2007年2月12日(月)掲載

◎2007冬フェス 尻相撲ゲームやクイズに歓声
 「2007はこだて冬フェスティバル」(実行委主催)は11日、参加型ゲームを多数用意した五稜郭会場(函館市五稜郭町44、五稜郭公園)の2日目が行われた。この日も、多くの家族連れらが訪れ、恒例の「尻相撲ゲーム」や「奉行所復元ウルトラクイズ」などが行われ、終日にぎわいを見せた。

 「尻相撲ゲーム」には、子どもから大人まで約50人が参加。3連勝すると景品のカニがもらえることから、白熱した激しい争奪戦が繰り広げられた。また、際どい結果に審判団が審議する場面も。○×クイズで競い合った「奉行所復元ウルトラクイズ」では、五稜郭にまつわる問題などを出題。参加者は、質問に苦戦しながらも勘を働かせ決断していた。

 このほか、「ちびっこサッカー大会」やスタンプラリー「ホタテでポン!」なども盛り上がり、兵庫県洲本市から招かれた「五色(ごしき)之姫」(山口ひろ子代表)は、淡路島の郷土芸能「だんじり唄」を初めて披露した。

 家族4人で訪れた函館駒場小の白水貴文君(5年)と善大君(1年)は「会場に雪がなくて少し寂しいが、たくさんのゲームに参加でき、面白かった」と満足げ。

 同会場を主管する「えそ共和国」の網森哲美総裁は「雪がないながらも、子どもから大人まで楽しんでくれたので良かった」と話していた。

 なお、同フェスティバルは28日まで、八幡坂や二十間坂、二十間坂通り、基坂、元町公園の5ヶ所で約5万個のイルミネーションを点灯している。時間は午後5時から同10時まで。(工藤康行)


◎IBS・渡部萌子さんが「K・バレエ・カンパニー」のオーディションに合格
 函館市花園町のバレエ教室「インターナショナルバレエストゥディオ(IBS)」(ビーグリィー綾子主宰)の渡部萌子さん(21)が4日、バレエダンサー熊川哲也さん(旭川出身)が主宰する日本有数のバレエ団「Kバレエカンパニー」(東京)のオーディションに合格した。同教室からプロダンサーが出るのは初めて。渡部さんは「スタジオで学んできたことを生かして、より多くの舞台で活躍できるダンサーになりたい」と意気込んでいる。

 Kバレエカンパニーは、名門・英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル(主役格ダンサー)だった熊川さんが1998年に退団し、翌年に旗揚げ。同バレエ団出身の男性ダンサーが多く在籍し、公演は日本のみならず海外でも盛んに行っている。

 函館出身の渡部さんは4歳からバレエを始め、小学3年からビーグリィーさんの下で練習を積んできた。国際コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ」(米国)の15―19歳部門で2位、ローザンヌ国際バレエコンクール(スイス)に出場するなど活躍し、白百合高校在学中に英国ロイヤルバレエ学校(同バレエ団付属学校)に1年間留学。ことしで17年間のキャリアを持つ。

 「Kバレエ―」へ入団を決めたのは、英国ロイヤルバレエ団の特有スタイル「ロイヤル・スタイル」を極めようと思ったから。「わたし自身がイギリスで学んできたこと、英国ロイヤルバレエ団員だったビーグリィー先生の下で積んできた成果を存分に出したい」と迷わずに応募。難関のオーディションを突破した。

 英国や日本のバレエ団のオーディションに挑戦し続けただけに、4年越しのプロ入りに大喜び。一度は辞めようかと思った時期もあったが、持ち前の努力と「『焦らず、自分にあった道はきっとある。今を一生懸命に』との先生からの励ましを胸に」乗り切った。

 毎日、精いっぱい踊る姿を見てきたビーグリィー綾子さんは「これだけバレエに情熱を注ぐ子は珍しい。厳しい世界だが、その姿勢を忘れず、プロの中でしか味わえないことをたくさん学んでほしい」とエールを送る。

 12日に上京し、早くもプロとして活動を始める。8月の公演に向けて、レッスンの日々だ。渡部さんは「すべての舞台に立てるわけではないので、地道にどん欲に表現することを学びたい」と話している。(佐々木 司)


◎景気「底入れ」ならず…03年度市民経済計算推計
 函館市は2003年度の市民経済計算推計をまとめた。市のGDP(国内総生産)に当たる市内総生産は9420億800万円で、前年度比3・2%減。03年度のGDPは同0・8%増の約501兆円で、国が02年5月に「景気底入れ宣言」をした状態を裏付けている。しかし、函館は「底入れ宣言ができる状況ではなかったことが分かる」(市総務課)結果となった。

 渡島東部旧4町村との合併前の推計値で、道が示した推計マニュアルに基づいて算出した。

 市内総生産の産業別の内訳は、金額ベースで1次産業(農林水産業)が41億9400万円、2次産業(製造業や建設業など)が2114億6200万円、3次産業(サービス業や卸売・小売業など)が7527億2300万円(重複計算を含む)。

 金額での1次産業の構成比は0・4%と低い。ただ、04年度以降は漁業を基幹産業とする旧4町村分が加わるため、構成比を若干押し上げるとみられている。

 市の統計業務を担当する総務課によると、市内総生産は00年度に1・5%成長となって以来、マイナスに転じた。01年度が0・5%減、02年度が2・0%減、03年度が3・2%減とマイナス幅が拡大しており、国が02年度に景気後退局面の終息を示す「底入れ」を宣言した状況とは違っていることが、推計値でも明らかになった。

 また、03年度の人口1人当たりの市民所得は249万3000円で、前年度比0・6%増と横ばい。市民所得は(1)給料などの雇用者所得(2)資産が生む利子など(3)企業所得―の合算で、市民の平均収入や平均貯蓄ではない。

 市民所得の03年度の道内平均は、函館より5万2000円多い254万5000円、全国平均は39万6000円多い288万9000円となっている。同課は「全道平均が函館より高いのは、人口が多い札幌の市民所得が高く、全体を押し上げたため」と説明している。(高柳 謙)


◎飛鳥の乗客向けに観光ツアー…3月25日に函館市
 函館市は、3月25日に函館港に寄港する豪華客船「飛鳥U」(郵船クルーズ、5万142トン)の乗客向けに独自の観光ツアーを初めて実施する。椴法華地区で、地元漁師との触れ合いや新鮮な海産物を楽しむ企画のほか、函館朝市など市内3スポットで、見どころをさらに掘り下げるツアーを用意。市港湾空港部は「乗客の中には、旅慣れた函館リピーターが多い。新たな魅力をアピールできれば」と話している。

 飛鳥Uの寄港は本年度7回目。今回は午前9時に入港し、午後10時に出港を予定している。今回、郵船クルーズからの依頼で、市が乗客と地元住民との触れ合いを楽しめるツアーを計画。他の寄港地でも同様のツアーがあり、乗客には好評を博しているという。

 椴法華港では、旬のナンバンエビやウニの殻むき体験や、昼食にはタラを使った「ちゃんちゃん焼き」「三平汁」など、地元ならではの食べ方で味わう。そのほか、新鮮な刺し身などを用意する。その後、ホテル恵風で温泉を楽しみ、函館港に戻る。

 また、違った角度から観光を楽しむフリープランを3つ用意。そのうち、函館朝市では、散策を楽しみながらカニの見分け方や、地元独自の調理方法で食事を楽しむ。そのほか、市青函連絡船記念館「摩周丸」では連絡船OBが案内するツアー、通常の観光コースにはなりにくい函館どつく構内で造船所などを巡るプランも用意した。

 同部管理課は「函館には西部地区など定番観光地のほかにも魅力が眠っている。その話題が口コミで広がることを期待したい。今回の様子を見て、他の客船運航会社にも函館寄港の目玉として売り込みたい」と話している。(今井正一)


◎函大有斗・築田君 1級資格3つ取得し卒業
 函大付属有斗高校3年の築田元(ちくだ・はじめ)君(18)=函館市在住=は同校普通科としては初めて、ワープロ実務検定など全国商業高校協会が行う3つの検定で1級を取得した。10日の卒業式では努力が認められ同窓会賞も受賞。「IT関係の仕事ができるよう、進学先でも頑張りたい」と決意を新たにしている。

 築田君は3年間パソコン部に所属し、本年度は部長も務めた。同部の庵原(いはら)真利顧問の指導で、資格を取得することで進路に生かしたいと2年生でワープロ実務検定と情報処理検定ビジネス情報部門を、3年生で同プログラミング部門の各1級を受験した。

 中でも、情報処理検定プログラミング部門1級は、同校普通科で初めての取得となる快挙。庵原顧問の指導の下、プログラムの組み立てから、記述試験対策まで、部活時間と宿題を合わせて毎日4時間以上を勉強時間に充てた。

 築田君は、二人三脚で資格取得に取り組んだ庵原顧問について「間違えても答えを知らせず、何度も挑戦させるという厳しい指導だったが、今では、感謝してもしきれない」、庵原顧問も「後輩たちの意欲にもつながった。前向きさと努力が実った」と笑顔。

 築田君は4月からは登別市内の専門学校に進学する。「今に満足せず、次々に吸収していくシステムエンジニアを目指し、日々研さんを深めたい」と晴れやかな表情で3年間過ごした校舎と顧問に別れを告げた。(笠原郁実)