2007年2月4日(日)掲載

◎大沼函館雪と氷の祭典が開幕
 【七飯】第41回大沼函館雪と氷の祭典(実行委など主催)が3日、七飯町内の大沼国定公園広場で開幕した。4日までの2日間、力作ぞろいの雪像、氷像など50点余りが公開されるとともに、さまざまな催しが行われる。

 同祭典は1964年に「函館・七飯(大沼)・松前・江差」が国際観光ルートとして指定されたことを記念し、翌65年から始まった、道南の冬の一大イベント。

 初日は家族連れや観光客ら大勢の人でにぎわった。大沼湖から切り取った氷の板で造ったジャンボ滑り台は大人気で、滑り降りる子供たちの歓声が響き渡った。

 期間中、中雪像コンクールが開かれ、同町内や函館市などの8チームがそれぞれ高さ3メートル弱の雪像を製作。また、会場には人気キャラクターをモデルにしたオリジナル雪像などが並んでいて、来場者の目を楽しませている。

 今回は函館・大沼・噴火湾ルートがシーニックバイウェイに指定されたことを記念し、特設会場にキャンドルを設営。夜には「シーニックdeナイト」と称し、キャンドルをともした。

 最終日の4日は午前10時から大沼婦人会館でフリーマーケットが開かれるほか、午後1時には中雪像コンクールの審査発表と表彰式が行われる。(鈴木 潤)


◎パスポート発給件数、2年ぶりに増加
 2006年に渡島管内で発給された一般旅券(パスポート)の件数は、前年比12・7%増の6996件で、2年ぶりに増加した。1995年から発給が始まった10年間有効旅券が有効期限を迎えたことによる切り替え需要が全体を押し上げるとともに、2003年に発生した新型肺炎(SARS)以降の回復基調が軌道に乗ったためとみられる。

 内訳は、10年旅券が同35・8%増の3736件。このうち有効期間内での切り替えが同78・4%増の944件で、新規発給は同25・6%の2792件。一方、5年旅券は新規と切り替え合わせて同5・6%減の3257件で、6年ぶりに10年用が5年用を上回った。このほか往復・限定旅券が3件。

 年代別では例年通り20代が1338件で最多だったが、同2・6%の減。未成年も1142件の同7・4%減で、若者の減少傾向が目立つ。これに対し、50代が同34・5%増の1315件、60代が同44・0%増の848件、70代が同24・2%増の298件と、中高齢者の大幅な伸びが顕著となっている。性別では男性が同8・1%増の3233件、女性が同17・0%増の3763件。

 市町別で見ると、函館市が全体の73・9%の5167件で、2位は北斗市の664件(全体の9・5%)、3位は七飯市の458件(同6・5%)と3市町で全体の89・9%を占めた。

 過去20年間の一般旅券発給申請件数は、1986年の4209件からほぼ毎年上昇を続け、96年に1万1662件でピークを迎えた。98年には9720件と1万件を割り込んだが、2000年には再び1万1651件まで回復。しかし、01年の米同時多発テロや03年のSARS騒動などで同年は5168件まで落ち込んだが、その後は順調に回復を続けている。(小川俊之)


◎アイスキャンドルナイト 沿道にほのかな明かり
 NPO法人(特定非営利活動法人)「スプリングボードユニティ21」(折谷久美子理事長)主催のアイスキャンドルナイト「シーニックdeナイト」が3日夜、函館市富岡町の道道本通富岡線で行われた。道路を管理する函館土木現業所の協力で街灯が消され、キャンドルのほのかな明かりが沿道にともされた。

 同NPO法人は、花の植栽活動を行うなど、街の活性化に取り組んでいる。今回、「冬のガーデニング」として、アイスキャンドルを利用した取り組みを企画。折谷理事長は「手作りの明かりで、もっと愛される道になりますように」とあいさつ。参加者は事前に用意したアイスキャンドルや樹脂のろうそくを持って準備を始めた。

 同道道約600メートルの植樹升に沿ってキャンドルを設置。降り出した雨のため、火が着かなかったり、消えてしまったりと難航したが、通りかかった市民も足を止め、キャンドルを眺めていた。(今井正一)


◎道南圏少子化フォーラム 道南の未来像探る
 急速に進行し、社会問題となっている少子化について、地域住民自らが意見を出し合い、改善策を考える「2006年度 道南圏少子化フォーラム」(渡島地区少子化対策圏域協議会主催)が3日、函館市内の函館国際ホテルで行われた。基調講演とシンポジウムを通し、時代を担う若者たちが安心して生活し、子育てができる道南の未来への展望を探った。

 今年で3回目となるフォーラムのテーマは「わたしたちが暮らす道南の未来に向けて」。地域に巣立っていく若者代表として、大山格臣君(函館東高1年)と加須屋藍さん(大野農高2年)、社会人代表として建設業の秋田広樹さん、助産婦の蛭子井真樹さんをシンポジストに迎え、渡島教育局社会教育指導班の住吉聡主査をコーディネーター、北斗市在住の落語家・三遊亭洋楽さんを助言者に意見交換した。

 住吉主査からの「少子化問題解決の前提として、若者が自立し家庭を持つことのできる社会づくりが必要ではないか」という問い掛けに対し、大山君は「漠然と自立しなければいけない気持ちはあるが、具体的に将来何をやりたいか夢や希望はまだ固まっていない」。加須屋さんは「介護関係や動物に関する仕事など、やりたいことは幾つかあるが絞り切れていない。周りの大人からの期待がプレッシャーになることも多い」と若者の本音を語った。

 一方、秋田さんは「仕事というのは幾つかの壁を乗り越え、初めて楽しさが分かるものだが、壁を越える前にやめてしまう若者が少なくない。先輩が若者を上手にサポートしてあげる必要がある」。蛭子井さんは「自分の高校生の子供を見ていると、まだ自立して生活できる状態ではない。小中学生から料理や身の回りのことなど、親が段階的に教えていかなければいけない」と、大人としての役割の必要性を指摘した。

 シンポジウムの前に行われた基調講演では、洋楽さんがトークと落語を披露。奉公に出した息子の帰宅をめぐる親子の人情話で、ユーモアたっぷりの語り口に来場した約130人は引き込まれていた。(小川俊之)


◎道高校工業クラブ大会 函工電気科アイデア大賞
 函館工業高校電気科の3年生8人が製作した「ラジコン飛行船」が、旭川市で開かれた道高校工業クラブ大会(道高校工業クラブ連盟など主催)でアイデア大賞に輝いた。11月に沖縄県で開かれる全国産業教育フェアに出展できる推薦校にも選ばれ、班長の佐藤成人(まさひと)君(17)らメンバーは「苦労を重ねたのでとてもうれしい。『ものづくり』の楽しさを学んだ」と喜んでいる。

 同大会は工業に関する実験や調査、研究を発表する場で、同校は課題研究部門が創設された昨年から出場し、入賞は2年連続。

 メンバーが構想を練り始めたのは昨年4月。部活動や学校祭など学校行事の上空撮影に活用してもらおうと、ゴンドラ部分にワイヤレスカメラを搭載した「ラジコン飛行船」の製作を決めた。

 バルーンとゴンドラの部分に工夫を凝らした。バルーン部分(縦0・9メートル、横2・8メートル)は、農業用ビニールシート2枚で作り、内部にヘリウムガスを詰めた。ガス漏れを防ぐため2枚を両面テープで張り付けた後、熱を加えて溶接した。

 ゴンドラ部分には上下、左右、前後の動きを制御する3つのモーターを設置し、安定した飛行を実現。重量を極力軽くするため、動力源をバッテリーから電池に変更するなど約9カ月間かけて完成させた。上下の動きに課題が残ったが、屋内でのカメラ撮影は満足できる仕上がりとなった。

 佐藤君は「一致団結、みんなで協力して作り上げることで大変さと楽しさを味わうことができた」と晴れやかな表情で話す。

 メンバーは3月に卒業するため同フェアには参加できないが、同科2年生が実用化に向け、研究を引き継ぐ予定。(笠原郁実)


◎江差なべまつり開幕 多彩な鍋堪能
 【江差】江差観光コンベンション協会(打越東亜夫会長)主催の「第7回冬江差“美味百彩”なべまつり」が3日夕、町立江差中学校グラウンドで開幕した。冬の江差を象徴する厳しい“たば風”の中、大勢の来場者が多彩な鍋料理を心ゆくまで堪能した。

 7回目を数える「なべまつり」には、同町内をはじめ、上ノ国町や松前町などから約30店が出店。「クジラ汁」や「ゴッコ汁」といった道南伝統の鍋料理をはじめ、青森県八戸市に古くから伝わる「センベイ汁」や秋田県を代表する「きりたんぽ鍋」、住民有志でつくる奥尻島元祖三平汁研究会による、こだわりの「三平汁」など、珍しい鍋料理が人気を集めた。

 3日夕は激しい風雨が吹き付ける、あいにくの空模様だったが、来場者は会場のビニールハウスの中で白い息を吐きながら、あつあつの鍋料理に舌鼓を打っていた。

 4日は午前11時から午後2時まで。鍋料理は1杯300円。抽選会もあり、鍋1杯につき抽選券1枚がもらえる。天候によって関連イベントの休止や変更もある。

 また、同日午後2時半からは、会場に近い町文化会館(茂尻町)で「江差郷土芸能フェスティバル」(同協会主催)を開催。江差追分、江差もちちきばやし、江差沖揚げ音頭、江差鮫(さめ)踊り、江差五勝手鹿子舞(ししまい)など、江差が誇る多彩な郷土芸能が披露される。入場無料。

 問い合わせは同協会事務局TEL0139・52・4815。(松浦 純)