2007年2月17日(土)掲載

◎元気に歌や合奏 3園合同音楽発表会
 函館大谷幼稚園(丹藤静香園長)、花園大谷幼稚園(長谷川艶子園長)、函館第三大谷幼稚園(浅井睦子園長)の3園は16日、函館市芸術ホールで「3園合同音楽発表会」を開いた。園児約200人が合唱や合奏を披露。大勢の保護者らが駆けつけ、“小さな音楽家”に大きな拍手を送った。

 1年間の学習成果を発表し、保護者らに園児の成長ぶりを実感してもらおうと、日ごろから連携を深める3園が合同で開催。3園は発表会に向け、1月から本格的な練習を行ってきた。

 花園大谷幼稚園(園児126人)年中少組74人は、歌と合奏で「マーチングマーチ」を披露。元気よく行進しながら歌ったり、手に持ったミュージックベルを振ったりして楽しいステージを繰り広げた。最後に、3園の年長児が小学校入学の希望を胸に童謡「1年生になったら」を、大きな声で合唱して締めくくった。

 第三大谷幼稚園の林千尋ちゃん(6)は「いっぱい練習して、上手にできた。小学生になったら、国語とかいっぱい勉強したい」と話していた。 (笠原郁実)


◎新年度から育児支援家庭訪問事業導入 子育てにもヘルパー
 函館市は新年度、子育てに不安や孤独感を抱える家庭に訪問介護員(ホームヘルパー)や保健師を派遣する「育児支援家庭訪問事業」を導入する。市子育て推進課に嘱託職員の保健師1人を配置し、市立函館保健所と連携して進める方針。家事支援や育児相談に応じ、児童虐待を未然防止する狙いがある。国の交付金対象事業で、市は新年度予算案に120万円を盛り込んだ。夏ごろからの事業開始を計画している。

 対象となるのは、周囲に相談する人がいなくて、外部との接触が少ない育児中の親。家庭訪問などを通じ同保健所の保健師らが判断する。本人の了解を得て子育て推進課に情報提供し、同課の保健師が調整役となって同保健所や、場合によって児童相談所も交え、必要な支援を検討し、実施する。

 国が想定するのはおおむね産後1年程度だが、市では小学校低学年までを目安に子どもの年齢制限を設けず、柔軟な運用を目指す。

 派遣されるヘルパーは、産後うつや育児ノイローゼへの対応を想定し、市内で精神障害者への派遣事業を行う事業所に登録してもらい、確保する考え。研修で児童虐待や保育に関する知識を習得してもらい、家庭に派遣する。より専門的な支援を要する場合は、保健師が対応する。これまでも同保健所は4カ月児健診の未受診者らを対象に家庭訪問を行っており、地区担当の保健師と連携する形だ。

 同保健所では新年度から「産後うつ・育児支援事業」として、地区担当の保健師を通じ、産後うつ傾向などを把握するアンケートの実施を検討している。未熟児や多胎児、出産時の年齢が若い母親、医療機関から産後の経過を見守るよう指示があった場合が対象。年間出生数約2000人の3分の1程度で、約600人と推計する。

 また同保健所によると、4カ月健診の未受診者が全体の1割程度おり、アンケート結果で産後うつ傾向が強い母親や、健診に子どもを連れて来ない母親と保健師がかかわりを持ち、必要に応じて育児支援家庭訪問事業へつなげる方針だ。

 同課は「育児支援が親の自立援助につながる。家庭の外からの目が多いと、子どもへの虐待を防ぎ、保護しやすくなる」と話している。 (宮木佳奈美)


◎自民党函館支部 畠山、大日向氏公認せず
 4月の道議選函館市区(定数6)の自民党追加公認で、党函館支部(支部長・川尻秀之道議)が元職、畠山博氏(62)と新人、大日向豊吉氏(56)を公認しないことを決めていたことが16日、分かった。ただ、党道連には8区支部から正式な書類などの報告が上がっておらず、道連幹部は「判断する材料がなく、現時点では結論を出せない。地元の意向は忖度(そんたく)するが、それだけでは決まらない」と含みを持たせている。

 函館市区では現職の川尻氏(61)の1次公認と新人の佐々木俊雄氏(56)の2次公認が決まっている。

 党函館支部の関係者によると、14日に役員会議を開き、公認申請が出ている畠山、大日向両氏の取り扱いを協議。公明党を入れて政権政党の公認が3人であることから追加公認は必要ないとする意見と、知事選必勝と党勢拡大のため3人目を公認すべきだとする意見に分かれた。結局、川尻支部長を除く出席者8人で無記名投票を行い、畠山氏は反対6票、賛成2票、大日向氏は反対7票、白紙1票だった。

 上部組織の8区支部の中村勉支部長(46)も同席。中村支部長は「オブザーバーとしての出席だったので、意見やコメントはしなかった」と述べ、今後の対応は「函館支部の決定を尊重し、道連には経過を報告したい。8区支部長として道議選檜山支庁区の候補擁立を目指すなど党勢拡大に努める」と話す。

 ただ、道連は「どのような協議をしたのか不明で、追加公認問題は俎上(そじょう)に載っていない。地元支部の意向だけではなく、高度な政治判断となる」とする。

 函館市区は前々回選挙を除き3人の公認が長く続いており、道連は今回、同じ6人区の旭川市で公認3候補の擁立を決めている。

 川尻支部長は9日に開かれた「励ます集い」の終了後、2人の対応について「公明党を入れて3人の公認とする見方もある」と語っていた。

 函館支部の決定について、畠山氏の陣営幹部は「密室で決まった形だが、票が割れた大きな事実は見逃せない」とし、大日向氏は「予定通り無所属で正々堂々と戦う」と話している。

 また、函館支部は4月の函館市議選で出村勝彦氏(68)を公認することを決めた。 (道議選取材班)


◎函館市長選 西尾氏に出馬要請へ
 4月の函館市長選挙で、函館ラ・サール高校5回生(1967年卒)の有志が、同期生で函館市前助役の西尾正範氏(58)に対し、出馬を要請することが16日までに分かった。有志らは18日に市内のホテルで会合を開き、後援団体を設立。19日以降、正式に立候補を要請する方針。

 関係者によると、西尾氏を含む市内の同期会は結束が固く、後援会設立には十数人が参加する見込み。西尾氏が受諾した場合、同会が母体となり、選挙に臨むという。

 同期会関係者は「この時期になっても現職の対立候補が出馬する見込みがなく、われわれが考える市長にふさわしい人物として、西尾氏の要請を決めた。最後は本人の判断だが、受諾してくれるだろう」と話している。

 西尾氏は「正式な出馬要請があれば、家族や親しい人と相談した後で、出る出ないの判断をしたい。わたしのことを同期のみんなが心配してくれてありがたい」と話している。

 西尾氏は、函館市出身で、京大文学部卒。1973年旧亀田市に入庁し、2003年7月、助役に就任した。任期途中の昨年末、地元政財界情報誌の報道を端緒に、井上博司市長(70)や経済界、市議会を取り巻く体質に異議を唱え、辞職した。

 これまで市長選に立候補を表明しているのは現職の井上氏だけ。 (今井正一)


◎みちのく銀行 指静脈で本人確認 認証機能のATM導入開始
 みちのく銀行(青森)は16日、本支店に備え付けのATM(現金自動預払機)の一部に、キャッシュカードの偽造・盗難防止のため、登録した契約者の手の指の静脈情報を読み取って本人と確認する「指静脈生体認証機能」を導入した。

 振り込め詐欺やスキミングなどの事件が多発する中、同行では2004年9月から、セキュリティー強化のため、ATMでの暗証番号変更や限度額の引き下げなどができる対策に着手。06年5月には従来の磁器カードを進化させ、記録した個人情報の偽造や不正な読み取りが困難なICチップを埋め込んだ、ICキャッシュカードとクレジット一体型カードを発行した。

 今回導入した機能を利用するには、同行のICキャッシュカードとその口座の届け印、身分証明書を持参し、取扱支店の窓口であらかじめ2本の指の生体情報を専用機械で読み込み、登録することが必要となる。生体情報の登録料は無料で、5年後の更新時に手数料1050円がかかる。

 同機能を備えたATMの設置と生体情報の登録は、渡島・檜山管内にある同行7店のうち、函館、亀田、柏木町、美原の4支店で対応。同行は「今後はさらなる顧客保護のため、取扱店やATMの数を増やしていきたい」と話している。

 なお、管内に本支店を置く金融機関では、みずほ銀行が昨年10月、函館支店と杉並町出張所の計3台に同機能を導入している。 (浜田孝輔)


◎「春」目指し問題と格闘 私立高8校で入学試験
 函館市内の私立高校全8校で16日、2007年度入学試験が行われた。8校合わせて約300人が“15の春”を目指し、学力試験や面接試験に臨んだ。

 道内私立高では複数入試方式を導入しているが、函館地区8校を含む40校がこの日のA日程を希望し、一斉に実施。11校が20、21日のB日程で行う。

 函館地区で最多の850人が筆記試験に臨んだ函大付属有斗高校(松川佳央校長)では、午前7時半から保護者らの車で見送られた受験生らが次々に会場入りし、同9時に試験がスタート。定員30人に対し342人が出願し、倍率11・4倍と道南で最も高かった特別進学コースは5教科、総合文理コースは3教科で、受験生は真剣な表情で解答用紙に向かっていた。

 試験前日は発達した低気圧の影響で交通機関が大幅に乱れたが、この日は青空も広がり、遅刻者もなく、市内全校で滞りなく実施された。

 合格発表は22日に8校一斉に行われる。(笠原郁実)


◎確定申告スタート
 2006年分の所得税の確定申告の受け付けが16日、全国一斉に始まった。渡島・檜山管内で取り扱う函館、八雲、江差の3税務署では、手続きに訪れる納税者の対応に追われた。受付期間は3月15日まで。

 このうち函館税務署(函館市中島町37)には、受付開始の午前9時に、函館地区青色申告会連合会の原隆俊会長が来署。同会の会員173人分の申告書を持参し、対応した畠山俊幸署長は、申告書に収受印を押し、受け付けた。

 初日の同税務署への来署者数は約1000人。自書申告書作成コーナーは、座席がほぼ埋まった状態が続き、職員に不明な点について説明を求めながら、必要事項を記入していた。

 毎週月曜や3月10日すぎから混雑が予想され、同税務署は「分かる個所だけでも自宅で記入してから来署してもらうと、スムーズに手続きができます」と話している。また、国税庁ホームページ(HP)上での国税電子申告・納税システム「e―Tax(イータックス)」の利用を呼び掛けている。HPアドレスはhttp://www.nta.go.jp (浜田孝輔)