2007年3月1日(木)掲載

◎春告げるフクジュソウ
 連日、暖かい日差しを受ける函館山の斜面では、キンポウゲ科多年草のフクジュソウの姿が目立つようになってきた。黄金色の花は、福を招き縁起が良いとされる。付近をよく訪れる人によると、「ことしは暖冬で、花は例年より3週間ぐらい早いのでは」と話している。

 函館海洋気象台によると、28日の函館市美原の最高気温は、3月中旬並みの4・2度まで上がった。2月は最高気温が氷点下となる真冬日が一度も無く、1931年以降、初めてという。また、江差でも同月の真冬日は12日の1日のみで、1997年以来、10年ぶりの少なさとなった。

 道内では、日高管内浦河町でも、18年ぶりとなる真冬日がゼロ。札幌では平年で15・1日だが、ことしは半分の7日間だった。(山崎純一)


◎函館商工会議所と銭亀沢商工会/統合協定書 締結
 函館商工会議所(高野洋蔵会頭)と函館市銭亀沢商工会(中浜八郎会長)は28日、同市内の竹葉新葉亭で、4月1日の統合に向けた協定書の締結式を行った。両団体の議員・会員らが見守る中、高野会頭と中浜会長、そして立ち合い人を務めた井上博司市長が署名。今後、同商工会は31日付けで解散するものの、同会議所銭亀沢支所に名称を変更して業務を継続。同会議所は新年度から、支所を備えた組織として生まれ変わる。

 同会議所は1895年、同商工会は1961年にそれぞれ発足。市が66年12月に旧銭亀沢村と合併した後、80年から商工団体の在り方について模索してきたが、商工会議所と商工会との性質の違いや慎重論が上がったことなどから、議論が進展しなかった経緯がある。

 しかし、2001年に道からの補助金が削減され、04年には市亀田商工会(大角正治会長)を交えた3団体で統合に向けた協議を再開。しかし、05年3月に、同商工会が協議からの脱落を表明したものの、同会議所と市銭亀沢商工会は統合に向けた話し合いを重ね、今回の同意に至った。

 締結式では、中浜会長が「1地域1経済団体のあるべき姿に向けて熱心な働きかけと、積極的な考え方が締結するに至ったゆえんと考える」とあいさつ。協定書に3氏で署名をした後、握手を交わして新たな体制でのスタートに向けて決起を誓った。

 井上市長は「今回の統合合意は双方の団体、函館市にとって、歴史的にも記念すべきもので、感慨深いものがある。新しい商工会議所では、それぞれの特色や培ったノウハウを十分に発揮し、一体感を持ってより一層地域に愛される存在になってほしい」と祝辞を述べた。

 高野会頭は「今日まで長い道のりだった。新幹線の着工と同様、長年の懸案事項だったことを考えると、感無量と言える」と心境を語った。また、1市1経済団体を原則として掲げていることから、現存する亀田商工会と東商工会については「一概にすぐにとは行かないまでも、これからも両商工会との接触を続け、交渉を進めながら、できるだけ統合の機会が熟すように努めていきたい」と話していた。(浜田孝輔)


◎第3セクター「南かやべ健康村」破たん
 函館市の第3セクター「南かやべ健康村」(大船町、関根弘社長、資本金5000万円)が3月末で解散することが28日、分かった。2月27日に開いた臨時株主総会で決定。累積欠損金がことし1月末で約7400万円に増え、収支が改善する見込みが立たないため。今後、清算方法などを検討し、従業員11人は3月末で解雇する。

 同社は、旧南茅部町と、地元商工業者が出資して1994年8月に設立。95年4月から町営温泉施設「南かやべ保養センター」と、同年10月からホテルひろめ荘の管理運営をしてきた。2004年12月の合併で、函館市が引き継ぎ、本年度から両施設の指定管理者となっている。

 同社の03年度までの累積欠損金は約2193万円。04年度は単年度で1518万円、05年度は同2394万円の赤字だった。本年度も1月末現在約1300万円の損失が出ており、累積額は約7400万円に上る。

 28日開会の市議会定例会に南茅部支所は同社の新年度事業計画を報告。それによると、予定損益計算書では、ひろめ荘の利用計画人数は1万4560人。現在浴場部分を改修中の保養センターは同9万5000人を見込み、単年度で253万円の利益を見込んでいる。

 しかし、集客力向上は見込めるものの、経営を採算ラインに乗せるのは難しいと判断。同社を解散し、清算することにした。市の出資分2600万円は、清算方法決定後、放棄する方針。

 解散決定を受け、市は、新たな指定管理者の公募を検討しているが、決定は早くても新年度以降となる見込み。4月以降、ホテルは休業し、条例の改正を経て、保養センターを直営とする方向で協議していく。(今井正一)


◎知内町新年度予算案/一般会計18%減、40億825万
 【知内】知内町は28日、2007年度予算案を発表した。一般会計は06年度当初比18・0%減の40億825万円。06年度実施の知内小学校改築事業費分が減額されたことが影響したほか、4月から機構改革で管理職を減らすなどして人件費削減に努める。国保など5特別会計と上水道事業会計を合わせた総額は、同12・2%減の62億7462万円。7日に開会予定の町議会第1回定例会に提案する。

 一般会計の歳入の45・0%を占める地方交付税は、同3・5%増の18億343万円を見込む。町税は同2・3%減の8億2953万円。税源移譲でプラス要素はあったが、北電知内発電所の償却資産を含む固定資産税のマイナス分が上回った。同6・1%減の2億5202万円を、減債基金などから繰り入れる。

 歳出のうち教育費は同50・0%減の8億4677万円。移転改築を進める知内小の工事費減によるもので、同校体育館建設などに3億6136万円を計上。公債費は、同校建て替え費用借り入れで同2・8%増の10億635万円に膨らみ、歳出の25・1%を占める。

 新規事業は、10月1日に迎える町政施行40周年記念事業に203万円、防災パンフレットの作製に73万円、小学生対象の「放課後子ども教室」に69万円を盛り込んだ。(小泉まや)


◎木古内町新年度予算案/一般会計2・2%減
 【木古内】木古内町は28日、2007年度予算案を発表した。一般会計は06年度当初比2・2%減の29億9556万円で、30億円の大台を割り込んだ。13年度までの財政健全化計画を全面的に反映させ、職員給与や各種補助金を削減。国保など6特別会計と国保病院など3事業会計を合わせた総額は、同0・8%減の79億5686万円。7日開会予定の町議会第1回定例会に提案する。

 歳入のうち地方交付税は、06年度当初と同額の15億6000万円を見込んだ。町税は税源移譲により同3・4%増の4億6978万円。繰入金は歳出減などのため同43・4%減の1億6070万円。財政調整基金など5基金を取り崩す。

 歳出では土木費が同2・3倍の2億7604万円で、05年度に着手した朝日団地建て替えに1億5653万円を計上。消防費は同6・0%増の2億4905万円。新規事業で木古内川はんらん時の災害予測地図(ハザードマップ)を作る。

 職員給与費は同12・4%減の6億1036万円。毎年度平均10・5%削減を同計画最終年度まで継続する。国保病院も職員給与を約3600万円削減したことを受け、国保病院会計に繰り出していた衛生費は同15・2%減の3億3875万円とした。同病院の実施設計費に5100万円、道新幹線建設の測量の負担金490万円(新規)を盛り込んだ。(小泉まや)


◎共愛会病院で医療ミス、患者死亡
 昨年12月、共愛会病院(函館市中島町7、福島安義院長、病床数378)で、男性研修医(27)が胃に栄養剤を送るためのチューブの交換処置を誤り、市内の女性(当時87)が2日後に死亡していたことが28日分かった。函館中央署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、関係者から任意で事情を聴いている。

 同病院によると、女性は昨年4月に食事をのどに詰まらせ同病院に入院。食べ物を飲み込むことが困難になったため、同5月に胃に穴を開けチューブで栄養剤を送り込む胃ろうの処置を受けた。その後自宅で療養していたが、同12月17日にチューブが胃から外れたため、この日の救急指定病院だった共愛会病院を再び訪れ、男性研修医から交換処置を受けた。処置後に研修医は指導担当のある内科医(46)に、エックス線写真を見せ、チューブが正しく挿入されているか確認を求めたが、内科医は外れていることには気がつかなかった。

 女性は同日帰宅したが、18日夜間に容態が悪化し、市立函館病院(函館市港町1)に救急搬送されたが、チューブからもれた栄養剤により腹膜炎を起こし、19日未明に亡くなった。

 研修医は昨年3月に医師免許を取得し、同4月から共愛会病院で2年間の臨床研修を受けている。チューブを交換する作業は指導担当医とともにこれまで十数回行っていたが、単独では今回がはじめてだった。

 28日に同病院で行われた会見で福島院長は「研修医による交換ミスと、指導担当医の見落としという2つのミスが重なってしまった。患者と遺族には心からおわびしたい。今後は誠意をもって対応し再発防止に全力を尽くしたい」と話した。

 同病院からは今月13日に福島院長らが女性の遺族に謝罪。現在、示談交渉が進められている。