2007年4月15日(日)掲載

◎函館市長選きょう告示
 統一地方選挙後半戦の皮切りとなる函館市長選、函館、北斗両市議会議員選が15日告示される(22日投開票)。午前8時半から函館では、函館市役所(旧4町村選挙区は各支所)、北斗では、北斗市役所と総合分庁舎で立候補を受け付けし、各陣営が一斉に遊説を開始する。厳しい地方財政、地方分権が叫ばれる中、両市ともに少子高齢化対策、雇用問題など街づくりの課題は山積。北海道新幹線の開業を見据えた道南発展の将来図を描く大切な4年間を託すだけに、有権者の判断が注目される。

 函館市長選挙に立候補を予定しているのは、3選を目指す無所属の現職、井上博司氏(70)と、無所属の新人で函館市前助役の西尾正範氏(58)の2人。長年、仕事を共にしてきた2氏の対決に注目が集まる。

 井上氏は、自民、民主、公明の各主要政党から推薦・支持を取り付けた。堅実な行政手腕と2期8年の実績を地元経済界も後押し。一部政党に足並みの乱れがあるが、態勢を引き締め、選挙戦に臨む。

 一方の西尾氏は、出馬表明は2月末と遅れたが、助役を辞した昨年末以来、一貫して井上氏の市政運営に対する批判を展開。草の根選挙で、知名度不足をばん回し、浮動票をどこまで取り込めるかが勝負の鍵となる。

 在任特例が終了し、定数特例を適用する函館市議選は、函館区(定数34)に41人、各定数1の戸井区に2人、恵山区に2人、椴法華区に4人、南茅部区に2人が立候補を表明。特に旧4町村区は「事実上の町村長選」として、住民の関心も高い。

 北斗市議選も旧上磯町地区の第1選挙区(同20)に23人、旧大野町地区(同6)に11人が出馬を予定。函館と同じく、合併後初の議員選で少数激戦模様。22日の投開票日まで激しい舌戦が展開される。 (統一地方選取材班)


◎鳥羽奏さん、ジャズ・ドラムで優秀賞 来夏、米・バークリー音楽院の講習受講
 若手音楽家を対象に3月25日から31日まで札幌で行われた「北海道グループキャンプ2007」(札幌市芸術文化財団など主催)のジャズ・ドラム部門で七飯町在住の鳥羽奏さん(18)=道教育大函館校1年=が優秀と評価されバークリー賞を受賞した。奨学金を授与され、来夏、世界最大の私立音楽大学、米国バークリー音楽院の夏期プログラムに参加することが決まった。鳥羽さんは「いろんな音楽に触れてみたい」と胸を膨らませている。

 同キャンプは若手アーティスト養成のジャズセミナーで昨年度から開催。同大から5人の教授を招き、バークリー流の音楽講義を体験する。

 キャンプには宮崎県からも含め小学生から社会人まで64人が参加。サックス、トランペットなど楽器別のクリニック、アンサンブルなど学科、実習を合わせた5つのカリキュラムが行われた。

 鳥羽さんがジャズに本格的に取り組んだのは今回が初めて。道教大附属函館小から七飯高校まで吹奏楽部で打楽器を担当した。また8歳の時に全国童謡歌唱コンクール、函館白百合学園中学校の時には日本ジュニア管打楽器コンクールと全国大会も経験。市民オペラや市民オーケストラに参加するなどクラシック音楽を中心に活動してきた。

 それだけにアドリブレッスンには戸惑った。ピアノの楽譜だけでドラムの即興演奏を何十曲と演奏。これまでにない体験だった。だが、同大教授のタイガー大越さんから「クラシックの経験が生きており、たたき方など基本がしっかりしている」と褒められ、自信がついた。「ジャズといえども音楽の基礎が大切」。先生の言葉に「受賞はいままでの積み重ねのおかげです」と振り返る。

 バークリーでは7―8月の5週間、同大教授から直接、指導を受ける。鳥羽さんは現在、渡航費をためるためのアルバイトと語学に打ち込んでいる。同大の推薦を受ければ留学の道もあるが「まだジャズ一本に絞ろうと思わない。今はオーケストラなど分け隔てなく挑戦してみたい」と目を輝かせていた。

 なお17日午後6時半から、七飯町文化センター(同町字本町568)で米国マサチューセッツ州コンコード・カーライル高校のスクールバンドと母校・七飯高校との合同演奏に特別出演する予定。


◎道教育大附属4校園で遊具点検
 岐阜県内の小学校でロープ遊具の破損によって児童がけがをした事件を受け道教育大附属函館4校園(函館市美原3)は13日から、緊急の遊具安全点検を行っている。事件発覚後、同校園ではすべての遊具を使用禁止。市内業者が小・中学校で使用される鉄棒など、合わせて20基以上を来週中に点検する。

 道教育大(本部・札幌)は道内4キャンパスに設置する附属全校園に12日、口頭で安全確認調査の実施を伝えた。函館の4校園は13日の附属函館小学校を皮切りに金属工事・加工などを行う矢田工業が調査を実施。点検では地中を掘り返し、土台部分をチェックするほか、ボルトの締め直しやさび止めを塗るなど、園児らが安全に遊ぶ姿を思い浮かべ、作業を進める。作業が終了次第、順次、使用を開始する。

 附属函館幼稚園は「これから園児が外で遊ぶ時期なので、しっかり安全を確認したい。月1度の安全点検も、引き続き行っていきたい」と気を引き締める。

 市内公立小学校は、事故が起こった同型の遊具はない。また、昨年7月に一斉点検したため、今回改めて調査は行わない予定。市教委によると「毎月、各校の教職員が点検しており、安全性には問題ない」と話している。 (笠原郁実)


◎「市民生活のしおり」改訂版に広告掲載
 函館市はこのほど、市の窓口業務や事務、各種制度を一覧にした「市民生活のしおり」の改訂版を発行した。市内全世帯と市内転入者に配布している。発行経費の抑制と自主財源の確保に向け、今回初めて民間企業などから広告を募り、37社・団体が協賛、約227万円の収入を得た。

 人口や世帯数、就業構造、気温、主な歴史などから始まり、市税の種類や戸籍、国民年金、福祉、医療助成、ごみ収集などの身近な業務やサービスを紹介。市民相談は市役所1階や亀田支所に設けている相談室と相談内容のほか、恋人や配偶者などからの暴力(DV)に対応する官民の相談窓口、消費生活に関する窓口などを掲載している。

 このほか商工、労働、道路、教育、市電、防災、消防、広報などの業務や体制、各種制度を伝えているほか、巻末には市の主要施設の名前、所在地、電話番号を掲載した。

 A4判、44ページ。問い合わせは市広報課TEL21・3631。 (高柳 謙)


◎コンコード町と姉妹都市提携10周年、高校生ら105人来町
 【七飯】米国マサチューセッツ州コンコード町と姉妹都市提携10周年を迎えた七飯町は14日、同町西大沼の函館大沼プリンスホテルで記念式典を開いた。コンコード町からカーライル高校スクールバンド所属の高校生を含む訪問団(トム・カーティン団長)105人が来町。式典には、同訪問団やホストファミリーを務める町民、来賓ら約300人が出席し、両町のさらなる親交を誓った。

 式典では、七飯町の中宮安一町長が「(訪問団の滞在中)グローバルな意識を持ち一歩進んだ交流を図っていきたい」と歓迎のあいさつした後、訪問団のカーティン団長は「両町のきずなをより強くしていけるような新しい交流を続け、協力していくことを楽しみにしている」とあいさつした。高橋はるみ北海道知事の祝辞を成田一憲渡島支庁長が代読、在札幌米国総領事館のイアン・ヒルマン領事の祝辞に続き、中宮町長とカーティン団長が姉妹都市提携10周年再盟約書を交換した。 

 アトラクションでは、七飯男爵太鼓のメンバー5人が和太鼓の勇壮な響きを披露し、式典を盛り上げた。カーライル高校の生徒たちはホストファミリーと同じテーブル席で食事をし、片言の英語や日本語を交わしながらコミュニケーションを図っていた。訪問団の中には、何度か七飯町を訪問している人もいて、国際交流活動を通じて親しくなった町民との再会を喜ぶ姿も。

 ホストファミリーを務める山川俊郎さん(58)は「楽しみに待っていました。ふとんで寝てもらい少しでも日本の生活習慣に親しんでもらえれば」と歓迎している。同校のレイチェル・ポプリスさん(17)は「ホストファミリーは親切でやさしい人。期間中いろいろな体験をしたいです」と笑顔を見せてた。

 一行は19日まで滞在。期間中、記念行事も行い、同校スクールバンドと七飯高吹奏楽局、七飯中吹奏楽部が共演する親善コンサート(17日午後6時半から七飯町文化センター)やみなみ北海道青少年環境国際会議(18日午前10時から同町大沼国際セミナーハウス)を開く。

 両町の交流のあゆみは、1993年10月に北海道初のマサチューセッツ州姉妹市町村交流訪問が行われた際、七飯町から12人がコンコードを訪問したのが始まり。その後、両町の小中学校レベルでの交流が盛んになり、97年5月、コンコード町で開かれたタウンミーティングで姉妹都市提携を決め11月に正式に調印した。 (鈴木 潤)