2007年2月22日(木)掲載

◎一般会計 172億9687万円…北斗市07年度予算案
 【北斗】北斗市は21日、2007年度予算案を発表した。一般会計は06年度当初比4・0%減の172億9687万円。海老沢順三市長は、時代の流れや地域課題への対応を掲げ「派手さはないし、目新しいものもない」と堅実な編成を強調した。国保事業など5特別会計と水道事業会計を合わせた総額は、同1・0%減の325億2652万円。27日に開会する市議会第1回定例会に提案する。

 歳入の3割を占める地方交付税は、同0・1%減の55億4289万円。市税は46億885万円で、国からの税源移譲や定率減税の廃止などで、同7・9%増とした。

 繰入金の総額は、同44・6%増の4億1030万円。内訳は、減債基金2億3794万円、地域振興基金7431万円、文教施設整備基金6540万円など9基金を取り崩す。海老沢市長は「財政が逼迫(ひっぱく)している証拠」と、楽観を許さない財政状況にあることをあらためて指摘。税源移譲の仕組みの周知に努め、市税の収納率向上に力を入れる考えを示した。

 歳出は、06年度に合併特例債を利用し、地域の一体感醸成のために創設した「みらい基金」分がなくなったため減額となったが、同基金分を除くと同4・3%増。新年度から運用開始となる同基金の利子1548万円は、市内の6大祭りで伝統芸能の保存や、子どもの全道・国大会への遠征費に充てる。

 議会費は、合併による議員の在任特例期間終了に伴い、定数が44から26となるため、同28・9%減の1億3230万円。民生費は、同2・4%増の57億2213万円で、中学生までの医療費無料に伴う助成には2億8077万円を見込んだ。

 新規事業では、道新幹線駅部建設費負担金として50万円、道からの権限移譲で設置する大規模小売店舗立地審議会の設置に41万円、病後児保育事業には371万円を計上。国営直轄事業負担金の繰り上げ償還に2億2843万円を見込み、後年度の負担を7607万円軽減する。(小泉まや)


◎学童保育所 運営基準設定へ…市連協、事業拡充を評価
 函館市の新年度予算案に盛り込まれた学童保育所の運営にかかわる「地域放課後児童健全育成事業費」は1億円を超え、前年度当初比で2300万円増えた。民営学童保育所への委託料が主で、ボランティア派遣事業費、市独自の教材補助費加算なども計上された。20日夜の市学童保育連絡協議会(市連協)と多賀谷智教育長ら市教委との懇談会で、父母らは予算の増額や事業拡充を評価。一方、入所児童の増加に伴う施設の狭あい化などの切実な問題を訴え、運営・設置基準の設定を要望した。市教委は年内にも基準を定める方針を示した。

 市内の学童保育所は本年度、公営4カ所、民営25カ所。新年度から民営は新たに4カ所増え、29カ所となる予定。市は民営に対し、国の基準に基づく委託料に、市独自の施設維持費と環境改善費を加算している。予算案では新たに教材補助費を1施設当たり10万円上乗せする考え。

 また児童館内で運営する民営学童保育所2カ所を対象に、換気設備整備費70万円を盛り込んだ。電磁調理器などを使用した手作りおやつが可能になる。またボランティアを登録し、各施設に派遣するための必要経費40万円も計上した。

 懇談会には市連協に加盟する15施設の父母や指導員ら80人と多賀谷教育長ら市教委生涯学習部職員6人が出席。

 父母らは「障害児を何人受け入れても、1人分しか加算されないので、対応する指導員を増やせず、希望に添えない」「年々、入所希望が増えているが、施設が狭くてすべて受け入れられない」などの実情を伝えた。指導員の待遇改善を含め、児童一人当たりの施設の広さや指導員配置数など、一定の基準を設けることが喫緊の課題として浮かび上がった。

 同部は「基準のたたき台をつくり、市連協の案とすり合わせて設定したい」と話した。(宮木佳奈美)


◎コジマ 桔梗の店舗を閉鎖
 家電量販店大手のコジマ(栃木県宇都宮市)は、函館市内で展開する2店舗のうち「コジマ函館店」(桔梗1)を閉鎖し、同市亀田本町55に「コジマニュー函館店(仮称)」を出店する計画を進めている。新店舗は今秋の開業を目指す。

 コジマ函館店は、1990年6月、国道5号と道道函館上磯線(通称産業道路)の交差点付近に開店。敷地面積は約3410平方メートル、店舗は鉄骨造り2階建てで1階部分約498平方メートルを売り場とし、約85台分の駐車スペースを備えていた。

 営業は12日で終え、業務は「コジマ五稜郭東」(本通4)に統合される形で引き継がれた。空き店舗と土地の活用法は未定。

 新たな店舗の建設予定地は、JR五稜郭駅前で、近隣には2003年1月に開業した競合店がある。敷地面積は約5214平方メートルで、店舗は鉄骨造りの地上3階。売り場は2、3階部分の約4148平方メートル、駐車台数は約116台分を想定している。(浜田孝輔)


◎桧山南部 エゾシカ食害じわり…地元に警戒感
 桧山管内南部ではエゾシカによる農作物や樹木の食害がじわりと広がりを見せ始めた。道内では道東を中心にエゾシカによる農林被害が深刻化。管内でも早急な被害防止対策を求める声も上がっている。

 厚沢部町木間内にある町営オートキャンプ場では昨年10月、町の誕生130年を祝い「町民記念の森」を開設。町民約80人が高さ3メートル ほどのサクラ30本を植樹した。植樹祭の直後から、相次いで苗木がエゾシカとみられる食害に遭った。幹は地上数十センチの高さで樹皮がはぎ取られるように食べられていた。幹の全周で樹皮を失った樹木は枯れるという。

 施設を管理する町は、幹に金属製のネットを巻いて樹皮を保護したが、食害は場内の樹木にも広がりを見せており、対策に頭を悩ませている。

 乙部町では昨春から姫川や千岱野などの山間部で農作物被害が増加。町農林課によると、大豆やブロッコリーの新芽が広い範囲で食べられたほか、保温用に敷かれたビニールシートが踏み荒らされる被害も。町内では昨年、有害駆除と狩猟で6頭のエゾシカを捕獲した。

 江差町でもエゾシカの目撃例は増加傾向だ。昨年8月には、朝日町で用水路に転落して水死したエゾシカ1頭が発見された。前後して周辺地域で水稲が食害を被った。椴川地区の森林でも2月下旬、雪面に残された多数の足跡が見つかり、活発な活動を裏付けた。

 桧山支庁には、管内での農林業被害について、まとまった被害額の報告はないという。だが、乙部町は「被害は限られた範囲に集中している現状だが、このまま生息数が増加すれば被害が爆発的に増えることも心配される。ここ数年が正念場」(農林課)とみる。

 また、狩猟関係者は「管内にはエゾシカ猟を行うハンターが少ない。今はまだエゾシカの警戒心も緩いが、人を恐れるようになると、不慣れなハンターでは俊敏に逃げるエゾシカを仕留めることが難しい。生息数が急増してからでは大掛かりな駆除体制を講じることも難しくなる」と話し、早い時点での対策の必要性を指摘する。(松浦 純)


◎管内小中校に「SOSミニレター」送付…函館地方法務局が体制強化
 学校でのいじめが社会問題化しているのを受け、函館地方法務局(棚橋忠局長)は相談受理体制を強化した。管内の全小中学校の児童・生徒に、便せんと封筒が一体化した「SOSミニレター」を送付。学校や家庭などでの悩みを「こころのメッセージ」として同局に送ってもらい、職員らが対応する。22日からは、相談電話「子どもの人権110番」の番号をフリーダイヤル化し、法務省のホームページ(HP)でも相談を受け付ける。

 法務省のいじめ対策事業の一環で、全国一斉に実施。同局では昨年11月に函館、北斗両市の中学校37校に、全生徒の約3割に当たる約4000枚を送付した。今回、対象を広げ、各学校を通じて管内約230校の全児童・生徒分(約4万3000枚)を配布する。

 二つ折りのA4判で、「こころのメッセージ」として、悩みなどを自由に書き込む。反対側は張り合わせると同局あての封筒になり、切ってを張らずにメッセージを送ることができる。受理すると、同局職員か人権擁護委員が手紙か電話で連絡し、悩みに応じる。

 「子どもの人権―」は、全国共通の番号で受け、最寄りの法務局につながる。受け付けは月曜から金曜の午前8時半から午後5時15分。TEL0120・007・110。HPでは連絡先を入力すると、最寄りの法務局に送信され、実際の相談は電話か面談で行う。

 同局人権擁護課は「電話では保護者からの相談も受け付けている。アクセスしやすい方法で、どんな小さい悩みや相談ごとでも寄せてほしい」と話している。


◎取締本部を設置…道警函本など
 4月に行われる統一地方選を前に、道警函館方面本部と同本部管内9署は21日、第16回統一地方選挙事前運動取締本部を設置した。違法な選挙運動の摘発に向け、監視体制を徹底する。

 函館中央署では同日朝、高橋道夫署長を本部長とする取締本部を設置。同署の山本利光刑事第二課長とともに、同署3階会議室入り口に看板を掲げた。

 道警函本の取締本部によると、20日までに、後援会事務所などに立候補予定者のPRを思わせるポスターを複数枚張るなど、事前運動の疑いのある十数件に警告を出したという。

 道警函本捜査課は「合併による定数削減で激戦が予想される選挙が多くあるため、悪質なケースは告示前でも摘発していく」とし、告示前の戸別訪問や文書配布などに目を光らせ、選挙違反に関する情報収集を強化する。