2007年2月5日(月)掲載

◎綱引きや玉入れ…あいよる21でふれあい交流会
 高齢者や障害者、母子、児童らがゲームなどを通して幅広く交流を深める「第12回ふれあい交流会」が4日、函館市若松町の市総合福祉センター(あいよる21)で開かれ、約300人の参加者でにぎわった。

 市社会福祉協議会が中心となり、市内の各種団体による実行委員会が主催。冬場の運動不足を解消してもらおうと毎年2月の第1日曜日に行っている。

 ラジオ体操で体をほぐしたあと、じゃんけんジェンカ、玉入れ、玉転がし、綱引き、フォークダンスの5種目のレクリエーションを実施。綱引きは参加者を30人ずつのチームに分け、2本先行した方が勝利となるルール。即席のメンバー編成にもかかわらず、息をぴったり合わせてぐいぐい引っ張るチームもあれば、タイミングが合わずに、一気に崩れ落ちるチームも。

 最後には節分の時期らしく、かみしも姿の主催者が壇上から「鬼は外、福は内」の掛け声に合わせてお菓子をまくと、参加者は先を争って拾い集めていた。

 母親と参加した中川広健君(函館中部小1年)は「試合には勝てなかったけど玉入れがとても面白かった。最後にお菓子をもらえるのが楽しみ」と話していた。 (小川俊之)


◎05年度の健診受診者、8割が病気・予備軍
 市立函館保健所が実施している基本健診で、2005年度の受診者の約8割が何らかの病気か、その予備軍の状態であることが、同保健所のまとめで分かった。血圧測定、採血による脂質検査や糖尿病検査などで基準値を上回り、高血圧や高脂血症など生活習慣病の疑い、肥満傾向が指摘された。同保健所は「健診結果から生活習慣を見直し、予防や早期対処につなげてほしい」と話している。

 自営業や専業主婦ら定期的に健診を受ける機会のない満40歳以上の市民を対象に、市総合保健センター(五稜郭町23)で平日に週3回、土・日曜、夜間は月1回、4―11月は各町会館を巡回して実施している。

 05年度の受診者1万3564人(男性4376人、女性9188人)のうち、異常なしと判断されたのはわずか2308人(17・0%)。

 今は病気ではないが放置すると発病の恐れがある状態の「要指導」は4050人(29・9%)、医療機関での詳しい検査を要する状態か、既に受診済みで現在の治療継続が必要な「要医療」は7206人(53・1%)だった。

 過食や運動不足による内臓脂肪型の肥満と、糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病の2つ以上を合併した状態が「メタボリックシンドローム」。40―74歳の男性で2人に1人、女性は5人に1人が該当または予備軍といわれている。血管の状態を悪化させ、脳卒中や心臓病に至る危険性が高まる。

 同保健所が把握する受診対象者5万9208人に対し、05年度の受診率は22・9%にとどまっいてる。2000年度の受診率は15・0%で、休日や夜間に健診日を設け、40歳になった人を住民基本台帳から抽出し、案内を送付するなどの手だてを講じた結果、7・9ポイント上昇した。徐々に増えているものの、依然として受診率は低い。

 同保健所は「生活習慣病はじわじわと体をむしばんでいくので、自分の体の状態を知るため、年に1回は健診を受けてほしい」と呼び掛けている。

 健診についての問い合わせは同保健所成人保健係TEL0138・32・1532。 (宮木佳奈美)


◎高齢者運転講習の受講伸び悩む
 高齢ドライバーによる交通事故の増加を受け、昨年新設された高齢者講習(3号課程)で、道南の受講者数が伸び悩んでいる。通常の運転免許更新時の高齢者向け講習と比べて時間が長く内容も豊富だが、逆に長時間や割高な費用面がネックになっているようだ。道警函館方面本部管内では、免許人口の高齢化が進み、高齢運転者の交通事故も増加していることから、同本部は「自らの身体機能や運転能力の衰えを再認識する場にしてほしい」(運転免許課)と、シルバードライバーの受講を呼び掛けている。

 3号課程の講習は、昨年5月に新設、指定自動車教習所で受けることができる。講習時間は更新時の高齢者講習より1時間長い4時間。対象は70歳以上で、受講者3人につき指導員1人がつき、動態視力測定や実技で自分の運転能力を判定したり、自らの運転体験を語り合うなど、時間、内容とも最も充実している。

 函本管内の昨年の受講者は58人で、道内5方面の中で最も少なかった。免許証の更新申請の半年以内に受講すると、更新時の高齢者講習が免除になるため、同課はホームページ(HP)などでPRしているが、あまり増えていない。長い講習時間や更新時講習より割高なことなどが要因という。

 一方、管内の運転免許人口に占める高齢者の割合は増加を続けている。昨年末現在で、65歳以上の運転免許保持者は前年より1957人増えて3万9611人。全体(28万8653人)の14%を占め、25歳未満の若年運転者の9%を大きく上回っている。

 同課は「これまでは高齢者を交通事故被害者として対策を講じてきたが、講習を通じて加害者になりうる対策もしなければ」と指摘。「健康診断を受ける感覚で、年1回は受けて身体能力や判断力の低下を認識し、安全運転に役立ててほしい」と話している。 (原山知寿子)


◎農協1億円盗難 元課長きょうにも再逮捕
 函館市亀田農協本店(函館市昭和4、山岸栄一組合長)で昨年12月、金庫室から現金約1億円が盗まれた事件で、犯行を自供した同農協の元金融部運用課長、今正光容疑者(57)=詐欺容疑で逮捕、送検済み=が、犯行前に同本店内部に潜んでいたことが4日までに、函館中央署の調べで明らかになった。同署は5日、今容疑者を盗みの疑いで再逮捕する方針。

 今容疑者は今年1月、顧客から現金150万円をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された。動機を追及されるなどした結果、1億円の盗難事件についても犯行を自供。供述通り、自宅近くの畑地からは現金の大半が見つかっている。

 同署のこれまでの調べに対し、今容疑者は当初否認していた詐欺容疑を認めたほか、1億円を盗み出した手口も詳細に供述しているという。昨年12月4日夜、残業中の職員に退社したように見せかけ、いったん出店した後、再び通用口から侵入。残っていた職員が帰るまで2階に身を潜めていたという。

 職員が全員いなくなった後、動きだしたところ、警報装置が作動。警備会社からの電話に実在する職員名をかたってその場をしのいだ。警備会社が来店するのを恐れ、トイレの窓から脱出。警備会社が来ないことを確認後、再び忍び込み、用意していた袋などに金を詰め、応接室の窓から運び出したという。

 今容疑者はパチンコなどのギャンブルで、同農協や消費者金融などに4千数百万の借金があったことが分かっている。「月60―70万円に上る借金返済に困っていた。1億円の一部は顧客への弁済や、借金の返済に充てた」などと動機を供述しているという。

 同署は再逮捕した後、犯行状況や動機をさらに追及し、事件の全容解明を進める。


◎「60歳からの主張」コンクール・小野明夫さん全国入賞
 全国老人福祉施設協議会主催の「第3回60歳からの主張」コンクールで、函館市西旭岡町3の小野明夫さん(70)のエッセー「次世代に伝えたいこと」が見事、論文部門の佳作に入賞した。5部門に全国から1738作の応募があり、入賞者はわずか10人。小野さんは「入賞するとは思っていなかったが、自分の思うことを素直に文章に記したことが審査員に受け入れてもらえ、うれしい」と喜んでいる。

 「60歳からの主張」は、少子高齢化の時代に、60歳を第2の成人のスタートと考え、高齢者の胸の内を社会に発信してもらおうと、論文、俳句、川柳、短歌、絵の5部門で実施。小野さんが応募した論文部門には621編が集まり、赤瀬川原平氏、阿久悠氏などそうそうたる審査員によって、優秀賞3人、佳作4人が選ばれた。

 若いころから文章を書くことが好きだった小野さんは1961年、戦争時代の自身の疎開体験をベースにした小説「北斗の子」が出版され、NHKテレビでドラマ化されるという経験を味わった。しかし、病院でリハビリの仕事に携わるなど激務のために、その後は思うように執筆活動を続けることができなかった。

 今回のエッセーでは、自分自身の若いころに対する反省と、老後の生活への不安や不満を皮肉まじりに痛烈に表現。「最近はテレビやニュースなどでも腹の立つ事件ばかり。高齢者の思いを率直に伝えたかった」と話す。

 1月29日に東京のホテルニューオータニで受賞式が行われ、小野さんも出席。「何年ぶりかで東京を訪れたが、街のエネルギーに圧倒された。函館にももっと活気が欲しい」と話す。

 小野さんはこれまで、社会に対する風刺を利かせた1200首の川柳を書きため、現在は一つひとつに解説風のコラムを付けて完成を目指している。すでにいくつかの出版社と書籍化の話も進められており、「これから手直しを加えて、年内にも出版にこぎつけたい。この年齢になってもやりたいことがたくさんあって、1日32時間ほしいくらい」と、ちゃめっ気たっぷりに笑顔を見せている。(小川俊之)


◎道議選函館市区・大日向氏が出馬表明
 元函館市議で社会福祉法人理事長の大日向豊吉氏(56)は4日、市内で行われた後援会臨時集会の席上で、4月の道議選函館市区(定数6)に立候補することを正式に表明した。自民党に公認申請中だが、公認されない場合は保守系無所属で出馬する意向。同区は現職6人、元職と新人3人の出馬となり、自民・保守系では4人目の名乗り。

 大日向氏は「高齢化社会が進む中、老人介護の現場などで福祉に関する、さまざまな問題が噴出している。福祉の現場で働く人間として、行政に対してはっきり意見を言っていきたい。民間主導の福祉を進め雇用を拡大し、経済活動を活発化させたい」と訴えた。また「他候補に比べ出遅れた感はあるが、短期決戦で挑みたい」と意欲を見せた。

 大日向氏は1950年、函館市生まれ。法政大学経済学部(通信制)卒。市消防本部勤務などを経て、現在は社会福祉法人理事長として特別養護老人ホームなど3施設を運営している。87年から市議を3期務め、99年の函館市長選、2003年の道議選函館市区に出馬し、落選している。 (小川俊之)