2007年3月4日(日)掲載

◎道議選企画「激戦」函館市区・中…民主、労組票だけでは足りず
 民主党は、現職の平出陽子氏、斉藤博氏、高橋亨氏の3議席死守が至上課題。「函館市内はもとより、旧4町村地域での支持拡大が達成される状況になれば、3人完勝の方向性が見えてくるはず」。最大の支持勢力である連合の関係者は言う。3氏とも組織票頼みの選挙から脱却し、新たな票の掘り起こしに奔走する。

 前回選挙では、斉藤氏1万5473票、平出氏1万4753票、市職労出身の新人候補として出馬した阿部義人氏(2003年9月辞職)が1万4068票とバランス良く票が割れ、悲願の3議席獲得を成し遂げた。

 前回同様、連合は平出氏が北教組、斉藤氏はNTT労組、高橋氏は市職労と、出身母体を中心に労組を票割り。支援市議の基礎票も振り分け、組織を引き締める。

 しかし、基礎票となる労組票は、組織率の低下と相まって減少の一途。市議の基礎票もすべてが当てにできるわけでもなく、票は読み切れない。各陣営とも無党派層など票の上積みに躍起となっている。

 ただ、今回は旧4町村地域が新たに選挙区に加わる。水産業を基幹とし、保守・自民系の勢力が強い土地柄で、いかに食い込むか。「今後、票の動向について分析や評価を重ねていかなければならない」(党関係者)と戦略を練る。

 中小企業労組を多く割り当てられた斉藤氏は「支援してくれる企業、団体をどれだけ形成していけるかに懸かっている」(後援会幹部)と気を引き締める。旧4町村地域に活動拠点はなく、選挙区が広がった影響は3人の中で一番大きいとみる。「支持者の協力を得て、取れる票は少しでも確保しなければ」と危機感を募らせる。

 5期目完勝を目指す平出氏は「旧4町村地域に入り込む取っ掛かりをつかむのが正直難しい」(後援会幹部)が、地道に支持を広げる考え。4期16年の実績から基礎票が多いとみられるが、「初当選から4期までの支持票がどこまで今回につながるかは未知数」(同)と手綱を締める。支持層を広げる草の根運動を展開し、ただ一人の女性候補として女性票集めにも力を注ぐ。

 昨年1月の補選で初当選した高橋氏は、初の本選挙。民主党候補が1人だった補選と異なり、今回は身内もライバルとなる。市職労を母体に旧4町村地域でも支所の後ろ盾がある。しかし後援会幹部は「市職労といってもいろいろな党派がいる。振り分けられた支援市議の票も、市議候補4人のうち2人が新人。票固めがうまくいくか…」と不安材料を指摘する。

 「投票率が低いと支えとなる基礎票を含め、浮動票も伸びない」。関係者は口をそろえる。前回は地元選出の鉢呂吉雄衆院議員(現道4区)が道知事選に出馬し、注目を浴びた。投票率(旧函館市内)は前々回(99年)57・0%に対し、前回57・25%とわずかに伸びた。

 今回はそうした要素もなく、関係者はさらなる投票率の低下を危ぐする。平たんでない戦局だが、組織力を生かして票を掘り起こし、3議席死守に全力を挙げる。 (道議選取材班)


◎寺島乙部町長 7選出馬を表明
 【乙部】寺島光一郎乙部町長(62)=無所属=は3日、町内で開かれた後援会代表者会議で、任期満了に伴う4月の町長選に7選を目指して立候補する意向を表明した。同町長選で出馬を表明したのは寺島氏が初めて。

 会議には町内16地区にある後援会組織の代表者、自民党道8区の中村勉支部長、道議選に同党公認で出馬する佐々木俊司氏ら約80人が出席。

 寺島氏は「24年間にわたり後顧の憂いなく活動できたのは町民皆さんのおかげ。一人ひとりが胸を張って誇れる町になることが願いだ。暮らしを豊かにするには、農漁業の再生やIT(情報技術)産業の誘致など新産業創出が欠かせない。町長選、道議選、道知事選と三位一体の選挙戦を乙部から盛り上げていきたい」と立候補への意欲を語った。

 田中武雄後援会長は「万全の備えで4月の統一選を迎えてほしい」と支援を呼び掛けた。

 寺島氏は同町出身。北大農学部卒。1967年兵庫県庁入庁(農水省派遣)。68年農水省入省。農水省大臣官房企画官、岡山県津山営林署長などを経て、83年に町長選初当選。2期目以降は無投票。行財政改革や農水産業活性化に手腕を発揮している。

 2001年に檜山支庁管内町村会長、道町村会常任理事。05年4月に道町村会長に就任した。 (松浦 純)


◎「ハイカラ衣裳館」今期の営業開始
 函館市元町11の国の重要文化財、旧函館区公会堂(斉藤紘一館長)で3日、レトロな衣装を着て館内見物を楽しむ「ハイカラ衣裳館」のことしの営業が始まった。訪れた市民や観光客は、モダンできらびやかな衣装が並ぶ中からお気に入りの一着を見つけ、記念写真などを楽しんだ。

 衣装は、女性用は新たに4着増やし56着、男性用6着、子供用8着の計70着。年内にもさらに増やす予定という。テレビの人気番組で紹介された影響などで利用者は増加していて、昨年は1万3491人が訪れた。通年営業を望む声もあり、営業期間は年々長くなっている。ことしは昨年より1週間早く始まり、12月25日まで行う。

 同市内の高校を卒業したばかりという女性(18)は、友人(17)と訪れ、ことし入ったばかりのドレスをまとった。「衣装は建物の雰囲気と合っている。少し重かったが、とても楽しい時間を過ごせた」と喜んでいた。br>
 料金は1着20分で1000円(入館料は別)。営業時間は、3月末までと12月からは午前9時から午後4時40分。4月から11月までは午前9時から午後5時まで。 (山崎純一)


◎市内ゴルフ場オープン
 函館シーサイドカントリークラブ(函館市豊原町237)が3日、昨年より15日早く、ことしの営業を始めた。市内ゴルフ場では一番早いオープンで、待ちわびた約30組のゴルファーがプレーを楽しんだ。柔らかな日差しがこぼれるグリーン上にゴルファーの笑顔があふれた。

 同クラブは1975年7月に開場し、今年で32年目。開業以来、今年がもっとも早いオープンになった。コース内にはまだ少し雪が残っているが、コース内は乾いていて上々のコンディションだ。

 片瀬雅士副支配人は「こんなに早いオープンは初めて。天気も良いので最高のオープン日和になった。たくさんの方にゴルフを楽しんでほしい」と話していた。

 この日を待ちわびた市内の山鼻勲さん(53)は「早くプレーできることに驚くと同時に、ゴルフができる喜びを感じている。今年も伸び伸びと、思い切りプレーしたい」と顔をほころばせていた。

 同クラブは4月7日からレストランなどの営業も始める。 (小林省悟)


◎市立函館高校校歌完成
 気高き魂、永遠(とわ)にあれ―。函館東と函館北の両高校が統合し、4月に開校する市立函館高校の校歌「夢ここにあり」が完成した。ストーリー性がある美しい歌詞と、テンポが良く元気なリズムが特徴。同校開校準備室の森武室長は「肩を組んで歌いたくなる校歌に仕上がりました」と晴れやかな表情で語る。

 歌詞は昨年、卒業生や市民らから公募。応募のあった12点から、両校校長や国語教諭ら7人で構成する選考委員会が選考。函館市内に住む警備会社勤務山口勇さん(74)の作品が選ばれた。その後、道内多くの校歌を手がける道教育大理事の佐々木茂教授(札幌市在住)が曲を作った。

 山口さんは新しい学校への思いを込め、「夢ここにあり」のタイトルを付けた。タイトル付きの校歌は珍しいという。

 歌詞は3番まであり、美しい情景から季節の移ろいを感じるとともに、「友と拓(ひら)いて行く道」「未知の世界へ羽ばたかん」「3年の宿り学びやの、気高き魂永遠にあれ」など、生徒の成長を願う文句が散りばめられている。

 森校長は「みんなに愛される校歌になると思う。聞けば聞くほど味わい深い良い曲に仕上がった」と話している。

 4月9日に函館市民会館で開かれる開校式で披露される。 (笠原郁実)