2007年2月25日(日)掲載

◎函館短大付属幼稚園「音楽会」
 函館短大付属幼稚園(高橋豊園長、園児158人)は24日、函館市民会館で「音楽会」を開いた。愛らしい衣装を身に着けた「小さな音楽家」は、楽器演奏や歌、バトンなど多彩なプログラムを披露。駆けつけた父母らは手拍子や笑顔で会場を盛り上げた。

 同園は3学期、「音楽で遊ぼう」を目標に、学習活動を展開。約1カ月間取り組んだ成果を発表しようと毎年、この時期に音楽会を開いている。満3歳児14人は初めてのステージにドキドキ。卒園を控えた年長組54人は最後の音楽会出演に真剣な表情で臨んでいた。

 年長組は2クラスに分かれ、それぞれ合奏を披露。いつも元気いっぱいのふじ組28人は、手製の面を付けて「手のひらを太陽に」を演奏。木琴や太鼓、タンバリンなどの軽快な音色が響くと、満員の会場から惜しみない拍手が送られた。

 藤田真由ちゃん(6)は「いっぱい練習したから上手に鍵盤ハーモニカを演奏できた。3年間本当に楽しかった。立派な1年生になります」と胸を張っていた。(笠原郁実)


◎函館市長選、事実上の選挙戦突入・西尾氏「市政を改革」/井上氏「大変な戦い」
 函館市前助役の西尾正範氏(58)は24日、4月の函館市長選挙への出馬を正式に表明。現職で3選を目指す井上博司氏(70)との事実上の選挙戦に突入した。西尾氏は「市政の改革が必要」と井上氏を批判。かつての側近と対決することになった井上氏は「大変な選挙になる。陣営を引き締め直すことが必要」と懸命だ。

 西尾氏は昨年末の辞職以来、前日銀函館支店長に市長選出馬を打診するなど、候補の擁立を目指してきた。しかし擁立作業は進まず、今月20日には「もう時間切れだろう」と語った。

 陣営は組織や政党に頼らない「草の根選挙」を掲げる。今後について西尾氏は「函館ラ・サール高の同期生だけでなく、市民団体や医療・福祉団体の方などから応援の声を受けており、政策を誠心誠意訴えることで支持は広げられる」と自信を見せる。

 現職の井上氏に比べ知名度や組織力はないが、市議の中にも立候補を評価する声がある。「心を一つにしている市議もいる。政策協定は結ばないが、市議個人として支援を願いたい」と話す。政界関係者からは「退路を断っての立候補が西尾氏の強み」と分析する声もある。

 一方の井上氏は23日、取材に対し「望んでいなかった残念な戦いだが、危機感は十分ある」と仕切り直した。同日夜に市内のホテルで開かれた道教育大函館校のOB組織「夕陽会」の会合に来賓として出席するなど、公務にも率先して励む。

 陣営も臨戦態勢をさらに強めている。「新人と違って市長は公務があるため十分に活動できないが、その分、自分たちが走り回るしかない。気の緩みは命取り」と後援会幹部。

 井上氏に近い関係者によると、井上氏はこれまで、市長と前助役の「泥仕合」を避けようと、西尾氏の言動にあまり過敏な反応は取らないできた。「そうした意味で井上氏は横綱だが、横綱でも全勝とは限らない。危機感を持って、これからは相当力を入れてくるだろう」と話している。(高柳 謙)


◎西尾氏が出馬会見
 西尾氏は24日、市内のホテルで出馬会見を開き、「わたし自身がすべての責任を引き受けるという気持ちを固め、覚悟するべきだと考えるに至った」と動機を述べた。西尾氏は、市民に開かれた市役所改革や人材育成に重きを置くマニフェスト(選挙公約)を掲げ、「市民の審判を仰ぎ、信を問いたい」と語った。

 選挙の戦い方については、特定の政党や団体との協定や推薦を受けず「広く現状の函館を憂える市民が結集する草の根運動を展開したい。大きなうねりでまちを変えていきたい」と述べた。

 選挙戦の争点には、政治倫理、水族館建設の是非、人材と技術の育成―の3点を挙げた。特に水族館については「反対が多く、将来に赤字の不安がある状況で造るべきではない。子育て支援や教育に金を投入すべきだ」とし、井上氏との対決姿勢を強めた。

 政財界情報誌主宰者と福祉施設の許認可に絡む問題に触れ、「開かれた市政運営」を挙げ、市長室の開放や事業本部制の導入、民間からの積極的採用、若手職員の育成などを掲げた。

 4年間の目標を「教育立市・人材育成都市」とし、施策の柱として子育て支援や教育環境の充実、大学を中心とした産業創出のプロジェクトや、コンベンション都市の形成、新幹線時代を見据えた交通体系の整備などを示した。(今井正一)


◎小型ラジコンヘリ「ハニービー」人気
 屋内で楽しむ小型ラジコンヘリコプター「ハニービー」が、全国の子どもから大人まで幅広い層で人気を呼んでいる。函館市内・近郊でも、大型スーパーや専門店などで入荷するたびに飛ぶように売れ、品薄状態が続いている。

 ハニービーは、おもちゃと家電の「シー・シー・ピー」(埼玉県川口市)製。全長約15センチ、重さ10グラムで、大人の手の平にも乗るコンパクトさ。充電式電池を内蔵し、約30分の充電で飛行時間は約5分、飛行距離範囲は約5メートル。発泡スチロールなどで作られており、丈夫な機体。赤外線コントローラーで左右に旋回できる。希望小売価格5229円。

 北斗市七重浜4のダイエー上磯店では、文具・玩具売り場で1月から陳列。売り場担当者によると、客は手に取り「こんな小さなヘリコプターがあるんだ」などと感心しながら買い求めるという。

 函館市若松町の棒二森屋6階のおもちゃ売り場では、人気で品切れ状態。昨秋から売り出し、月に10―20台が売れるという。6階フロアの三ツ石誠課長は「大人向きでもあり、親が買った後に子どもの分を買うこともあるようだ」という。

 同市石川町52のトイザらス函館店(蓮本健吾店長)では、昨年7月の入荷以来、好調な売れ行きが続く。同商品を含むラジコン類部門の売り上げは、例年の1・7倍ほどという。蓮本店長は「特に男性に人気。クリスマス、正月時期にあったピークは越しましたが、まだまだ根強い人気がある」と話す。

 同店などによると、人気の秘密は「小さい、簡単、壊れにくい」が挙げられるという。また、「ラジコンヘリは高価」という既存イメージを覆す手ごろな価格も大きな要因の一つ。同店では3999円で販売中。

 屋内で飛ぶ姿は、操作する側、見る側ともに楽しめる。1人でも、家族や友人たちと一緒でも盛り上がることができ、幼児から成人まで幅広い年齢層に受け入れられているようだ。

 蓮本店長は「北海道では冬場、外で遊ぶ機会が減って屋内で過ごすことが多いので、居間で遊べるような商品は時に魅力があるのでは」と話している。(田中陽介)


◎江差消防職員協議会が初の研修会、脳疾患把握へMMT学ぶ
 【江差】江差消防職員協議会(加賀武志会長)が主催する初めての職員研修会が23日、江差町のホテルニューえさしで開かれた。江差消防署を中心に渡島・桧山管内から約30人の消防職員が参加。救急現場で脳疾患の把握に役立つ「徒手筋力テスト(MMT)」の普及に向けた実技研修や過疎地域の救急業務の課題について意見交換した。

 同協議会は消防職員の自主組織として結成。両管内の消防職員の広域的な連携強化や、新技術の普及を目的に初の研修会を開いた。

 実技研修では、脳疾患に伴い手足に生じる軽いまひ症状を把握し、症状を6段階で判定するMMTを学んだ。脳神経外科が1カ所だけの桧山南部では、救急隊員が現場で脳疾患の兆候を把握して適切な搬送先を選ぶことが課題になっている。

 参加者は2グループに分かれてMMTの評価法を学習。加賀会長は「桧山ではMMTは導入が始まったばかり。救命救急士だけでなくすべての消防職員に普及したい」と話していた。

 研修会では、過疎地域の救急体制をテーマに意見交換した。桧山南部では軽度の治療を行う1次医療機関が9カ所あるが、入院を要する患者を治療する2次医療機関は1カ所だけ。脳・心疾患などの重症患者は函館市の3次医療機関に搬送している。

 参加者からは「地元の医療機関を通さずに函館の3次医療機関に搬送するのは、制度的にも難しいが、その間の時間的ロスは大きい。病院と消防の十分な意思疎通が必要」との指摘も。「年間400件ほどの救急出動があるが、半数は函館に転院搬送している。出動が重なると救急車のやり繰りが困難になる」(渡島管内の参加者)との声もあり、近隣消防署や医療機関との連携やヘリコプター搬送の有効性などについて議論を交わした。(松浦 純)


◎舞台セミナー卒業公演「銀河鉄道の夜」熱演
 演劇への知識を深める函館舞台塾2006演劇教室「第8回舞台セミナー卒業公演」(函館市文化・スポーツ振興財団主催)が24日夜、函館市芸術ホールで開幕した。25日までの2日間の日程。受講生は、1年間に及ぶ練習の成果を存分に発揮し、幻想的な舞台づくりと出演者の熱意あふれる演技に、来場者から温かい拍手が送られた。

 昨年5月に開講した06年度のセミナーは、高校生から60歳代までの14人が受講。演技を学ぶキャストコースと舞台装置や音響・照明を学ぶスタッフコースに分かれ、市内の演劇やダンスの主宰者らの指導を受けながらけいこを積んだり、大道具を製作したりしてきた。

 卒業公演は、宮沢賢治の童話を基にした「想稿 銀河鉄道の夜」(作・北村想)。北十字星から南十字星に至る夢の旅物語。幻想的な世界の下、主人公ジョバンニと親友カムパネルラがさまざまな登場人物と出会い、別れていく。

 すべてが手づくりの舞台で、何があっても生きていく姿を熱っぽく表現。1人で何役もこなす忙しい出演者もいる中、みな登場人物の持ち味を出し切った。卒業公演にふさわしい演技となり、観客からは盛んに拍手が送られた。

 25日は午後5時から。入場料500円。問い合わせは同ホールTEL0138・55・3521。(佐々木 司)