2007年4月14日(土)掲載

◎七飯、小型風力発電機を設置
 【七飯】米国・マサチューセッツ州コンコード町との姉妹提携10周年を記念し、七飯町は13日、役場庁舎屋上に小型風力発電機を設置した。14日からコンコード・カーライル高校のスクールバンドら一行が来町し、18日まで記念行事が行われる。町は「風力発電機を交流の象徴とするとともに自然エネルギーのシンボルとし、環境保全の啓発につなげていきたい」と話している。

 記念行事として、18日午前10時から大沼国際セミナーハウスでカーライル高校と七飯高校の生徒によるみなみ北海道青少年環境国際会議を開く。開催をめぐって町とコンコード町側が協議した結果、小型風力発電を記念に設置することにした。

 風力発電は東京の風力発電機メーカー、ゼファーを中心に産学官共同で開発した「エアドルフィンMark―Zero」。ボディー部分がイルカの尾ひれをイメージした風車タイプの発電機で、長さ約80センチのプロペラの羽が回転。微風から暴風まで連続運転が可能で、通常風速3・5メートルで27ワットの電力が生じるという。費用は約130万円。

 設置作業に当たったのは町内の業者と町職員6人。高さ約3・5メートルの支柱に発電機を取り付け、正面西側に支柱を立てた後、庁舎正面に掲示している看板の電球に配線した。

 町では、風力発電を看板のライトアップのほか、教育活動や災害など緊急時の電源に活用していく方針。

 17日午後1時半には一般者に向けに発電機のお披露目式を開くほか、18日の同会議でも風力発電について報告する予定。(鈴木 潤)


◎函館市長選あす告示、現職と前助役対決へ/市議選函館区は34に41人
 任期満了に伴う函館市長選と、在任特例の終了に伴う函館市議会議員選、北斗市議会議員選が15日、告示される。午前8時半から函館、北斗両市役所でそれぞれ立候補受け付けが行われ、22日の投票日(即日開票)まで7日間の選挙戦に入る。函館市長選は無所属の現職で3選を目指す井上博司氏(70)と、無所属の新人で函館市前助役の西尾正範氏(58)の一騎打ちとなる見通し。

 定数特例を適用する函館市議選は、函館区(定数34)に41人、各定数1の戸井区に2人、恵山区に2人、椴法華区に4人、南茅部区に2人の計51人が立候補を予定。北斗市議選も今回のみ旧上磯町地区の第1選挙区(定数20)と、旧大野町地区の第2選挙区(定数6)を設置。第1区に23人、第2区に11人が出馬する見込み。

 函館市長選は、現職とかつての側近だった前助役が対決する異例の構図。西尾氏は、井上氏の市政運営の在り方を批判して昨年12月末に辞職。井上氏への批判を強めて政策を掲げ、井上氏は政策論争での戦いを求めている。井上氏が掲げる市民体育館の移転改築などハード事業に対する見解に相違がある。

 井上氏は自民党、民主党道8区総支部から推薦、公明党函館総支部から支持を受けた。ただ、民主党内では足並みが乱れている。2期8年の実績として、北海道新幹線の着工や市町村合併、中央図書館整備、行財政改革による職員730人の削減などを訴える。

 公約の2大柱に「市民生活の安定向上」「将来にわたって揺るぎない繁栄を続けるための基盤整備」を掲げ、新幹線時代に対応した都市づくり、観光を中心とした産業振興、医療助成の小学校6年生までの拡充、市民体育館の移転改築計画、国宝に指定された中空土偶を核とする縄文文化交流センター整備、職員1000人の削減後、継続して500人の削減計画策定―などを挙げる。

 西尾氏は(1)政治倫理や公務員倫理(2)市民体育館移転などのハコモノ行政の在り方(3)人口減少など函館の現状を認識したまちづくり―で対決姿勢を強める。公平・公正な市政執行や、地元政財界情報誌と経済界、議会首脳、市の密接な関係の是正、透明な市政の実現をまず訴える。

 市民体育館の移転や将来的な市民会館の建て替えを「早急すぎる」と批判し、福祉や市民生活に本当に必要な施設を優先する考えを示す。地域の再生と未来づくりは人づくりから始まるとし、教育関係予算の拡大や子育て支援として乳幼児医療助成の拡大、学童保育所の拡充などを挙げる。行財政改革や国際水産・海洋都市構想の推進などは井上氏と同じ。

 函館市議選に立候補を予定する函館区41人の内訳は、現職27人、元職3人、新人11人、戸井区は現職2人、恵山区は現職と新人の2人、椴法華区は現職3人と新人1人、南茅部区は現職2人。

 北斗市議選の第1区は現職16人、元職1人、新人6人、第2区は現職11人の戦いとなる見通し。函館、北斗とも激戦の様相。(統一地方選取材班)


◎石川啄木96回忌/墓参りと追悼公演で啄木を偲ぶ
 函館啄木会(岡田弘子代表理事)は13日、石川啄木の96回忌に合わせ「啄木忌」を開いた。会会員と市民の約40人が参加。東海山地蔵堂(函館市住吉町16)で法要を営み、近くにある啄木一族の墓参りをした後、再び同地蔵堂で、追悼講演を行った。

 同会では、1912(明治45)年に亡くなった啄木への親しみを深めようと、法要や墓参りのほか講演会を開いている。ことしは道南歌人協会顧問の佐藤任(つとむ)さん(86)が「啄木の短歌と人生について思う」と題し、函館ゆかりの詩人が現代短歌に与えた影響などを話した。

 佐藤さんは、啄木の歌が明治以降の日本人の心に深く入り込んでいることについて、「現代語を使ったことや、歌に感情を込め、やさしく具体的な歌にしているから」と指摘。東京で北海道に関する歌を詠んだことについては「時間の経過は印象を美化させる。北海道を離れた後、時がたったおかげで良い歌を作ることができた」と語った。

 このほか啄木の函館での生活などについて紹介。参加者は啄木の魅力を再認識した様子だった。(山崎純一)


◎危険業務従事者叙勲、道南は9人
 政府は14日付で、第8回危険業務従事者叙勲受章者を発表した。全国の受章者総数は3594人で、うち道内は204人。道南では渡島管内から9人が選ばれた。危険業務従事者叙勲は2003年の栄典制度の見直しで導入。春秋叙勲とは別に、警察官、自衛官など危険性の高い業務に精励した人が対象となる。発令日は29日。

 ◇瑞宝単光章(矯正業務功労)田中義規(よしのり)さん(66)◇

 富良野市に生まれた田中さんは、いくつかの仕事を経て、1967年に刑務官として、愛知県岡崎市の医療刑務所に赴任。83年に新設された月形刑務所(空知管内月形町)への転勤で北海道に戻り、84年に函館少年刑務所に異動となり、2001年の定年退職まで勤め上げた。

 刑務官になったのが26歳ということもあり「人より遅いスタートだったので、与えられた職務を必死に頑張っただけで、仕事がつらいとか考える余裕もなかった」と振り返る。

 それでも「だれの言うこともきかなかった受刑者が、私にだけ心を開いてくれて、出所する時に『お世話になりました』と頭を下げてくれた時はじーんと来た。この仕事が特別なものだとは思わないが、自分自身では使命感を感じていたから、最後まで続けることができたのだと思う」。

 田中さんを支え続けたのが妻の弘美さん(58)。「妻がいたからこそ、仕事に専念できた。受章は妻にささげたい」と話す。弘美さんも「授章式に参加できることを楽しみにしている」と笑顔を見せる。

 現在も更生保護施設函館助成会の補導主任として活動を続けている。「これからは、出所した後の人生を導くために全力を尽くしたい」とさらなる意欲を見せる。

 ◆道南の受章者◆

 氏名、年齢、現住所、功績概要、主要経歴の順。(敬称略)

 【瑞宝双光章】

 石森敬司(61)函館市高丘町、防衛功労、元1等海尉

 齊藤修(69)北斗市市渡、矯正業務功労、元法務事務官

 佐藤恒夫(69)北斗市本町、海上保安功労、元海上保安官

 【瑞宝単光章】

 岡●吏郎=しろう=(61)函館市石川町、防衛功労、元准海尉

 竹本邦雄(76)北斗市久根別、消防功労、元北海道南渡島消防事務組合消防司令

 田中義規=よしのり=(66)函館市桔梗、矯正業務功労、元法務事務官

 對馬二三四=ふみよ=(66)函館市日吉町、矯正業務功労、元法務事務官

 福士一=はじめ=(61)函館市山の手、防衛功労、元准海尉

(小川俊之)

 ●=立の崎