2007年4月10日(火)掲載

◎名前呼ばれて元気に「はい」…附属幼稚園で入園式
 道教大附属函館幼稚園(山崎正吉園長、園児72人)で9日、入園式が開かれた。3、4歳児合わせて25人が父母らに手を引かれ、緊張した面持ちで登園。春らしい華やかな衣装に身を包み、幼稚園生活をスタートさせた。

 教職員らが見守る中、父母らと手をつないで入場。山崎園長に一人ひとり名前を呼ばれると元気よく「はい」と返事。山崎園長は「みなさんが入園してくるのを待っていた。早くみんなと仲良くし、友達をたくさんつくって小学校へ行く準備をしよう。良い子のみなさん、明日から元気に来ましょう」とあいさつ。

 教職員が紹介された後、新入生は、教員と一緒に初めてのリズム遊び「アンパンマン手遊び」に挑戦した。なじみ深いキャラクターの登場に緊張していた園児らに笑顔が広がった。

 はな組に入園した亀田本町の大島大知ちゃん(3)は「あいさつの練習をいっぱいした。早くブロックや飛行機で遊びたい」と元気いっぱいに話していた。(小橋優子)


◎各党、後半戦に意欲…道議選道南4選挙区
 8日投開票された道議選で、民主党は推薦も含め、道南4選挙区(11議席)で擁立した6候補全員が当選し、完勝した。自民党は北斗市区で現職が落選、函館市区で新人1人が当選し、道南での議席数は3のまま。一方、知事選は高橋はるみ氏(自民、公明推薦)が荒井聡氏(民主など推薦)らに大勝し、道南でも高橋氏の得票率は62・5%と高く、荒井氏は31・2%にとどまった。道南の民主党は道議選の結束が知事選に反映されず、自民党も追い風を十分に生かせなかった。

 道議選で民主党は、函館市区で3議席を死守したほか、北斗市区と桧山支庁区の1人区で自民に勝利。渡島支庁区は現職1人が手堅く議席を守った。

 函館市区での民主党3候補の合計得票は、5万151票。自民・保守系4人は5万5795票。民主は今回も票割りに成功し、3、4、5位にそろえた。自民は現有1議席を2議席に伸ばしたが、元職の推薦候補が44票差の次点で涙をのんだ。

 ただ、道南や函館市の知事選得票は、高橋氏が約6割、荒井氏が約3割、共産党新人の宮内聡氏が1割弱。函館の荒井氏の得票率が33・1%とやや高いが、道南全体では高橋氏がダブルスコアで圧勝した。

 民主党道8区総支部の板倉一幸幹事長は「知事、道議、函館市議と連動した戦いで、道議と市議はセットで進められた。しかし知事選は政策の浸透が十分でなく、連動がうまくできなかった」と分析。「道議選の結果は、今後の市議選などにつながる」と話す。

 自民党道8区総支部の中村勉支部長も「道議選はそれぞれの選挙区で必ずしも思った結果が出せなかった。しかし知事選は今後の戦いに自信が持てる内容」と評価。

 公明党は道議選函館市区で現職がトップで再選を決め、全道でも7候補全員が当選した。党函館総支部の志賀谷隆支部長は「今回の結果に気を緩めることなく、後半戦の函館市議選も気を引き締め、5人全員の当選を狙う」と意気込む。

 函館市区で現職が落選した共産党も、巻き返しを狙う。党函館地区委員会の伏木田政義委員長は「市議選候補4人の必勝に向け、さらに運動を強化する」と語る。

 函館市長選への対応は、民主、自民、公明とも、現職を推薦・支持する機関決定に変わりはないという。(高柳 謙)


◎森で岡田、冨原氏集票…道議選の得票分析
 8日投開票された道議選で、渡島・桧山両支庁区は、候補が地盤に加えどの地域で集票したかが、当落を分けるポイントとなった。候補が立たなかった森町は草刈り場となり、岡田俊之氏(民主)が2835票、冨原亮氏(無所属)が2809票を集め、勝利を固めた。

 渡島支庁区でトップ当選した岡田氏は、地盤の八雲で全投票数の70%を超える7601票を獲得。長万部、森を加えた北部3町の合計だけで1万2393票を集め、さらに新人2候補の地盤である七飯でも3000票近く獲得したことが大勝を呼び込んだ。

 川村正氏(自民)は、票田の七飯でこそ苦戦したが、地盤の松前を中心に渡島東部4町で9000票近く集票。岡田氏の地盤である八雲、長万部でも2位の得票で手堅く勝利した。

 新人の冨原氏は、後援会長を務めた水嶋清前七飯町長の強力な支援を背景に、七飯で7017票と他候補を圧倒。森でも岡田氏に次ぐ票を集め、地元を中心に確実に固めたことで勝利を呼び込んだ。

 新人で前七飯町幹部の石田広紀氏(自民)は、七飯で冨原氏に2000票以上の差をつけられたことが大きく響いた。

 2氏の一騎打ちとなった桧山支庁区では、福原賢孝氏(無所属)が江差、上ノ国、佐々木俊司氏(自民)が厚沢部、乙部と、地盤や支持層が厚い地域を抑えたが、今金、せたなの北部地域を制した福原氏に軍配が上がった。(小川俊之)


◎市長選の関心高まる…15日告示 桧山3町の首長選も
 統一地方選挙は、道知事選と道議選が終わり、後半戦に突入する。函館市長選と、函館、北斗両市の市議選が15日に告示。桧山管内3町長選と、七飯など渡島・桧山両管内10町の町議選は17日に告示され、いずれも22日に投開票される。このうち、函館市長選は、現職と前助役の一騎打ちの公算が大きく、市民の関心も高まりつつある。

 函館市長選には、現職の井上博司氏(70)と前助役の西尾正範氏(58)が立候補を予定。

 3選を目指す井上氏は昨年9月に出馬表明し、2月に後援会事務所を設置。自民、民主、公明の各党から、推薦・支持を取り付け、地盤を固めつつある。

 一方、昨年末に井上市政を批判し、助役を辞した西尾氏は、2月末に後援会の要請を受け、出馬を決意。支持母体を持たず、草の根運動で支持拡大を狙う。

 函館、北斗両市の市議選は、それぞれ在任特例の終了に伴う、合併後初の選挙。合併前の各町村地区に選挙区を設けた。いずれも少数激戦の様相だ。

 函館市は函館区(定数34)、戸井、恵山、椴法華、南茅部の各選挙区(同各1)に分かれ計38議席。函館区には現職27人、元職3人、新人11人の計41人、戸井、恵山、南茅部の3選挙区で各2人、椴法華で4人が立候補を予定している。

 北斗市の定数は26で、旧上磯町地区を第1選挙区(同20)と旧大野町地区の第2選挙区(同6)で計26議席を争う。第1選挙区には現職、元職、新人23人が、第2選挙区には現職11人が名乗りを上げている。

 町長選のうち、乙部町で出馬を表明しているのは現職の寺島光一郎氏(62)だけ。厚沢部町は、4年前と同様、現職の沢田孝一氏(73)と元助役渋田正己氏(63)。今金町は現職の外崎秀人氏(57)と、元町議の湯浅秀夫氏(66)が立候補を予定している。

 町議選は、木古内、七飯、森、長万部、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻、せたな、今金の各町で執行される。


◎渡島地域 投票率の低さ浮き彫り…道議選投票率
 8日に投開票が行われた道議選の投票率は、函館市区が58・44%で、前回(2003年、合併前の区割り)の57・27%を1・17ポイント上回ったが、今回道議選が行われた19市区中、旭川の58・31%に続き18番目の低さだった。また渡島支庁区も全10支庁区中最下位を記録するなど、渡島地域の投票率の低さがあらためて浮き彫りになった。

 函館市区の道議選投票率は1995年、99年と連続して全道市区中最下位を記録。前回2003年も21市中18位と低迷し、道選管では今回の選挙前、成田一憲渡島支庁長が初めて市内の各大学の学長らを訪問し、学生への投票参加を要請。さらに街頭啓発なとさまざまな投票率向上に取り組んできたが、著しい効果を挙げるには至らなかった。

 新設された北斗市区は62・84%で、全19市区中11位。渡島支庁区は67・81%で全10支庁区最下位。桧山支庁区は77・92%と宗谷支庁区に続き、全10支庁区中2位だった。(小川俊之)


◎市立函館高校開校式
 旧函館東と旧函館北両高校を統合して新設した市立函館高校(森武校長、生徒1117人)の開校式が9日、函館市民会館で開かれた。2・3年生と教職員ら合わせて800人以上が出席。井上博司函館市長の開校宣言に続き、市教委の新里光代委員長が真新しい校旗を森校長に手渡し、市立函館高校の歴史が時を刻み始めた。

 道内2番目に多い生徒数を有するマンモス校となり、単位制や地域を学ぶ講座「函館学」など特色あるカリキュラムに注目が集まる。校舎は旧東高校舎を使用するが、夏休み明けまで改築工事のため、旧北高校舎を使う。この日は始業式も行われ、生徒は新たなクラスメートと新学期のスタートを切った。

 開校式で森校長は「進学重視型単位制、人間性を育てる伝統を継承・発展、郷土の歴史を受け継ぎ未来を拓(ひら)く―の3本柱を目指す。両校の伝統を受け継ぐとともに、文武両道の学校づくりに取り組んでいきたい」と式辞を述べた。

 開校宣言をした井上市長は「函館の現状を認識し、具体的な方向性を導き出すような次代の担い手になれるよう努力してほしい。活気あふれる学校生活を送って」と祝いの言葉を送った。

 生徒を代表し生徒会長の小林茉莉花さんと早川裕香さん(ともに3年)が「函館東・北両校が一つとなった。伝統を大切にしながら、新たな伝統を築きあげていきましょう」と力強く宣誓。吹奏楽部(吉田修介部長、部員99人)が稲岡満顧問の指揮で演奏と斉唱で校歌を披露すると、参加した生徒らは口ずさむなどし、すっかり気に入った様子だった。

 この日は、全道の公立高校で入学式が行われ、同校も開校式、始業式に続き同会場で第1回入学式を開催。新入生320人が新調したスーツを着て式に臨んだ。

 新入生を代表して武田光史(てるふみ)さんは「入学の喜びと新しい学校生活への期待で胸がいっぱい。先輩とともに校風と伝統をつくり上げていくという大役に身の引き締まる思いだが、歴史をつくり上げるため一人ひとりが努力したい」と宣言した。(笠原郁実)