2007年3月5日(月)掲載

◎大沼に春の足音…氷融けはじめる
 【七飯】大沼国定公園の大沼、小沼の氷が融け始めた。湖畔では氷上に出来た水たまりに樹木が影を落とし、墨絵のようなコントラストを描いている。春の兆しが少しずつ膨らんでいる。

 自然公園財団大沼支部によると、今冬は全湖の氷結が約2週間遅れて1月中旬になった。暖冬の影響で、氷の融け具合も約1カ月早い。氷は厚いところでまだ約30?あり、雪が少なかった分、雪融けで出来る模様が無く、例年より氷はきれいな状態という。

 同公園内の蓴菜(じゅんさい)沼の氷上ワカサギ釣りは、11日まで営業を予定している。氷結が遅れ、営業開始が例年より9日遅い1月13日からとなったため、3日までの利用者は、昨年より約1200人少ない2959人。運営する大沼漁協では「2、3日後の天気予報で寒気が入るとあり、もう少し楽しめると思う。だが、安全を考えると次の週末が限界だと思う」と話している。(山崎純一)


◎道議選企画 「激戦」函館市区・下…公明・共産 攻めの姿勢で議席死守
「皆さんの力を受け、1期4年で大きな実績を挙げたが、2期目のジンクスという言葉がある。『公明党は大丈夫だ』などの声が聞かれるが、全然大丈夫じゃない。褒め殺しという場面に立たされ、危機感をひしひしと感じる」

 1月24日の横山信一氏の事務所開きで、伊藤安昌後援会長は支持者を前に陣営を引き締めた。創価学会を最大の支持母体に、新人ながら前回トップ当選を果たした自信が、陣営最大の敵だ。

 後援会幹部は「北海道新幹線の着工や水産学博士としてのガゴメ(トロロコンブの仲間)の増養殖事業などの実績が、今ひとつ広く浸透しないのが悩み」とこぼす。

 公明党は定数が5から6となった1975年以降、1度も議席を失ってはいない。しかし前々回は共産党候補が3位、公明党候補が4位。上位当選を逃した悔しさをバネに、前回は党道本部青年局次長だった横山氏が唯一の1万8000票台をたたき出し、意地と底力を見せた。

 政府与党の地方議員として、横山氏の活動範囲は全道各地から東京まで及ぶ。道新幹線着工を機に昨年11月、新幹線建設促進の青函議員連盟を立ち上げるなど活躍の幅を広げているが、専門とする水産関係団体への浸透は、「自民党の佐々木俊雄氏や川尻秀之氏に後れを取っている」(後援会幹部)という。陣営の不安材料は少なくない。

                       ◇

 共産党現職の前川一夫氏は2月11日の事務所開きで「今度も勝って、初めて日高さんの議席を引き継いだといえる」と、語気を強めた。同日は道知事選候補の宮内聡氏や現職市議らも駆けつけ、必勝を誓った。

 任期半ばで死去した日高令子氏の“弔い選挙”とも言われた昨年1月の道議補選(欠員2)。前川氏は、自民公認2人を含む保守系の3氏を退け当選した。本選挙でも議席の死守は函館のみならず、同党の道内における最重要課題だ。

 共産党現職の前川一夫氏は2月11日の事務所開きで「今度も勝って、初めて日高さんの議席を引き継いだといえる」と、語気を強めた。同日は道知事選候補の宮内聡氏や現職市議らも駆けつけ、必勝を誓った。

 「補選では共産党は基礎票を使い切り、同情票を集めただけ」とささやく声があるのも事実。金盛嘉英事務所長は「補選は32%に満たない投票率。楽観視はしていないが、今回は投票率も当然上がる。上積みがなければおかしい」と語る。後援会はパンフレットの全戸配布を進めており、広く前川氏の人柄や政策を訴える構えだ。

 また、旧戸井町が地盤の原田有康氏が委員長を務める党渡島・檜山地区委員会は、渡島、檜山、北斗市の各選挙区で候補擁立を見送った。選挙区外からの応援を前川氏ひとりに集中させ、道南全体でのバックアップ体制を整える。

 金盛所長は「前川道議は椴法華の港湾整備や戸井の風力発電建設問題など、渡島東部の要望も議会の場で積極的に取り上げてきた」と、各地区の声に耳を傾けてきた実績と4町村地区での浸透を強調する。

                       ◇

 7日には道議会が閉会し、横山氏、前川氏が地元入りする。ともに旧4町村を含めた遊説や講演会を予定しており、前哨戦は激しさを増す。

 公明、共産ともに落とせない現有議席。「守り」ではなく、どこまでも「攻め」の姿勢で議席死守を図る。(道議選取材班)


◎カレイやウニ…安くて新鮮 お魚感謝DAY
 新鮮な海の幸を浜値で提供する「第5回お魚感謝DAY(デー)」(戸井漁業協同組合主催)が4日、汐首漁港(函館市汐首町91)で開かれた。多くの市民がお目当ての品を買い求めようと押し寄せ、販売前から長い列ができるにぎわいを見せた。

 消費者と交流する場を設けようと2003年から毎年行っている。今年は、しけの影響もなく、ババガレイやウニ、タコなど前日に水揚げされた品々を豊富に販売した。

 会場は威勢の良い声が飛び交い、約30分で用意したほとんどの魚類が売り切れ、両手いっぱいに袋を持ち歩いた来場者でごった返した。

 また、販売開始前には函館日新中学校吹奏楽部の生徒が演奏を披露したほか、「ウニのみそ汁」約1000食と「ごっこ汁」約300食を無料で振る舞い、来場者は冷えた体を温めた。

 家族3人で訪れ、ウニなどを購入した市内山の手3の長野伸哉さん(26)は「昨年も来たが、やはり安いのが魅力。来年はもっと早く来たい」と話していた。(工藤康行)


◎思い出胸に母校に別れ…朝日小閉校式
 【江差】町立朝日小(青坂榮廣校長、児童18人)の閉校式が4日、同校体育館で行われた。3月末で閉校する北部3小学校の閉校式は同校を最後にすべて終わり、4月6日には新しい江差北小が開校して、新しい歴史を刻み始める。

 式典には、児童と教職員、同校ゆかりの住民ら約200人が参加。濱谷一治町長は「日明、水堀と3地区のきずなを深め新しい校風作りに励んで欲しい」と式辞を述べた。

 青坂校長は「朝日の子供であったことを誇りに思い、新しい友達と仲良く過ごして下さい」と呼び掛けた。西谷明彦PTA会長は「地域にとって学校は父であり母。同じ母校を持つ人の垣根を無くし仲間意識を持たせてくれた。学校あっての地域だった」と述べた。 

 児童会長の川口詩織さん(6年)は「わたしが入学した6年前は朝日中閉校の年。そして朝日小の閉校を迎えたことには運命を感じます。思い出はいつまでも私たちの胸に残り続けます。ありがとう朝日小学校」と、お別れの言葉を述べた。

 同校は農村地帯が広がる町内北部の朝日町にある小規模校。1879年に開校した小黒部学校がルーツ。1919年に朝日小と改称。82年に開校100周年を迎えた。47年に町立朝日中を併設したが、2002年に北部3中学校統合で閉校した。

 水堀小を母体とする新設校・江差北小では、4月6日に開校式と入学式を予定している。(松浦 純)


◎暖冬で早め 家電販売店などで商戦始まる
 函館を出て進学や就職する人が新しく生活用品を買い求める「新生活商戦」が各地の家電販売店や、ホームセンターで始まった。ことしは暖冬で商戦も早まっており、各店では「新生活応援!」などと銘打ち、豊富な品ぞろえや、無料配送などのサービスで新生活をサポート。荷造りの準備や、部屋の有効利用のため、整理整頓ができる商品が注目されているようだ。

 函館市港町3のジャンボイエロー港店では、引っ越しに必要な梱包用品がずらり並び好評という。道上隆幸店長は「新生活に向けての買い物客は、ことしは、例年より約2週間早い。暖冬で除雪用品が早く店から姿を消し、新生活関連品が早くから目立つようになったからでは」と分析。

 同市石川町231のホーマックスーパーデポ石川店(澁谷一人店長)では、収納品やカーペット類などがよく売れている。カラーボックスの中に収納ケースを置く「収納内収納ボックス」の売り上げは、昨年同期と比べ5割増という。瀧本隆ソフトライン次長は「インテリア性と機能重視が人気の理由。大型電化製品などをそろえる前に、まずはカーペットや整理整頓関連品を先に買う人が多いのでは」と話す。

 同店では、4月に入ってもポータブルストーブを陳列する予定。「本州から函館に来た人の春の寒さ対策。これも新生活の必需品」と瀧本次長。

 同市昭和1のベスト電器・New函館店(佐藤之泰店長)では、1月中旬から店内入り口付近と、家電売り場の2カ所に専門のコーナーを設けた。山下崇一副店長は「テレビや冷蔵庫など、ひと通りそろえると平均8―10万円前後。冷蔵庫、洗濯機などの必需品は地元で買い、そのほかは新天地で買求めるケースが多い」と話す。店内では、引っ越し時に必要な手続きをまとめた家電カタログを配布している。

 各店では新生活商戦のピークは、函館を離れる人の利用は3月中旬から3月末にかけて。新しく函館に来る人は、3月末から4月上旬と予想している。(田中陽介)