導入を検討していきたい」と話している。(今井正一)


◎女性委員21%…函館市各種審議会
 函館市の各種審議会での女性委員の割合は、2006年4月1日現在で21%となっている。1998年に目標を20%に設定し、2003年から20%台を確保している。市は今後、目標を30%にする方針だが、一般公募での女性の割合が低く、業界団体からの推薦でも女性が代表的な立場になっていない現状から男性委員が多くなるなど、さまざまな課題がある。

 社会福祉審議会や建築審査会、報酬審議会、地域審議会、防災会議など、市の審議会はさまざま。02年は82機関で女性の割合は17・5%だった。03年に20%、04年に21・7%、05年に21・5%と推移し、06年は97機関、1363委員のうち、女性は286人で21%となっている。

 市総務部によると、女性委員の登用は積極的に行っているが、なかなか増えない事情もあるという。水産団体や労働団体、経済団体などから委員を推薦してもらう場合、一定の役職にある人のほとんどが男性で、おのずと男性委員が推薦されてくる。

 広く市民各層から意見を聞いて施策に反映するような場合は、比較的女性の登用もしやすいが、建築や水産、医療など専門的な審議会になると、どうしても男性が中心になるという。

 また、法律で規定されている防災会議などは、官公庁や業界団体のトップが委員となるため、ほとんどが男性となる。同部は「女性の社会進出が遅れている背景があるが、それぞれの団体でも女性を責任ある役職に登用してもらう必要もある」と説明する。

 ただ、今後は女性の社会進出が進み、責任ある立場に立つ女性は増えるだろうと、同部はみる。各種審議会とは違うが、函館市の企業局を除く女性幹部職員(課長以上)は現在8人で、管理職全体の比率では3%程度に過ぎない。女性職員の比率は約25%だが、4月採用予定の行政職9人のうち6人は女性だ。

 同部は「女性管理職の割合や目標を設定しているわけではないが、能力ある女性が正当に評価され、結果として幹部に昇進するケースは今後増えるだろう」と話している。(高柳 謙)


◎救急車出動15年ぶり減…06年市消防本部まとめ
 函館市で昨年1年間に救急車が出動した件数が、15年ぶりに前年を下回ったことが31日、函館市消防本部のまとめで分かった。同本部救急課は「暖冬傾向で雪道の転倒事故が少なかったのに加え、交通事故の減少などの要因が重なったのでは」と分析している。

 同課によると、昨年の出動件数は1万3481件で、前年に比べ13件減少した。1999年に1万件の大台を突破後、高齢化に伴い右肩上がりで増加。13年連続で前年を更新し、2005年は救急隊発足以来、過去最多の1万3494件を記録した。

 出動の内訳を見ると、大幅に減少したのは「交通事故」と「一般負傷」で、それぞれ111件、34件の減。道警函館方面本部交通課によると、同市内での06年の交通事故発生件数は1671件で、前年より28件少なく、死傷者も116人減った。これに伴って救急車の事故現場への出動も減った格好だ。

 一般負傷の減少理由は「昨年は暖冬で、雪道や凍結した路面で転倒してけがをするケースが少なかった」(同課)のが一因。函館海洋気象台によると、同市内の06年の降雪日数は104日で、大雪に見舞われた一昨年より23日少なく、降雪量も100?以上の差があった。

 一方、病院間の転院搬送は前年比124件増の1807件となり、大幅に増えた。同課は「昨年、慈愛会病院の閉鎖で、入院患者を救急車で計93件搬送したためでは」と説明。また、急病人の搬送人員が18人減少したのは、一昨年に流行したインフルエンザの影響もあるとみられる。

 市消防本部は昨年4月、近年の需要増を踏まえ、新たに救急課を設置。現在、救急車13台(予備車3台を含む)を配備し、1日平均約37件、39分に1回の割合で出動している。「多い日には50件を超すこともある」(同課)という。1年間で市民の23人に1人が救急車を利用している計算で、このうち約半数を高齢者が占めているのが実情だ。

 同課は「救急隊が市民から信頼されている証し」とした上で、「重篤患者の搬送は一分一秒の遅れが致命的な結果を招くこともある」と話し、救急車の適正利用を呼びかけている。(森 健太郎)


◎今季初 集団風邪で学級閉鎖
 函館市教育委員会は31日、インフルエンザを含む集団風邪で市内の小学校1校が1日から2日間、学級閉鎖に入ると発表した。今季初めての措置。主に発熱やせき、腹痛などの症状を訴えており、インフルエンザ流行の兆しを受け、注意を呼掛けている。

 閉鎖するのは函館深掘小学校(和田裕校長、児童337人)の3年2組。31日現在、在籍児童28人のうち、7割に当たる20人が罹患(りかん)し、9人が欠席した。昨季は1月24日を最初に、3月14日まで断続的に学級・学年閉鎖が報告され、6月に学級閉鎖した学校もあった。

 市立函館保健所によると、例年12月中旬にはインフルエンザ患者の発生が報告されるが、今季は全国的にも遅れていて、市内でも少ないという。市内の内科4カ所、小児科7カ所からの定点報告で、今季は昨年12月がゼロ、1月の第3週(15―21日)に4人、第4週(同22―28日)で10人。1定点当たり平均10人を超えず、まだ注意報も発令していない。

 昨年は1月の第4週で134人となり、注意報が発令された。過去5年間では2002年が1月の第4週まで発生がゼロだった。

 ただ、学校で3学期が始まり、冬のイベントが相次ぐと、患者が増え出すという。本格的な流行は例年2月中旬で、同保健所は「発生が遅いからといって、流行しないとは限らず、これからが要注意。手洗い、うがいを念入りに行い、予防を徹底してほしい」と話している。(宮木佳奈美)


◎新地の繁栄 取り戻せ…22日に「はしご酒大会」
 【江差】江差町の新地町繁華街のにぎわいを取り戻そうと居酒屋、スナックなど30の飲食店をスタンプラリー形式で巡る「第1回新地はしご酒大会」が22日に開かれる。

 大会は午後6時スタート。3000円のチケット1枚で、実行委が指定する飲食店3店を飲み歩く。各店は自慢の料理とビールなどの飲み物を提供。同9時までに3店すべてのスタンプをもらうと、記念品や飲食券などが当たる抽選会に参加できる。

 江差商工会(飯田隆一会長)で1月29日に開いた実行委では、「パブ末廣」を経営する西川末廣さんを委員長に選出。新地町にある飲食店の約3分の2に当たる30店の参加が決まった。 実行委は「新地の飲食店は経済の冷え込みで厳しい状況だが、飲食業界全体が手を取り合った協働イベントで繁華街のにぎわいを取り戻したい」と、開催の意義を強調。各店にはイベントをリピーター確保や顧客開拓につなげてもらいたい考えだ。

 チケットは5日から参加店で販売する。問い合わせは同商工会TEL0139・52・0531。参加予定店は次の通り。(1月30日現在、順不同)

 ▽チャイニーズレストラン美華▽やまもと▽楽園▽パブ末廣▽スタッフ▽輪楽▽ボギー▽パレス▽重役室▽繁次郎▽KiKu▽ボナペティ▽鮨亭▽江差会館▽よし膳▽いろは▽アルカディア▽ジュリエット▽そんごくう▽うめ津▽スナック知▽パブ文▽順子▽むらかみ▽津花館▽セリアン▽阿比留▽さかえや▽あおさか▽薫風(松浦 純)


◎プログラム内容固まる…来月31日オンパク
 3月31日に開幕予定の「第2回はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだて湯の川オンパク)」(実行委主催)のプログラム内容が、31日までにほぼ固まった。4月15日までの16日間のプログラム数は、前回より20以上多い約75。同温泉街を核としながらも、青森へのツアーや、地元商店街の飲食店・銭湯などをチケット制で利用する催しも盛り込まれる。

 ツアーとして予定されているのは、マグロで有名な青森県大間町をフェリーで訪れる日帰りツアーや、1泊2日の浅虫温泉ツアー、旧南茅部や松前町へのバスツアーなど。四稜郭から五稜郭まで歩くといった試みも。

 湯の川地区に点在する店舗を巡るイベント「ゆのぶら」は、1枚300円の利用券を10枚つづりで販売。利用券を地域通貨とし、場所によって1枚もしくは複数枚を渡す。開催日・期間の設定は今後、検討する。

 このほか、函館出身の歌手う〜みさんが湯の川応援ソングを披露するライブや市公民館でのコンサート、銭湯寄席といった新たなプログラムを企画。また、前回好評だった町歩きやエステ、料理教室なども健在で、210回以上の開催を予定し、定員は約3700人に上る見込み。(浜田孝輔)