2007年3月7日(水)掲載

◎公立高校で一般入試
 公立高校の2007年度一般入試が6日、全道一斉に行われた。道内全日制251校、定時制1校、道南では全日制27校で2776人が「15の春」を目指し、学力検査に臨んだ。

 募集初年度のことし、252人の定員に対し356人が出願した市立函館高校は函館東高校(函館市柳町11)で実施。受験生は保護者や中学校教諭、塾講師らに見送られ、午前8時の開門に合わせて続々と会場入り。同校8個所の試験会場では、緊張した表情で参考書を開き最終確認に励む姿が見られた。

 午前9時25分に試験開始を知らせるベルが鳴り、第1教科の「国語」がスタート。受験生は問題用紙を見つめ、回答欄に一文字一文字、丁寧に記述していた。試験は午後3時半終了の英語まで5教科を実施。

 受験者数は渡島管内全日制22校で2453人、桧山管内5校で323人。定時制3校では学力検査は行わず109人が面接に臨んだ。

 合格発表は各校16日午前10時に張り出される。市立函館は函館東校舎の改築工事のため函館北で発表。また、ウェブ上でも受験番号を公開する。アドレスはhttp://www.hmshs.jp/nyushi/nyushijoho.html

 松前高校(桝田規文校長)では、「英語」の「聞き取りテスト」の音声が不調で、代替問題を使用した。同校と渡島教育局は原因究明に努めている。

 開始後10分間に取り組むリスニング問題で、前年度まではテープを用いていたが、初めてCDを使用。62人の受験生が2個所に分かれて試験を受けた。校内放送で音声を流していたが、開始5分後、突然途絶えたため、試験教官が代替試験に切り替えた。問題数、配点などに変更はない。

 同局は「テープを使用していた時も音声の不調による代替問題への切り替えはあり、想定の範囲内。受験生に影響はないようだ」と話している。



◎道議選情勢/渡島、北斗も混戦模様
 30日告示、4月8日投開票の道議選は、渡島支庁区(定数3)と新設される北斗市区(同1)でも前哨戦が過熱している。渡島はこれまで現職2人と新人2人が出馬を表明、北斗は自民党と民主党の現職2人が激突する構図。ともに混戦が予想され、各陣営は地盤を固めながら新たな票の掘り起こしに懸命となっている。渡島では票田の森町の動向が注目されている。

 渡島支庁区には自民党新人、石田広紀氏(58)、民主党現職、岡田俊之氏(67)、自民党現職、川村正氏(66)、保守系無所属の新人、冨原亮氏(33)=50音順=が立候補を表明。

 七飯町前会計課長の石田氏は、今年1月に出馬に名乗りを上げた。出遅れた感は否めなかったが、自民党の公認を受け、活気づいてきた。後援会幹部は「少しずつ浸透している」と手応えを語り、町役場OBや地元町内会を支持基盤に、町職員時代に培った行政手腕、人柄をアピールしながら知名度アップを図っている。

 渡島北部を地盤とする岡田氏は、八雲町に事務所を構え3選を目指す。後援会幹部は「まずは地元での票固めをしっかりした上で、支持の拡大を図っていきたい」と票の上積みを図る。前回選挙ではトップ当選を果たしたが、「票の流れが読めないため、危機感を抱いている」(後援会幹部)とし、知事選と連動した戦いを繰り広げる。

 渡島西部4町村が地盤の川村氏は、松前町に事務所を構え5選を狙う。昨夏に病気を患ったが、約2カ月半に及ぶ治療を経て昨年12月に「完全復活」を宣言。「体調は万全。病気の影響はない」と語り、八雲町旧熊石町地区の票の取り込みにも積極的だ。「自民党が1人では渡島の活性化は大変」と、自身を含む自民党2議席獲得を目指す。

 前七飯町議の冨原氏は昨年5月に出馬表明。同町内でも人口密集地、大中山地区を地盤とし、党派、組織を超えた支援体制を築く。政党の公認を受けていないが、後援会幹部は「組織に縛られない強みを生かせる。次代を担う候補者だということを訴えていきたい」と、若さと行動力をアピール。無党派層の切り込みを図る。

 北斗市区は、民主党現職の長尾信秀氏(61)と自民党現職の長谷秀之氏(48)=50音順=による一騎打ちの公算が高い。ともに2005年の渡島支庁区補欠選挙で当選した。

 長尾氏は旧大野地区を地盤に市街地や漁村にも踏み込み、市内全域を精力的に回る。前回補選の旧上磯、旧大野両地区の票は長尾氏が長谷氏を上回ったが、「市となった以上前回の実績は関係ない。予想以上に厳しい。新たな票を掘り起こしていく」と危機感を募らせる。

 党や支持基盤の労組の組織力を生かした票固めと、後援会による会員増強運動を地道に展開。「3者の歯車がようやくかみ合ってきた」と、告示までの体制強化に全力を挙げる。

 長谷氏は大票田となる七重浜・追分地区の浮動票獲得に躍起。昨年12月ごろから、同地区の住民が働きに出ている函館市や七飯町などの周辺から攻め、知名度アップを図った。さらに前回補選に続き、同地区の主要町内会の支援も受ける。

 地元建設協会など団体からの推薦も多数受けているが、保守層が一枚岩ではないという懸念材料もある。補選で大敗した旧大野地区では切り崩しに苦戦しており、「勝負はこれから。あとは最後まで足で稼ぐ」と必死の様相だ。(道議選取材班)


◎函館市議会、福祉施設建設問題で市長「再検討指示一切ない」
 第1回函館市議会定例会は6日、一般質問を続行し、6氏が登壇した。介護付き有料老人ホーム設置に絡み、道に提出済みだった意見書の差し替えを市長が指示したとされる問題で、井上博司市長は岡田芳樹福祉部長らとの意見交換について触れ、「福祉部長の説明に理があり、この件は認められないと判断した。再検討を指示した事実は一切ない」とあらためて否定した。

 高橋佳大氏(共産党)が一連の問題について井上市長をただした。

 地元政財界情報誌主宰者が顧問を務めていた会社が、市街化調整区域内での老人ホーム設置の許認可をめぐり、井上市長が昨年7月20日、福島恭二議長同席の上で岡田部長、同部次長を呼び、施設設置の可否について再検討を指示したとされていた。

 岡田部長は「市長から意見書を差し替えるような指示はなかった。市長にはわたしの説明で立地できないことを理解していただいた」と否定。福島議長が同席していたことについては「(入室時に)一瞬戸惑いを持ったが、プレッシャーではなかった」と述べた。

 また、井上市長は「今思えば、庁内の打ち合わせであり、議長退席の上で行うべきであったと考えている」と述べた。会議の内容については、市街化調整区域内での設置について、開発審査会にかける方法など、可能性の有無についての確認だったと説明した。その上で「公平、公正を旨としている市政運営の判断通りだった」と理解を求めた。

 同日はこのほか、杉林幸弘氏(南かやべ議員団)、佐々木一朗氏(恵山議員団)、吉田崇仁氏(といグループ)、中市敏樹氏(椴法華クラブ)、熊坂成剛氏(民主・市民ネット)が質問した。


◎戸井高校、08年度の募集停止を回避
 函館市教育委員会の多賀谷智教育長は、6日の第1回函館市議会定例会で、函館恵山高校の募集停止や恵山・椴法華地域からの通学用バス導入で、2007年度の戸井高校への出願が39人となり、08年度の募集停止が避けられる見通しを示した。南茅部高校については「48人の出願があり、当面、2学級を維持できるのでは」と述べた。

 吉田崇仁氏(といグループ)が両校の存続問題についてただした。

 戸井高は06年度の入学者が11人。本年度に続き2年連続で入学者が20人未満となれば、統廃合の対象となる恐れがある。戸井・恵山・椴法華地域では、恵山高を廃校にする代わりに、戸井高へ生徒を集約させる形で存続させるよう住民から要望が出ている。

 08年度以降の見通しは、道教委が3年間の再編計画とその後の4年間の見通しを策定中。ただ、道教委が昨年8月に示した「新しい高校教育に関する指針」では、3学級以下の学校が再編対象となるほか、地域の急激な少子化進行で両校を取り巻く状況は厳しいとみられる。

 多賀谷教育長は「今後とも生徒や保護者の要望を踏まえ、地域の皆さんとともに道教委に対し、両校の存続を強く働きかけたい」と述べた。(宮木佳奈美)


◎江差、新年度予算案 一般50億8846万円
 【江差】江差町は6日、2007年度予算案を発表した。一般会計総額は町長選のため骨格編成だった06年度当初比で1・6%減の約50億8846万円と、厳しい財政状況を反映した緊縮予算。特別会計を含む予算総額は同1・1%減の85億997万円。12日開会の定例町議会に提案する。

 歳入は基金取り崩しで1億6500万円を一般会計に繰り入れる。07年度末の基金残高は2億1699万円。歳出は償還のピークを迎える公債費が12億3167万円。05年度末に103億9107万円だった地方債残高は、07年度末で91億3331万円まで圧縮する。人件費は06年度までの特別職10%、管理職5%、一般職3%の削減に加えて一律5%カットし、約4800万円を削減。

 主な新規事業は、町が検討している法華寺通り商店街の土地区画整理事業で、06年度の基本調査に続く建物補償費などの調査に437万円、国道227号改良に合わせた町道の愛宕交差点改良(延長35メートル、幅16メートル)は620万円、江差小給排水設備改修に1000万円、江差北小開校に伴うスクールバス増便に800万円、町内で唯一の上水道不通地域だった伏木戸地区の水道管敷設支援に150万円を計上。コミュニティー助成として、本町地区が運営する姥神大神宮渡御祭の山車「清正山」の装飾改修に250万円を間接補助する。(松浦 純)


◎鹿部、新年度予算案 一般会計8・4%減
 【鹿部】鹿部町は6日、2007年度予算案を発表した。一般会計は06年度当初比8・4%減の24億円で、国保会計など3特別会計と水道事業会計を合わせた総額は同2・1%減の40億4673万円。8日開会の第1回町議会定例会に提案する。

 一般会計の歳入は、税源移譲により町税が同3・2%増の4億2800万円、地方交付税は同3・4%増の10億9000万円、町債は同27・9%増の21億3000万円。約1億7725万ほどの歳入不足が生じ、基金を取り崩して充てた。

 歳出は人件費が同2・8%減の5億3761万円、建設費は老人いこいの家建替工事や防災行政更新など大規模な事業が終了したことから同42・6%減の3億4608万円。公債費は06年度当初並みの3億4863万円で、歳出全体の14・5%を占めた。

 主な事業は、町道宮浜道路線整備に1601万円、道営の漁港整備事業の負担金6243万円、駒ケ岳演習場障害防止対策である砂防ダムなどの建設費6326万円を計上。新規事業では、鹿部小の避難所非常用発電施設の設置に2025万円、鹿部中の校内放送設備の改修工事請負費129万円、学校給食センターのO―157対策のための調理用器具購入に160万円を盛り込んだ。(鈴木 潤)


◎エアトランセ、定期2路線を乗り合いチャーター便に転換
 地域コミューター航空、エアトランセ(江村林香社長)は6日、函館―帯広、函館―女満別の定期便2路線を14日から乗り合いチャーター便に転換すると発表した。また、国土交通省に対して同日、那覇空港を拠点に新事業を開始するための認可申請を提出したことも明らかにした。

 乗り合いチャーター便は、出発時刻をあらかじめ設定せず、予約状況に応じて決める。運航する路線は、従来の2往復から1往復に減便し、予約状況を見て最大2往復にする場合もある。

 申請した沖縄での事業は、島同士を結ぶ乗り合い便を想定。4月1日からの運航開始を目指し、社員約10人を常駐させ、空港ビル内の受付カウンターと整備点検をする倉庫は他社から借りる。所有する3機のうち1機を沖縄に移す。

 なお、1月末で函館―新千歳、新千歳―女満別間を運休し、2路線体制となった2月の搭乗実績によると、平均搭乗率は前月比6・8ポイント減の23・8%、搭乗者数が同53・9%減の778人。路線別の搭乗率は、函館―女満別が同12・3ポイント減の26・0%、函館―新千歳が同25ポイント減の21・7%と、いずれも大きく落ち込んだ。(浜田孝輔)