2007年3月6日(火)掲載

◎新世橋付近でマンサク満開
 6日は二十四節気の一つ「啓蟄」(けいちつ)。啓はひらく、蟄は虫などが土の中に隠れるという意味で、草木が芽吹き、地中で冬ごもりしていた虫が地上に顔を出すころとされる。

 函館市内を流れる亀田川の新世橋付近(宮前町)では、マンサクの花が満開になっている。細くて黄色いリボンが束になっているようなマンサクは、春になるとほかの花よりも先に咲くことから「まず咲く」がいわれともいう。

 暖冬の同市内では、すでにフキノトウやフクジュソウも姿を現しており、虫たちの目覚めもことしは早かったとみられる。(山崎純一)


◎井上市長 乳幼児医療費助成の適用を小学生まで拡大検討…市議会
 第1回函館市議会定例会は5日、一般質問が始まり、4氏が登壇。井上博司市長は「少子化対策の一環として、制度拡充が子育て支援の有効施策であると認識している。厳しい財政状況だが、前向きに検討したい」と述べ、乳幼児医療費助成制度の適用対象を拡大する考えを示した。市民部によると、同制度では現在、就学前の乳幼児が対象だが、小学校卒業までの児童に拡大する方向で検討しているという。

 中江捷二氏(公明党)の質問に答えた。

 中江氏は、子育て家庭の負担軽減が少子化対策に効果的と指摘。同制度が充実している近隣の北斗市や七飯町へ人口が流出している要因の一つでもあるとし、「対象を拡大し、子育て支援の充実した地域形成を図るべきだ」とただした。

 現行制度は、道医療給付事業補助要綱に準拠。2004年10月の制度改正で、就学前までの乳幼児が医療機関を受診する際、市民税課税世帯は1割負担(月額上限あり)。3歳未満の乳幼児と非課税世帯は初診時の一部負担金に据え置き、財源は道が2分の1を負担し、残りを市が負担している。

 一方、近隣の七飯町は小学校卒業まで、北斗市は中学校卒業までに対象を拡充し、医療費を無料にしている。函館市にも同様の措置を求める声があり、同部が道南圏域としてのバランスを考慮し検討してきた。

 改正案では、2市町と同様に無料とするには市の負担が大きいため、負担額は現行のままとし、対象年齢だけを小学校卒業までに広げる。

 市の負担は、小学生は道からの補助対象外となるため、現行制度の1億8900万円(05年度予算額)より約2億円増える見込み。同部は「函館規模の市で拡充に踏み込むのは画期的なこと。財源は職員の削減やアウトソーシング推進など、行財政改革の効果で確保できる」としている。

 制度実施に向けては、予算確保や市乳幼児医療費助成条例の改正などが必要となる。同部は「子育て世代のお母さんたちの負担が少しでも減れば喜んでいただけるはず。新年度中の実施を目指したい」と話している。

 拡充に向けた予算は、本定例会に提案された新年度予算案には盛り込まれていない。井上市長は4月の市長選で再選された場合、補正予算を組む方針。

 同日はこのほか、板倉一幸氏(民主・市民ネット)、久保幸一氏(はこだて市民クラブ)、工藤恵美氏(市民自由クラブ)が質問した。


◎「体育施設、優先度高い」 市民会館改築は中期的に…井上市長
 井上市長は5日の市議会一般質問で、市民や競技団体から要望が強い総合的体育施設の整備について「優先度が高い事業と考えている。建設する際には合併特例債を活用できれば」と述べた。また市民会館の改築についても「中期的展望で取り組みたい」と語った。

 板倉一幸氏の質問に答えた。

 市長は、スポーツ振興や市民の健康づくりなどからも総合的体育施設の整備が必要で、建設の市民理解は得られるのではないか、とした。

 具体像として「産業見本市など各種コンベンション(会議や大会)も開催できるよう、メーンアリーナ(競技場)やサブアリーナ、駐車場、グラウンドなどを併せ持つ施設整備が望ましい」と述べた。

 湯川町1の市民体育館は1975年、市民会館は1970年の開設で、ともに築30年以上が経過。市教委によると、現体育館のアリーナはバスケットボールのコートが2面しか取れず、全道や全国規模の大会を開くには最低でも3面は取れる広さが必要という。

 市長は、市内に宿泊施設が整い、大会や会議終了後に函館観光をしてもらう「アフターコンベンション」の経済効果の高さも指摘した。

 総合的体育施設や大型コンベンション施設の整備は、市議会総合計画特別委員会などでも要望が出ている。

 市長をはじめこれまでの市の答弁から、総合的体育施設を新たな場所に整備し、その後、湯川町の現在地に大型コンベンション開催にも対応する形で市民会館を改築することが検討事項となっている。 (高柳 謙)


◎一般会計14・3%減…森町 新年度予算案
 【森】森町は5日、2007年度の予算案を発表した。一般会計は06年度当初予算に比べ14・3%減の91億1226万円。消防防災センターや給食センターの建設など約14億に上った大型事業が終了し、減額となった。6特別会計、国保病院など3事業会計を含む総額(歳出)は187億514万円で、同6・2%減。8日開会の第1回町議会定例会に提案する。

 一般会計の歳入は税源移譲により町税が同15・0%増の15億8875万円と見込み、地方交付税は06年度当初並みで41億230万円、町債は9億6800万円で同57・6%減。約7億1685万の歳入不足は、財政調整基金などを切り崩して充てた。

 歳出のうち人件費は退職などによる職員減によって同2・9%減の24億9300万円、建設費は大幅に減り4億7855万円(同75・0%減)、公債費は同5・4%増の16億6741万円で、歳出全体の18・3%を占めた。

 主な事業は、国の直轄事業の森港改修工事への負担金に1億7000万円、道営水産基盤整備事業の負担金5883万円、道営事業の三岱石倉2期地区の農道整備への負担金4500万円など。森林管理道清滝線の工事費1750万円、中学校用のスクールバス更新費1600万円、青葉ケ丘公園の身障者用トイレ建設費525万円を盛り込んだ。(鈴木 潤)


◎求人倍率前年比0・55倍…1月の渡島・桧山管内
 函館公共職業安定所がまとめた1月の渡島・檜山管内における雇用情勢によると、求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率は、前年同月比0・03ポイント減の0・55倍と、3カ月連続のマイナスとなった。また、今春の新規高卒者の求人倍率は、同0・13ポイント増の1・28倍で、就職率は、同4・7ポイント増の67・5%だった。

 月間有効求人数は、新規や繰越求人の動向から、同3・3%減の4934人、新規求人数は、2121人で同5・1%増。先行指標となる新規求人倍率は、同0・02ポイント増の0・75倍と3カ月ぶりに改善した。

 新規求人を産業別で見ると、卸売・小売業が同22・2%(117人)減と大きく数字を下げたほか、建設業が同18・0%(25人)、医療・福祉が同5・8%(24人)の減少。逆に、サービス業が同20・4%(80人)、飲食店・宿泊業が同59・1%(68人)の増加だった。

 新規求人に占める常用パート求人の割合は35・3%で、同3・5ポイントの上昇。離職者は同12・2%(226人)減で、内訳は、事業主都合(リストラ)が同9・3%(73人)減、自己都合が同14・1%(146人)減だった。

 また、今春に高校卒業予定の4737人のうち、求職者は同5・2%増の1216人。求人数1556人(同17・3%増)に対して、就職者は同13・1%増の821人に上った。就職者の内訳は、管内が同5・4%減の335人、道内が同7・4%減の150人と低迷しているのに対し、道外が同60・0%増の336人となった。(浜田孝輔)


◎斬新な作品に驚きと歓声…世界CMフェス
 世界のCMフェスティバル(実行委主催)が4日、函館市内の金森ホールで開かれた。函館での開催は初めてで、カンヌ広告祭グランプリ作品など、厳選された傑作コマーシャル(CM)など約300本の斬新な映像が流れ、120人を超える来場者からは大きな歓声と拍手がわき起こった。

 同フェスティバルは1981年からフランス・パリで始まった、オールナイトで楽しむイベント「CM食らい放題の夜」の日本版。国内では99年の福岡開催が皮切りで、ことしは全国17カ所で催される。

 CM1本の長さは30秒から1分半ほど。大分県のローカル放送で流された日本製ドレッシングのCMには、名俳優ジャン・レノら豪華な出演者がそろった。全裸でサッカーの試合を行う過激なシーンも。時間の制約がある中で生まれた新発想と高いインパクトを求めた数々に、観客は同フェスティバルおなじみの手のひら形のおもちゃ「パチパチ」を鳴らし、感動を伝えた。

 日本版火付け役でフランス人翻訳家ジャン・クリスチャン・ブーヴィエさん(福岡市在住)のコミカルな解説付きで、3時間の上映時間はあっという間に過ぎた。同市内の宮川竜二さん(29)と妻麻美さん(32)は「日本と違ったスケールの大きさを感じた」と感激した様子。オーストラリアに住んでいたことがあり「オーストラリアのCMももっと見たかった」。

 ブーヴィエさんは「開催は地元函館の協力があったからこそ。来年もやりましょう。できればオールナイトでね」と話していた。(佐々木 司)


◎対応法など再確認…津波対策関係機関連絡会議
 渡島地方津波対策関係機関連絡会議が5日、道警函館方面本部会議室で開かれた。管内の沿岸自治体や警察署、消防、海上保安部など35機関から約50人が出席。津波発生のメカニズムや対策のポイントについて学んだほか、各機関が津波対策の取り組みを紹介し、万一の際の迅速な対応の必要性を再確認した。

 関係機関の連携を強化し、津波発生時の安全確保や被害防止を図るのが目的。1993年の北海道南西沖地震の津波で大きな被害が発生しており、昨年11月とことし1月の千島列島沖の地震でも津波警報や避難勧告が発令されたことを受け、初めて企画した。

 初めに道警函本の桐原博志警備課長があいさつし、「四方を海に囲まれた北海道は津波被害の危険性が高い。津波警報発令時に住民が迅速に安全な場所に避難できるよう、検討を重ねたい」と述べた。

 函館海洋気象台職員が、ビデオをなどを使って津波について説明。津波発生の条件として▽震源が海域▽地震の規模が大きい▽地震の震源が浅い―と指摘。23年から2006年までの約80年間で、北海道周辺で津波を伴う地震が52回発生していることを挙げ、日ごろから対策を講じる必要性を強調した。

 津波対策を紹介した各機関のうち、函館開発建設部は道の駅の防災拠点化や、国道の清掃に活用する散水車の給水車化などを盛り込んだ計画について説明した。

 出席者からは「津波の恐ろしさを再認識した。連携して住民への啓発活動を進める必要がある」などの意見が出た。

 同様の檜山地方津波対策関係機関連絡会議は、8日午後1時から江差町の檜山支庁で開かれる。(原山知寿子)