2007年2月8日(木)掲載

◎シマリスお目覚め…函館山旧登山道
 函館山の旧登山道コース4合目付近で7日、シマリスが、営巣している石垣のすき間から顔を出し、外の様子をうかがう姿が見られた。

 シマリスは冬、枯れ葉などにくるまって眠るが、2月に入ると1―2週間おきに起きる。秋に採っておいた食物を食べ、また眠る。暖かくなるにつれ、顔を出す頻度が増してくる。山に春が訪れると登山道などを歩いたり、ヤマザクラの木の枝に登るなど、愛らしい動きを見せる。

 函館市内は6日午後に積雪はゼロとなったが、巣の付近には雪が残っている。シマリスは時折吹き付ける雪を顔に受けながらしばらく外を眺め、巣に戻った。(山崎純一)


◎帯広便など減便示唆…エアトランセ
 函館―新千歳など3路線の廃止を決めた地域コミューター航空、エアトランセ(函館市高松町、江村林香社長)は7日、既存路線の函館―帯広、函館―女満別の2路線について毎日の安定運航を続けていく考えを示した。ただ、両路線とも2往復体制からの減便やチャーター便転換など、見直しも視野に入れていることを示唆し、新たな事業展開の準備を進めていることを明らかにした。

 一部報道で定期便事業からの撤退が伝えられたが、同社は「非常に困惑している」とコメント。江村社長は8日午前、同社で記者会見を予定している。

 同社が7日に発表した文書では、搭乗率は低いものの函館―帯広、函館―女満別の安定運航を続けていくことで、各地域の活性化に役立ちたいとしている。ただ、利用客に迷惑をかけない形での修正を行い、今後は「新たな事業展開の各種準備は進めている」とした。

 路線の縮小や同社の事業展開について、函館空港ビルデングは「いろいろと相談を受けてきたが、具体的な運航計画について正式には聞いていない」とし、近日中にも江村社長から直接、事情を聴く予定。市港湾空港部は「函館を拠点にした航空会社の経営モデルとしてチャレンジしている点からも、何とか頑張ってほしい」と話している。

 エアトランセは、医療機器製造販売会社シェンペクス(群馬県前橋市)が立ち上げた航空会社、エアァシェンペクスが前身で、就航前に事業譲渡され2004年8月に会社名を変更して設立。05年3月に函館―帯広で運航を開始した。

 同年10月には函館―新千歳、新千歳―帯広を、06年4月には函館―女満別、同6月には新千歳―女満別を次々と就航。また、保有機も同10月に3機とし、同11月には函館空港に隣接する格納庫に事務所を集約するなど、業務を拡大してきた。

 しかし、同年12月から帯広―新千歳を運休したのを皮切りに、この2月からは函館―新千歳、新千歳―女満別も運休。6日には、4月から運休3路線と、同社の新千歳運航整備基地を廃止することを発表したばかり。

 搭乗率も低迷が続き、当初の目標70%には及ばず、1月は函館―帯広で46・7%、函館―女満別で38・3%にとどまった。(浜田孝輔)


◎平均倍率減1・7倍…市内7私立高校出願状況
 函館ラ・サール高校を除く函館市内の私立高校は7日までに、2007年度入学願書の受け付けを締め切った。7校合わせた出願者総数は2903人(前年度比107人減)。総定員に対する平均倍率は1・7倍(同0・3ポイント減)。学科・コース別では、函大付属有斗の特別進学コースが11・4倍で最も高い倍率だった。

 道教委の公立高校適正に基づき、本年度は遺愛13人、大谷18人、函大柏稜8人、白百合18人、函大有斗18人、ラ・サール5人定員を削減。

 このうち本年度募集からコース名称変更する大谷は普通(進学・就職)コースが1・3倍、体育コースが0・9倍となった。

 函大付属有斗の特別進学コースのほか、遺愛女子の特別進学コースが前年と変わらず3・8倍、函館白百合の看護・医療系進学コース2・6倍(前年度比0・5ポイント増)と高倍率になった。 函館ラ・サールは郵送でも願書を受け付けており、7日消印分を含め、出願状況は後日発表される。

 一般入試は16日、合格発表は22日にそれぞれ行われる。(笠原郁実)(終)


◎函館の観光情報 携帯におまかせ…未来大1年生グループ サイト開設準備着々
 公立はこだて未来大の1年生でつくるプロジェクトグループ「Three Funs(スリーファンズ)」は、函館市内・近郊の観光地を紹介する携帯電話サイト「はこデジ(仮称)」の試作品(デモ版)を制作し、開設に向けて準備を進めている。サイトでは、観光地の写真と解説を載せているほか、データの受け取りと同時に再生する「ストリーミング方式」を採用した動画配信にも対応。道南の広域観光サイトとして4月以降に立ち上げたい考えだ。

 「Three―」は森貴揮さん(19)をリーダーに平野裕生さん(20)、増渕史寛さん(19)の3人。同大鈴木克也教授のゼミ生らが制作を進めてきたデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の観光情報コンテンツがベースで、携帯電話でも情報を提供しようと昨年11月ごろから本格的に取り掛かった。

 デモ版は、函館山・元町エリアやベイエリア・駅前地区エリアなど7つのエリアで構成。「見る・学ぶ・遊ぶ」の3ジャンルから観光施設などを紹介し、関連情報などと合わせて約50コンテンツを設けた。

 今後は、食ジャンルや地図を加えるほか、道南の広域観光サイトとしてエリアを広げる。また、QRコード(2次元バーコード)を載せた観光パンフレットを作成し、連動していくことも検討している。

 森さんは「動画の通信費が莫大(ばくだい)にかかることやアクセスしてもらう仕組みづくりなどが問題。ツアーガイド並みの情報を提供し、ビジネスにつなげられれば」と話している。 (工藤康行)


◎本年度は8校統廃合…桧山管内
 【江差】少子高齢化が進む桧山管内では本年度末までに、3町で小中学校8校が統廃合などを理由に廃校となる。管内の小学校は34校、中学校は13校となる。

 江差町では朝日、日明、水堀の3小学校が廃校。3校の統廃合に伴い「江差北小」が水堀小を母体に開校する。町内の小学校は江差、南が丘、江差北の3校となる。

 厚沢部町の山間部にある小規模校・清水小中学校も廃校。今金町も花石、八束、金原の3小学校を廃校とし、今金小に統合するほか、児童減少で休校中の中里小を廃校とする。

 8校の廃校に伴い同管内では、小学校34校(本年度休校の3校を除く)、中学校13校となる。本年度、同管内では中里小のほか、せたな町の左俣・二股両小が休校している。

 廃校となる小中学校では、いずれも地域の少子高齢化により、児童・生徒数の回復が期待できない状態にある。複数の学年が同じ教室で授業を受ける「複式学級」による学校運営が長期化しているほか、運動会など学校行事の運営にも支障を来していた。また、各町の厳しい財政事情から、小規模校の集約による効率化を図る動きも進んでいる。

 同管内では、2004年度に厚沢部町の滝野小など小学校3校が廃校。乙部町では乙部、姫川、富岡、栄浜、明和の5中学校を新設校の乙部中に再編した。05年度にも上ノ国町の大崎小など小学校3校、中学校2校の合計5校が休廃校し、小中学校の減少が進んでいる。

 管内南部では、18日に水堀小、25日に日明小、3月4日に朝日小で、同20日には清水小中学校で閉校式が行われる予定。(松浦 純)


◎タクシー強殺から49日…捜査員が遺体発見現場で黙とう
 北斗市のタクシー運転手八木橋朋弘さん(42)が殺害され、売上金などが奪われた強盗殺人事件で、函館西署などの合同捜査本部の捜査員は7日、函館市港町3の遺体発見現場を訪れ、事件の早期解決を誓い、黙とうをささげた。

 発生から未解決のまま四十九日の法要を迎えたことから、捜査本部の幹部3人が現場の函館港岸壁に献花。線香を上げて静かに手を合わせ、八木橋さんの冥福を祈るとともに、犯人検挙に向けた決意を新たにした。

 道警函館方面本部の小関敏行捜査課長は「被害者や遺族の無念を晴らすため、必ず犯人に到達することを約束した。道民の方々の不安を一刻も早く解消するためにも、より一層捜査を進める」と力を込めた。

 捜査本部は発生から延べ約9000人の捜査員を導入。物証に乏しく、事件は長期化の様相を呈しているが、今後も聞き込みや不審者の洗い出しに全力を挙げる。情報提供は同本部TEL0120・004・179。