2007年4月12日(木)掲載

◎市長選いよいよ決戦、井上博司氏、西尾正範氏が総決起集会で決意
 15日告示の函館市長選(22日投開票)を直前に控え、立候補を表明している現職の井上博司氏(70)と、新人で函館市前助役の西尾正範氏(58)の陣営が11日、市内のホテルなどで総決起集会を開いた。ともに後援会主催で、告示前最大の集会。会場を埋めた支持者らを前に、両氏が決戦に向けた決意を語り、熱く支持を訴えた。(高柳 謙、今井正一)

 函館国際ホテルで開かれた「井上博司さんとみんなの函館『春の集い』」には、約1200人が参加。村瀬順一郎後援会長が「当選という満開の桜を咲かせよう」とあいさつ。日本商工連盟函館地区連盟の高野洋蔵会長(函館商工会議所会頭)が、北海道新幹線着工や市町村合併、ソウル便開設などの井上氏の実績を挙げ、「清廉潔白で実行力のある井上市長への絶大なる支援を」と呼び掛けた。

 井上氏は「教育、医療、福祉の充実や観光を基盤とした産業振興を図り、市民生活の安定・向上と将来の発展に向けた揺るぎない基盤づくりに全力を挙げる」と訴えた。

 8日の道議選で当選した函館市区の自民、公明、民主の4道議が固い支援を約束。市議や立候補予定者15人以上が壇上に上がり、「頑張ろう」を三唱し、気勢を上げた。

 ベルクラシック函館で開かれた「西尾まさのりを励ます総決起集会」には約800人が参加。西尾氏と高校時代からの友人である齊藤裕志後援会長は、助役辞任の背景や市政の現状を語り、井上氏の政策や姿勢について批判した。その上で「今の市政は信じられないようなことが平気でまかり通っている。函館が大きく変わるチャンスだ。どうか、西尾にそのチャンスを与えてほしい」と訴えた。

 西尾氏は自らが描く指導者像を語り、人材育成の必要性を訴え、「地域の再生と未来は人づくり。わたしは心を育てる市長になる。これから走り回って、市民のための権力をつくる」と述べると、会場から大きな拍手がわき起こった。


◎ネット上の仮想商店街「桧山商店街」が正式オープン
 【江差】桧山管内の企業や個人でつくる「桧山地区インターネット活用推進研究会」が運営するインターネット上の仮想商店街「桧山商店街」が10日に正式オープンした。

 ホームページ(HP)は管内の優れた特産品を全国に発信しようと同研究会が昨年から開設準備を進めてきた。

 トップページは歴史情緒あふれる桧山のイメージをフラッシュ動画で紹介。各店舗の紹介ページでは、商品の由来や桧山にこだわる経営者の思いなどをアピール。1870(明治3)年創業の五勝手屋本舗(江差町)のページでは、江戸時代に始まった小豆栽培の歴史や全国的に有名な「丸缶ようかん」の由来や食べ方も解説する。

 購入ページでは数量を指定し、氏名、住所、メールアドレスなどの情報を入力。商品は注文先の店舗から代金引換便で発送される。

 同研究会副会長の石崎薫北海道電力江差営業所長は「既に初日から順調にアクセス数が伸びています。引き続きページの内容や商品の充実を図っていきます」と語る。

 オープン時点では、五勝手屋本舗、浅野屋、富貴堂の菓子類、吉田酒店やマスナガ酒店の日本酒や厚沢部産サツマイモを使った本格焼酎「喜多里」など8商品を販売する。HPアドレスはhttp://www.shop-hiyama.jp/(松浦 純)


◎札幌管区気象台サクラ開花予想/函館は30日、江差は5月1日
 札幌管区気象台は11日、ことしの北海道各地のサクラの開花予想の第1回を発表した。函館の開花は平年より3日、昨年より7日早い4月30日、江差は平年より2日、昨年より6日早い5月1日と予想。そのほかの道内では平年並みか平年より遅くなるとしている。

 道内13カ所の気象台や測候所に標準木を設定。函館は五稜郭公園、江差は東山町で、それぞれソメイヨシノを対象に開花、満開の状況を調査している。ソメイヨシノを対象としているのは道南と室蘭、札幌のみ。稚内、釧路など8カ所はエゾヤマザクラ、根室はチシマザクラを対象としている。

 平年より早く開花すると予想しているのは道南と室蘭のみ。同気象台では、ことし2月からこれまでの道内の気温は、ほぼ平年より高かったが、今後約10日間は、平年より低くなると予想しており、東日本や西日本のように記録的な早い開花にはならないとしている。

 次回の開花予想発表は18日。(山崎純一)


◎高専と韓国・釜慶大学が学術交流協定
 函館工業高等専門学校(長谷川淳校長、学生1114人)は、韓国・国立釜慶(プギョン)大学校工科大学(鄭海用学長)と学術交流に関する協定書を締結した。函館高専にとっては初めての学術交流協定。長谷川校長は今後、研究者間、学生間交流へ向け、大きな期待を寄せている。

 函館高専専攻科学生は2006年度からサンフランシスコ州立大学(米国)で研究発表するなど、海外の大学との交流を開始。だが、多額の経費がかかるため渡米は毎年2人が限度だった。そこでより多くの学生と研究員が、国際的視野を広げるとともに、コミュニケーション力を身につけてほしいと活発な交流が期待される同大へ協定を打診した。

 釜慶大は学生数約2万6000人の国立総合大学。韓国最大の海洋都市、釜山(プサン)にあり、水産科学大(学部)では先進的研究を進め、北大とも学術交流を行っている。

 06年11月に高専国際活動推進部会の石井良博部会長ら教授3人が釜慶大を訪問。施設などを見学し、正式に協定を結ぶことを決めた。協定書には(1)教育・研究に関する教職員、研究者、学生(高専は専攻科)間の交流(2)共同研究開発や研究集会の実施(3)学術・教育資料など情報交換―などを盛り込み、両校の学長、校長がこのほどサインを交わした。

 学生間交流は08年度からの実施を目指し、高専が研究を続ける「自律ロボット」の共同研究や学生の相互の受け入れなどを想定。研究者間交流は情報交換など本年度から着手する考え。

 同大では近く、サンフランシスコ州立大学との協定締結も考えており、長谷川校長は「今回の協定をモデルケースとして、今後、翼を広げた活動へと発展させていきたい」と話している。(笠原郁実)