2007年3月10日(土)掲載

◎五稜郭車両所で動物ラッピング…旭山動物園号4月から札幌運行
 JR北海道五稜郭車両所(函館市港町1)で、4月下旬から札幌―旭川間で運行される特急「旭山動物園号」の整備作業が進められている。ホッキョクグマやペンギンなどが、色鮮やかに車体にあしらわれ、子どもたちから人気を呼びそうだ。

 同特急は、同社の設立20周年を記念して企画。車両は、特急北斗や臨時列車として使用している、1981―83年製の「183系」4両で、約4200万円かけて改造する。

 絵柄は、かつて同動物園の飼育員を務め、現在は絵本作家として活躍中のあべ弘士さん(58)=旭川市在住=のデザインを採用。外面には、イラストを印刷した縦約2・0メートル、横約1・2メートル大のシール50―70枚を手作業で張り付けていく。

 車内の壁や床もシールで覆い、座席には動物の顔があしらわれたカバーを装着。ホッキョクグマ号と名付けた1号車内には、じゅうたんが敷かれ、絵本を読んだり菓子を食べたりすることができる「モグモグコーナー」(約10平方メートル)を設ける。全4両の座席数は、176席で、すべて指定席。

 作業終了は23日を予定しており、3月下旬から4月初めの間に札幌に移動する。土・日曜、祝日や大型連休、夏休み期間に合わせ、4月28日から9月末までの68日間に1日1往復する予定。(浜田孝輔)


◎水産・海洋構想に特別賞…日本計画行政学会第11回計画賞
 函館市が産学官連携で進める「函館国際水産・海洋都市構想」が、日本計画行政学会(黒川和美会長、会員1300人)の第11回計画賞で特別賞を受賞した。審査員から「将来に向けて大きな可能性を持つ、夢のあるプラン」と評価された。応募した同構想推進協議会(高野洋蔵会長)は「計画の実現に弾みがつく」と成果を話している。

 同学会の計画賞は、官民を問わず社会的意義が大きく、公共性が高い事業や計画に贈られる。第11回は全国から12件の応募があり、予備審査を通過した7件が2月23日に東京で行われた最終審査を受けた。

 同構想推進協議会の長野章産学連携部会長(公立はこだて未来大教授)が、水産・海洋に関する国際的な学術研究拠点都市の形成を目指す同構想の概要を説明。市の産学官交流プラザや函館臨海研究所の整備など、新産業の創出に向けて、産学官が連携して研究を進めていくプロジェクトの内容を発表した。

 審査員から「非常にグローバル(世界的)な研究で、地域に希望や元気を与えるプロジェクト」との評価があり、特別賞に決まった。最優秀賞は国立大学と地域が積極的に連携する姿を報告した山形大学の取り組み。優秀賞は2件で、特別賞は「最優秀と優秀の中間に位置する」(同構想推進協議会)という。

 道内からの計画賞受賞は、昨年の第10回で上川管内下川町が「森林を中心にしたまちづくり」で最優秀賞、全国で初めて観光協会を株式会社化した「ニセコリゾート観光協会」が優秀賞を受けて以来、3件目。

 推進協議会の近江茂樹推進部会長(市企画部長)は「海洋構想が広く全国に知れ渡る機会になり、賞の重さを感じながら、行政、推進協議会とともに構想を進めていきたい」と話している。(高柳 謙)


◎「まちづくり3法」採択…建設常任委
 函館市議会の建設常任委員会(桶本建郎委員長)が9日開かれ、函館商工会議所など地元経済5団体が提出した、大規模集客施設開発の凍結宣言などを求める「改正まちづくり3法への迅速かつ的確な対応に関する陳情」を全会一致で採択した。委員からは「この陳情採択は苦渋の決断であり、経済界も(近隣市町の経済界と)責任を持って一致団結するべきだ」との声が上がった。

 陳情は、函館商工会議所、亀田、銭亀沢、東の3商工会と市商店街振興組合連合会の連名。大規模集客施設の開発凍結宣言や、中心市街地活性化基本計画改定着手、周辺市町との連携強化などを求めていた。

 昨年の9月と12月にも同委員会で審議されたが、準工業地域への特別用途地区制度の導入などにより、民間の経済活動を制約することも含まれることから「慎重に検討するべきだ」として継続審議となっていた。

 審議の中で、中市敏樹氏(椴法華クラブ)は近隣市町の動きについて質問。野々宮勇都市建設部長は「大型店問題は圏域としての調整が必要。連携の機運は高まっている」と答え、2市1町での協議の場が必要との認識を示した。北原善通氏(はこだて市民クラブ)は「消費者からは大型店を望む声もある。これは都市建設部だけではなく、行政全体の問題として扱うべきだ」と対応を求めた。

 函館市は、改正まちづくり3法の成立以来、大型店に対して、進出計画の取り下げや規模縮小を申し入れるなど、反対の姿勢を貫いている。政策面では市街化調整区域内での大規模集客施設立地を規制する基準を設けるなどして対応。現在、1998年に策定した「中心市街地活性化基本計画」の改訂に向けて検討を進めている。

 近隣市町では、北斗市の海老沢順三市長が2月27日の市議会で「大型店はまちの衰退を招く」と述べ、函館や七飯との連携を表明。七飯町も9日の町議会で函館圏域で歩調を合わせる姿勢を打ち出している。(今井正一)


◎五月人形商戦スタート
 5月5日の端午の節句を前に、函館市内のデパートや大型スーパーでは、男児がたくましく育つよう願う「五月人形」商戦が始まっている。住宅事情が反映され、収納性を重視する購入者が多く、コンパクトサイズの「かぶと」のケース飾りと床飾りが人気。秋篠宮悠仁(ひさひと)親王殿下が昨年9月に誕生されたことを追い風に、各店は例年以上の売れ行きに期待を寄せる。商戦のピークは今月中旬から4月初旬を見込んでいる。

 各店とも弓、太刀、びょうぶなどがセットになったクワガタ形や三日月形のかぶと飾りをはじめ、よろい飾りやケース入りの武者・大将人形など、迫力ある五月人形をそろえる。祖父母が孫にプレゼントするケースが目立ち、5―10万円の商品が売れ筋だ。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)ではかぶとケース飾りが一番人気で、着用できるかぶと床飾りなど約35点を陳列。各家庭環境に対応した品ぞろえを心掛けていて、「ひな人形の売れ行きがよかったので、五月人形も期待している。オリジナル商品も用意しているので、まずは気軽に見に来てほしい」と話す。

 丸井今井函館店(本町32)は、金太郎人形やこいのぼりの人形などをつるした「つるし飾り」など約70点を展示。小型サイズのかぶと床飾りを豊富にそろえ、「創業135周年を記念した慶祝のかぶと飾りも用意した。品切れになる商品もあるので早めに足を運んでほしい」と呼びかけている。

 棒二森屋(若松町17)では高級感を打ち出した商品約35点を販売。「よろい飾りは2、3点売れればよく、年々収納飾りも人気を集めている」と話す。一番人気のかぶとケース飾りを強化した長崎屋函館店(美原1)は「出だしは好調」と約50点を並べる。

 各店とも4月末―5月5日ごろまで専用コーナーを設けている。(工藤康行)


◎春の香りを運ぶ150点…「サクラ」テーマに陶器やアクセサリー
 サクラやウメなど春にちなんだ陶や布、アクセサリーなどが並ぶ「櫻(さくら)・さくら展」が9日、はこだて工芸舎・元町ハウス(函館市元町32)で始まった。淡い桃色の作品が出迎える店内は、一足早く春らんまん。自宅に春を呼び込もうとお気に入りを買い求める客の姿が見られる。20日まで。

 季節感を大切にする函館市民らに、春を連想させる「サクラ」をテーマした作品を楽しんでもらおうと、毎年3月に開く恒例の企画展。道南を中心に青森県や徳島県などから15団体が約150点を出品している。

 恵波ひでおさん(胆振管内虻田町在住)は日ごろ制作する粉引(こひき)に、えくぼのように白と薄いピンクのゆう薬を載せた作品を初めて制作。堂前邦子さん(函館市在住)はサクラの下で繰り広げられるドラマを小さな土人形で表現した。飲めや歌えやの大宴会、木の下で本を読む女の子―どこかで見たような光景をユーモラスに仕上げた。

 同企画展に合わせカフェコーナーでは、サクラクッキー(315円)やサクラシフォンケーキセット(780円)も販売している。(笠原郁実)


◎「ラウンドワン函館店」きょうオープン
 屋内型複合レジャー施設「ラウンドワン函館店」が10日、道道函館上磯線(産業道路)沿いの函館市西桔梗町848にオープンする。ボウリング場やカラオケをはじめ、スリーオンスリーやフットサルなどのスポーツを体感できるコートを設けていて、若者のグループや家族連れが集う新たなスポットとして注目が集まる。

 1980年創業のラウンドワン(大阪)が運営する同店は、全国71カ所目で、道内初進出。昨年9月ごろに着工し、敷地面積は約8000平方メートル、鉄骨6階建てで、延べ床面積約1万5000平方メートル。駐車スペースは360台分ある。

 1階にはカラオケ23室とダーツ6台、1、2階はアミューズメントゾーンとして、メダルやクレーンゲーム機など約200機をそろえた。3階は、38レーンを備えるボウリング場で、壁面には高さ2・5メートルのスクリーンがレーンの横幅約60メートルに設けてある。

 4―6階は、40種類100機の遊具が、パック料金を払うと遊び放題のコーナー「スポッチャ」。4階には1周約50メートルのコースがあり、ローラースケートをはじめ、時間によっては小型バイクが楽しめる。5階は、岩盤浴やマッサージチェアなどを備えたリラクゼーションスペースも。

 6階は多数のスポーツがプレーできる空間。パットゴルフや野球などのほか、アーチェリーやカーリングといった変わり種もある。営業時間は月―金曜が午前10時から、土曜が同9時から、日曜、祝日は同8時から。いずれも翌午前6時まで(1階のみ午前零時まで)。

 年間目標は、利用者が70万人、売上高は12億円。また、2日から募ってきた会員は8日時点で約600人に達しており、同社ブランドマネジメント室の長安雅威次長は「函館には夜遅くまで遊べる場所が少なく、新たなレジャーを提供できるよう、需要の掘り起こしに努めていきたい」と話している。(浜田孝輔)