2007年2月10日(土)掲載

◎冬フェス・アイスライトファンタジー開幕
 幻想的な世界を演出する「アイスライトファンタジー」(金森赤レンガ倉庫など主催)が9日、金森倉庫、BAYはこだてイベント広場(函館市豊川町11)で開幕した。照明やLED(発光ダイオード)を使って、ハクチョウやハート型などのオブジェを輝かせ、観光客らは「すごい」「きれい」などと感嘆の声を上げていた。11日まで。

 「2007はこだて冬フェスティバル」の協賛イベントで、この名称での開催は3回目。60センチ四方、厚さ30センチの氷塊約250個を大沼観光協会から譲り受けて作り上げた。

 会場には約20体のオブジェが並び、バレンタインデーが近いことからハート型のオブジェが目立つ。氷の下に電球を仕込んだ通路やツリー型のオブジェにワックスキャンドルを設置するなどし、温かみのある光が放たれている。

 函館工業高等専門学校の中居拓哉さん(20)と岩崎虞子さん(19)は「初めて来たがハートのオブジェが印象的。雪不足の中、これだけの演出はすごい」と感激した様子だった。

 10、11両日は雪や氷で作った滑り台を開放するほか、手作りキャンドル体験や「キャンドルナイト」などを行う。

 点灯は午後5時から同10時ごろまで。

 問い合わせは金森商船TEL0138・23・0350。 (工藤康行)


◎政務調査費訴訟、函館市に116万返還命じる
 【札幌】函館市議会の2001年度の政務調査費の一部に違法な支出があったとして、「道南市民オンブズマン」の大河内憲司代表ら市民7人が、井上博司市長を相手取り約124万円を市に返還するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が9日、札幌高裁であった。末永進裁判長は井上市長に6件・約32万円の返還請求を命じた1審の函館地裁判決を大幅に改め、14件・計約116万円を返還請求するよう命じた。

 末永裁判長は政務調査費の交付先が会派であることから、「(使途は)会派としての意思統一がなされ、会派の了承が存在することが必要」と指摘。違法とした各支出を「『会派』が行う調査研究のための支出と言える要件を満たしておらず、使途基準に合致しない」と断じた。

 返還を求められた英会話教材費などの7万770円は違法とせず、1審判決を取り消した。 1審では、18件個々の支出内容について「市政との関連性」や「使途基準との合致」について踏み込み、違法性を判断。控訴審判決は、議員個々の調査、研究費を会派としての「共有化」「活用化」の有無で検討し、違法性を認めた。

 地裁判決を受け、市側は「支出はいずれも使途基準に反していない」とし、原告側は残る12件の返還を求めてそれぞれ控訴。控訴審判決は、原告側の主張がほぼ全面的に認められる結果となり、原告側は上告しない方針。

 判決を受け、函館市の井上市長は「非常に厳しい内容であると受け止めている。判決文を精査のうえ、今後の対応を決めたい」、同市議会の福島恭二議長は「今後とも政務調査費の執行にあたっては適正な運用を図っていきたい」とそれぞれコメントを出した。


◎江差信金調査、07年の経営見通し「悪い・非常に悪い」7割
 江差信金(江差町本町、渡辺捷美理事長)は、渡島・桧山管内の企業59社を対象に実施した「2007年の経営見通し」に関する調査結果をまとめた。業況が「やや悪い」「悪い」「非常に悪い」と回答したのが7割近くに達した。売り上げの伸び率については、6割以上が「減少する」としているほか、転機についても「改善の見通しが立たない」とする企業が4割近くに上るなど、景気回復の兆しが見えない地方経済の厳しい現状が浮き彫りとなった。

 国内の景気に関する質問には、「やや悪い」が36%と最も多く、「普通」が32%、「悪い」「やや良い」がともに13%で続いた。自社の業況は、「やや悪い」(47%)、「悪い」(15%)、「非常に悪い」(5%)を合わせると67%に及ぶ。逆に、「やや良い」は9%、「非常に良い」は2%にとどまった。

 昨年の売上高と比較した場合のことしの伸び率は、「10%未満の減少」が46%、「変わらない」が15%、「10―19%の減少」「10%未満の増加」がともに13%。「減少」と答えた企業は全体の63%で、「増加」の22%を大きく上回った。

 業況が上向く時期については、「見通しは立たない」が39%でトップ。このほか「1年後」「2年後」がそれぞれ14%、「すでに上向いている」が12%、「3年超」が9%などだった。

 また、昨年6月に施行された改正道路交通法の影響については、「特に影響はない」が44%、「道路の通行が楽になった」が19%、「駐停車する場所を探す手間が増えた」が10%、「社用車に複数の乗務員が必要になった」が5%などと続いた。(浜田孝輔)


◎「北のめぐみ愛食レストラン」渡島管内19店認定
 渡島支庁は2006年度の「北のめぐみ愛食レストラン」として渡島管内の19店舗を認定した。認定店は今後、道産食材の持ち味を生かした料理を積極的に提供するとともに、家庭でできる道産食材を利用したレシピ紹介などを展開し、地産地消をはじめとする愛食運動の普及と消費拡大を図る。

 「北のめぐみ愛食レストラン」は、2003年度まで行っていた「北の食材こだわりの宿」認定を、レストラン、食堂、飲食店などの外食店にまで対象を拡大した取り組み。

 (1)道産食材を使用したこだわり(自慢)料理を原則として2品以上提供(2)主食の原料は原則として道産食材を100%使用(めんやパンは3割以上の使用割合)(3)副食の原材料として道産食材を積極的に使用(4)外食の原産地表示ガイドラインなどによる原材料の原産地を表示―の4点すべてを満たしていることを条件に昨年9月から募集を開始。同管内では19店(全道で141店)が認定され、それぞれに認定証が交付された。

 同管内の認定店はホテル、旅館からそば屋、レストラン、ファストフード店まで多彩な顔ぶれ。イカやゴッコ、ホッケなどの鮮魚やタマネギ、ナメコ、玄米などの農産物など道産の食材をふんだんに使用したこだわりの料理を提供している。

 道では今後も認定事業を継続。新年度は4、7、11月と来年2月の計4回の募集を予定している。

 渡島管内の認定店は次の通り。(=以下はこだわり料理の一部)

 ▽備後屋(函館市本町28、TEL0138・26・2099)=朝いかの昆布じめ、炊き上げ備長白飯、たまねぎの丸焼き

 ▽スリーク・ハコダテ・クイズン(同市本町22、TEL同53・0039)=近海鮮魚のカルパチョ、豚ロースの西京味噌焼き、鹿部の前浜タラコと松前沖真イカのスパゲティー

 ▽辺見旅館(同市若松町4、TEL同23・2709)=いかめし、ゴッコなべ、タチノ唐揚げ

 ▽ラッキーピエロベイエリア本店(同市末広町23、TEL同26・2099)=オムライス、オリジナルカレー、チャイニーズチキン2段のり弁当(ラッキーピエロチェーンは大谷高校内食堂を除く12店舗が認定された)

 ▽函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉、TEL同67・1111)=大沼重、朝市カレー、スローフード御膳

 ▽夢紀行(鹿部町本別539、TEL01372・7・5210)=天然酵母トーストセット、玄米やきめし定食(ホタテ)、玄米定食

 ▽矢野旅館(松前町福山123、TEL0139・42・2525)=松前おこわ、松前漬、ほっけのかまぼこ

 ▽手打ちそば おぐら(同町松城60、TEL同42・2128)=松前花巻、ひろっこそば、なめこそば(小川俊之)


◎来月3日トークセッション“わたしのたからもの” 参加者募集中
 みんなの宝物を紹介して―。道立函館美術館(函館市五稜郭町37、斉藤正志館長)は3月3日、同館ホールで開く「トークセッション“わたしのたからもの”」の参加者を募集している。締め切りは18日。

 開催中の特別展「マジカル・ミュージアム・リターンズ」の関連事業。同展では、同館が開館から20年間に収集したコレクションを公開中で、「モノを大切にする気持ちを共有したい」と初めて企画した。宝物は生き物以外なら自由で、金銭的な価値を問わない。手に入れた時のエピソードや苦労話など、そのモノに対する思い入れを存分に語ってもらう。

 当日は市立函館博物館の長谷部一弘館長やFMいるかパーソナリティーの金子かおりさん、絵本コレクターのわかばさんら5人がコメンテーターとして参加する予定。観覧自由。

 同館学芸員の大下智一さんは「思い入れのある一品を自慢しましょう」と参加を呼び掛けている。

 年齢や地域を問わず、定員は20人ほど。発表者には参加賞として「マジカル・ミュージアム・リターンズ」(3月11日まで)、「ロマノフ王朝と近代日本」(3月22日―4月5日)、「美しさへの挑戦」(4月21日―6月3日予定)の各特別展の招待券をプレゼントする。

 申し込みは往復はがきか電子メールで(1)名前(ふりがな)(2)住所・電話番号(3)年齢(学年)(4)どんな“たからもの”について何を語りたいか(例・ペットボトルのキャップ/集め過ぎて太ってしまった)を記入すること。

 応募多数の場合は24日まで当選者に通知する。あて先は〒040―0001、函館市五稜郭町37―6、道立函館美術館MMR係まで。電子メールアドレスはhakobi.11@pref.hokkaido.lg.jp

 問い合わせは同館TEL0138・56・6311。(佐々木 司)


◎札響5年ぶり函館公演
 札幌交響楽団(札響)の公演が8日、函館市民会館で行われた。札響の函館公演は2002年以来5年ぶり。1000人を超える聴衆が詰めかけ、全曲ブラームスのプログラムを堪能した。

 クラシック音楽を気軽に楽しむ札響の「札響名曲シリーズ」の本年度最後となる公演。ソリストに若手バイオリニスト木嶋真優さんが出演し、さらに読売日本交響楽団正指揮者に就任間もない下野竜也さんが指揮するなど、豪華な顔触れで「バイオリン協奏曲ニ長調」で初幕を飾った。

 2部では「大学祝典序曲」「ハンガリー舞曲第1、3、10番」「悲劇的序曲」を披露。下野さんの躍動感あふれる指揮に合わせ、明るい曲調から悲壮感漂う重苦しい曲までを優雅に奏で、来場者を魅了した。(佐々木 司)