2007年2月2日(金)掲載

◎函館にユニ航空第1便…チャーター便
 台湾から函館へ初の乗り入れとなる立栄航空(ユニ航空)が運航する国際チャーター便が、高雄空港から乗客137人を乗せ、1日午後5時ごろ、函館空港に到着した。同社の日本へのチャーター便は、函館便が第1便。函館巴(ともえ)太鼓の力強い演奏で幕を開けたセレモニーで井上博司函館市長は「ことしは雪が少ないのですが、今日はみなさんを歓迎するために降ってきました。十分に楽しんでください」と歓迎した。

 台湾と函館を結ぶ国際チャーター便は、エバー航空、中華航空、マンダリン航空に続き4社目。ユニ航空は、エバー航空の子会社で、昨年、日本への国際便運航の認可を受けた。2月は、高雄のほか、台中、台北から初便を含み39便(到着20、出発19)の運航を予定している。

 セレモニーには、市や経済界を代表し、井上市長をはじめ、沼崎弥太郎函館国際観光コンベンション協会会長、泉清治函館空港ビルデング社長、函館商工会議所の森川基嗣副会頭らが出席。空港の女性社員らから、ユニ航空の蘇宏義(スー・ホンイン)会長、機長、乗客の代表者に花束が贈られた。

 蘇会長は「函館は日本への就航地であり、最も多い寄港地となります。函館の観光地や食べ物は、台湾の客を魅了してやまないと確信しています」と謝辞を述べた。乗客には中国語版の観光パンフレットや、イカの珍味が配られ、約4時間のフライトの疲れも見せず、笑顔でバスに乗り込んだ。

 台湾からのチャーター便は、昨年1年間で649便、9万4620人が利用。昨年7月に中華航空が新千歳空港を結ぶ国際定期便を就航させた影響で、函館への乗り入れ数は減少傾向に。今回、ユニ航空の参入により、台湾地域からの観光客の増加が期待されている。(今井正一)


◎12年ぶり1万隻割る…06年函館税関
 函館税関は1日、2006年の管内(道内と青森、岩手、秋田の東北3県)における外国貿易船と外国往来機の入港状況を発表した。船舶は前年比11・2%減の9114隻と12年ぶりに1万隻の大台を割り込み、航空機は同2・8%増の4644機。なお、函館港は同1・7%増の180隻、函館空港は同4・0%減の718機だった。

 外国貿易船の入港隻数を地域別で見ると、道内では函館港が前年を上回っているほかは、稚内港が同23・8%減の1874隻、小樽港が同2・7%減の1119隻、苫小牧港が同5・6%減の1046隻など、軒並み前年割れ。道内全体では、同13・7%減の7381隻と大きく数字を下げた。

 逆に東北では、八戸港が同7・4%減の500隻、青森港が同8・7%減の84隻だったものの、秋田港が同3・0%増の593隻、宮古港(岩手県)が同26・5%増の129隻などと好調で、全体では同0・5%増の1604隻。道内の低迷分をカバーするまでには至らず、管内は3年連続の前年割れとなった。

 また、管内各空港における外国往来機の入港状況は、定期便が同35・6%増の2500機と3年連続のプラス。チャーター便は同19・9%減の1453機にとどまった。地域別では、道内が同3・4%増の4136機、東北が同1・7%減の508機だった。

 このうち函館空港の定期便は、昨年6月に大韓航空が就航したことから、同86・8%増の198機と大幅な伸び。チャーター便は、04、05年に台湾などからの入り込みが急増した反動から、同19・0%減の489機に落ち込んだ。(浜田孝輔)


◎1月の平均気温 江差で観測史上最高の1・2度
 暖冬が続く道内では、1月の平均気温が全道的に平年を上回った。道南でも、江差町が観測史上最高となる1・2度で、平年より2・3度高かった。1991年の0・9度以来、16年ぶりに記録を更新した。

 札幌管区気象台によると、道内各地の1月の平均気温は日高管内浦河町で氷点下0・8度、十勝管内広尾町で同2・9度と、共に観測史上3番目に高い記録。函館は同0・4度で平年より2・5度高かった。

 今冬は太平洋の東側の海面温度が上がる「エルニーニョ現象」が発生。このため例年より暖かい空気が日本付近に入り込んでいる。道内への直接的な影響はないものの、低気圧が通過する際などに本州方面の暖かい空気が入り込みやすい状況となっている。

 2月も冬型の気圧配置は長続きせず、同気象台は暖冬傾向が続き、暖かい日が多いとみている。


◎乗務員は車内で禁煙…タクシー会社「相互交通」開始
 道内最多の車両保有台数(小型368台)を誇る函館市内のタクシー会社「相互交通」(昭和2、櫻井忠志社長)は1日、全車両を「準禁煙車」とし、乗務員は車内でたばこを吸わないことにした。同社によると、道南のタクシー業界では初めての試みという。

 「たばこ臭くない車にしてほしい」「たばこを吸わないドライバーにして」という客の要望が、以前から多く寄せられていた。さらに、2004年と06年に乗務員に喫煙アンケートを実施した結果、禁煙者が増えていることが分かり、実施に踏み切った。

 導入に向け、喫煙者と禁煙車の乗務員が話し合いを重ねて合意を得た。さらに、同社の掲示板で呼びかけ、一人一人に文書で通知するなど約2年かけて周知を図ってきた。

 また同日付で、構内での喫煙を禁止。控え室や整備工場など4カ所に喫煙所を設け、禁煙化に向けた取り組みを進める。

 この日は、出発前の乗務員約200人の前で櫻井社長があいさつ。「愛煙者はつらいと思うが、公共車として社会のニーズに応えなければならない」と協力を呼びかけた。

 その後、乗務員全員で「禁煙・無事故宣言」を復唱。同社出入り口では櫻井社長がテープカットを行い、早速「準禁煙車」となったタクシーが営業を始めた。

 車内と自動ドアの取っ手の上にステッカーが張られている。なお、乗客は喫煙できる。(工藤康行)


◎ラ・サール高 道内トップで卒業式
 道内高校のトップを切り函館ラ・サール高校(フェルミン・マルチネス校長)で1日、「第45回卒業式」が開かれた。卒業生は、晴れやかな表情で式に臨み、喜びや期待を胸に思い出深い学びやを巣立った。

 大学受験などで19人が欠席し、式には190人が出席。下級生や父母らが見守る中、スーツや羽織はかま姿で入場し、高らかに校歌を斉唱。

 マルチネス校長は、勇気や積極的な態度、燃える心を持つドン・キホーテのエピソードを卒業生の姿に重ね、「函館ラ・サールOBとして世界中の兄弟姉妹のため力になってほしい。恵まれない人、絶望している人々に『希望』を抱くという大きな可能性になって」と式辞を述べた。

 卒業生を代表して橋田宜長(よしたけ)君が、卒業生がつづった短歌で3年間を振り返り、「特別な行事ではなく、日常の一日一日が今後、体験できない大切な思い出。高校生活の経験を宝物とし、これからも頑張っていきたい」とあいさつした。

 卒業生はスライド上映で高校生活の歩みをたどった後、肩を組み「聖ラ・サール讃歌」を合唱。式後は、級友や教諭との別れを惜しんでいた。

 同校は昨年10月、「地理歴史」の必修2科目の未履修が発覚。通常7時間授業のところ8・9時間授業にするなどの補習を行い、対象の137人全員がこの日までに卒業条件を満たした。

 道南の高校では、函館白百合が3日、函館大谷が8日、遺愛、大妻、函大付属有斗、函大付属柏稜が10日、清尚が3月8日、公立高は3月1日に卒業式を行う。(笠原郁実)


◎豊川町でガス漏れ
 1日午前3時ごろ、函館市豊川町21の住宅兼事務所でガス漏れ警報機が作動したと、同住宅の警備会社から消防、警察などに通報があった。北海道ガス函館支店が現場付近で掘削検査を行った結果、埋設されたガス管のつなぎ目から微量のガスが漏れているのを発見、補修した。漏れたのは少量で、体の不調を訴えたり、避難したりした住民はいなかった。一時交通規制が行われたが、大きな混乱はなかった。

 同社などによると、ガス漏れが見つかったガス管は、口径200ミリのタグタイル鋳鉄管(ちゅうてつかん)で、1972年に埋設された。警報機が作動した建物から約20メートルほど北側。ほぼ5メートル間隔でガス管同士のつなぎ目があり、漏れたのはこのつなぎ目からだった。

 現場は国道279号沿いの市電魚市場通電停付近で、住宅や事務所、店舗などが立ち並ぶ。漏れたのは天然ガスで、一酸化炭素は含まれていない。同支店は約10人体制で午後3時までに補修を完了した。

 周辺世帯へのガス供給は通常通り行われ、避難勧告なども出されなかった。函館西署、道警函館方面本部は念のため、約50人体制で、ガス漏れが確認された午前10時50分ごろから、午後1時半まで現場周辺で交通規制を実施した。

 同支店は「会社で定めた処理要領に基づいて対応した。周辺住民への説明などは特に予定していない。北見市の事故のこともあり、警察、消防の協力を受け、速やかに作業ができた」と話している。(終)