2007年2月11日(日)掲載

◎2007冬フェス 各種イベントで冬満喫
  函館の冬を彩る「2007はこだて冬フェスティバル」(実行委主催)の各種イベントが10日、五稜郭公園(函館市五稜郭町44)と金森倉庫、BAYはこだてイベント広場(同市豊川町11)で開かれた。暖冬の影響で銀世界での開催とはいかなかったが、多くの家族連れらが訪れ、冬ならではの催しを満喫した。

 五稜郭公園では、雪不足のため、大沼方面から雪を搬入して冬を“演出”。毎年人気の雪像滑り台は3年ぶりに製作を断念したが、参加型ゲームの数々に、子どもたちの歓声がこだました。

 午前11時半からセレモニーを開催した。祝砲が上げられ、北大水産学部の男子学生ら約25人が「赤ふん隊」として登場。そりに乗せた約600?の氷塊を引っ張り、清水を浴びるなどし、会場をにぎわせた。

 午後からは、恒例の「赤ふんダービー」。赤ふん隊のメンバーが女性を乗せたタイヤチューブを引っ張り、約100?のコースで競い合った。

 森町砂原産のホタテが景品のスタンプラリー「ホタテでポン!」も大人気。来場者は、豚汁やおでんなどの売店で冷えた体を温めながら、各種イベントに参加していた。

 同級生7人で訪れた函館本通小4年の三国怜央君(10)は「毎年楽しみにしている。『ホタテでポン!』が面白かった」と笑顔。

 11日は午前9時に開会し、園児による「第21回ちびっこサッカー大会」のほか、「奉行所復元ウルトラクイズ」、新登場「博徒の花道ゲーム」などが行われる。

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 BAYはこだてイベント広場をメーン会場に開かれている、同フェスティバルの協賛イベント「アイスライトファンタジー」(金森赤レンガ倉庫など主催)は2日目を迎えた。

 初開催となるNPO法人(特定非営利活動法人)「スプリングボードユニティ21」主催の「キャンドルナイト」は、午後5時からBAYはこだて芝広場で実施。アイスキャンドル500個とワックスキャンドル150個を並べ、ぬくもりを感じさせる「明かりの道」を作り出した。

 このほか、バケツ型のアイスキャンドルが金森倉庫周辺に飾られ、BAYはこだてイベントホールではウサギや犬のキャラクターキャンドルなどを作るキャンドル体験コーナーも設けられた。

 母親と訪れた小甲(こかぶ)優香ちゃん(6)=同市桔梗=は犬のキャンドルを作製。「初めてだったけれど面白かった」と喜んでいた。

 最終日11日も手作りキャンドル体験と「キャンドルナイト」は行われる。点灯時間は午後5時から同10時ごろまで(キャンドルナイト」は行われる。点灯時間は午後5時から同10時ごろまで(キャンドルナイトは同7時まで)。(工藤康行)


◎桧山スケトウダラ漁 過去最低下回る
 【江差】昨年11月に始まった檜山管内沿岸のスケトウダラはえ縄漁は、暖冬や資源減少の影響で、今季の累計水揚げ量は5273トン(前年同期比28・1%減)、水揚げ額も11億7984万円(同32・7%減)と、過去最低だった昨年度を大きく下回った。

 檜山沿岸では、資源減少の影響からスケトウの漁獲減少が続き、昨年度の漁獲量は7330トン(同10・1%減)、水揚げ額は17億5245万円(同1・4%減)と過去最低を記録。

 今季は例年にない暖冬の影響で「海面付近の海水温が下がらずスケトウの魚群が深い海域から海面に上昇してこなかった」(漁業関係者)ことも重なり、2月上旬は管内全町で水揚げがないまま漁期を終えた。

 ひやま漁協(乙部町)の支所別に累計漁獲量を見ると、乙部2626トン(同30・3%減)、江差1045トン(同28%減)、上ノ国398トン(同62%増)、熊石1203トン(同35・4%減)。累計水揚げ額は乙部6億1531万円(同33・6%減)、江差2億1245万円(同32・6%減)、上ノ国7855万円(同51%増)、熊石2億7353万円(同40・4%減)。

 昨年11月からの1キロ当たりの平均単価は同6・7%安い223円。原料用以外の生鮮出荷は国内が857トン(同75・8%減)、輸出が1671トン(同17・8%減)で、韓国を中心とする輸出向けが大半を占めた。(松浦 純)


◎高橋知事が江差入り 支庁制度改革「時間をかけて」
 【江差、厚沢部】4月の道知事選で再選を目指す高橋はるみ知事(53)は10日、江差町で開かれた自身の後援会「北海道を愛するみんなの会」の会合で檜山支庁統廃合問題に触れ、「十分に時間をかけていかなければならない」との認識を示した。

 会合は、同会の檜山南部連合後援会(若狭大四郎会長)などが主催した「新春の集い」。管内の7町長と支持者520人が出席した。

 与党・道議会自民党会派の、廃止対象の支庁所在地選出の道議からは、支庁存続を求める声が強く、統一地方選を前に慎重な対応を求めている。高橋知事の発言は、与党会派や支庁所在地に配慮したものとみられる。高橋知事の対抗馬・民主党の荒井聡衆院議員(60)は、支庁存続を争点の一つに位置付けている。

 高橋知事はこれまで、将来的には渡島支庁など大規模支庁の廃止にも言及し、支庁制度改革の推進を強調してきた。道は2008年度に14支庁を6支庁程度に減らす新体制の発足を目指すが、具体的な時期や規模は明らかにしていない。自民党などの意向から支庁改革をめぐる議論が、統一選を挟んで事実上の「棚上げ」となれば、職員の異動や庁舎確保など多くの懸案を抱える再編スケジュールが09年度以降にずれ込む可能性もある。

 また、高橋知事は日本海の貧栄養化や磯焼け対策について、上ノ国町が進めるイカ内臓の海中還元実験や植生回復に向けた活動を積極的に支援する方針を示した。

 高橋知事は同日、厚沢部町で道政報告会(自民党厚沢部支部主催)を開催。道新幹線の開業効果を引き出すため、新函館駅と檜山管内を結ぶ国道227号の整備促進に取り組む考えを強調した。(松浦 純)


◎80年前の雛人形 昭和天皇即位を記念し制作
 「昭和色の衣をまとったお雛(ひな)様」と題した気品あるひな人形が、函館市大手町5の函館国際ホテル1階ロビーに展示されている。1926年に昭和天皇が即位したのを記念し、翌年作られた。80年の歴史と風情を漂わせる人形の優しい表情に訪れる人は心を和ませている。3月3日まで。

 人形は、函館倉庫の平塚千鶴子会長から同ホテルに寄贈された。同即位式に出席した平塚会長の伯父である故堤清六氏(ニチロ創業者)から譲り受けたという。

 内裏びなの間には、高御座(たかみくら)という即位礼の時に用いられる天皇の席があり、昭和天皇をかたどった木彫りの像が座っている。十二単(ひとえ)で着飾られた女(め)びなは、華やかで、当時のゆかしい趣と伝統を伝えている。

 同ホテルは「当時の京都の人形技師が作ったとされるひな人形が、道内に現存するのは貴重。昭和から平成の激動の時代を見守ってきた美しい姿を見てほしい」と来場を呼び掛けている。 (田中陽介)


◎全救急隊でAED導入へ 桧山広域行政組合
 【江差】桧山広域行政組合(理事長・濱谷一治江差町長)を構成する管内7町の消防署で導入が進んでいるAED(自動体外式除細動器)。新年度には7町にある9隊すべての救急隊にAEDが行き渡り、配備が完了する見通しだ。

 AEDは、心臓が止まった人に電気ショックを与えて心拍を回復させる救命機材。管内で初めて導入したのは江差消防署。1998年に1台を配備。現在は予備車を含めた2台の救急車に積んでいる。

 人材育成や利用実績の分析を優先していた乙部町も、新年度予算に導入経費を盛り込む方針で、管内7町にある9隊すべての救急隊で配備の体制が整う見通しになった。

 導入に当たっては各町が費用を負担。一般用や救命救急士用など仕様に違いがあり、価格は1台100―150万円ほど。同本部は消防職員の講習用に心拍数などを表示できる訓練用人形も導入。同管内では檜山支庁などの官公庁や一部の公立学校、民間でも導入が進められていて、講習開催の要望にも応じるという。

 昨年、同管内で救急隊到着時に心肺停止状態だった傷病者は約50人。AEDが必要なケースは1割ほどだったが、消防関係者からは「管内でもAEDで心肺蘇生(そせい)に至ったケースもある。使用頻度は高くはないが、AEDで救える命が確実にある」と、導入拡大を歓迎する声が上がっている。 (松浦 純)


◎2007冬フェス 兵庫の女性グループ「だんじり唄」披露
 兵庫県洲本市の女性だんじりグループ「五色(ごしき)之姫」(山口ひろ子代表)のメンバー7人が10日、高田屋嘉兵衛銅像(函館市宝来町)を訪れ、淡路島の郷土芸能「だんじり唄」を披露した。一行は11日、「2007はこだて冬フェスティバル」(実行委主催)の五稜郭会場(五稜郭公園)でだんじり唄を熱唱する。

 洲本市は、函館の発展に貢献した高田屋嘉兵衛の生誕地。函館市民に淡路島の伝統芸能に親しんでもらおうと、同フェスティバル実行委に招かれた。

 「五色之姫」のメンバーは、拍子木でリズムを取りながら、ロシアとの国交正常化を実現し、淡路島民と再会する「高田屋嘉兵衛」を演じ、劇的な場面をせりふで掛け合いながら表情豊かにうたい上げた。

 山口代表は「函館の嘉兵衛さんの前でうたうのが夢だったので感無量。ぜひこの機会に淡路島の伝統芸能を見に来てほしい」と話している。

 なお、五稜郭会場では、午前11時半と午後零時15分から「高田屋嘉兵衛」と、巡礼の旅をしている子どもと出会う母親の切ない心情を演じる「傾城(けいせい)阿波鳴門巡礼歌の段」を上演する予定。(工藤康行)